みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
30.69回目の終戦記念日に、この映画を観たことには、意味があったと思える。 つくづく思うことは、やはりこの国の人々は、自国での「戦争」のことを知らな過ぎるんではないかということだ。 知らないというよりも、目を背け続けていると言う方が正しいかもしれない。 戦争体験者も、未経験者も、まるで持って生まれた「体質」が無意識にそうさせているように、言及し、追求することを避け続けているように思える。 それは、時間の経過と共に、より一層に“語り継ぐ”ということの重要性が叫ばれている今となってもだ。 体験としての悲劇が語られる場合はまだ多い。しかし、なぜあの戦争が起こったのか、なぜあの戦争が終わったのか。その核心的な部分については、まだまだひた隠しにされている「事実」が多過ぎるように思わざるを得ない。 それが、この映画の主題としても描かれる、日本人の性質に直結するものかどうかということも興味深いし、一つの可能性として描かれる「史実」もとても興味深かった。 昭和天皇とマッカーサー元帥並ぶあまりに有名な一枚の写真。 あの不穏さと互いの所在なさを感じる歴史的な写真の裏に隠された事実は何だったのだろうか。 日本という国にとって、マッカーサーとはどういう人間だったのか。 日本人という民にとって、天皇“裕仁”とはどういう人間だったのか。 この映画で描かれている物語が総て真実だとは思わない。 しかし、この国が守り続けた美徳も、それに伴う愚かさも、その描かれ方は、決して過剰なわけではなく、確かな一側面を描いていると思える。 そういう意味で、この映画の演出、俳優たち演技は、それぞれ真っ当だったと思う。 ストーリーテリングや編集に稚拙さを感じることは禁じ得ない。 でも、多くの人が“タブー”として目を背けがちである事実を、アメリカと日本の人々が供託して追求したことの価値は高いと思う。 【鉄腕麗人】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2014-08-16 00:23:38)(良:1票) 29.《ネタバレ》 まずは天皇制維持に貢献したボナー・フェラーズ准将に今を生きる日本人としてお礼を申し上げたい。私は准将のことを知らなかったのでこの映画を観て良かったと思っている。が、面白かったかどうかはまた別問題で、天皇を裁判にかけるべきか調査して回る日々についてはどうにもドラマが不足している印象。だからか要らぬ恋愛話まで盛り込んでいるし…。准将は「天皇を裁けば日本は大混乱に陥る。開戦の責任は不明だが、戦争を終わらせたのは天皇である」という報告書をまとめる。これを読んだマッカーサーは天皇に会うと言い出し、準備を命じた。日本人にとっては有名な話だが、マッカーサーは天皇が自己保身のための弁明をするものと思っていた。しかし陛下は「私はどうなってもいいが天皇の名のもとに戦った人々を救ってほしい」と述べられる。マッカーサーは胸を打たれ、態度が一変したというもの。これがアメリカの映画で描かれたことはそれなりに意味があるだろうし、良かったと思う。実際、准将の10日間よりこの数分間の方がジーンとくるものがあった。 【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-08-15 00:14:47)(良:1票) 28.《ネタバレ》 この映画のキーは「本音と建て前は違う」という当時の日本人にとっての常識が、全く理解できない米国人(あるいは本音と建て前が混在化してきた現在の日本人観客)に、いかにそれを理解させるかということに尽きると思います。「天皇は権能上、最高意志決定者である」という建前。「しかし実際には、天皇個人の意志は国策にほぼ反映されない」という事実。東条も木戸も近衛も、この時代の多くの日本人も疑問に思わなかったこのギャップをフェラーズ准将が、いかにマッカーサーら米軍側に理解させられるかのヒントを探す過程が描かれていました。ただこの映画を見ても、それが理解してもらえるのか…はちょっと分かりません。アヤとの数々のシーンはフェラーズの心情を理解する上で必要だったのでしょうが、彼が個人的感情を優先させるような小さな人間のようにも見えてしまい、かなり邪魔に感じてしまいました。 【蛇蟇斎狐狸窟】さん [映画館(字幕)] 5点(2013-09-14 20:17:55)(良:1票) 27.《ネタバレ》 恐らく本作製作陣の方々は事前の各種検証をかなりしっかりと実施されたのだろう。 日米の当時の状況を踏まえ、双方に対し敬意を表し丁寧に創られた作品となっている。 今の世の中で有ってはならない事だが、日本文化を過度にデフォルメした表現も皆無だ。 この時代の話はNHKを初めとして数多くのドキュメンタリーが存在するが、それらと本作の存在を明確に区別させる為に挟み込まれたフィクション部分(主にアヤとの恋愛関係のシーン)も過剰になりすぎず好感が持てる。 他レビュアーの方も書かれていたが、昭和天皇とマッカーサーの会見シーンは俳優陣の名演も有り、良いシーンになっていると思う。 もっと多くの日本人、特に若い方に見て貰いたい作品だ。 「蛇足」 決して宣伝では無いが、本作を観賞された皆さんには、オリバー・ストーンが監督したアメリカ近代史を検証するドキュメンタリーも是非見て頂きたいと思う。 【たくわん】さん [映画館(字幕)] 8点(2013-08-06 09:09:25)(良:1票) 26.《ネタバレ》 とても良いものを見させて貰いました。昭和天皇の戦争責任を巡って、当時の日本の国民性・精神性が検証されます。信奉するもののために従順にも凶暴にもなれる国民という所見によって、占領政策の大綱が建設的な方向で進んだことが分かります。日本国民にとって、昭和天皇が好戦的な方で無かったことは周知の事実かも知れないけれど、法廷的な意味での証拠を挙げるとなると簡単では無い。フィクションも入っているはずなので正確なところは分かりませんが、開戦の責任では無く、終戦への寄与で立場が安置される決着は納得し易かったです。それらの方針決定に、GHQの親日家が尽力したことは初めて知りました。 本作のクライマックスは昭和天皇とマッカーサーの会談です。その内容に感動している自分に少し驚きました。「占領」の事実しか窺えない例の写真を見るたびに、やはりどこか悔しい想いがあったのだと思います。これからは、違った視線で見られる気がします。 細かいことだけど、教科書には載らないような描写で自分のなかの「戦後」が肉付けされました。A級戦犯を特定した過程、GHQの高官でも皇居には立ち入れなかったこと、昭和天皇・マッカーサー会談のために踏まれた手順、などです。近衛文麿の言葉で戦争責任の根底にある欺瞞にもチクリと棘を刺します。内容の濃い映画だと思います。 【アンドレ・タカシ】さん [映画館(邦画)] 8点(2013-08-06 01:37:29)(良:1票) 25.この映画を日本映画として見ると多少物足りないかもしれない。しかし米国映画として見たら、おつりが出るほどの良い映画だと思う。外国人監督が日本を舞台にした映画を描くと多少なりとも違和感を覚えることが多い。日本の文化や伝統、因習、生活空間といったものが欧米とはすごくかけ離れているからだ。ところがこの映画は、私が見たそういったものの中で一番違和感がない。それどころか、日本人監督以上に戦争直後の日本を描いていると思う。またその時代において、天皇とは何か、戦争責任はあったのかを追求していった実在の人物フェラーズ准将には頭が下がる。我々日本人にとっても天皇がどういう存在だったか知ることができるし、大詰めの天皇とマッカーサーの面談は見もの。この映画は日本人だけでなく、広く外国の方にも見てほしい映画だ。 【ESPERANZA】さん [映画館(字幕)] 9点(2013-07-31 21:28:25)(良:1票) 24.《ネタバレ》 作品の視点はアメリカ人の側から描かれており、終戦ものとしては日本人にとってはあっさりした作品になっています。東条英機、近衛文麿、木戸幸一といった実在の大物も「天皇に戦争責任はあるのか」というGHQの捜査に対する一証人として登場する程度ですが、これも映画の視点を考えると仕方がないところだと思います。 また、本作はアメリカ人にとっては理解が困難な日本の精神文化や、特に当時の天皇とはどういう存在だったのかという点にも焦点が当てられています。天皇の登場はラストのマッカーサー邸での会談のみですが、2人が並んで映った写真と共に有名なこの会談を見せてくれただけで十分だと思えました。 日本に思い入れがあり、日本というものを理解しようとし、終戦直後の日本であの立場で、当時の日米の置かれた状況と天皇をどう処遇すべきかを感情論ではなく冷静に分析できるアメリカ人がいた。本作のいい所はその名が広く知られたマッカーサーではなく、フェラーズ准将を主人公としたところだと思います。 もう1つ描かれているのがフェラーズと日本人女性アヤのロマンス。ここにはフィクションが含まれているようですが日本人女性との出会いが、フェラーズが日本について学び日本への思い入れが深まることになる重要なきっかけになっています。 マッカーサーは本作では脇に回っていますが、演じたトミー・リーは流石に貫録のある存在感がありました。 【とらや】さん [映画館(字幕)] 7点(2013-07-31 18:20:06)(良:1票) 23.《ネタバレ》 “Emperor”『天皇』。シンプルなタイトルです。王様である“King”より上の位で、皇帝や帝王もエンペラーという称号ですが、現存するエンペラーは日本の天皇陛下だけだそうです。それって素直に凄いことだと思います、はい。 終戦直後の焼け野原の日本が舞台。天皇を処刑しようか、生かそうかって連合国の結論を出すことを任されたマッカーサー。その為にたった10日で調査を依頼されるフェラーズ。戦争に引き裂かれた恋人アヤの現在を調査依頼された高橋。…これ、アメリカ人が観て面白いのかなぁ? 日本人の書いた原作があっての映画化だけど、日本人が終戦のイメージとして脳裏に焼き付いている原爆。テロップは8月6日の広島なのに、映像は長崎に落とされたファットマンのチグハグさ。こういう記録映像ってちょっと調べれば間違いに気がつくだろうに、そんなにコダワリは感じられない。 またフェラーズの実情、活躍は映画とは少し違うようで、この辺りも当時どこまで解っていたか定かではないけど、何かこう、フェラーズの人物描写の薄っぺらさに繋がってしまう。 原作には無いというフェラーズとアヤのラブストーリー回顧録。そもそも10日で天皇の生き死にが掛かる中、マッカーサーが任された日本再生のスタート地点がどこになるのかが掛かっている中、近々に命の危機が迫っているでもないアヤの消息調査は、今やるべきことではないでしょう。 歴史物の割に本作は107分と短い。広島と長崎の原爆も、フェラーズとアヤの恋愛も、この映画の主題である“どうして天皇を生かすことにしたのか?”には関係がない。 見どころはやはり天皇とマッカーサーの会談。あの有名な写真が撮られた時、あの部屋で何が話されていたのか?に絞られてしまう。あの場面を観るための映画なんでしょう。それにしては短く感じたけど。マッカーサーに苦手な葉巻を勧められて、我慢して吸う陛下は入れても良かったかと思います。 アメリカ人が観ても面白いとは思えないこの映画、何故2012年に公開されたのか? 世界に衝撃を与えた東日本大震災。その僅か一月半後に自ら被災地に駆け付け、膝を折って被災者を直接見舞う、当時の天皇陛下の映像を見て、終戦時の昭和天皇と重なるものを感じたのかもしれません。 戦後から、震災から、どん底から再生してきた日本と日本人。“Emperor”の響きからは到底想像できない天皇陛下の行動。この映画は“戦争責任”を題材にした映画ではなく“日本人の精神”を理解しようとした映画なんですね。 【K&K】さん [インターネット(字幕)] 6点(2023-04-11 00:51:52) 22.《ネタバレ》 期待して見たら、意外とあっさりしていた。調査官の人が女性を追いかける下りはあまり必要がなかったような。けど、あのお父さんのあたりは確かに必要だが…。歴史物にはヒロインは必要ないでしょう。 【木村一号】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2021-08-21 22:12:10) 21.《ネタバレ》 最終的にA級戦犯として捕らえられた人物さえも粗悪に映し出す事なく、あくまで両国互いの姿と行動を紳士的に撮り進められた点については(感謝したいとまではいいませんが) 良心的に捉えさせてもらいたく思います。 過去の凌ぎ合いや遺恨はあれど、今の現状、アメリカが日本人の事をこれほど丁寧に穏やかに描いてくれていることについて、すごく意外であったりしました。 ただ気になる点としては、冒頭のナレーションでヒロシマへ原爆投下した際のキノコ雲を映し出し、日本が降伏したのは8月6日と言っていましたが、その3日後の8月9日、ナガサキへ行った二度目の原爆投下については一切触れず語られませんでした。そこはいかに受け止めるべきだかと思えてしまった。米国が起こした派手な過ちは一度ではなかったのですから二度に及んでいたのですから そこ端折ってしまう? と思えてしまいましたよ そしてその後、天皇裕仁による例の玉音放送により国民が終戦を知らされた事についても触れられていない そこ端折る? など思えてしまいましたが そこは映画というエンターテイメント! 時間の問題、その他いろいろ仕方がないかなという思いもあります。だったらいっそ、そろそろ我々日本人目線で描かれる終戦エンペラー それを見てみたい気がする いつになるのだろう 可能性としてはかなり難しいのだろうが 僅かながらにでも期待してみたい。 【3737】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-08-24 18:55:24) 20.《ネタバレ》 面白かった。アメリカ側から見た終戦直後のおはなし。 フェラーズさんの日本人女性をおっかけるくだりは余分だった気がしないでもない。 もう少し史実寄りのドキュメントが好みです。 【あずれも】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2016-12-13 09:41:28) 19.難しいテーマだよね。少なくとも『パールハーバー』よりは見る価値はある。 【あきぴー@武蔵国】さん [DVD(字幕)] 5点(2016-11-08 01:16:50) 18.《ネタバレ》 史実にどれだけ忠実であるか分からないため、感動的なシーンにさえ自分のなかで冷めたフィルターがかかってしまって、どうも乗り切れませんでした。マッカーサーを軸にした話かと思っていたら、彼の下で戦争責任の究明をする人物が主人公でした。主人公の恋人の日本女性と、通訳の日本人男性は知らない役者さんでしたが、2人とも存在感ありました。天皇陛下に関する様々に何の証拠も見出せないという事態が僕には胡散臭くて、視点も多角的に検証する感じはないので『真実』についてはこの映画では考えようがない気がしました。映画を観た感想としては、この映画の通りなら天皇陛下(昭和天皇)ってすごくカッコイイ人だったんだなと感じました。直接体に触れてはならないという人物との握手がとても印象的でした。マシュー・フォックスが竹林をうろつくと『LOST』のシーンに見えて仕方なかったです。 【だみお】さん [DVD(字幕)] 5点(2014-07-29 04:20:25) 17.《ネタバレ》 見てよかったと思います。一つはボナー・フェラーズという今まで全く知らなかった人物について知る機会を与えてくれたこと。もう一つは初音映莉子という女優の魅力に触れさせてくれたこと。(ほんと個人的な嗜好なんだけれど、美人なのに売り出す機会に恵まれなかった女優さんって、愛おしさがましてw) ただ、題材はよかったかも知れないけれど、映画化にあたってのフィクションがめためた、最悪です。この映画だけ見ればまるでフェラーズという人物が女性に対する恋愛感情のみで日本へ好感を持ったある意味非常に安っぽい人物に受け止められてもしょうがありません。日本の恩人ともいうべき人物なんで気の毒です。それからこの映画に描かれた出来事に関して重大な役割を果たした「河井道」という女性を完全無視なのもいかがなものでしょう?(詳しい説明は避けますが、この映画の内容に興味がある方は是非検索を) だいたいありもしない恋愛要素を取り込むためにフェラーズさんを20歳ぐらい若く描くに至っては映画のリアリティを最初から放棄してると言わざるを得ません。大学を卒業して十数年で将官とかwwwww。 しかし、天皇の戦争責任について、アメリカでは大こけするくらい日本に好意的なこの映画でもこの程度なのは残念です。 大日本帝国憲法第55条 ①国務各大臣ハ天皇ヲ輔弼シ其ノ責ニ任ス ②凡テ法律勅令其ノ他国務ニ関ル詔勅ハ国務大臣ノ副署ヲ要ス。 この条文に基づき、憲法上の大権行使についてはすべて必ず国務大臣の輔弼を必要とし、輔弼なくして天皇が独断で大権を行使することはできず、敢えてそれを行うとしたら憲法違反と言わなければならない というのが戦前の憲法解釈の通説でした。(だから、こそ軍部はクーデターで憲法を停止しようとしたわけで) 侵略だったのかどうか、虐殺があったのかどうかなんていう主観的な事柄とは違って、明文の憲法として存在し、またそれに基づいて政治が行われていたという極めて客観的な事実がほとんど触れられることもなく、ましてや世界に対して説明されてないのは極めて残念です。 【rhforever】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-06-05 15:18:15) 16.天皇の戦争責任という重いテーマを扱いながらも、最後まで軽快にテンポよく進み、判りやすくどなたでも観れる良質な作品であったと思います。米軍将校の視点で描かれているのですが、当時の日本人が神秘的でミステリアスな存在に描かれていることが面白かったです。 【ぽじっこ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-05-25 21:49:59) 15.《ネタバレ》 昭和天皇の戦争責任――。この日本人にとっては極めてポリティカルでナイーブなテーマを、戦争犯罪を調査するある一人の若いアメリカ軍人の姿を通して描くシリアスな歴史ドラマ。「天皇を絞首刑にしろ!」などという、日本人にとっては口にするのも憚られるような台詞がばんばん出てくる(特に昨今の右傾化する風潮の中では)作品をアメリカ人が撮ったということで、かなり危険な地雷を踏んでるんじゃないかという懸念を持ちながら、この度鑑賞してみました。だったのですが、スタッフたちがかなり入念にリサーチしてから撮影に臨んでいることが窺える丁寧な描写に最後まで違和感なく観ることが出来て素直に好印象です。日本が大混乱に陥ることを承知で戦犯として処刑すべきか、焦土と化した日本を再建させることを最優先に無罪とすべきか、ここまでぎりぎりの判断があったとは大変勉強になりました。そして、タイトルに「エンペラー」とつけながら、終始シルエットのみの描写でほとんど出てこない昭和天皇が、最後に全国民のために厳かにその姿を現すシーンには日本人として深く胸に迫るものがあり、やっぱり感慨深かったです。ただ、そんな政治ドラマを優先させたからか、主人公と日本人女性アヤとの恋愛パートがかなり薄味となってしまったのが残念でした。アメリカへと帰ろうとする彼の乗った車を、「待って!行かないで…」と叫びながらアヤが追いかけるという超ベタなシーンには、ちょっぴり失笑です。それでも、かなりリアルに再現された終戦直後の焦土と化した東京描写や、敢えて加害者であるアメリカ側からあくまで真摯にこのテーマへと取り組んだという意義に、敬意を表して7点。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-03-30 11:25:46) 14.太平洋戦争における天皇陛下の処遇に焦点を当てています。それと同時に、その捜査を任命された男の愛にも焦点を当てています。予告編ではまるで歴史ミステリーかのように煽っていますが、鑑賞してみるとそんなことはなく、割とあっさりとしています。そして、主人公であるアメリカ軍人が、日本人女性との回想を振り返りつつ、日本人の精神を理解していくといのがこの作品の本筋になっています。なのでミステリーというよりは、純愛と探究心による精神改革、とでも言えましょうか。ただしそのへんもなんだか淡白な印象です。演出のせいなのかな。他にも言いたいことは山ほどあるけれど、ここのサイトが荒れそうなので止めておきます。 【Dream kerokero】さん [DVD(字幕)] 5点(2014-03-06 21:23:19) 13.《ネタバレ》 アメリカ映画でありながら、トップシーンに原爆投下を持って来た勇気。本編中で何度も空襲による日本側の被害に言及した勇気には感銘を受けました。さらには、中村雅俊演じる近衛文麿に、「確かに日本は侵略行為を行ったが、では、同じことをしたイギリスやアメリカが裁かれたことはあるのか?」とまで言わせ、東京裁判の正当性に対する疑義を投げかけたという点でも、本作の製作意義はあったと思います。終戦前夜に日本国陸軍によるクーデターがあったという話はさすがにエスカレートしすぎでしたが、それでも、全体としては非常に丁寧に作られた作品だと感じました。いよいよ天皇が登場する場面の、こちらの背筋まで伸びてしまいそうな荘厳さと緊張感の再現も見事なものであり、よくぞここまで日本人の感性に寄り添った映画を作れたものだと感心しました。それと同時に、『硫黄島からの手紙』同様、本来は日本人の手で作られるべき映画を外国人に作らせてしまったという点が、何とも歯がゆくもありました。まだまだ、日本には言論の自由がないのだなと。。。 以上、本作の骨格部分は素晴らしいと感じたのですが、それが映画としての面白さにつながっていないというのが残念なところ。主人公に与えられた時間はわずか10日間であり、しかも、天皇ヒロヒトを処刑せよという本国からのプレッシャーや、そうした本国の動きに同調した同僚による横槍も入ってくる。そうした一連のシチュエーションが準備されていたのだから、それらを活かした激しい攻防戦でもあれば盛り上がったと思うのですが、実際には、主人公が気の向くままに人と会い、見聞きした内容をレポーティングすると上司のマッカーサーが納得して万事解決という、何とも平板な展開にとどまっています。また、主人公と日本人女性とのロマンスや、通訳男性との友情という一連のサブプロットも有効には機能しておらず、尺のかさ増し程度にしかなっていません。焼け野原となった終戦直後の東京の再現は素晴らしいのですが、そんなビジュアルの一方で話にはスケール感が伴っておらず、NHKのスペシャルドラマでも見ているかのような印象を受けたという点もマイナス。プロジェクト自体の志の高さに対して、監督や脚本家の能力が追い付いていないという点が、映画を物足りないものにしています。 【ザ・チャンバラ】さん [ブルーレイ(字幕)] 5点(2014-03-03 00:01:47) 12.《ネタバレ》 淡々と話は進むが、アメリカ人が日本人の地雷をうっかり踏んづけて大変なことになってしまうんじゃないかという緊張感でハラハラする。主人公が親日家のせいで、そういったトラブルを簡単に回避できてしまうのは、物足りない。製作者もちょっと日本に気を使いすぎたか、ドラマを作りきれていない部分がある。 日本のことをよく知らないアメリカ人が修羅場を体験しながら学んで行く話の方が面白いのではないか。 ラブストーリーが挿入されちゃっているのが邪魔に感じるんだけど、最終的には、主人公と運転手との友情物語でもあったんだと考えると、あながち無駄とも思えない。 そして、マッカーサーを演じたトミー・リー・ジョーンズの迫力とクセモノ具合は、かなり際立っていて、シリアスながらもユーモアをビンビンに感じられて大変良い。 【すべから】さん [映画館(邦画)] 7点(2014-02-10 23:58:47) 11.《ネタバレ》 「LOST」を見てたときからマシュー・フォックスが好きでした。彼を主役に日本が舞台の映画が作れらると聞いた時は、本当に嬉しかったですね~。やっぱり格好よかった。あの、この映画がどれほど史実に忠実なのかは正直わかりませんが、確かに、もし天皇を有罪にしたら、今の日本とはかなり異なる国家になっていたかもしれません。なので、現代の日本、そして当時の日本の人たち、といったものを考えるきっかけを与えてくれる。アヤとの恋愛物語は、恋愛ものとしては確かに薄味かもしれませんが、このエピソードがあることで戦争の悲惨さをより伝えることが出来る。トミー・リー・ジョーンズの存在感は相変わらずですが、初音映莉子も凄く良かった。他の俳優さん達も、英語の台詞を難なくこなされていて、皆さん努力されたんだろうなというのが見て取れる。あと、昭和天皇を最後まで出さない展開が巧いですね。いかにも神秘性の演出といった感じで。 【あろえりーな】さん [ブルーレイ(字幕)] 6点(2013-12-28 21:31:27)
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