みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
102.《ネタバレ》 当時の人種差別の実態を、きっと誇張することなく描いているであろう作品。 富も名声も手に入れたピアニストでさえ差別の対象だったというのが興味深いです。 行く先々で歓迎されながらも、トイレは別、控室は物置、演奏するホテルのレストランすら入店拒否とは、当時の差別意識がいかに根深いものだったかがよくわかります。 この映画は、伝記的かつ教科書的な側面を持ちながらも、ちゃんとエンターテイメントとして楽しませてくれます。 何がすごいって、大きな山場はそんなにないのに、なぜか『感動』『カタルシス』『多幸感』を感じられちゃうことです。 黒人だけれど教養、富、名声を手に入れているドクター・シャーリー。 教養も富も名声もないけれど、温かい家族がいる白人のトニー。 最初は相反する二人が、いつの間にかお互いのことを信頼し始め、足りないところを補い合う関係性がとても良かった。 警官から理不尽に逮捕され、バーに行けばからまれるシャーリー。なぜなら彼の肌は黒いから。かと言って、育ちの違いのせいか身なりのせいか、黒人の輪にも入れないシャーリー。雨の中車を降り、『白人でも黒人でも男ですらない私はどうしたらいい』と訴えるシャーリーの言葉が胸をうちます。 そんなシャーリーにとって、トニーは初めて自分を孤独から救ってくれた存在なのかもしれないですね。 終盤、シャーリーが黒人たちのバーで演奏するシーンや、トニーの家にやってきたシーン。 ずっと孤独だったシャーリーが、ついに世界に自分の居場所を見つけ始めたところで幕を閉じます。 なに、この幸せな余韻。名作です。 【たきたて】さん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2024-07-14 03:00:09)(良:4票) 101.《ネタバレ》 ピーター・ファレリー監督が、こんな真面目な映画を撮ったのかぁ……と、その事に吃驚。 「白人」「黒人」「差別」といった属性を備えた品なんだけど、単純に「白人が黒人を救う物語」って訳でもないのが面白いですね。 主人公のトニーは白人だけどイタリア系であり、劇中にて「イタ公」と差別される側でもあるんです。 そもそも黒人のドクはトニーの雇い主であり、困窮してたトニーを雇って救ってあげた側という大前提があるんだから、非常にバランスが良い。 史実では単なる雇用関係に過ぎなかった二人を、無二の親友になったかのように描く事への批判もあるようですが…… 映画の観客に過ぎない自分としては、この両者のキャラ設定は絶妙だったと思います。 その他にも「二人が旅立つまでが長い」とか「ドクが同性愛者であるという要素は、あまり活かせてない」とか、欠点らしき物も幾つか思い浮かぶんだけど「主人公であるトニーの境遇を説明する為には、止むを得ない」「実話ネタなんだから、同性愛者と示しておく必要があった」と、ちゃんと疑問に対する答えは見つかる為、さほど気になりませんでしたね。 むしろ、他のファレリー監督作の映画と比べても欠点は少ない方だと思うし、非常に出来の良い、優等生的な映画だと感じました。 そんな本作の中でも特に好きなのは、トニーが初めてドクのピアノ演奏を聴いて、虜になる場面。 実際に演奏が見事だったから、観客の自分としてもトニーの感動とシンクロ出来たし、その後すぐドク当人に「感動したよ」って伝えたりする訳ではなく、家族への手紙で「ドクは天才だ」と絶賛してるという、その遠回しな表現が、また心地良いんですよね。 そういった積み重ねがあるからこそ、本人に直接「アンタのピアノは凄ぇんだよ、アンタにしか弾けない」とトニーが訴える場面も、より感動的に響くという形。 他にも、コンサートスタッフに「クロなら、どんなピアノでも弾ける」と言われ、トニーが激昂する場面。 運転中、二人で音楽談義する場面。 ドクが初めてフライドチキンを食べて、二人で笑顔になる場面も素晴らしいし、二人が親友になるまでが、非常に丁寧に、説得力を持って描かれていたと思います。 脚本や演出の上手さという意味では「拳銃」の使い方も、本当に見事。 「銃を持ってるというハッタリ」の伏線が「本当に銃を持ってる」という形で回収される鮮やかさときたら、もう脱帽するしかないです。 この拳銃の発砲シーンって「酒場で札束を見せたがゆえに、ドクが殺されてしまうバッドエンド」を予感させておき、そんな悲劇を銃声で吹き飛ばす形にもなってるのが、実に痛快なんですよね。 ともすれば一方的な「黒人って可哀想」映画になりかねない中で、ドクを襲おうとした黒人達って場面を挟む事により「黒人は常に被害者という訳ではなく、加害者とも成り得る」と示す効果まであるんだから、二重三重に意味のある、忘れ難い名場面です。 それはその後の、親切な警官に助けてもらう場面も、また然り。 「南部にも良い人はいる」「警官にも良い人はいる」という、当たり前の事を当たり前に描いてくれる配慮が、本作を万人が楽しめる傑作たらしめていると感じました。 本来ドクにとっては屈辱なはずの「黒人が白人の為に車を運転する」という行いで、トニーを助けてあげる終盤の展開も良かったし…… 最後に、トニーの妻には「手紙」の秘密がバレていたと示す終わり方も、非常に御洒落でしたね。 それまで出番は少なめだった「トニーの妻」というキャラクターが「素敵な手紙をありがとう」という一言により、一気に魅力的になったんだから凄い。 良質な脚本と、良質な演出を味わえる好例として、映画好きな人だけでなく、映画作りをする人達にも、是非観て欲しいって思えるような…… そんな、素敵な一本でありました。 【ゆき】さん [ブルーレイ(吹替)] 8点(2024-02-17 13:21:33)(良:4票) 100.《ネタバレ》 あまりうまい表現ができないのですがトニーいい奴だなって思いました。野暮ですが器が大きく、金持ちに対しても卑下せず、約束したことは守り、最初は露骨に嫌っていた黒人に対する考えもドッグと一緒に旅することで変化が見られました。こういう映画に出会うとスッと気持ちも良くなります。 【珈琲時間】さん [インターネット(字幕)] 9点(2020-09-24 11:14:38)(良:2票) 99.《ネタバレ》 監督がピーター・ファレリーだからなのか、所々笑えるところが皮肉っぽかったりする。 自分とは正反対といえる二人が旅をすることで信頼、友情が芽生えるという正統派ロードムービー。 とても観やすくほのぼの感も、チクリとくるとこもいい塩梅です。オープニングからしっかり掴まれました。 ヴィゴ・モーテンセンの太りっぷり、食べっぷりがいいですね。役のために体重を増やしたんだろうな。 ドクとトニーの人物がしっかり描かれていて、しかも白人トニーと黒人ドクの立場とかキャラが通常の人種差別を扱った映画とは違っていて、ここが面白いネタになってると思います。 トニーはイタリア系の家族と仲間に囲まれている、しかしドクは黒人の中にも入っていけない黒人、白人から天才と称えられても一線はしっかりひかれてるのでどこにも属せない。労働している黒人たちは部外者を見る目でドクを見つめる。 人種差別の映画は数あれどこういう立場の黒人を描くというのは記憶にないです。 「オレンジバード」でバンドと一緒に即興演奏するドクのイキイキして楽しそうな姿が好きだなあ、ウルっときいてしまいました。 そしてトニーの息子ニックが成長し、映画製作の道へ進み父親の体験を映画にし、作品賞に脚本賞、マハーシャラ・アリに二度目の助演男優賞をもたらした。何コレ、ドラマチック過ぎじゃないですか。 でも本作で3度目のアカデミー主演男優ノミネートのモーテンセンだったんですが、エジプト系のラミ・マレックに。これにはちょっと意外に感じたんですが、アカデミー賞ってご時世、情勢にかなり影響されるんですねぇ。 「刑事ジョン・ブック」でアーミッシュのちょい役でもそのカッコ良さが目立ってたヴィゴ・モーテンセン。 本作の彼は最高に良かったと思います。 1年ぶりに再見しました、シーンの全てが良いです。こんな映画はなかなか無いので評価もプラス。 【envy】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2020-05-06 15:15:47)(良:2票) 98.《ネタバレ》 天才的な技術で名声を欲しいままにしながらもその偏屈な性格が災いし孤独な生活を送る黒人ピアニストドクター・シャーリー、ガサツで口の悪いチンピラとして様々な職を転々としながらも根っからの人の良さから家族や友人たちには恵まれたイタリア系用心棒トニー。そんな正反対の二人がひょんなことから相棒となり、まだ黒人への偏見が根強く残る60年代アメリカの南部を巡るコンサート・ツアーへと出ることに――。最初は反発し合っていた二人だったが、様々な経験を経るうちにいつしか強い友情が芽生え始めるのだったが……。実話を基に描かれたという本作、アカデミー作品賞の栄誉に輝いたということで今回鑑賞してみました。確かにベタではありますが、なかなか完成度の高い良品であったと思います。人種差別の問題をことさら強調するわけでもなく、あくまでこの二人の友情に焦点を当てたロードムービーとして描いているところがいい。何よりトニーの手紙だとかケンタッキーフライドチキンなどと言った一つ一つのエピソードの扱い方が抜群に巧い!物語の進行とともに彼らにどんどんと感情移入している自分が居ました。特に警察署に拘留され窮地に陥った彼らが、一本の電話によって警察と立場が逆転するところなんてなかなかのカタルシス(電話の相手はまさかのあの人!)。そして、公然と黒人客を拒否するレストランや仕立て屋、警察の不当な偏見などという人種差別問題にもさりげなく言及するその手腕の鮮やかさも見事。全編を彩るピアノの楽曲がどれも素晴らしいクオリティなのも聴いていて心地いいですね。二人の旅路が終わるころにはなんだか自分もほっこりといい気分になれました。あまりにもオーソドックス過ぎて若干物足りなく感じる部分もなきにしもあらずですが、充実した映画体験をさせていただきました。うん、7点! 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 7点(2020-01-21 23:18:55)(良:2票) 97.「これが作品賞?」というのが正直な感想。 130分間退屈なく見れて、『最強のふたり』を彷彿とさせるユーモラスなフィールグッドムービーなので、 映画をあまり見ていない方にも薦められるくらい万人受けしやすい。 100を超えるレビューで平均点8点前後維持し続けているあたり、本作が証明している。 粗はあっても脚本がよくできていることは素直に認めたい。 ただ、やはり白人特有の上から目線の綺麗事、一時的な融和アピールにしか見えず、 作品にあまりのめり込めない自分がいた。 イタリア系だからと同じ白人から差別される用心棒と、 黒人コミュニティから外れたピアニストのはぐれ者同士の話なので事情はもっと複雑だろう。 とは言え、そこまで踏み込まず、ただの"良い話"で終わっている。 予定調和の中に新しい驚きがないのが大きく、物足りなさを感じた。 ヴィゴ・モ―テンセンもマハ―シャラ・アリも正反対なキャラクターでありながら素晴らしい快演で異論はないが、 全体の完成度の高さでは『ROMA/ローマ』に作品賞を与えるべきだったし、 13年前の『クラッシュ』同様、単に変革リスクから逃げたミステイクとしか言いようがない。 【Cinecdocke】さん [映画館(字幕)] 6点(2019-04-23 00:25:11)(良:2票) 96.人種も性格も生きてきた環境も何もかも違う2人がお互いに影響を及ぼし合い、共に変化(成長)していく、ロードムービーのお手本のような、実に「いい映画」だった。 南部における当時の極めて厳しい状況と比較すると、この映画の人種差別描写は非常にマイルドで、社会派モノ好きな人には物足りなさがあるのかもしれないが、ピーターファレリーらしくコメディ色も織り交ぜながら「心温まる」という方向性に振ったことは、(否定する人もいるだろうけれど)大正解だったと思う。 男同士の友情物語でグッときたラストに、追い打ちをかけるトニーの奥さんのあの一言。 もう、奥さん! あなたいい人過ぎ! 【チャップリ君】さん [映画館(字幕)] 8点(2019-03-13 13:53:32)(良:2票) 95.《ネタバレ》 予告でだいたいストーリーは分かっていたので、話の流れとかは特にめちゃくちゃ良いとかではなかった。 ただ、ピアニスト役のマハーシャラアリの喜怒哀楽一つ一つの表情がチャーミングで愛おしかった。 初期のふたりの話の通じなさも結構ツボで、ひとりで鑑賞してたが何度か吹いた。 個人的にはドリンクのゴミを道端に捨てて、ドクに怒られて車をバックで戻るシーンが好き。 あと、今すぐに好きな人に手紙を書きたくなる(書かないけど)。 【nanami】さん [映画館(字幕)] 7点(2019-03-06 22:09:33)(良:1票) (笑:1票) 94.《ネタバレ》 これがアカデミー作品賞?っていうのが見終わった後の正直な感想ね。 でも、それは別にネガティブなものではなくて、単純に、こんなに判りやすい、ストレートな内容のものが?という意味で。 映画は面白く見られたわ。 黒人差別問題を描いてはいるけど、そこを殊更に強調するのではなくて、雇い主と雇われ運転手のロードムービー、バディムービーとして単純に面白い、という作り。 それぞれが影響を受けて変わってゆく、それは王道って言えるわね。 難しいところは何もなくて、ただ差別の問題はしっかり考えさせるような作りで。唯一、ハッキリとは語らずちょっとボヤかしてあるエピソードがYMCAのところだけど、あのビレッジピープルの歌、西城秀樹がカヴァーしたあの曲の意味も含めて、そのあたりの知識があれば、ああ、って理解できる部分ね。 差別が当たり前、差別は文化として存在している、その異常さを、でもそれを日常生活の中で受け入れてしまっているんじゃないですか?って現実があって。 ただ、そういう感覚は『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』でも描かれていたわけで、この作品がこれまでと違う、特段のものを持っているというカンジはしないのよね。 アカデミー作品賞はその背景に、政治的な意識も働いているのかな?と思ったりもして。 トランプ政権下では、この映画で描かれたことは決して過去のものではなく、今も存在している、むしろまた逆行しているようにも思えるわけで、アンチテーゼ、抑止力としての作品賞?とも思えて。アカデミー賞って多分に時代の影響ってあるわよね。 ファレリー兄弟作品(今回はピーター1人での監督だけど)はバカ映画が多いんだけど、そこにマイノリティ賛歌が織り込まれていたりするわよね。 でも、毎回それが白人、マジョリティ、健常者としての立場からの上から目線的なモノを感じてしまって、必ずしも手放しに受け入れられなかったりして。 そして今回の作品にも少しそういうニオイが無いこともないかな・・・みたいなカンジがしてしまったのも事実で。 ただ、じゃあ差別される側のみで閉塞された状態で創造されたモノならばいいのか?というとそれも違うと思うし、やっぱり色々作られてこそなのよね。 劇中、ヴィゴ・モーテンセンがいっぱい色々食べるので、映画見ていてお腹鳴っちゃって恥ずかしくて仕方ないったらありゃしない。ギュルギュルすっごい音させてんの。 【あにやん🌈】さん [映画館(字幕)] 7点(2019-03-05 20:02:05)(笑:2票) 93.《ネタバレ》 よかったです。正直観終わったときは「うーん、作品賞っていってもそれほどでもないかな。普通に良いってくらい…?」だったんですよ。けど、鑑賞後72時間過ぎた今、じわじわ感じるものがあることにちょっとうれしい気分なのです。 多分ね、こういう社会問題をテーマにしたロードムービー、加えてちょいちょいニヤリとさせながらも最後は感動にもっていくって映画は今までにもいっぱいあったように気がします。だから既視感は、前のほうでもおっしゃっているように、結構あります。 それでもこの映画、野卑な運転手のトニーが、鑑賞後どんどん魅力的に思い出されてくるのですよね。あんな何処にでもいるおっさんが、ですよ。 なんてったって腕っぷしは強いし肝も据わっている。知性や教養はてんでお粗末ながら、それを持っている人へのコンプレックスや僻みに心が歪んだりなんてしていない。まさにパンのように素朴で単純なこの俗っぽいイタリア男がすごくいいんです。 普通なら、この困難なツアー実施を英断したドクターのほうをより魅力的に描くんじゃないかなって思いがちだけど、そうではない。ドクターは天才だけど、孤独で傷つきやすくいっぱいいっぱいで生きている人。この旅でより恵みを受けたのはむしろ彼のほうでしょう。 映画終盤、演奏旅行は終わり2人はそれぞれの元の生活に戻っていきます。トニーは愛する家族に囲まれながらもまた金の工面に四苦八苦する生活に、ドクターは著名なピアニストとして豊かで優雅で安全な、だけど孤独な生活に… だから彼が勇気を出して自分の殻を破り、二人の友情がその後末永く続いたというエンドクレジットに、ほっとした観客も多かったのではないかと思います。(エンドロールになってもほとんど席を立つ人がいませんでした。) 地味ながらなかなかの佳作。 今は、作品賞をとってくれてありがとうと言いたいですね。とらなかったら多分観過ごしてしまったことでしょうから。 追記(2019.3.6) さきほどこの映画の受賞は本国で賛否両論だという記事を偶然目にしました。それによると「『白人が黒人を救う姿を描く“white savior(白人の救世主)”』の映画だ」という批判的な意見はそもそも受賞前からあったのだとか… うーん、そうなのかなぁ…「白人が黒人を救う」っていうよりは「凡人が天才を救う」っていう映画に私には見えたんですけどね… しかしそういう意見も出るということに、アメリカという国の人種差別問題の根深さを感じます。 確かに「サレタほうはシタほうにずっとずっと厳しい目を向ける」もんなのです。それもいつまでもね…(まあこれは人種問題に限らず世界中どこでもいっしょなんですが) 【ぞふぃ】さん [映画館(字幕)] 8点(2019-03-05 17:38:21)(良:2票) 92.《ネタバレ》 グリーンブックとは黒人を優遇して受け入れてくれる施設のガイドブックのこと。 面白かった。お互い性格の異なる2人が旅を通して打ち解けていく様子。美しい音楽、風景、愛、美味しそうな食べ物、テンポの良い展開。 1950年代アメリカ南部。天才黒人ピアニストが白人の用心棒を雇って人種差別が色濃く残る街へ音楽のツアーへまわる。 白人のトニーが持ち前の要領のよさでさまざまなトラブルを解決させる。 黒人のシャーリーは天才ピアニストで品性と教養を持つ。 旅を続ける中で、住んでいるところ、肌の色、貧富の差、権威、権力、立場、様々な偏見にぶちあたり苦難にさらされる。 旅を続けるうちに2人はお互いを理解していく。 旅の移動でアメリカ南部の美しい風景が見られる。その時、2人は何を思い返すのだろう。 実話。 【ホットチョコレート】さん [DVD(吹替)] 8点(2024-08-02 07:11:40)(良:1票) 91.人種差別の不条理さに関して、理解と反抗とを併せ持ち、 自分の存在に関して葛藤を持ち続けるするドクター・ドン・シャーリー 細けぇこたぁ解らないけど、差別なんかどうでもいいんだよ、 そんなことより家族は大事だよね!といったノリのトニー・ザ・リップ 表情だけでトニーを愛している事が伝わってくるドロレス いい映画というのは、理由があっていい映画という訳じゃないと思います 作品の欠点は探そうと思えば、きっとあるでしょうけど 細けぇ事はいいんだよ 【ぐりこ】さん [インターネット(吹替)] 10点(2023-11-04 11:40:00)(良:1票) 90.心が忙しかった。痛かったり、ほほえましかったり、ほっとしたり、どきどき、そして怒りと最後は熱い。 音楽もよいです。見るまでに心の準備もあって、いまになりましたが名作です。 【HRM36】さん [インターネット(字幕)] 9点(2023-06-02 23:19:17)(良:1票) 89.《ネタバレ》 - Green Book(=The Negro Motorist Green Book) - “グリーンによる黒人ドライバーのための旅行ガイドブック”。著者が黒人の作家ビクター・グリーンさんなので、グリーンブック。 黒人への人種差別がまだまだ色濃い時代に、白人運転手が黒人ピアニストを乗せてアメリカ南部を移動する。考えただけでもとても興味深いロードムービーで、アカデミー作品賞受賞の快挙含め、ドライビング・ミス・デイジーやレインマンが思い浮かぶ。 「ワオ!ケンタッキー州でケンタッキーフライドチキン!!」子供のように興奮するトニーにすっかりやられてしまった。あのチキンの大きさ。なんと食べごたえの有りそうな姿。こないだ買ったセットのやつは、一番大きいのでも私の握りこぶしより小さかったぞ。私の学生時代と比べても絶対小型化してる。 あぁでも食べたくなるなるケンタッキー。初めての人にも食べやすいドラムから渡すの、トニーの優しさだよね。ドンが美味しそうに食べて、キールも勧められて…チキン食べる時のベストな流れだよね。骨の処理で距離が縮まって、その後の「(紙コップ)拾いなさい」で見事に落ちてる。素晴らしい。ただ当時、空き缶でさえポイ捨てが日常茶飯事だった(であろう)時代に、紙コップごときで車戻すか?というと、さすがに創作だろうなとは思う。 楽しく観終わって、映画界やドンの遺族から批判的な意見が出ていたことを知り、ちょっと複雑な気持ちになった。映画としてとても面白く、まとまりも良く、テーマも伝わり、ドクター・シャーリーにとても興味も持てて、当時の黒人差別に理不尽さを、充分に感じとれたからだ。 “映画ではあのように表現していたけど、本来はこうだった”なら批判も解るけど、“本来はあぁではなかった。と思う”だけでは、良い物語を潰すことは出来ても、創ることは出来ない。あの時代に紙コップを拾うのを、有り得ないと批判するのではなく、映画としてのデフォルメとして楽しく観て、映画が伝えたい何かを少しでも吸収できたら、それは良い映画と出会えた。って言えるんじゃないだろうか。 最終公演の決断から、オレンジバードで楽しそうにスタインウェイ“じゃない”ピアノを弾くドンに嬉しくなった。帰り道の警官。トニーの家と、テンションどんどん上がってハッピーに終わるこの映画が、私は大好きだぁ! 【K&K】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2022-11-27 22:06:08)(良:1票) 88.異質な人間が出会いを通じて変化していくロードムービーという点では『スケアクロウ』に似てるなと思ったり、インテリとヤクザの出会いによるコメディという点では『男はつらいよ』に似てるなと思ったり、色々と既視感はあるし実話がベースだから驚きの展開になるわけでもなく、予定調和に終わってしまうので大きな感動というものはない。とはいえ、差別問題を扱いながも酷いシーンはあまりなく、安心して見られる良作ではある。注文をつけるとすれば、黒人だがカネ持ちで男だが男が好き、白人だが黒人に使われるし移民系として差別される、といった両者のアイデンティティーに関する内面的葛藤がもうちょっと丁寧に描かれるとよいと思うのだが、それだとコメディーにはならないので難しいのだろうな。 【東京50km圏道路地図】さん [DVD(吹替)] 7点(2022-07-18 17:28:32)(良:1票) 87.《ネタバレ》 全体的に分かりやすく、後味よくまとまっているのは評価できる。 品格を重んじる黒人と、粗野だが根は見どころのあるイタリア系白人のコンビで、ラストに向けてお互いの距離を縮めていくという王道ストーリーは多くの人を魅了するだろう。1962年という60年前のアメリカ南部の状況がいかに黒人にとって生活するのに困難であったかという状況も、日本に住むものとしては新鮮に映った。 ただし、やはり白人側から見たご都合主義という批判も多いようで、いかに事実に基づいたストーリーだといっても実際のドキュメンタリーはもっと地味でかつ目に見えにくい差別もたくさんあったんだろう。ユーモアや盛り上がりも手放しでは褒められない。 しかし、ラストの終わり方は秀逸。いろいろなわだかまりが解けていって、ハッピーになる締めくくりかたは好き。 それと音楽ロードムービーものでありながらセリフが多いので、吹替推奨。主人公二人の声がイケメンに変わりすぎてて戸惑うけど笑 【mhiro】さん [地上波(吹替)] 6点(2022-06-23 06:57:27)(良:1票) 86.最後の黒人専用バーの演奏で全てが昇華された。9点 そのために白人による上辺だけの上品な演奏会に耐え忍ぶ苦痛を与えたのであろう。 白人の彼らには差別のつもりは毛頭無い。そういう決まりだと信じている。「郷に入れば郷に従え」という言葉が好きな保守的な 人々が世界中に多いが、その決まりは正しいの?誰かの人権を踏みにじりつばを吐きかけているのでは無いのか?正しさとは何なのか。 今なお「差別と区別の」境界で苦しむ人々が世界中にいる事は肝に銘じておきたい。 特に印象的なシーンは、トニーが警官に問い詰められイタリア系だと言ったとき、警官に「お前も半分クロだ」と言われ思わず警官を 殴ったシーンだ。その時トニーは何を感じ何に怒ったのか色々と考えさせられた。そこから一気にトニーとドクターの距離は近づく。 それと最後ハッピーにさせてくれたのは、奥さんに手紙の作者がバレバレだったことですかね。 まぁ、あのやんちゃなトニーが素敵な手紙を書けないことくらいはお見通しですよね。 【hibari_21st】さん [インターネット(吹替)] 9点(2022-02-24 09:14:27)(良:1票) 85.最初に based onではなく inspired byとあったので、製作者は「演出も加えていますよ」という意味を込めているのだと思う。制作年から50年以上前の話なので、当時を知る人も減り、記憶も鮮明では無くなっているということもある。それを「真実に基づく」と訳してしまうと誤解が生じると思う。「事実を元にしたフィクションである」ぐらいにしておいた方が、良いのではないか。 とはいえ、内容的にはとても良かった。直近でも Black lives matterが大きな社会現象になるぐらい、未だに人種差別問題が歴然と残るアメリカでは特に意義深い作品なのだろう。ドンが「暴力では何も勝ち取れない。威厳を持ち続けることだけが勝つための方法だ。」と言うが、それが用心棒兼ドライバーに向けられたものというのが、問題の複雑さを示している。最初は距離のあった二人がお互いから学んでいく姿は、見ていて微笑ましいものだし、見習いたいと思う。 実話モノ、人種を超えた友情モノとして「最強のふたり」を思い出した。あちらもいい映画。 【くろゆり】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2021-12-01 08:01:17)(良:1票) 84.《ネタバレ》 良いですねえ。大好きです。もうヴィゴ・Mのトニー・リップが良いですもん。単純かつ腕っぷし(のみ)が取り柄の、よくしゃべりよく食べるイタリア系アメリカ人のおっさん。この映画がよくある‶被差別黒人と白人との友情話”より一段精彩を放っているのは、信頼に値するメタボ腹のトニーがいるから。 トニーは精神の根っこに差別意識の無い奴。周囲の人間が黒人蔑視のノリなので、特に考え無しに同調していたのでしょう。だからギャラをもらえるなら黒人がボスでもさほど抵抗は無いのだった。 なにしろシンプルで腹の底まで透けて見えるトニー相手だからこそ、ドクは(怒りに任せてだけど)内なる心情を吐露したのですね。おそらくトリオの二人にも内面の最も深い面をさらしたことなどなかっただろうと思います。状況に対して脊髄反射するトニーは、教養のある連中のように感情を包み込んで体の良いことを言わないから。 出番は少ないけど奥様のドロレスも素敵。お見通しの手紙の一件にはふふっとなりますね。わたしはトニーオリジナルの手紙も好きでしたが。 ヴィゴ・モーテンセンにアラルゴンの面影など限りなく残っていないことに初めこそ衝撃を受けましたけど、別人トニー・リップも彼の見事な仕事のひとつに数えられることになるでしょう。イタリア訛りとか言葉遣いの悪さを聞き取れたらなあ、と自分が残念でした。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2021-06-18 23:47:12)(良:1票) 83.ドクは、黒人っていうだけでなく、ゲイでもあったわけなんですね。 でもトニーは黒人であることもゲイであることも、気に留めない。 イタリア系移民っていうことで、すでに差別されているせいか、弱いものの気持ちが分かってるのかなと。 トニーにだんだん下品にされていく(フライドチキンとか、聞く音楽とか)ドクと ドクにだんだん上品にされていく(手紙のセンス磨きとか)トニー。 普通に心地よい作品だった。 アカデミー賞の授賞式は見ましたが、オクタヴィア・スぺンサーが作品賞受賞のときに舞台に上がっていて 「え?彼女出てたっけ?」と思ったら、エグゼクティブ・プロデューサーだったんですね。 貫禄ついてきましたねぇオクタヴィア。 【フィンセント】さん [インターネット(字幕)] 8点(2021-06-07 11:31:47)(良:1票)
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