みんなのシネマレビュー

悪は存在しない

EVIL DOES NOT EXIST
2023年【日】 上映時間:106分
ドラマ
[アクハソンザイシナイ]
新規登録(2024-02-26)【Cinecdocke】さん
タイトル情報更新(2024-04-30)【Cinecdocke】さん
公開開始日(2024-04-26)


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監督濱口竜介
キャスト田村泰二郎(男優)
脚本濱口竜介
音楽石橋英子
企画濱口竜介
石橋英子
編集濱口竜介
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【クチコミ・感想】

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3.《ネタバレ》  タイトルが鑑賞のポイントになってる映画って気がするの。悪は存在しないってどういう意味?逆説的な?単純な二元論じゃないみたいな?って色々な先入観で映画を見る事になるじゃない、ハナからまっさら、ニュートラルな姿勢で見るというのが無理な感じで。

 冒頭の延々と仰瞰で木々を捉え続ける移動ショットで早々に「どうしよう?」って感覚に陥っちゃうのだけど(あ、なんか前衛的なヘンな映画見にきちゃった?)やがて人が出てきて物語を紡ぎ出すので安心するわ。そこからの展開に自然と人間との共生、その距離の取り方とかあるべき姿とかを語るのかな、それぞれの立場を想うならば、安易に正義とか悪とかを定義すべきではないって話なのかな、なんて考えちゃうワケ。
 だけど映画は突然予定調和の道から外れて「ええ~?そんな話?」って結末を迎えて。なるほど、それはそもそも正義とか悪とかいう次元の話じゃないし、ソレはどの視点からも切り離された、ソレにとっては意味を定義する意味も無い事象だし、って。そこまで実のところいっぱい伏線が張られていて、でもその伏線が回収されたからって気持ちイイとかいうのでは全く無くて。

 登場人物一人一人、映画の中で時間が流れてゆくに従って段々と人柄、人間性が見えてきて、それは肯定的でも否定的でもなく(東京の事務所の2人はともかく)それぞれに人間で、だけど実のところ映画はそこに優しい眼差しを見せる事もなく。
 見てるこちらも突き放されてるわねぇ、って印象の映画だったわ。ずーーーん、ってカンジよ。

 冒頭の木々は最期に見た風景だったのかしらねぇ・・ あにやん‍🌈さん [映画館(邦画)] 6点(2024-05-30 14:50:36)

2.《ネタバレ》 序盤のゆったりした生活描写は正直退屈で睡魔に襲われ「これはハズレだったか」と思ったのですが、グランピング開発の説明会の場面から俄然面白くなりました。「開発者対ジモト」をそれぞれの視点から描くのかな、と思っていたら終盤に物語も表現も一気に抽象度がアップ。「バランスを取ること」や「自然との共生」みたいな語りにビシャッと冷や水を浴びせるような展開にポカーンとするしかない。終幕して場内が明るくなると、ほぼ満席だった観客のみなさんもみんな「え、いま私たち、何を見せられた?!」という表情。その表情を共有できただけでも、映画館でみてよかった〜と思った経験でした。

終わってから振り返ってみれば、序盤からずーーーっと劇中を満たしていた不穏な空気や破綻の予感。濱口作品に共通する登場人物の「作り物」感。素朴で信頼おけるジモトの便利屋が抱える決定的な欠落。東京から来た2人、そしてその2人の立場を相対化する社長とコンサルという凡庸と煩悩の塊のほうに気が取られているあいだに、「自然と共生してる」風の地元民たちが背負ってしまった原罪の数々が浮かび上がる。その結果、村落そのものが侵略者であったことが象徴的に示されたのだと思うけれど、映画タイトルとラスト数分の解釈はいまもぐるぐると頭のなかを回ってる。ただ、その不可解さは決して不愉快なものではなく、日々を生きることを違った角度から考えるような知的なエンタメという感じでした。 ころりさんさん [映画館(邦画)] 8点(2024-05-18 08:17:38)

1.《ネタバレ》 うーん……まあ、比較的「難解」だと言っても許される様な作品ではあるかと思うのですが、それでも結局ナニが言いたいのかってトコロは(何となくのレベルであれば)全然伝わるって作品だったとも思うのですし、寧ろちょっと「逆に不穏な」タイトルからすれば、決してそんなに唯々ネガティブな方の何らかを描いているって作品でもない、とは確実に思ったのですよね。がしかし、個人的にはどーにも「難解さ」とゆーよりは端的な「違和感」の方がより強く感じられてムムムム……と観終わってしまったとゆーか、とどのつまりは「え、コレを言いたいってコトでOKだったすか?」みたいな、ある種の「拍子抜け」みたいなモノの方が結論的な感覚には近かったのですよね。正直、楽しんで or 興味深く観れた、とは言い難いっちゅう感じですね。

違和感という意味では重ねて、思ったより比較的分り易い(⇒特に結論部分を除いた途中経過はごく分り易い)作品であったとは思う…モノの、思い返せば随所に幾つかは少し意味・意図が判然としない「引っ掛かるトコロ」が在った様な気もしますし、なのでその辺に注意しながらもう一回観れば全然違った感想になるのかな、という気も少~ししてます(⇒なのでそのうち再見いたします)。しかし、思い返せば(そーはゆーても)映画のつくり自体はやっぱ少し分り難い=根本的には説明は不足・省略ぎみだし+あーいうシーンをあーいう「間合い」で撮ってるコトとてその意図はパッと汲み取れるモノではないと思うし+そもそも主人公が誰なのか=誰の視点で観てゆけば好いのかも終始定かにはなってなかったと思うし、だから個人的な感覚として、映画における「中身」と「手法」の両方ともが曖昧・繊細だと、掛け算して更に曖昧=「非一般向け」みたいな質感になってっちゃう…て現象にも思えて居ます⇒まあ重ね重ね、もう一回観ればその「中身」の方をより理解できて…となる可能性は全然在ると思っては居るのですケドも。 Yuki2Invyさん [映画館(邦画)] 5点(2024-05-17 10:40:03)

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【点数情報】

Review人数 3人
平均点数 6.33点
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