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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
8.《ネタバレ》 オーソドックスな復讐劇の体裁ながら、悲壮感は弱目です。その理由は次の通りと考えます。①娘の死が殺人とまでは言えないこと。 同級生からの虐めを苦にした自暴自棄による事故死ですから、父親にしてみれば“殺された”と感じるのは当然ですが、娘の自己肯定感の低さが根底にあったことも見逃せません。出生時に母の命と引き換えに生を受けたという負い目は強烈なトラウマとなり、娘の命を奪った遠因と捉えることも可能でしょう。事実、父の怒りの矛先は加害者だけでなく、娘の心の傷をケアできていなかった自分自身にも向けられており、異なるベクトルへの激情が“復讐の推進力”を弱めていたと考えます。②加害者が小物過ぎる。 弱者が強者に一矢を報いることが復讐劇の醍醐味のひとつ。というより、ジャンルに関わらず敵役は強くなくてはいけません。本作の場合、加害生徒の『女子高生』という立場は強者に分類されるかもしれませんが、主人公の『大学講師』も決して低いとは言えず、社会的地位によるハンデはさほど感じられません。また、加害生徒はスクールカーストでトップに君臨する女王ですが、あくまで子ども集団の中での話。芸能事務所の面接エピソードからも分かるように、一般社会で通用する人間力ではありません。現時点では、単に自己評価だけは高い(自尊心だけは高い)子どもでした。そんな未熟な子ども相手に、大人が本気で潰しにかかれば、ひとたまりもないのは言わずもがな。父が酒を絶ち反撃体制を整えた時点で、この勝負の結末は見えました。なお、父の復讐プランは、前述したように自分自身と加害生徒両方に向けられたものであり、自罰と他罰両方の性質を併せ持つものでありました。③内野聖陽。 感情移入先として、正直適役とは思えません。彼は最後に勝つ人間の面構えをしています。もっと“弱さ”を体現できる人だったら一緒になって苦しめた気がしますが。 悲壮感弱目の復讐劇は、物足りないとも言えますが、おそらく国民性も影響している気がします。加害者だけでなく自分自身にも非があると考えるあたりが、某隣国映画と決定的に違う点であり、復讐劇の“濃さ”や“強さ”を分ける要因となっているのではないかと。 【目隠シスト】さん [インターネット(吹替)] 6点(2021-05-02 16:24:26) 7.《ネタバレ》 いじめっ子の主犯格の子が、かなり若い小沢真珠さんに見えました。 という冗談はさておき、不快感やら嫌悪感やら、色々ざわざわした気持ちになる映画でした。 舞台はミッション系の女子校。そこで早速女子生徒三名がなにやら不穏な空気を醸し出す。なんか嫌な空気感だなと思った瞬間、そのうちの一人がベランダの手すりにのぼり、そこから足を踏み外す。そんなところから始まる『罪の余白』 いじめに至るまでの過程がよくわからない。最初は誕生日にケーキあげたり普通に仲良かったはずなのに、なぜ急にいじめる対象に変わらなければならなかったのか。でもその辺が不透明なところも、ある意味リアルなのかもしれない。実際のいじめも他人から見ればよく分からない理由で始まってることも多々あるんだろう。良いか悪いかは別にして。 安藤父(=内野聖陽さん)は娘の事故死以降抜け殻のようになりますが、日記の存在を知ってから一転、彼女の死の真相を究明すべく動き出します。動き出したはいいのですが、やっていることは基本、「娘の学校周りをうろついて関係者を問い詰める」or「関係者を捕まえたら娘について知ってることを聞く」その二つの武器のみで物語全編を闘います。一応、合間に娘の携帯のデータを復帰させたりとか、主犯の子のプライベート探ったりとかはするんですが、それをその子たちに問い詰めたりする材料としては使わないと言う、じゃあその携帯のデータ復帰のくだりはいるのかねっていう感想です。使わないならそんなシーンなくても良かったのに。 なんか、頭の良さげな冷淡な女子高生って設定は、『古畑任三郎』シリーズや『ガリレオ』などでもよく似たやつを見たことがあるので、自分の中では二番煎じ感が強くてあまり入り込めなかったです。かといってそんなに話の中のキャラに魅力を感じたわけでもなく、淡々とストーリーが流れていってしまいました。思ってたようなストーリーが思ってたように流れてしまった。もう少し、意外な展開や仕掛けが欲しかったと言うのが正直な感想です。 小沢真珠さん二世、なんていったら失礼かもしれませんが吉本実優さん、とても印象に残りました。それがこの映画での収穫かな。今後気にしていきたい女優さんです。 【TANTO】さん [インターネット(邦画)] 5点(2021-04-20 01:12:22) 6.結構地味な展開ですが、オチがちゃんとついたのでそこそこのカタルシスは得られる。内容的には好きなタイプの映画。内野聖陽は旨味のない役を丁寧に演じていて素晴らしいと思う。 【ブッキングパパ】さん [インターネット(邦画)] 6点(2021-02-02 15:10:14) 5.《ネタバレ》 原作は読んでいない。この映画を見てから読む気にもならなかったので原作紹介の役目は果たしていない。悪役のフルネームが手羽先に聞こえるのは原作のせいか。 見たところ、視覚的なところと音楽には力が入っていたようだが中身がついて来ていない印象がある。魚や牢屋といった要素が馴染んでおらず、二重拘束というのも最後のこれがそうだったのか?という程度で印象が薄い。また悪役が一本調子の悪人面のせいか、愚かしさとか悲哀といったものが感じられずに憎々しいばかりで、思考や心境の変化も伝わって来ないところがある。終盤も偶然だか意図的だかわからない展開で都合よく決着を付けたようで爽快感がない。 特に個人的に困ったのは、これだけ胸糞悪い話を見せられて溜まった不快感をどう処理すればいいかわからないことである。学校とか千葉県警とか児童相談所を憎んでも仕方ないので、自分としては登場人物や映画自体を憎む結果になった。 まず自分は当事者ではないが、娘を殺された父親の立場であればもっと過激にやってもらって構わない。コンビニの前で殴り倒したのは単なる馬鹿だが、どうせ暴力的にやるのならこういう機会を捉えて殺せば簡単に終わるだろうし、そうすれば小悪人の方も小便漏らすどころでなく精神的に立ち直れなくなって一生終わりだったはずだ。死者が望むかどうかなどはどうでもいい。 また芸能事務所(吉本興業かと思った)で「映画と同じぐらい価値のある人間か」と問われたところは笑った。映画製作にはそれなりの元手が必要だろうからその値段の話をしていたのかも知れないが、それにしても毎年大量に生産されて消費されて忘れられる商品と同様の価値しかない人間と言われるのは屈辱的ではないか。 ちなみにこの映画のせいで悪役の女優にはかなりの悪印象がこびりついた(「渇き。」の小松菜奈に匹敵)。役者に罪はないとか作品に罪はないとかいう言い方はあるが、罪はなくても感情問題として嫌悪するのは仕方ない。劇中の台詞としては「いい脚本といい監督さん」なら何でもいいとのことだったが、本人が嫌われてしまってはまずくないか。エンドクレジットの間じゅう静止画で顔を映し続けていたのが極めて不快で、今後この女優の顔を二度と見たくなくなったが、そんなことを思わせるのも映画の力ということだ。 なお葵わかなさんや武田玲奈さんに当然ながら罪はない。谷村美月嬢が可愛らしいので救われる。 【かっぱ堰】さん [インターネット(邦画)] 1点(2019-06-01 10:25:12) 4.《ネタバレ》 こんなに胸糞悪い内容をみせられて消化不良で終わられるとは・・・ ダブルバインドのふりがきいてないし、何より心理戦が描かれていない。どう考えてもお酒を捨てたところからは、戦いが始まる展開だったのでは。原作ではちゃんと書かれているのでしょうか?この映画自体狙いが別の所にあったのではと思う、特にラスト。 【ラグ】さん [DVD(邦画)] 2点(2017-03-18 00:16:11) 3.《ネタバレ》 虐めの自殺に親父が真相を追求する映画。ある意味、物語としてはありがちなのかもしれない。 ただ、主犯とも言える木場咲と警察のふてぶてしい態度に胸くそが悪くなる。良い意味で。 木場咲役の吉本実憂は美人だが棘がある様子を見事に演じているからこそだろう。 酒に溺れかけた親父が覚悟を決めて、酒を捨て始めた時には、さあ、ここから反撃開始だ、 この悪ガキに、いかなる鉄槌が下るのだろうかと期待が高まってしまった。 この作品こそ湊かなえの「告白」のように容赦なく子供の非力さを教え打ちのめして欲しかったが。 そうはならなかったのが残念。心理学者なのだから、そこをもう少しそれを生かした展開になれば もっと良かったかもしれない。もう少し証拠が出てくるとか証言を得られた設定にして 心理的に追い詰める、あるいは自ら自滅させるような仕掛けがあれば最高だったのだが。 あのラストではなぜ少女が内野聖陽の家にのこのこ来た理由にならないし ここまで証拠を残さないように気を遣い計算高く、したたかな女があんなミスをするとは思えない。 衝動的になるように仕向けたようにも見えないので絶妙のタイミングで録画を始めた意味が弱い。 最後に、どんな打ちのめされ方でスッキリ終わらせてくれるのか期待が高まって居ただけに惜しい。 そんな印象でした。ただ盛り上げ方は良く最後まで一気に見ることが出来ました。 【デミトリ】さん [DVD(邦画)] 7点(2017-03-17 01:22:30) 2.《ネタバレ》 邦画はあまり見ないが、粗筋が面白そうなので、見ることにした、以外と怖くて映画に入れましたね。大学教授の父と娘、父かっこよすぎる感はあったけど、あの綺麗なマンション、車はスバルのスポーツカー、印象に残りますね。娘さんも爽やかな感じ。3人の仲間、女子校か、未室だなと思えた。娘の友達、悪役のあの子、あの笑顔怖かった、本当に、見透かされているようで、自分の会社の後ろの席の意地悪事務員、言葉やそぶりが似ていて、本当の意地悪、裏をはる娘はああいう風に存在するんだ、と思いました、現実を踏まえて怖いです。すごく昔、ティムロビンスが主演する映画で隣のテロリストみたいな映画があり、悪者は指示をしないんですね、彼女も踏まえて、うまく錯覚を利用して、遠回しに問題点を想起させる。この映画に戻るが、悪役の彼女、すぐに飛び降りでいなくなったヒロインだが、学校で淡々と彼女に話しかける時、机を、5回叩く、あの仕草の怖いこと、経験され計算された仕草、早くやりなさいよ、ベランダの壁に登り5秒、それも3〜4階か、ありえないだろうに、怖いです、でも、そもそもヒロインが罰を背負うシーンが、なぜそれを勧められたのかが声が小さくて、早口で、未だにわからないです、小さな意地悪の積み重ね、財布をとったり、サンドイッチに虫を入れたり、あの悪役の子、頭が良すぎて墓穴を掘る、忙しいと言いながら、偽名で彼女の家に入り込み、父親がパソコンの日記を読むときに、後ろで見ている、怖すぎます。あの悪役、その依存している、デブ系の子、レズなんですか、プールのある部屋でキスしていた、そもそもその関係が軸になっていたのか、もう全てが怖すぎて、復讐するは我にあり、そんな言葉がイメージされちゃいますね。あの悪役の彼女、なんか、薄いけど、怖い、泥沼のように強い、監督がいいのか、原作がいいのか、私のような裏の無い正直者はいつもこおいう、コヅルイ人たちにかもにされる、それが運命だな。でも、何処かで誰かが見てるだろうし、神様も見ているんだろう、と思う、私の人生と同じだ、とほほ。 【yasuto】さん [地上波(邦画)] 10点(2016-08-11 02:47:53) 1.《ネタバレ》 梗概的には心理戦が物足りないとか捻りがないという事になるし、絵面的には表情とダイアログ中心でロケーションや美術の魅力もまるでないという事になる。 無論、捻った展開がないから、表情アップが多いから悪い映画という訳でもない。饒舌すぎる音楽ははっきりと邪魔だが。 取り調べ室のシーンを始め、仮面の表情と素の表情を1ショット内で行き来する吉本実憂。 ラストショットが象徴するように、彼女の「凝視」こそ主題ともいっても良い。 芸能事務所での面接で加藤雅也から質問を受ける吉本実憂のシーンには何やらアドリブ混じりのような緊張感が漲り、 そこには彼女の生々しい「非ドラマ的な顔の露呈」(『アンドレ・バザン』)があって迫真である。 「映像の優位」ではなく「対象の優位」として彼女の表情はそこにある。 吉本と葵わかなが、学校の廊下で触れ合わんばかりの距離で対峙する顔と顔の距離感もいい。 ラスト、共に顔面に瑕を負うことになった内野聖陽と谷村美月の表情が救いとなる。 【ユーカラ】さん [映画館(邦画)] 5点(2015-10-08 22:48:30)
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