みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
32.《ネタバレ》 ごめんなさい完全に舐めてました(汗 「侍が現代にタイムスリップする?ああwあるある(半笑い)。侍が「馬より速い鉄の箱があ!」とか「こんな小さい箱に人が入っとる!」とかパニックになるやつね。 そんで現代人にない純粋な価値観で周りの人の閉塞感を変えたり、侍ならでは戦闘技術を使って現代で知り合った人たちの危機を救ったりするんでしょ?」 全然違いましたね。 この映画が描きたいのは「タイムスリッパ―」ではなく、あくまで「侍」でした。 だからタイムスリップ物にありがちなカルチャーギャップネタは控えめ…どころか、周囲の現代人は(主人公が語らぬがゆえに)彼がタイムスリップしてきた本物の侍である事すら最後まで知りません。 大事なのは「侍」が未来に来て、そしてそれがゆえに、自分が置き去りにしてしまった「過去」や「自分が大切に守ろうとしていたもの」がどういう悲惨な結末を迎えたのか、「歴史」として知ってしまったという事。 そしてそれを今更どうにもできない彼が、現代社会ではほとんど無力な「武士」である彼が、果たして何を為せるのか、何を為すべきなのか…煩悶しつつ彼なりの答えを見つけ、最後に実行する姿を描き切る事なのです。 その決意を聞いた時、劇中でただ一人主人公の正体を知る男が涙します。 この場面、僕も目頭が熱くなりました。そしてそれゆえに、その男と主人公がクライマックスで繰り広げる「虚」と「実」がない交ぜになった闘いは熱く、激しく、見る人間の心を揺さぶる名勝負だったと断言できるのです。 【大鉄人28号】さん [映画館(邦画)] 9点(2024-10-26 09:14:08)(良:4票) 31.《ネタバレ》 平日昼間の回でしたが、映画館内は中高年の先輩方を中心になかなかの入り。映画がはじまると、結構序盤から周りの方々が笑う笑う。どうやらリピート組もいるみたいで、笑い声が若干フライング気味に入ってきて、自分の「笑い」のタイミングを外されるのが、とくに序盤は大きなノイズでした。ペースを乱されて、だんだん「これ、そんなに面白いか?」と若干不機嫌な感じで序盤が過ぎていく。劇場の雰囲気だけでなく、現代であれば銃刀法違反で一発アウトな「真剣」持ち歩いて大丈夫なのかとヒヤヒヤしてるのに、そこがあまり掘り下げられないことにも、なんだかモヤモヤし続けてました。 ただ、斬られ役に弟子入りする中盤からだんだん物語に引き込まれ、大スター風見恭一郎の「正体」がわかるころにはすっかり入り込んでました。ここから会津藩の悲劇をしっかり物語に組み込み、序盤からどうしても疑問だった「真剣」問題が、思いもよらぬかたちでクライマックスへとつながっていく。序盤の大小の違和感を終盤の物語に深みを与える要素として回収する、見事な脚本でした。最後に福本清三さんに捧げられているところなど、そこまで時代劇を見ない自分でも胸熱。そして、最後のクレジットでは、監督が何役もこなしているのにも驚きましたが、ヒロイン役の沙倉ゆうのさんが、本当に「助監督」してたことにもびっくり! 自主製作のスピリット、日本映画の歴史、そして日本の歴史を重ねた見事な一作でした。 というわけで十分に楽しんだのですが、難点はやはり長かったことか。とくに序盤の少しのんびりした展開。そして、主人公がどうやってタイムトラベルを受け入れるのかは、この手の映画では腕の見せ所だと思うのですが、本作では博物館のポスターを見て(しかもアラビア数字や平仮名読めるのか?)というのは、前評判で膨らんだ期待値を萎ませ、周りの観客とのギャップを大きくしたのもたしか。設定上の要の部分があまり練り込まれないまま、新喜劇的なベタ展開が続くのは少々苦痛でした(周りはそこも結構笑ってましたが)。全体をスマートにしちゃったら、この映画らしさが失われてしまうのかもしれませんが、映画としての「入り」の部分がもう少しうまくいけば、後半の脚本の妙ももっと活かされたのではないのかなと思います。 【ころりさん】さん [映画館(邦画)] 7点(2024-10-18 23:16:43)(良:2票) 30.《ネタバレ》 全国上映展開されたすぐ後に地元で観に行ったのですが初回は「SOLD OUT」で視聴できず、後日再チャレンジしてやっと観られた感じです。観た日もほぼ席はいっぱいで盛況でした。 情報的にはSNSで話題になって、東京1館でしか上映されてなかったのが連日満席で全国展開が決まったというのは認識しており、観たいなと思ってました。「カメラを止めるな!」と比較されてインディーズ映画でも面白げな話なのかなあと思いつつ。 率直な感想としては、メチャメチャ面白かったです! ハラハラする超カッコいい本格的な鬼気迫る殺陣に、タイムトラベルネタ的な笑いあり(劇場中が笑いに包まれてみんなで映画観て楽しんでるなあって感じが非常に良かったです)、ホロっと泣ける話もあり、あと、個人的にはそれだけで十分インディーズ映画として元が取れて大満足だったのですが、その先にさらなる驚愕の展開があるという予想を上回る出来で、インディーズどころか全映画の中でエンターテインメントかくあるべき、時代劇エンタメ最高! と快哉を叫びたくなるような素晴らしい作品でした。 映像的には、時代劇としてあまりにもクオリティが高く「これ本当にインディーズ映画なのか!?」と疑ってしまったのですが、インタビュー記事など見ると脚本を気に入った東映が全面的にサポートしてくれたみたいで(ただ予算節約のため舞台のオフ期に撮影されたとのことです)、映像的には本格的時代劇とまったく遜色ないレベルの作品となっておりました。 特に"殺陣"の部分が、主人公が斬られ役の殺陣師に入門する設定なのもあり、どこもかしこも殺気立った緊迫感のあるカッコいいものになっていて、あの抜刀して刀を鞘に納めて"チャキン!"てやるだけで、ああたまらん! と思ってしまうのですが、これが主人公は当然として、端役の隅々まで行きわたっててみんなカッコいい。主人公の当て馬的、チャラい二枚目俳優の心配無用ノ介すらも、漫画チックなコテコテな役をしてるのに刀の扱いはクソかっこいいという、もう大満足でした。 最近は時代劇というとほぼ地上波では放映されておらず、BSで往年の名作が再放送されるか、多少新しめの新作が出てくるものもあるのですが昔ながらのチャンバラ劇のようなものはあまりやられなくて(役者が殺陣を身に付けるのが難しいというのもあり)人情ものが主流だったりして、こういうバキバキのカッチョ良いチャンバラのある作品てすごい久しぶりだなあと思って……いや、NHK大河ドラマでは考証含めてしっかりやってますか。映画も何だかんだ毎年ちょっとずつは作られてきてますね(今年は"碁盤斬り"ですか)。 あと、時代物タイムスリップネタだと定番的なお笑いのネタについてですが、ケラケラ笑って楽しく見られたのですけど、同時にこういう純粋な、単純な感動の感覚ってすっかり忘れてしまっていたなあと思い起こさせられました。新興国の新しい映画作品とか見てもしばしば認識させられるんですけど、ごく単純な、人が死んだら悲しいとか、食べ物がおいしくて平和なのはなんて素晴らしいことなんだろうとか、親子の情愛は泣けるなあとか、妙に斜に構えてしまって、そういうシンプルな原点の感動を見失ってしまっているというか、そういうのはダサいとか感動ポルノとか言って叩き回ってるのはどうなんだろう、というのをしみじみ考えさせられた感じです。 あと、インタビュー記事で監督氏がヒロイン役の人に「めがねをしたら最強だから」と言ってて、めがねをした役としてヒロインの人は出演していたのですが(当人はあまり気に入ってないようでしたが)(同時にリアルでも助監督をしていたそうです)、これについてはめがね好きとしては監督に大賛成で、とても良かったです。あからさまに度のない伊達めがねなのと、めがねに慣れてない人にありがちなしばしば微妙にめがねのかけ具合がズレてるのを直していただけたら完璧なめがね女優になっていただけるかと、今後にとても期待を持たされる出演となっていました。 いいぞ(超ウザい)。 そんな感じで、時代劇愛の感じられる実に良い作品でした。 ちょうど真田広之の「SHOGUN 将軍」が同時期にエミー賞受賞とのことで、これからこういう時代ものの波は来るのでしょうか。 そんなところです。 【sim】さん [映画館(邦画)] 10点(2024-10-03 11:55:52)(良:2票) 29.《ネタバレ》 タイムスリップしてきた戸籍謄本もない身元不明の人間が、海外進出までする大スターになる摩訶不思議さはさておいて(笑)本当に評判通りの良い映画でした。タイムスリップしてきた侍が現代の色んなものに驚くのは今まで色々と見てきたけれど、ショートケーキを食べてこんな美味しいものが誰もが食べれる世になったことに感動するあのシーンは、思わず涙が出てしまうほど名シーンでした。主人公が実直で穢れなき武士道を生きてきた人物だからこそ余計にその想いがストレートに伝わってきました。 この映画で言われている通り、時代劇、特にテレビでは再放送や特別放送以外ではほんと見なくなり、映画では「武士の家計簿」や「大名引越し」などのようなちょっと変わった視点から描かれる作品が増え、たしかに変化、衰退している昨今。それでも「室町無頼」や「十一人の賊軍」のようなしっかりとしたチャンバラ時代劇も作られなんとかその存在を保ってはいる。保ってはいてもじゃあ盛り上がっているかと言われればまだまだそこまでではない。バラエティでは昭和ブームなどとやたらと昔がクローズアップされることが目立つけれど、それでも「時代劇」そのものが一つのムーブとなることはない。この映画が大ヒットし日本アカデミー最優秀作品賞まで受賞したことをキッカケに何かしらの追い風が吹けば、農作業の合間をぬって作品を完成させた安田監督も本望でしょう。 ただ昔のような「時代劇」ではなく今の時代に合わせた進化した「時代劇」でいいと思います。それは今まで一人称が「拙者」だった主人公高坂新左衛門が最後に「俺」と言ったように、変化して生きていくことこそ大事なんだと思います。斬られ役をやりながら生きていても心のどこかで侍としての本懐がまだくすぶっていて、そのくすぶりが宿敵と再会してさらに強くなり、真剣を使い宿敵との真剣勝負へとなっていく。ただ非常に面白かったのがその真剣勝負の中でそれまで染み付いた殺陣の動きが出ちゃうところ。あれはわざとなのかたまたまなのかは分からないけれど、死人を出したら作品がどうなってしまうのかをちゃんと理解し合っていたということなんでしょうね。そして決着がついて過去と決別しそこで「俺」って...もうマジで実に良く出来た脚本でした。 あとこの映画でもう一つ大事なテーマ、メッセージがあって、人を殺すことの重み、痛みをしっかりと描いていることです。私たちは当たり前のようにアクションや娯楽性の高いドラマや映画などで人が人を殺すシーンを見てきてますが、そこに命の尊さを感じることはあまりないです。でもこの映画はコメディ色も織り交ぜながそれをごく自然な話の中にぶち込んで来たもんだから大したものです。その尊さをしっかりと伝えてきたからこそラストの殺陣のシーンは固唾を飲んで見入ってしまいました。殺陣だけで心臓をバクバクさせられたのっていつ以来だろうか・・・いや、過去にあったかも定かではないのでもう初めてということにします。 とにかく本当に素晴らしい作品でした。最後もコメディな要素のまま終わって作品全体を重々しくしすぎてないのも好感が持てました。ありがとう。良い映画でした。 【Dream kerokero】さん [インターネット(邦画)] 7点(2025-03-22 08:35:30)(良:1票) 28.とても楽しい映画ではあるんだけど、どうもモヤモヤして、今一つ乗り切れなかった。 見終わってから冷静に考えて、そのモヤモヤの正体がわかった。 武士と時代劇の役者は、姿形が似ているだけで、まるで違う仕事だということ。 江戸時代、武士とは身分制度である士農工商の頂点であり、一方の役者は士農工商にも入らない、河原者と呼ばれて蔑まされた存在だったということ。 誇り高い武士が最底辺の河原者になることについて、何の葛藤も決心も描かれていないから、なんかおかしいと思ってしまった。 つまらない知識を持ってると、エンタメを楽しむ邪魔になりますね。 今の平等社会の常識のまま見ることができたら、もっといい映画に見れた気がする。 【まかだ】さん [インターネット(邦画)] 7点(2025-03-21 14:55:15)(良:1票) 27.《ネタバレ》 ◇いい意味で、思ってたのと違う作品でした。低予算ヒット作と聞いて、仕掛けや笑いがすごいのかなーーと思っていました。 ◇タイムスリップ起因の戸惑いや違いのテッパンネタは控えめ。真面目に何事も大切に精一杯生きようとする高坂に共感と好感を抱き、思わず笑い一緒に泣く、という体験でした。 ◇そしてまさかのパラレルタイムスリップ、最後の対決も手に汗にぎる殺陣でした。映画愛・時代劇愛あふれる良作です。 【ハクリキコ】さん [映画館(邦画)] 7点(2025-02-15 14:36:51)(良:1票) 26.《ネタバレ》 大ヒットを嗅ぎつけての鑑賞。 何しろ「タイムスリップ」&「侍」ですからね。どう撮っても、そこそこは面白くなりそうな気がします。いやいや、実際に面白かったし、近年の時代劇コメディの中では、出色の出来だったと思えます。 しかし、私が思うに、たくさんの年配リピーターを生んだのは、高坂新左衛門、このおサムライさんの「お人柄」に尽きると思ってます。素朴で、純情で、はにかむ人。好きな娘を前にすると、ポッと赤くなる人 (笑) 最近の日本映画では絶滅危惧種のような人物であり、こちらが昭和時代の映画館にタイムスリップしてしまったのかと。きっとリピーターのみなさん、彼にまた会いたくて、映画館に戻って来てるんだな。 最後の殺陣では高坂新左衛門の勇ましさが際立ちますが、間違いなく "はにかみ屋さん" とのギャップ萌えによる効果もあったと思う (笑) 思えば、時代劇の "斬られ役" にここまでスポットを当てた映画もあまり記憶にありません。でも本作って決してそこにとどまらず、全ての端役、脇役、斬られ役、助監督、武術指導、衣装、カチンコ、、そして撮影所、、古今東西の映画 (時代劇) 制作に携わってきた全ての人や舞台への愛ある「裏方賛歌」となっていて嬉しいかぎり。 【タケノコ】さん [映画館(邦画)] 8点(2024-11-07 22:35:24)(良:1票) 25.面白かったし、泣いた。ただ、鑑賞中からなんとなく不足感を抱いた。その理由はパンフレットにある監督による長文を読んで分かった。この監督は監督としてまだ未完成なのだ。今後に期待である。過去作品にも興味があるので地上波放送を希望する。それから、山口馬木也さん。お名前は何度も拝見したことがあるし、風貌もうっっすら把握していたのですが、こんなにまじまじと観たのは初めてです。それで、すごく格好よかったです。とくに、ゆうこ殿への淡い気持ちの表現。このためにもう一度観てもいい。ていうか酒飲みながら観たい。はやく地上波放送しろ(これは広告企業への圧)。総じて、よい映画だったと思います。 P.S. 監督、未完成とか言ってごめんなさい。粗削りなところが愛おしいです。 【ムーンナイトロンリー】さん [映画館(邦画)] 7点(2024-10-30 22:43:35)(良:1票) 24.ベタな笑いを入れつつ、時代劇への思いが詰め込まれた作品。暴れん坊将軍も遠山の金さんも実は過去からタイムスリップしてきた侍なのかもしれませんね。 【Yoshi】さん [映画館(邦画)] 6点(2024-10-23 00:36:49)(良:1票) 23.《ネタバレ》 公開されてから結構な日数が経っていますが、思った以上の人の入りでした。客層は若い方はまばらで、私より二回りほどご年配の方が多くお見受けされましたね。 春からBSで再放送されていた朝ドラ『オードリー('00)』を観ていたので、たまたまチャンバラ映画末期の京都撮影所の内情に、多少の理解がありました。時代劇は映画からテレビへ、そしてテレビからも消えてゆく。'11年に水戸黄門の放送が終わり、人知れず地上波から時代劇が消えていたようです。 『幕府滅亡から140年』滅亡が1867年だとして、舞台は現代ではなく2007年くらいのようです。優子がスマホでなく携帯を持っていたのと、『子供の頃友達がセーラームーン('92~)を…』と言っていたので、大体その頃かな?って思って観ていました。あとから沙倉ゆうのさんの実年齢を知って驚きました。せいぜい30歳前後かと… さて、幕末の京都から同じ京都太秦の時代劇撮影所へ。侍の格好した人が歩いていても珍しくない場所に来ちゃったから、周りからはちょっと風変わりな役者だと思われる高坂。戸惑いながらも徐々に時代を受け入れて、切られ役として第二の人生を歩みだす… 自分だけこんな平和な時代に来て、真っ白な握り飯を食べることに涙する高坂に、私も何故か涙が出ました。ベテラン俳優風見の登場に『そう来たか』と思い、幕末と真剣にまた涙が出ました。最後の闘いはとても迫力があり、息を殺して観ていました。幕末の会津藩士の思いと、終わりゆく時代劇への思い。それぞれの立場で一生懸命に役目を全うしようとする人たち。私には泣ける一方な映画でしたね。 最初は“タイムスリップあるある”で笑いを誘うところですが、会場は思いのほかウケてましたね。『え!え?今のコテコテのネタ、そんなに面白い?』って戸惑ってしまいました。鑑賞中は確かに『ここって実は、後々の伏線で、それを知ってる人が笑ってるのか?』って勘ぐってしまいました。 この映画はもともと、ある程度ご年配向けに創られた映画なのかもしれません。そう、寅さん→釣りバカシリーズ辺りまでは、映画館に足を運んでいた世代の方々。そんな方々が、久しぶりに映画館に足を運びたくなるような映画だったのかもしれません。そこを見据えてユーモラスな効果音とか「すべる、落ちる」の寅さん定番ネタを入れたんでしょうね。最近のスタイルで、家で独りでDVD観てると、面白くても笑わないんですよね、ニヤリとはするけど。振り返ると、ご年配の方々は“面白いシーンは声出して笑う”という、当時のままの楽しみ方をされているんだなぁ。と思うに至りました。 もっと素直な気持ちで楽しむ映画でした。この時代に来たばかりの高坂には、コンクリの建物やワゴン車が目に入っているだろうに、そこはスルーしてます。確かにいちいち全部に反応していたら、一向に話が進まなくなるし。でも病院から一晩、独りでさまようのをしっかり観せないのは、その間彼が何を知って、何を知らないのかが解らなくなり、映画を観てる私との間にちょっぴり溝が… 上の方で2007年と、wikiにも出ていた時代設定をわざわざ得意げに書いたのは、鑑賞中、そこにもうひと捻り理由があるんだろう。と思ってしまったからです。更に先の時代があったり、逆にモトに…だったり。あと映画の途中もう一人の存在に触れたことで、そこも気になっていて、どこかに絡む前フリだと思っていました。そう、私は勝手に、この映画には驚くような仕掛けがあるんだ。と思ってしまっていたわけです。ネット記事の「某映画の再来…」という見出しが、私のハードルを少し違う方向に上げてしまったようです。失敗。 あとですね、今回始めて去年出来たTOHOシネマズで観たんですが、セリフと画が微妙にズレてて、ちょっと気が散りました。このズレ、どこで観てもそうなのかな。(※これは評価に含めてません) 【K&K】さん [映画館(邦画)] 6点(2024-10-20 23:57:09)(良:1票) 22.《ネタバレ》 中盤までは、間の悪い編集や、聞き取りにくいセリフに この映画がなんで評判が良かったのか疑問符だらけで見てました。 主人公が、この青天の霹靂被害者唯一の1人だと思っていたら 2番手が登場して、俄然面白くなってきます。 現代に馴染んできていた筈が、ライバル登場で、サムライの魂が押さえられなくなり コメディ置いてけぼりのシリアス展開へ・・ ここからのマジのチャンバラシーンが、ホントに気迫が凄くて目が離せません。 前半の学生映画のノリとうって変わり、真剣勝負のリアリズムがヒリヒリします。 てな事で、なんとか映画もエンディングを迎えますが、このズームアウトが嫌な予感で まさか、もしやと思ったら、予感的中・・3番手が飛んできてしまいました。 これには変な声が出てしまいました(笑 椅子から落ちるかというくらい笑い転げました。 いいんじゃないですか? クライマックスの殺陣のシーンは映画館で見る価値あったし。 なんか珍しい物見て得した気分で帰ってきました。 主役の俳優さんは、小栗旬と西島秀俊の公安ドラマでテロリストの役をやっていて強い印象が 残っています。テレビは少ないけど舞台が多い俳優さんなのかな。イケメンですねえ。 話のネタに見ておいて損のない良作でした。 【グルコサミンS】さん [映画館(邦画)] 8点(2024-10-14 01:28:10)(良:1票) 21.《ネタバレ》 タイムスリップによって過去から来た人間が時代錯誤・・・これだけの話であれば古今東西使い古された手法でありますが、本作はそこのコメディに重点は置いていません。 仮にタイムスリップ要素がなくとも“切られ役”のストーリーとしても十分成り立っているでしょう。 ただ、それだけでは話題になるわけもなく、本作の肝は、ちょうど中間点あたりに訪れるタイムスリップによる仕掛けと、惹き込まれる殺陣の技によるところが大きいと感じました。 主演の山口さん、そして敵役の冨家さん、どこかで見た程度の認識でありましたが、それぞれ味があって、これが絶妙にいい! ヒロイン(?)の沙倉さんは、ちょっと棒っぽいですが、薄目でみれば国仲涼子にみえなくもない・・・ 奇しくも某配信ドラマの時代劇がエミー賞総なめというニュースが流れた同時期に、対照的な低予算B級邦画がヒット!というのは、ある意味痛快です。 今の時代、時代劇がダメではなく、マンネリ化が廃れる要素ということでしょうか・・・予算は少なくとも、しっかりした脚本をベースに確かな技量と情熱があれば、どんなジャンルであっても生き残ると思わせる一作でした。 【午の若丸】さん [映画館(邦画)] 8点(2024-10-11 21:04:39)(良:1票) 20.《ネタバレ》 まず、無名だがいい役者を使っていると思った。 主役の山口馬木也は顔つき、たたずまいが侍としか思えない程ハマっている。師匠役は剛毅で殺陣に対する情熱が魅力的で、和尚役は何とも言えない味わいやユーモアがあって癒される。 ストーリーは冒頭のタイムスリップ以外は別段驚くような展開は無く、少し退屈ともいえるが、全体を通して衰退していく時代劇に対する深い愛情は感じられる。 前半は、主人公が現代になじんでいく様子を戸惑いながらもユーモラスに描かれる。彼に関わる人たちが根掘り葉掘り詮索せず、自然なまま受け入れる姿が良い。 後半はタイムスリップした敵役を通し、武士の生きざま、時代劇に対するリスペクトが描かれる。 またこの映画ではインパクトのある音や音楽が随所に使われており、場面を盛り上げる効果を上げている。 ラストにちょっと笑えるおちがあるのも良かった。 【とれびやん】さん [映画館(邦画)] 6点(2024-10-07 23:23:11)(良:1票) 19.《ネタバレ》 巷では「カメ止め」の再来などと騒がれてますが、別にカメ止めと比較する必要はないです。普通に良くできた映画です。 幕末の会津藩の侍が現代にタイムスリップして起こる騒動を描いています。 前半は時代のギャップから起こるトラブルをコメディタッチに描いてますが、主人公が会津藩の悲惨な最期を知って悩み始める後半はシリアスになってます。 侍は元より時代劇そのものが終焉を迎えつつある現代において、自分に何が残せるかと自問した結果があのクライマックスなのでしょう。 前半はちょっとベタで退屈だったけど、後半は面白く見る事ができました。 【ぴのづか】さん [映画館(邦画)] 8点(2024-10-01 16:58:53)(良:1票) 18.《ネタバレ》 現代人が幕末にタイムスリップではなく、幕末の侍が現代にタイムスリップという設定がいい。 この幕末、というのが絶妙で、侍が刀を差すことが許されない時代にどうやって己のアイデンティティを確保するのか、ということを涙に笑いを織り交ぜながら見せてくれる映画。 しかも会津藩。 自分だけが生き残って未来に生きていることに、何か意味を見出さずにはいられない武士の魂の叫びがぐっと来た。 そして、かつて死闘を演じた仇敵との再会。これは完全に予想外で、まさに見どころの一つとなっているのだが、こういうポイントがところどころ配置してあって、観るものを飽きさせないシナリオも抜群。 そして失礼ながら。 ほぼほぼ私が知らない役者だったのが良かった。そのおかげでどっぷり映画の中に浸って、最後まで楽しんで鑑賞できた。「今はその時ではござらん」は名セリフだね。 いや、いい映画。 【roadster316】さん [映画館(邦画)] 8点(2024-09-30 12:33:51)(良:1票) 17.《ネタバレ》 普通にほのぼの見れました。2時間を超える映画なのに長さを感じさせない良い映画で、役者さんの演技も上手。 武士の誇りみたいなものを持ちながらコメディに、最後も緊張感を持ちつつ良いハッピーエンドで良かったなと思います。 ただ、もうちょいタイムスリップしてきたコメディさが欲しかったな。 【Keytus】さん [インターネット(邦画)] 6点(2025-03-24 01:54:03) 16.《ネタバレ》 侍が現代にタイムスリップする、という王道設定。 随所の小ネタがあまりにもベタで、それだけに目新しさはあまりなかったけれど、 なかなかいい映画だったとは思う。 主役の侍の現代への順応力が高かったおかげで、 物語にスピーディーさを感じられたのも良かった。 中盤に別の侍が登場して、話に幅が出て、 最後の殺陣のシーンもいい緊迫感で、 オチも心地よかった。 評価が高いのも納得。 なお、鑑賞後にいろいろ調べていたら、 ヒロインの女優さんが公開当時43歳だというのが分かって、 そこに一番の衝撃を受けた。 【2年で12キロ】さん [インターネット(邦画)] 6点(2025-03-23 09:17:03) 15.《ネタバレ》 コミカルな流れの中に侍の熱い信念… 当時を生き抜いた彼等の当事者目線がリアルに伝わってきて思わず過去の歴史と今の自分の立ち位置を振り返ってしまう… 3人目のタイムスリッパー登場のラストもお見事、日アカ最優秀作品賞おめでとうございます、インディーズ万歳! 【ProPace】さん [映画館(邦画)] 9点(2025-03-16 19:58:41) 14.時代劇愛としか言いようがない。 自主映画でこれをやるなんて、もう言うことありません。 手助けしてくれた映画人への思いもこめて、もう満点!! 【えんでばー】さん [映画館(邦画)] 10点(2025-02-22 15:37:12) 13.《ネタバレ》 本来は交わることはない時空が異なるパラレルワールドが交わっちゃってる、時に痛快、時に抱腹絶倒、時に考えさせられる作品でした。そう、日本はどんな歴史的な出来事だってそこから何かを汲み取って今の人々やこれからの日本に存在するようになる日本人の生きる糧にしてしまうのだから誰かがタイムスリップしなくても充分に何千、何万ものパラレルワールドが織りなす時空の中に住んでいるのと同じなのです。同じことを古い文明の担い手の子孫たち、例えばエジプト人やペルシャ(イラン)人やインド人も感じているのかもしれないけれど、残念ながら地球上には価値ある遺産、特に建造物など物質的なものをダム建設やらで平気でブチ壊す民族のみならず、「~だったら良かったな。」をそのまま歴史にしてしまうバカ民族までいます。作品中で高坂が住職の奥さんが差し出した苺のショートケーキを一口食べて涙し、日本は豊かな国になったと言うシーンが印象的でしたがあんなんどこのコンビニにも売ってへんかとも思います。それより京都言うたら和菓子やないか! 千年前に紫式部が食べたお菓子まだ作っとんやないか? この時点で高坂はまだ会津藩城下の悲惨な末路は知らないわけですが⋯。そう、わたしたちは間違いなくご先祖さまが築いた圧倒的な価値ある遺産と因習などほんの少しの悪い遺産、そして未来への希望や期待などが何重にも交差するパラレルワールドに、今気づいたり経験していることだけが唯一の現実だという錯覚と共に生きています。でも本当はその錯覚が間違っていると無意識下でわかっているからこそ神社にお参りしたりお寺を訪ねたり博物館や美術館に行ったりするのです。ストロベリーショートケーキがあってもなくてもわたしたちはとても豊かなのです。閑話休題。東京国立博物館収蔵の古文書のうち読解ができる専門家が内容を明らかにしたのは約三分の一だけだそうです。人材不足のせいで今大人になっている人で死ぬまでに全部の調査結果に接する人は恐らくいないでしょう。でも全部が解読された時に日本は今より豊かでしょうか、それとも貧しいでしょうか? 想像できる方が答えです。 【かわまり】さん [映画館(邦画)] 9点(2025-01-22 18:32:09)
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