みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
82. 1968年時点でモノクロってのは多分に低予算ゆえのコトかと思われるが、それが制作スタッフの想像を遙かに凌駕して秀逸な効果を生んでいる。1978年版「ゾンビ」との最大の違いは正にココにあると思う。カニバリズムの不快さに絶妙なフィルタ-がかけられ、何とも言えない不気味なムードを醸成する結果となっている。ゾンビたちの特殊メイクの稚拙さをボカす意味合いからも「正解」と言わざるをえまい。何がどうなってゾンビが蔓延るようになったのかは相変わらずサッパリ分からないが、兎に角、各地で一斉にゾンビが活動を始めたのだ!!と主人公たちと同様に無理矢理ナットクするしかないのも彼らに感情移入させる動機付けとなっており、78年版などより余程優れていると思う。無名の俳優ばかりなのも、この手の映画の場合には大正解。ココで見慣れたスターなんか出てきた日には「ああ、コイツが主役で生き残るんだな。」と後の展開がバレバレになり、激しく興醒めするコト間違いナシ!!どいつもこいつも全然馴染みが無い顔ばっかりなんで先の読めない緊張感・テンションが維持され続けていた。加えて立て籠もるのがごく普通の館というのも良かった。78年版のスーパーマーケットは長期の立て籠もりを考慮すれば「正解」なのかもしれんが、”ホラー”の雰囲気ブチ壊しだった。ラストの後味悪さもこういうジャンル映画では全くオッケー!!ていうか、アレ位やらんと作品のインパクトが弱くなったかもしれない。78年版は酷評してしまったが、イヤ本作は歴史的意義だけでは無い面白さがあって、以後幾多の類似品(ロメロ自身の作品も含む)を生み出すオリジナルとしての風格すら漂っている。恐らくロメロ監督のベストワークだろう。素直に敬意を表して…8点。 【へちょちょ】さん 8点(2003-03-06 00:48:23)(良:4票) 81.この映画を観て、ロメロのゾンビ映画で気がついた共通点が2つ。①黒人を勇猛果敢に描いている。②女性は守ってあげるべき存在。①について、この映画ができた1968年はちょうど、公民権と非暴力主義を訴え続けてきたキング牧師が夢半ば暗殺された年です。襲ってくるゾンビもほとんどが白人。裏切る男も白人。ラストで○○する人間も白人。この映画に関して、本当の恐怖は”人間”なんですが、僕には白人と黒人の差別問題も提起しているような気がしました。白人も黒人もみな同じ命、死にたくないのだと考えれば、映像をわざわざモノクロにした理由もなんとなく納得します。②について、バーバラがまったくの役立たずですが、兄思いの妹です。他にも冷静な判断の出来ない夫をみかねて娘を守る母、ゾンビを省みず恋人を追いかける女の子もいます。か弱いけど男にとっては女性は精神的にも必要な存在であるということを伝えようとしている。以降のゾンビ映画でも男が女を守ってやらねばならないという描写が、目立たないけど結構ある。そういう意味ではこの映画にはテーマがいっぱい詰まってる。当のロメロ自身は怖い映画を撮りたかっただけなのかもしれないんでしょうけど。映画で大事な事、”観た人間がどう思うか”ってことですね。ところでゾンビの中に一人、しましまパンツ1丁のオヤジがいました。彼はゾンビになる直前、一体ナニをしてたんでしょうか? 非常に気になる…。 【どんぶり侍・剣道5級】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-01-16 22:10:09)(良:2票) 80.言わずと知れた傑作。ゾンビの基本、そして誕生がここにあります。他の仕事をしながら、週末だけでこれだけの傑作を作ったロメロは凄いです。お金じゃなく、熱意があれば面白い映画、名作が出来るという良い見本です。 【カズゥー柔術】さん 9点(2003-09-04 18:33:05)(良:2票) 79.《ネタバレ》 動から始まる「ドーン・オブ・ザ・デッド(ゾンビ)」、静から始まる「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」。 「ドーン・オブ・ザ・デッド(ゾンビ)」に対してアクションは少ないが、多彩な登場人物の魅力と突然襲い掛かる恐怖はコチラの方が上かも知れない(もちろん撃ちまくる「ドーン・オブ・ザ・デッド(ゾンビ)」も大好きです)。 一本の道を走ってくる一台の車、不気味な音楽。 車は道から墓場で止まる、男と女の会話、ラジオ、ドアを開けて一人ずつ車から降りていく。不気味に拡がる木の枝、葉。 白黒の簡素さが余計に恐怖を増大させる、墓参り、雷、くもり空。 6分を過ぎた辺りから恐怖は加速する。 ゾンビのように突然現れ襲い掛かる謎の男、走る走る走る! 倒れざまに墓に頭を打ち付けられる、他に誰もいない墓場での追いかけっこ、車にこもる、女は運転の仕方を知らないか単にパニックに陥っているのか、窓を割り伸びる手。 入口が木によって塞がれる、車を捨てて全速力で駆け出す、最寄の建物を探してまた走る走る走る、密室に逃げ込む、部屋には誰もいない、不気味な剥製。 陽が落ちる外、ぞろぞろと同類が集まってくる、とっさに掴むナイフ、階段を上った先で見た絶望、扉の先で出会った希望。滴り落ちる血、遺体を幾度も引きづる事になる地獄。 ライトを割る、何度もバールを打ち付ける、突き刺す、何かに引き寄せられるように次々と家の中に入ってくる群集の恐怖、遺体は火をつける事で壁になり、ゾンビは火に弱いらしい事がアクションだけで説明される。 バリケード、電気はまだ通っている=まだ人類は生き残っているという淡い希望、家の中から武器を探す、女も恐怖に抗うための戦いを始めていく、外から入ってくる情報によって彼らの籠城戦はより深刻なものになっていく。 落ち着いて互いの事を話し合う平穏、家族の死が信じられずに泣き叫ぶ、気を失った彼女をソファに寝かせ窮屈そうなコートをはだけさせる優しさ。 ラジオを聞きながら黙々と要塞にしていく、救助を信じて灯す暖炉、予想だにしないドアの発見、ドアから見つける武器。 扉に隠されていたものの“登場”によって、警戒心がとけはじめた事を物語る。同じ人間すら信じきれない恐怖。 窓から突然現れる恐怖、撃たれたゾンビの反応が物語る彼らにとっての急所、ゾンビは何でもかんでも貪る。 非常時とはいえ自分の家をメチャクチャにされてご立腹、ラジオ→テレビ。 脱出するための作戦開始!火を投げ込み、隙をついて奪取、行き先を見守る視点。心を失ったが故に手ごわいゾンビ、心があるが故にもろい人間。 アクシデント、燃料、焼けただれた遺体からすら肉を探して食べる、狂気も正気もないあるのはただ「食う」という本能。 電気が消える事で外との繋がりが絶たれた事を物語る、燃え尽きた遺体、極限状態で破滅へと向かっていく人間たち。自分の命欲しさ故に。 かぎ爪という人として扱われない衝撃的な結末。写真と火葬が語るのみ・・・。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2015-07-14 13:35:33)(良:1票) 78.超低予算ということもあって編集面に粗が目立つものの、それを利点と取るか欠点と取るかは観る人の感性次第。話は本当によくできてる。画かれているのはたった一夜の出来事。オープニングからエンディングまでの時間経過を換算しても恐らく24時間にも満たない(あるいは、その半分以下かも)。なのにここまで深い。そんな短い時間経過でよくここまで人間ドラマを組み立てたもんだ。アッパレ!!また自分が特に関心したのは、バーバラが最初のゾンビに追われてから、ベンに始めて話し掛けるまでの間、彼女は一言も喋らない。下手な監督だと観客に登場人物の心境を伝えようと何か独り言でも喋らせるんだけど、ロメロはそんな無駄な事はしなかった。これは無言の訴え。あの時の彼女にはせいぜい悲鳴を上げる程度の事しかできなかったんだと思う。ホラー映画史上最高の演出と言っても間違いではないはず。 【梅田山津】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-01-03 13:15:20)(良:1票) 77.真昼間に観たのに怖い! ホラーには慣れてるはずなのに……甘く見ていました。さすがは名作。モノクロの効果って凄いんですね。家の前で蠢いているゾンビの映像だけで、他のゾンビものでは感じたことのないような恐怖を覚えました。この暗闇と、息の詰まるような閉塞感は何か根源的な恐怖に訴えるものがあります。 『ドーン・オブ・ザ・デッド』なんかはサバイバル・ゲームって感じで、怖いよりも面白い。けれど、これはとにかく怖い。生き残る希望は皆無で、蟻地獄にはまってしまった蟻の気持ちがわかったような気がします。いくらもがいても、死ぬしかないという絶望感があるんです。 【no one】さん 8点(2005-03-11 16:17:59)(良:1票) 76.一通り後の作品を観てしまった後で観ることになったので、どうかな?とちょっとコワかったんですけど、いえいえどうして。ほとんどこれ一本で生きて行く羽目になったジョージ・A・ロメロの熱い情熱ほとばしる傑作だったと思います。やはり予算のない中での手作り感覚を多少身贔屓的に許してしまえるのは仕方のないことだと思うのですが、様々な悪条件をクリアしてこの水準を達成できることは素晴らしいと思いますし、インディーズ作品ならではの質の高さ、作り手の思い入れの高さが素直に伺われる良い作品だと思います。後に作られる一連のゾンビ物に比べるとやはりスケール感もミニマムだし大きな仕掛けはありません。ただロメロのルーツとも言える昔のホラー映画、「フランケンシュタイン」とか「ドラキュラ」等のゴシックホラー感覚は最も強く現れていると感じます。このホラー映画に対するひたむきな愛、そして彼の生み出した「ゾンビ」という新しいモンスターへのこだわりの記念すべき第一歩として、少しもその名に恥じることのない作品だと思います。やはり市井の一映画ファンとして、作り手がどこまで映画を愛してくれているかは重要な共鳴ポイントとなると思いますので、私はこれ、観て良かったと素直に思いました。ジョージ・A・ロメロは素敵です。 【anemone】さん 8点(2004-08-29 22:56:49)(良:1票) 75.文句つけろと言われてもどこにもつけようがないほどの傑作です。ゾンビの生態がこの一本ですでに完成されていること、それだけでもスゴイことなのに、さらにつっこんで人間の業までテーマにしていること、密室サスペンスとして完全無欠の完成度であること。ホラー映画としては今のところ最高の傑作でしょう。低予算であることもかえっておどろおどろしい雰囲気に貢献しており、傑作であることを運命付けられたような映画です。そんな傑作なんですけど、DVDで30周年版を見ると、そのあまりのヒドさに愕然としました。新撮部分がまったくの意味不明で、しかもいらん音楽までつけられてる始末。何がしたくて作ったバージョンなのかがサッパリわかりませんでした。とはいえ、このバージョンには日本語吹き替えがついており、やっぱり捨てがたいDVD。オリジナル版に吹き替えつけてくれれば完璧なんですけどね。 【ザ・チャンバラ】さん 9点(2004-08-19 01:04:14)(良:1票) 74.リビングデッドトリロジーではやっぱりこれが一番好き。つーか面白すぎ。後追いのB級ゾンビ物やらスプラッタ物とは比較するのも失礼。外見だけでなく中身があってこそ「映画」であるのだと確信できますね。極限状態でこそ見えてくる人間の本性!ゾンビなどより人間の方がよっぽどバケモノなのだと言う事ですね。こういう作品こそ本物の名作と言うのです 【ぽーち”GMN”ありしあ】さん 10点(2003-08-24 00:45:04)(良:1票) 73.いつでもどこでも何度でも言わせていただきますが、私は、一軒家に閉じこもって攻防戦を繰り広げるこの手の映画が大好きなのです。しかも全編これ攻防戦。最高。で、とてもコワイ。恐怖を日常の延長に設定するのが恐怖映画の常ですが、この映画は、日常のネガポジが突然反転してしまったような、異様な怖さに裏打ちされてます。 【鱗歌】さん 9点(2003-06-08 01:44:57)(良:1票) 72.言わずと知れたロメロのアヌビス3部作の序章にして、ホラーの古典的名作。残虐表現などは他のゾンビモノよりも控えめで、画像もモノクロだけど、それが逆に物語の視点をゾンビにではなく、錯乱状態になった人間同士のやり取りに向けられていてとても良い。予算や技術の関係もあるが、派手なCGや音響効果が使えない分、話の内容や演技で勝負したあたり、今の監督陣も見習ってもらいたいものである 【クリムゾン・キング】さん 9点(2003-03-13 02:26:45)(良:1票) 71.本編もコワかったけど、予告編の「ナイト・・・オブ・ザ・リビング・デーッド」のあの言い方が怖いッ! と、ツレの間で大流行りした。 【アンドロ氏】さん 7点(2002-12-17 21:59:27)(笑:1票) 70.《ネタバレ》 “NIGHT OF THE LIVING DEAD”『生ける屍の夜』。 全てのゾンビ映画の起源。モノクロでレトロな雰囲気が漂うけど、'68年と意外と新しい。この作品までの『ゾンビ』とは、ヴードゥー教の“畑とかで奴隷労働をさせられる死体”が原点で、人を襲うことはしません。本作よりもっと昔、'32年に『恐怖城』というゾンビ映画があったようですが、怖いのはゾンビではなく、ゾンビを作り出すマスター(祈祷師)の方だったみたいです。なので、この作品からゾンビ自体が恐怖のモンスターとなりました。 そして本作で追加された新設定①人を襲う。②頭を破壊しないと死なない。…といった今ではスタンダードな設定が誕生しました。また⑤火を怖がる。⑥動きが遅い。といった、宗教ルーツのモンスターらしい特徴も備えていますね。ここは恐らく次作までは継承されてます。 ※だけどベンの話だと猛スピードの給油トラックを襲ったらしいので、新鮮なゾンビは足が速いのかも? 作中ではモンスターを『ゾンビ』とは言ってなくて、これらの設定は、映画の中で徐々に解っていくようになっていきます。 ※基礎として、多くの人が本作を観る前にゾンビの設定を知っているので、徐々に明かされるモンスターの特徴を、新鮮な気持ちで観る視点は要求されます。 本作で一番の衝撃設定が、人を襲うだけでなく③襲った人を食う=カニバリズム。でしょう。ゾンビを怖いものにした最大の要素がこの“共食い行為”で、映画も残すところ20分って辺りに行われます。この映画のハイライトですね。人間の形をしたモンスターが、第三者ではなく映画の登場人物・トムとジュディの手や内臓を食う映像は、当時は倫理的に相当際どい描写だったと思います。’68年なのにモノクロ作品だったのも頷けます。 そして④噛まれた者もゾンビになる。この描写は、残り10分って辺りに、クーパーの娘と、バーバラの兄の登場で明らかになります。ゾンビが延々と増え続ける絶望感に繋がっていますが、作中では、クーパーの娘が父を食い、母を刺し殺すというおぞましい描写が描かれます。更に普通の映画だったら助かるヒロイン・バーバラが兄ジョニーに抱き抱えられて連れ去られます。その場で殺すのでなく“集団で女性を連れ去る”という行為が強姦(しかも兄妹)を連想させます。 物語も終盤に来て、カニバリズム、親殺し、近親相姦(を連想させる描写)といった、宗教倫理上の“禁忌行為”をバンバン入れてきます。この辺りが作中のモンスターを“ヴードゥー教のゾンビと同一のモノ”としなかった要因だったのかもしれません。後々を考えると、宗教ではなく原因不明(彗星や隕石とも言われますが)としたことが、他のモンスターと比べ、ゾンビの使い勝手の良さを拡大させたんでしょう。 恐怖の夜が明け、保安官達によって、ゾンビ騒動の鎮圧が成功しそうな方向で終わります。そうでもしないと、あまりに救いがなかったからでしょう。 ちなみに私が最初に観たの(レンタルビデオ)は、今となってはレアな着色カラーバージョンでした。普通のカラーと比べてそんなに違和感はなかったけど、炎の表現は透明感のないベタ塗りのオレンジでしたね。 【K&K】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2024-12-08 11:44:27) 69.《ネタバレ》 群雄割拠、今や星の数ほど存在する数多のゾンビ映画の始祖にして最高傑作。 内容に付いては今更感満載なのでここでは敢えて触れない。 先日、Webで本作出演陣が撮影の合間に撮ったであろう一枚の集合写真を目にする機会が有った。 本作がモノクロと言う事も有り、カラー写真で有る事が妙に新鮮で最も強く印象に残ったのは 皆本当に演技では無い屈託の無い明るい笑顔だったと言う事。 それは作成当時の現場の雰囲気の良さが判る良い写真だった。 55年前の本作作成当時は現代以上に人種差別が色濃く残っていた事は想像に難くなく、 その様な時代背景の中で、何故皆がここまで良い笑顔を見せてくれたのか?をと色々考えてみたのだが、 やはりロメロ監督自身が本作に込めるテーマ・メッセージを出演者の皆に丁寧に説明し、 それを皆が納得してくれたが故の笑顔なのかと自分なりに結論付けた次第。 チームロメロは一作目から機能していたのだと言う事を想像出来、何だか嬉しい気持ちになった。 【たくわん】さん [映画館(字幕)] 10点(2023-07-24 17:08:54) 68.この題材で、この時代で、モノクロは珍しいと思いました。アクションシーンで、パンチが当たってないのに、当たったことにして吹っ飛んだり、倒れる演技を見て、先行きが危ぶまれたのですが、後述するように、作品の肝はパニック下での人間描写なので、慣れると気にならなくなります。今でこそゾンビ映画というと血みどろ要素満載ですが、ゾンビ映画の元祖と言える本作に、スプラッター要素がほとんど無いのは驚きで、とても新鮮でした。ぱっと見、生きてる人と見分けが付かないのですよね。帰還した金星探査衛星の爆発による放射能の影響で、ある地域の、埋葬される前の死体が生き返ったという設定なので、肉体はほとんど崩れていなくて、メーキャップに凝るようなことはしてません。ゾンビ一人一人は動きが鈍いので大して強くなく、不意を突かれない限りは退治可能なのですが、群れをなすと、とても難儀するというもので、ゾンビの群れに襲われて、ある家に避難してきた男、女、カップル、親子が、この非常事態にどう対応するかという人間ドラマ的な要素が強く、そこの部分がしっかりとつくられているので、ホラー要素が弱いにもかかわらず、とても楽しめました。エンディングは、期待に応えてくれました。 【camuson】さん [DVD(字幕)] 6点(2023-02-18 20:31:47) 67.《ネタバレ》 なんかね、肝心の登場人物たちがイラッとする人ばっかりで、何とか助かってほしいと思わせる存在ではないので、ゾンビが迫ってきてもハラハラしないんですよ。それと、テレビで割と詳しくああだこうだと状況が伝わってしまうのも、情報遮断ゆえの恐怖という味わいを削いでいます。回線がつながらない中でちょっとずつ映像が入って、断片的に分かる、とかの方が良かったと思います。●一方で、ゾンビの発生原因や個々の変異経過は一切無視しているのは素晴らしい。この的確な判断こそが伝説のスタートになりました。できれば道具は使わないでほしかったけどね。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 5点(2021-10-01 00:21:31) 66.《ネタバレ》 コレも随分久しぶりに観ましたが、やっぱメッチャ面白いっすね。コレを超えているゾンビ映画とゆーのは、今なおそれホド数も無いかと思いますですね。 「何故そーなったか」という点に眼を瞑れば、とにかく革命的な状況設定が優秀すぎるワケですが、今作時点で設定は既に完成されていながらそのシンプルさゆえに隙も無く、序盤からの状況不明さから次第に恐るべき数々の事実が明らかになっていく展開だけで今観ても特大の衝撃があります(この単純で豊潤で贅沢な展開運びは正に発明者の特権でしょう)。そして、そんな狂気に満ちた状況の中で右往左往し、取り立てて有効な対抗手段も見い出せず、終いには仲違いをして破滅していく登場人物にも非常に冷徹なリアリティがあります。終盤畳み掛ける悍ましい描写の数々にも、演出手法自体は安上がりながら十分な凄みがあり、この点からも見応え抜群と言えるでしょう。いや~面白い!正に原点にして至高、という作品ですね。また、ここまで完成度の高い低予算映画というのも珍しいと思います。 映画だって重要な文化の一翼を担ってるのですから、その意味では今作と二作目『ゾンビ』は義務教育の必修にするべきだと考えてます(中学生のうちに必ず観るべき映画だとマジで思いますね)。本来的に9点で好いと感じますが、9点は『ゾンビ』に、こちらは8点にしておきます。 【Yuki2Invy】さん [DVD(字幕)] 8点(2021-07-27 23:52:04) 65.漫画家の荒木飛呂彦さんの「こいつはビビったぜ映画ベスト10(もうやめてくれといいながらそれでもみたベスト10)」第1位に挙げられていたのが気になって視聴しました。 退屈な導入部分や、バーンと出て来るビックリ要素、状況を悪化させるために配置される馬鹿キャラ等、私がホラー映画に要らないと感じていた要素が無く、じわじわと追い詰められていく恐怖演出がとても良く出来ています。ストーリー自体は簡素ですが、ホラー映画としての完成度の高さを評価してこの点数です。 結構グロいシーンもあるのですが、白黒なのでそこが救いですね。と思ったらカラー映像の良リメイクがあるのですか・・見たいけど怖いなぁ。 【alian】さん [インターネット(字幕)] 8点(2021-02-05 00:06:41) 64.《ネタバレ》 黒人男、最後、なぜすぐ助けを求めない?誤解を与える行為はしないこった。だが、ゾンビ映画はバッドエンドのほうが良い。 ※ロメロのゾンビ三部作、製作年代が新しくなる毎に、原題とエンディングの明るさが増している。 【festivaljapan】さん [DVD(字幕)] 6点(2019-12-31 21:22:31) 63.《ネタバレ》 追悼ジョージ・A・ロメロ。天寿を全うしたのかもしれないけれど、もう少し長生きしても良かったのかな。ほんとにメジャーな映画賞とは無縁な人でしたが、あと10年ぐらい生きていればオスカー名誉賞ぐらいは貰えたかもしれなかったのに、ロジャー・コーマンですら与えられてるんですからね。星の数ほどいる映画人の中でも、彼のように若くして一つのジャンルが確立されるような映画を撮って、その後50年近くそのジャンルだけで飯を食ってきたという人は、他に見当たらないです。ゾンビもの以外のロメロ作品はほんと駄作ばっかりですけど。 さてその原点となったのがこの『リビング・デッド』というわけです。正直今の眼で観れば怖いという感じは全然しませんけど、その全編に漂う禍々しさと不条理感は半端じゃないです。登場人物たちはすぐにゾンビたちに囲まれてしまうんですけど、この登場人物たちがみなキャラがえぐいというか鬱陶しいやつばかりです。ヒロインと思った女性は冒頭でゾンビに襲われてからはショックでほとんど痴呆状態、正気に戻ったらあっという間にゾンビたちの餌食。カップルさんはうっかりミスでガソリンをこぼして車ごとまる焼けにされてしまいます。仲の悪い夫婦は、夫はその卑劣な性格がたたって黒人青年に射殺されゾンビ化した娘に妻とともに喰われてしまいます。この人たちが交わす会話は、身の上話や感情的なところはほとんどなく、ただお互いに「上に行け、下に行け」といったセリフばっかりなんですが、聞いているとほんとに鬱陶しい限りです。 本作がその後のゾンビ映画と決定的に違うところは、原因はともかくとしてもほぼ一晩でゾンビたちが制圧されてしまうところです。ゾンビの出現とそれに対する社会の対応は、ロメロにとっては当時の米国の社会問題や人種問題を暗喩する材料だったんですね。ラスト近くで鳥獣よりも簡単に銃で狩られてゆくゾンビたちなんかは、実に象徴的な映像です。風刺の道具だったゾンビが大うけしてジャンルというか記号の様な無敵の存在になるとは、さすがのロメロも予想すらできなかったでしょう。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-07-22 23:39:46)
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