みんなのシネマレビュー

泣く子はいねぇが

Any Crybabies Around?
2020年【日】 上映時間:108分
ドラマ青春もの
[ナクコハイネェガ]
新規登録(2023-07-13)【Yuki2Invy】さん
タイトル情報更新(2023-10-27)【イニシャルK】さん
公開開始日(2020-11-20)


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ブログに映画情報を貼り付け
キャスト仲野太賀(男優)後藤たすく
吉岡里帆(女優)桜庭(後藤)ことね
寛一郎(男優)志波亮介
山中崇(男優)後藤悠馬
田村健太郎(男優)大友
古川琴音(女優)フットサル場の同僚
松浦祐也(男優)
師岡広明(男優)
板橋駿谷(男優)
猪股俊明(男優)
余貴美子(女優)後藤せつ子
柳葉敏郎(男優)夏井康夫
撮影月永雄太
企画是枝裕和
プロデューサー河村光庸(エグゼクティブプロデューサー)
配給バンダイナムコアーツ
スターサンズ
美術西尾共未
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【クチコミ・感想】

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2.《ネタバレ》 秋田色の濃い映画である。海浜景観に日本海沿岸の風情があり、秋田名物ババヘラアイスも出たのは感動した。地方ではあるがみな現代に生きる日本人であり、必要以上に田舎臭く見せることもないのは秋田出身の監督として当然といえる。
男鹿の「なまはげ」に関して、劇中では「なまはげ保存会→存続の会」会長の男が全体を一人で引っ張っている印象だったが、実際は多数の集落単位で個別に行ってきたものらしい。もともと地元の青年団のような人々がやっていたのだろうから多少の不祥事があっても変でなさそうだと思うが、現実に2007年末の悪質な事件が全国に知れ渡ってしまったことがあり、この映画もそのことが発想の原点にあったかと思われる。行く先々で酒を注がれて飲まねば済まない地域社会の縛りの中で、主人公のような腑抜けが個人的方針を通すのが難しいのは間違いない。

帰郷した主人公を直接責める者はあまりいなかったが、あからさまに攻撃して来たのが会長の男であって、これは主人公のせいというより会長自体の人間性による。「わがんねんだよおめだぢが」と言っていたがわかる能力がないのであって、自分の決めた枠に人間をはめ込む以外の観念がなく、枠から外れた者には容赦なく憎悪を叩きつける。本人は善意と信じているので手に負えず、指導力があると思われて持ち上げられるのでどこまでもリーダー然としつづける。個人的には最悪と思うがこれも人間なのでどうしようもない。
一方の主人公は極めて善良な男だが、眼前の問題にまともに向きあえない人間だったようで、今になって向き合うにしても普通人のレベルとの差が開きすぎている。保育園での姿などはあまりに見苦しく、おめあど死んだ方いいんでねが(…秋田方言になっているか不明)と言いたくなったが、現に生きている人間が簡単に死ねるわけもないのでどうしようもない。序盤に出た「シロクマ効果」との関係でいえば、最後の出来事を経て心が入れ替わる可能性も表現されていたかも知れないが、安易に希望を語る気にもならなかった。
解説によると「父性」がテーマだそうだが主人公があまりに不甲斐なく、とても父性を語る域に達してないようで素直に受け取れないが、しかしそういう感想自体が劇中会長に近いかと思うと何ともいえなくなる。自分としては会長よりは主人公に近い側と感じたのは間違いない…というよりかなり近いかも知れない。結果的に自省させられた映画だった。

ほか周辺人物に関して、「運動会」ビデオを見た兄の発言は不明瞭だが孫を見せたかったと言っていたのか。事件のせいで兄が結婚の機会を逃したとすれば、いわば会長と並ぶ直接の被害者だったことになる。また親友も主人公の任務懈怠のせいで破滅したとすれば被害者だろうが、悪友ながらも最後まで主人公の味方だったらしい。社会にはこういう奴もちゃんといるということで、自分が神様の会長などとは大違いだった。
出演者について、吉岡里帆は個人的に最近見ていなかったが、こういう顔をしてみせる人だったかと改めて思った(顔自体はどんぎつねと同じだろうが)。また序盤だけだったが古川琴音という人も目を引いた。仲野太賀には引き続き期待する。 かっぱ堰さん [インターネット(邦画)] 8点(2023-09-30 10:51:07)

1.《ネタバレ》 諸々、思ったよりも全然シビアでビターなお話で、んで仲野太賀は子持ちではあるんですが確かにコレは完全に青春映画の範疇に在る作品すね(若くて若くて⇒苦くて苦くて)。そんでまた、その苦さ(居辛さ)が結構ズーッと続いてゆくとゆーか、息継ぎのヒマもあんましねーなとゆーか、その意味でも個人的に高度に想定外な映画だと感じちゃいましたね。まァゆーて、この主人公がそーいう状況に陥っているコトの「理由」自体はごくシンプル・オーソドックスな方のヤツだと思いますし、重ね重ね観ていて相当な長時間がワリと苦い(ダケの)映画だったかもな…つーのもシンプルに心地好くはなかったのですね。居辛さに関しての具体的な理由としては、まずは吉岡里帆が(本当に最終盤を除く全編で)ひたすらに怖すぎるとゆーのと、二つ目にじゃあソレをカバーしてくれる様な仲野太賀の味方が居るかってーと実はそーでもない、という四面楚歌に近い様な状況があったりもしてですね…(⇒序盤の古川琴音ちゃんとかも含めて、結構ほぼ全員にキレられてるor呆れられてるorナメられてる、てな感じで…)でもしかし、ソコを踏まえてのオーラスは確かにスゴく好いシーンだったと思いますね⇒コレがやりたかったんだな!と納得して、んで一点上げるコトにしました(別に二点上げても好いのですが、いったんココまでで)。

※余談:とは言えもう一つの観点で、主人公がこーなってしまった直接的な原因の「酒絡み」のイベントについては、少し申し上げたいコトもあるのですね。第一には、この具体的な事件のインパクトが少し大きすぎるコトが(⇒ほぼほぼデジタルタトゥー的なレベルのコトだと思えてますが)本作に描かれる「コトの本質」をややボヤかしてしまってる様に見える…てのが疑問の一つ目。次に、仲野太賀はおそらく元々あーいうキャラ(酒乱)なのだから、彼がこーなってしまったのは彼だけの責任ではない⇒飲ませたヤツも同罪だろ!という個人的視点からの疑問二つ目。最後に、そもそも何であの状況でアレをカメラに映してんだ!という(コレが最大の)疑問三つ目。その辺なんかも含めると、個人的にはやっぱ太賀くん流石にちょっと可哀そうだよな…(そのワリにも全く救われねーし…)てのがまた正直なトコロの感想なのですよね。。ま~コレも、疑問の後者二つについては私自身がまた酒飲みだから…というコトなのは承知しては居ますケドも…… Yuki2Invyさん [DVD(邦画)] 6点(2023-07-14 16:33:05)

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【点数情報】

Review人数 2人
平均点数 7.00点
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