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椿三十郎(1962)

SANJURO
1962年【日】 上映時間:96分
アクションドラマコメディ時代劇モノクロ映画小説の映画化
[ツバキサンジュウロウ]
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2018-11-16)【イニシャルK】さん
公開開始日(1962-01-01)


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監督黒澤明
助監督森谷司郎
出目昌伸
和田嘉訓
中野昭慶
演出久世竜(剣術指導)
キャスト三船敏郎(男優)椿三十郎
仲代達矢(男優)室戸半兵衛
加山雄三(男優)井坂伊織
団令子(女優)千鳥
小林桂樹(男優)見張りの侍・木村
田中邦衛(男優)保川邦衛
志村喬(男優)次席家老・黒藤
伊藤雄之助(男優)城代家老・睦田
入江たか子(女優)睦田夫人
平田昭彦(男優)寺田文治
久保明(男優)守島隼人
土屋嘉男(男優)広瀬俊平
藤原釜足(男優)国許用人・竹林
太刀川寛(男優)河原晋
清水将夫(男優)大目付・菊井
江原達怡(男優)関口信伍
大友伸(男優)騎馬の侍
堺左千夫(男優)足軽
堤康久(男優)足軽
小川安三(男優)足軽
佐田豊(男優)菊井の配下
清水元(男優)菊井の配下
小川虎之助(男優)里藤家三太夫
大橋史典(男優)騎馬の侍
山田彰(男優)
岡部正(男優)
原作山本周五郎「日日平安」
脚本小国英雄
菊島隆三
黒澤明
音楽佐藤勝
撮影小泉福造
斎藤孝雄
木村大作(撮影助手)
原一民(撮影助手)
上田正治(撮影助手)
製作菊島隆三
田中友幸
東宝
配給東宝
美術村木与四郎
録音下永尚(整音)
小沼渡
その他キヌタ・ラボラトリー(現像)
あらすじ
とある藩の内部で権力争いが起こっている。城代家老のシンパの血気盛んな若侍たちと、ふとしたことで知り合った浪人"椿三十郎”は、彼らと協力して、大目付による藩乗っ取りの悪事と戦うことになる。そして乗っ取り派の使い手”室戸半兵衛”とやがて決着をつけることに・・・。

オオカミ】さん(2003-12-05)
全てのをあらすじ参照する

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【クチコミ・感想】

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222.「いい刀というものは鞘にはいっているものだ。」 ..包茎で悩む人は椿三十郎の言葉を胸に刻んで生きるべし。

あばれて万歳さん 8点(2003-11-20 00:46:06)(笑:9票)

221.中学生のとき、ふとテレビをつけると、映像の汚いモノクロの映画が始まるところでした。暇だったので見ることにしました。それが椿三十郎という映画だったことも知らず、何の期待もしていなかったのですが、気がついたら、映画にのめり込んでいる自分がいました。完全に映画の中の世界に入り込んでしまったのか、周囲の部屋の景色が目に入ってこなかったくらい集中して見たのを記憶しています。白黒で何を言っているのか聞き取りにくいのになんておもしろい映画なんだ、こんなおもしろい映画が世の中にあったのかと思いました。明日は学校でこの映画の話題でもちきろだろうなと思いましたが、次の日学校に行ってみると見た人は自分以外に誰一人いませんでした。椿三十郎というおもしろい映画があるんだとあちこちで言いましたが、誰も取り合ってくれませんでした。あれから数十年後、インターネットが普及した世の中で、このようなレビューサイトを見ると、どこでもかなりの高評価であり、やっぱり自分の目は間違ってなかったんだとうれしくなります。あのころの中学校の友達、シネマレビューでこの映画のことを知って、観てくれていたらいいなと思います。あいつの言ってたことはほんとだったんだと、きっと思ってくれることでしょう。 だいちゃんさん [地上波(吹替)] 10点(2007-01-01 21:40:32)(良:5票)

220.《ネタバレ》 僅か100分足らずの尺ながら、物語は充実しています。かといって忙しない印象もありません。動を際立たせる静。緊張を和らげる粋な笑い。その脚本、演出の巧みさには舌を巻きます。登場人物も魅力的。脇役も際立っていますが、やはり主演の三船に尽きます。身分は素浪人。名は椿三十郎。偽名です。“ヒーローは名を名乗らない(名乗ってはいけない)”という大前提が、きちんと守られています。『月光仮面』と同じ。それは見返りを求めないという宣言です。「義を見てせざるは勇なきなり」よりも「君子危うきに近寄らず」が主流な昨今、やはりヒーローはこうでなくては!と思います。おまけに頭もキレます。しかし欠点もある。粗野な振る舞い、独断専行。奥方には「抜き身」と評されます。彼の人物像を見事に言い表している。そんな主人公が、奥方の人柄にほだされたのが本作の肝。奥方は世間知らずです。でも計算がない。飾り無い無垢な言葉だから、世俗にまみれた主人公の心に響いたのでしょう。「人を殺してはいけません。」「本当によい刀は鞘に納まっているものです。」しかし事態は甘くありません。殺生は避けたいが避けられない。奥方の言葉と現実との間で、主人公の心は揺れ動きます。その葛藤は言葉と態度に表れます。だから彼に深く感情移入できる。最後の決闘。もはや何の益もありません。でも武士であるが故に立ち会わざるを得ない。勝利の余韻よりも虚しさが勝ります。「お見事!」と言われて一喝する椿の姿が心に残ります。紛うことなき娯楽時代劇の傑作。思い入れの要素を差し引いても、10点は動きません。 目隠シストさん [DVD(邦画)] 10点(2007-08-01 18:06:03)(良:3票)

219.黒澤監督は当初フランキー堺を主演で、山本周五郎の原作に忠実に脚本も「日日平安」として撮ろうとしたが「ホノボノし過ぎている」という会社からの横槍で、滅法強い三十郎の話になった。本当は満点にしたいけど、妥協を強いられたことにマイナス1。しかし映画自体は、滅茶苦茶に面白いし、黒澤監督の本音が登場人物や、彼らの台詞に出てるのも興味深い。三十郎に助けられた奥方(これがいい!)が「本当に良い刀は、ちゃんと鞘に入ってるものです」とヤンワリと三十郎を諌めて、三十郎が一瞬見せる反省の表情。そして何よりも、要所要所で押入れから出てくる小林桂樹。いかにも人が良さそうで、争いごとが嫌いそうで、どこか惚けた、この人物にこそ黒澤監督の本音が出ている。「俺はこんな男を主人公にして、これを作りたかったし、本当はこういう男の方が好きなんだ」という本音。それを、ほとんど押し入れの中にいる、あのキャラクターにチラチラと、しかしハッキリと託している所に、とかく豪快なイメージを持たれる黒澤明の素顔が出ていると思う。それと9人の若侍のキャスティングも上手い。裃の似合わない俳優ばかり選んでるところがさすが。新卒の新入社員の着るスーツが、どこか貸衣装みたいで似合ってないのと同じで、裃が似わないからこそ初々しさが出る。昔の監督ってキャスティングが上手かったんだなぁと、そのことにも感心。勿論、クライマックスの果し合いの凄さは・・・・まさしく、これは筆では書けない。これが映画です。 ひろみつさん 9点(2004-03-16 21:38:07)(良:3票)

218.当時黄金時代の真っ只中だった東映時代劇は、東宝の「用心棒」と本作「椿三十郎」によって衰退の道を辿り始めたという。当時の人々がどれだけこの作品に熱狂したかが見て取れるではないか。 

三十郎という豪快な主人公にも負けず劣らず、ユーモラスでどこまでも魅力的な登場人物達。バカで憎めない若侍、のんびりした性格が物語りにゆとりを持たせる奥方と娘さん、そしてピンポイントで冷静に物事を見極める押入れの侍。それは敵役だって同じ、三人の親玉たちのあたふた振りには笑ってしまうし、室戸半兵衛には善悪を超えた一人の侍としてのカッコ良さがある。全員がパーフェクトでコンパクトな物語の中、奇跡のような輝きをこれでもかと放っているのだ。

迫力ある殺陣、そして映画史に輝く伝説の名勝負。娯楽映画に求める全てが詰まっていると言っていい。もしもこの映画を「邦画だから」「白黒だから」「時代劇は苦手」等の理由で敬遠している人がいたとしたら、断言する、それは愚かだ。あぁ、そんな人々に言ってやりたい。そう、ちょっと間をタメて。「・・・、あばよっ!」 紅蓮天国さん 9点(2003-10-13 11:42:00)(良:3票)

217.《ネタバレ》 「椿…三十郎。もうそろそろ四十郎ですが…」用心棒の続編だったのか。三十郎がどんな人物か解っているから話が早い。神社で若侍が集まった辺りから“面白そうなことが始まった”って思ったんだろうな。一匹狼の三十郎に、ひよっこ侍が九人揃って付いてくる様子が何とも微笑ましい。
この面子に呑気な睦田婦人と娘が加わって、緩い空気が作品全体を覆う。椿を使った合図で盛り上がる母娘と対象的に、苛々して屏風の字をなぞる三十郎と、その苛々を察しておろおろする若侍たちが面白い。

神社で菊井の手下多数を、次々と叩き切る迫力満点の殺陣はあったけど、まるで現代の若者そのままの若侍たちと、陸田母娘のゆるふわな会話が、緊張感を和やかに解きほぐす。終盤も討ち入りの緊張感よりも小川を流れる大量の白い椿の美しさに、お伽話を観ているような気分にさせてくれた。

さぁ、有名なあの場面はどこに出てくるのか?私は序盤で出るものだと予想していたけど、最後でした。和やかな雰囲気の作品の終盤、三十郎と室戸の緊張感溢れる対峙のからの、一閃。抜刀から一瞬の決着。おびただしい量の赤い血が噴き出す過剰とも言える演出が、日本映画の新しいかたちを作る。
最後の最後で凄いものを観せたため、血の場面ばかりが取り上げられるけど、大量の赤い血は、大量の白い椿の対比として入れたんだと思う。本作が娯楽映画の傑作として今でも語られるのは、決して奇抜さだけの作品ではなく、映画全体の緩急の付け方の巧みさにあるんじゃないかな。 K&Kさん [DVD(邦画)] 9点(2024-09-23 23:07:50)(良:2票)

216.三船はセクシーだと思う。この映画で見せる男臭さは今の男優にはないものだ。
肩のゆすり方、堂々とした歩き方、どれもハードボイルド。
この男、本当に強いんだろうと思わせてくれる何かがある。
三船のいた日本。彼亡き後の武士の魂は何処へ。
「ラストサムライ」で間抜けな日本語しゃべるトム・クルーズに武士道を語られたくはない。俺は右翼でもゲイでもないけれど、真の男らしさを持っていた三船という俳優とそれを完璧に銀幕に表現しえた黒澤という監督が大好きである。 くぼごんさん 9点(2004-12-11 20:35:29)(良:2票)

215.押し入れの人に夢中。
渚の肺から心臓さん 8点(2003-12-08 22:47:07)(笑:2票)

214.面白かった。96分があっと言う間であった。痛快なシナリオも良いし魅力的なキャラクターも良い。椿三十朗や室戸半兵衛も良いが、城代家老・睦田の器の大きさに感服した。多少ご都合主義な点もあるが左程気にならない程度。広く多くの方に受け入れられる作品だと言えよう。 alianさん [DVD(邦画)] 8点(2018-02-20 19:48:23)(良:1票)

213.《ネタバレ》 時代劇という枠を取っ払っても、痛快娯楽作ジャンルにおいて上位に君臨するだろう名作。
言うに及ばぬ三船の圧倒的な存在感。明快、爽快なストーリー。良い者、悪い奴、切れ者、おっとり役と揃いに揃ったキャラクター。お気に入りは押入れに出たり入ったりのとぼけっぷりが絶品の小林桂樹。
ああ椿三十郎(もう少しで四十郎)。粗くて深くて、おかしみも醸す愛すべき浪士。若侍たちの青臭い行動の浅はかさに苦虫を噛み潰し、御内儀の扱いにはほとほと手を余す。椿は赤だ白だと口を出す女衆に辟易し、ふすまの仮名を指でなぞる三十郎。笑える。でもそんな愛嬌とは別の顔を持つのが殺陣のシーン。全身殺気をはらんだ身体の動き、刀の返しのキレには息を呑む。有名なラストシーンは、それこそ呼吸が止まった。
私ごとですが、映画といえば洋画ばかり観ていて、日本映画のクオリティの高さを知ったのはだいぶ後になってから。黒澤作品はどれも震えるほど感動したものです。これもそんな一本。 tottokoさん [DVD(邦画)] 10点(2017-10-21 00:57:18)(良:1票)

212.前作「用心棒」を上回る絶妙なアクションとユーモアスな雰囲気が融合した映画の真骨頂とも言うべき作品。

益々野性味を増した三十郎(偽名)が介入して巻き起こる大掃除もパワーアップ!
ものの数秒で数十人を斬り捨てる破壊的な爽快感。
もう馬鹿みたいに一人で叩っ斬りまくる。
予告のあの「のほほーん」としたBGMすら「これはギャグ映画だから真面目に見るな」と言いたげだ。
それを迫力ある画質と音響で堪能できるとはいやはや何とも。

何より冒頭から一気に惹き込まれる。
寺で怪しい算段をする男たち、そこに何の前触れも無しに登場する三十郎は前作「用心棒」を先に見ておかないと味わえない雰囲気だ。
その三十郎が若侍たちを嗜め、たった一人で寺を囲む男たちを叩きのめす痛快さ。やたらめったら斬るのではなく、最初は鞘で“警告”する戦術。
「リオ・ブラボー」や「ペイルライダー」もその警告に始まり無駄な流血を避けようと務めるが、結局は血みどろの戦いを避けられない哀しみ。

そんな三十郎が暴力と周到な詐欺師振りを一手に引き受け、戦を知らない若き侍たちに人を斬らせないこだわりが良い。
白刃に輝く刀のような9人の若者。それを鞘に収めて成長していく人間ドラマも見所だ。

「用心棒」に比べると無茶な部分も多い(ラストのアレの量はギャグだろもう)が、そんなたまげた映画が「椿三十郎」だ。

意地でも他の奴を血で染めたく無いのか、問答無用で地に叩き伏せる三十郎。
室戸「おまえみたいな酷い奴は許せねえ」
もっと言ってやって下さい室戸さん。

それと、三十郎のセリフにある「金魚のウンコみたいにゾロゾロ来やがって」的なセリフ。
本当に井坂(加山雄三)と保川邦衛(田中邦衛)以外見分けが付かない(笑)。
後は黒澤映画で見慣れた広瀬(土屋嘉男)くらいか。
そこにお茶目な木村(小林桂樹)を入れて11人。
まるでサッカーのチームだ。
三十郎(三船敏郎)が司令塔兼フォワード兼後方兼・・・要は全部だな。
仕事ほとんどこの人だし。
そんで加山がキャプテンか?
正に「チーム男子」。
監督はモチロン睦田夫人(入江たか子)。マネージャーが千鳥(壇令子)。これがあの「赤ひげ」で井戸端を囲む茶気茶気した娘をやると誰が思ったであろうか?同一人物が演じているとは思えないくらいキャラが薄い。
おっと、腰元のこいそ(樋口年子)も捨てがたい。この娘がいなけりゃ「室戸半兵衛終了のお知らせ」伝説も始まらなかったわけだ。

それに振り回される三人の悪人も見所。
・・・ん?
「銀嶺の果て(原題:山小屋の三悪人)」、
「隠し砦の三悪人」、
「悪い奴ほどよく眠る」の三悪人・・・アンタどんだけ3人組の悪役が好きなんだよ監督wwww。

そして最大の見所といえば、主人公に散々振り回されて部下も上司も全員獄所にぶち込まれて人生を台無しにされてしまう室戸半兵衛(仲代達矢)。
立場が無くなり三十郎との望まぬ「血闘」。
三十郎も心臓ごと叩き切って壮絶な最期をくれてやる。
何という被害者。
情報収集とはいえ若侍を生け捕りにしてくれたり、ちょっと悪ぶりながらも何かと三十郎を気遣ってくれるなど、人間としては物凄く良い奴だった。

仲代の演技力と貫禄も素晴らしい。
あの「卯之助」が旗本一番の剣豪に化けたもんだ。
本当に同じ役者が演じているとは思えないくらい演じ分けが凄い。
殆ど刀を抜かなくとも伝わって来る強者の覇気。
そして背中から漂う哀愁!
「鞘の中の刀」でもあり続けられただろうに、三十郎に果し合いを申し込んでしまったのが武運のツキ。
三十郎と同じように「抜身の刃」と化してしまった。
「切腹」の仲代もそうだが、極限まで追い詰められたからこそ、彼らは真正面から勝負を挑んだ。
意地でもあり、誇りでもある全てを賭けて。
役者ってのはこういうもんだな~とつくづく思う。 すかあふえいすさん [DVD(邦画)] 9点(2014-01-25 13:00:11)(良:1票)

211.《ネタバレ》 武士とか侍とか好きな俺にはたまらない1本。
もう三船敏郎演じる椿三十郎がかっこよすぎるんだ、これが。ただかっこいいだけじゃないところが魅力的。
見ず知らずの若侍達に協力してやったり、最初は何も考えてなかったけどあの奥さんにあのセリフ言われてからは無駄な殺生を控えたり、とそんな一面もあって良い・・・非常に良い。
「や」の文字をなぞる動作が印象的。つい一緒に俺もなぞったよ。

そしてラストの決闘。あの間が良いよ、あの間が。目が離せない、息を飲むシーンとはこれだ!
今まで全然血なんか出てなかったのにいきなり飛び出しすぎじゃない?なんて些細な事は全然気にならないのだ。

テンポも良いし笑いもあるから飽きない。俺は黒澤作品は七人の侍から入ったけど、こういう短めのやつから入ると良いのかも。

ケ66軍曹さん [DVD(邦画)] 10点(2006-12-28 02:25:56)(良:1票)

210.《ネタバレ》 「用心棒」に引き続き化物級の働きで事件解決してしまう〝何ちゃら三十郎もうすぐ四十郎だがな〟。やはり三船敏郎が素晴らしいというか凄過ぎて圧倒されます。今回はその三十郎と、頭は足りないが真っ直ぐな若侍とのコントラストも室戸半兵衛との一騎討ちも見所ですが、私は奥方との関係が何とも好きですね。まるで正反対の人間である二人が、お互い一目置いていると言いますか認め合っている様子が随所に表われています。奥方は三十郎のような鋭い切れ味はなく抜き身の三十郎を〝よく切れる刀〟と称し鞘に収め最高の刀にし召抱えたいと考える。そして危ないほどにギラギラしている三十郎には奥方のような品格が備わっていず、立派過ぎる奥方の前では居心地が悪く借りてきた猫のようになる。このキャラクターの造形と対比はシンプルですが、対極にあるからこそ互いに持ち得ない魅力に惹かれ合うという普遍的な事を面白おかしくも美しく描いています。奥方たちが合図は赤い椿だ白い椿だと緊張感のかけらも無い呑気な議論をしている間、三十郎がイライラを隠せず仮名をなぞるシーンなど笑えます。しかし何と言っても奥方のため三十郎が踏み台になる場面が秀逸ですね。 ミスター・グレイさん [ビデオ(邦画)] 9点(2006-03-13 18:45:22)(良:1票)

209.文句なしにおもしろい!三船と仲代が本当にいいです。もっと殺陣ばかりの映画だと想像していたら、スティングばりの巧妙な駆け引きが中心で意外でしたがそれはそれとして脚本が面白かったので、すごく楽しかったです。最後の接近戦が映画全体の引き締め役をしっかりはたしていてよくまっとまった印象をうけました。通常右手で抜く刀を左手で抜き、右手を峰に当てて押し切る!このスピードは北野監督の座頭一以上ですね。というより映画史上最速の殺陣でした。あそこの動きを高校のときに文化祭で使うために20回以上繰り返して見た記憶があります。しかし、どう練習しても自分の腹を深くえぐる形になり、皆に止められ結局本番で使用しなかった苦い記憶があります。この映画を皆が見てくれてたなら、当時の僕の熱い気持ちをきっと理解してくれてたことでしょう! ジャザガダ~ンさん [DVD(字幕)] 10点(2005-10-30 01:42:56)(良:1票)

208.痛快コメディ時代劇として見ました。映画全体の流れるような静と動の表現が素晴らしかったです。有名な対決シーン。にらみ合う二人に見ている方も思わず息を止めてしまいます。ムッ・・・・・・。あのタイミング!血しぶき噴射担当者は「その時が来たらGOだ」との指示しか受けていなかったそうですが、バッチリ合ってます。「気が満ちる」ってそう言う事なんでしょうね。室戸半兵衛の最期に自分の行く末を見ながらも、生き方を変えることはできない。去って行く三十郎の後ろ姿が切ないです。 黒猫クロマティさん 9点(2005-01-05 11:51:57)(良:1票)

207.すんごくおもしろい。椿三十郎だったらN○K新選組なんて秒殺です。あいつら下手だもんなぁ演技も殺陣も・・・悲しくなりますね黒澤、三船の素晴らしさをだれも受け継いでいない様な気がする。 一番星☆桃太郎さん [DVD(字幕)] 9点(2004-07-19 02:22:43)(笑:1票)

206.日本を代表する役者:渥美、勝、高倉、松田を以ってしても、この時期の三船敏郎の神がかり的な「存在感」に勝る者はない。 四十年のときを経てなおも輝き続けるいぶし素浪人。 電光石火のごとく見張りを切り殺し、若侍の下へ歩み寄りの激しいびんたのシーン。 「生きるか死ぬか」を心底分かっている男の凄みが見事に出てましたね。 いやシビレました。 こんな役者は二度と出ないでしょうね。 恐るべし!!! 三船敏郎。 Berettaさん 10点(2003-11-15 16:49:23)(良:1票)

205.自分的には「用心棒」より、ちょこっと評価が下がる。しかし、傑作であることに変わりはない。映画的手法が、そこかしこに、ちりばめられていて、観ていて気持ちが良い。皆さんご指摘のおっとり母子、小林も良いが、怪優「伊藤雄之助」の存在も忘れてはなるまい。短い出番ながら、「生きる」とは対極の演技。さすがである。いずれにせよ脇役もしっかり自己主張しているところは黒澤作品の真骨頂。後期、こういった作品が少なくなったのは残念である。 すぎささん 9点(2003-08-18 22:57:11)(良:1票)

204. どなたも言ってますが、矢張りあんまり無茶に強過ぎる主人公てのはどうも興醒めです。とりあえず窓から見えるモノを片端から名字にしてしまう(前作では桑畑、今回は椿)トボけたキャラクターとかは結構好きなんですけどね…。それと、加山雄三たち青年藩士がチトおバカ過ぎるのも不満。続編の中ではわりかし秀作の部類に入るとは思いますが、黒澤作品では中の上程度だと個人的には評価してマス。 へちょちょさん 7点(2002-12-24 04:30:59)(良:1票)

203.黒澤作品としては「天国と地獄」と並んで最も強烈に印象が残っている「用心棒」の姉妹篇。時代劇であるにも拘わらず、登場人物のセリフは現代劇調で喋らせるという、ユニークな手法が話題ともなった。コミカルでほんわかした雰囲気と凄まじい殺陣の見事さといった、緩急自在の黒澤演出は素晴らしく、ラストの決闘シーンは今尚語り草ともなっている。 ドラえもんさん 9点(2001-08-19 00:19:36)(良:1票)

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【点数情報】

Review人数 222人
平均点数 8.15点
000.00% line
100.00% line
210.45% line
310.45% line
462.70% line
594.05% line
6146.31% line
73314.86% line
85022.52% line
96027.03% line
104821.62% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.82点 Review17人
2 ストーリー評価 8.54点 Review31人
3 鑑賞後の後味 9.03点 Review28人
4 音楽評価 8.40点 Review20人
5 感泣評価 6.00点 Review11人

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