みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
63.《ネタバレ》 これほどまで優れたコメディの脚本は、そうそう見当たらないだろう。アカデミー賞のオリジナル脚本部門では、「パルプフィクション」に破れたものの、他の年ならば確実にアカデミー賞ものの代物だ。自分は脚本に対して、結構口を出すタイプだけれども、この脚本には口を出しようがない。それほど完璧な脚本だ。 これほどの脚本を書けるウディアレンは紛れもなく、本作でいうところの「天才」であり「アーティスト」なのだろう。しかも、本作だけではなく、「アニーホール」といった本作とは別タイプのコメディや、シリアスドラマの「インテリア」や、「マンハッタン」といったラブストーリー、「重罪と軽罪」といった奥の深い作品までも描けるという懐の深さ、引き出しの多さには改めて驚かされる。 その完璧な脚本を完璧に演出している。 コメディとシリアスの比重、重さと軽さ、深さと浅さのバランスが実に絶妙に演出されている。主役だけではなく、脇役のキャラクターも生き生きと描かれており、輝きを放っている。三人の俳優をアカデミー賞助演候補に送り出しているのが、まさにその表れだろう。 主演のジョンキューザックもギャングの家の中ではかなり笑わせてもらった。ただ、冒頭はもうちょっと威厳のある感じ、自信に満ち溢れている感じを出した方が、ラストとの落差が感じられて良かったのかもしれない。 テーマとしても、「アーティスト」とはいかなる存在かということがきちんと描かれている。 一切の妥協を許さず、自分の作品に命を懸けるのが「アーティスト」なのだろう。 自分が死ぬ間際までも、自分の作品のことを考えて、「最後のセリフを~に変えろ」と言って死んでいったチーチの姿には、ユーモアさと同時に、「アーティストとはこうあるもの」という深さを表している。 一方、金のためにオリーブを起用しなければならないという条件で妥協したデビッドは、既に始めの段階から、真の意味の「アーティスト」ではなかったのだろう。 ただし、自己の作品のために妥協を許さず、身を滅ぼしていく「アーティスト」のチーチと、自分に見合った人と小さな幸せを得るデビッドでは、どちらが本当に幸せなのかということも考えてしまうオチになっているのも面白い。 【六本木ソルジャー】さん [DVD(字幕)] 10点(2006-08-17 23:01:41)(良:4票) 62.《ネタバレ》 この作品、ずっと以前に録画したビデオもあったけど観ずに処分してしまった。そして5年前にHDD録画したままになっていた。そして本日やっと観ました。もう滅茶苦茶面白い、面白過ぎてひとりで観ながら声出して笑ってしまった。 キャストもそしてそれぞれのキャラも誰もかれも濃くて可笑しい、アップになることがあまりなくて声で誰かわかったのがジェニファー・ティリーとハーヴェイ・ファイアスタインだった。ジョー・ヴィテレッリはやはりギャングだ、ギャング役以外で出ている映画ってあるんだろうか。ジョン・キューザックはあたふたする役柄が似合う。 とにかくチャズ・パルミンテリ演じるギャングの用心棒チーチの存在、こんな展開になるとはまったく予想していなかったので話が進んでいけばいくほど面白くなっていく。 チーチの自分の美しい芝居への拘り具合は邪魔な女優を葬り、死に際にまでラストのセリフを修正しろと言い残す。 天才的アーティストってチーチみたいな人なのかもしれない。デヴィッドはエレンと故郷に帰って結婚することを選ぶ。 成功を夢見てブロードウェイに集まる自称アーティストをアレンは数多く見てきたんだろうな、アレン自身に投影されてる部分もあるのかしら。「アーティストとは」それが面白可笑しく描かれていると思います、傑作です。 とにかく「アーティスト」なんです「Don't Speak」も忘れちゃいけないですね。 【envy】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2020-04-12 17:23:03)(良:1票) 61.単なるごろつきのチーチがこのような才能を発揮していくとは。華やかなブロードウェイの裏側、つまり製作、プロモート、脚本、キャスティング、稽古などに様々な大人の事情が絡み合って、決して才能のあるものだけが成功するわけではないし、才能が無いように見えても意外な才能が眠っていることもあるというのを、わかりやすく、暗くなりすぎずにエンターテイメントとして作品化するのに成功している。好み35/50、演出10/15、脚本12/15、演技8/10、技術7/10、合計72/100→7/10点 【chachabone】さん [DVD(字幕)] 7点(2017-04-26 23:40:38)(良:1票) 60.どう考えても、奥さんだろ。 【Yoshi】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2008-03-22 08:25:17)(笑:1票) 59.めちゃくちゃ面白かった。おすすめ。 ウディ・アレンとしては珍しく、一般受けしやすいバランスのとれた作品となっている。すべてのキャラが立っていて、コメディとしてとてもよくできていた(ただし相変わらず笑うところでもわかりやすい演出なしにさらっとすませているので、わからない人にはわからないかもしれない)。それでいてテーマ性も深く、芸術家とはどんな人種なのかを的確に言い当てている。 仮初めの芸術家としての自己顕示欲やナルシシズムに囚われた連中ばかりいるなかで、人知れず至高を求める真の芸術家の純粋さが、恐ろしく、また哀しい。凡人は特別な才能のある人物を見ると安易に羨ましがったりするけど、天才からすると気楽で幸福そうな凡人が羨ましく見えるのかもしれない。 ウディ・アレンとは波長が合わないと思っていたけど、本作で見直した。濡れそぼった子ヤギみたいな顔してるくせして、やるじゃないかアレン。本人が出演しなかったことも、この作品の水準を上げた一因じゃないかと思う(ひどい 笑)。本人が出なかったこと、そして恋愛を主題としなかったことで、過剰な自意識やコンプレックスが作品の均衡を崩すのを防げたんじゃないだろうか。 【no one】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2007-12-16 18:26:14)(良:1票) 58.よくあるバックステージもので、セットや演出方法など、ややもすれば駄作に陥る危険性をあえて犯してるようで、よくよく見れば、細部にまで凝りに凝った作りをしているという天才肌のアレンらしい作品。機知に富んだユーモア、絶妙のセリフ回し、実力派のキャストと、文句のつけようのない出来栄え。CGや特撮など派手な技術的進歩が目覚しい昨今にあって、脚本や役者の力で勝負する「これこそ映画だ!」と、原点を教えてもらった感じだ。パーな愛人役をこなしたジェニファーティリーと用心棒とのセリフの練習のシーンは何度見ても笑える。トウの経った落ち目の大女優へレンは言うに及ばず。未見の方々へ。こんな面白い映画を知らないなんて、人生の何十分のいちを確実に損してることになりますよ! 【給食係】さん 10点(2002-07-08 01:17:43)(良:1票) 57.ぷぷぷ。思わず笑ってしまいました。キャラクタが立っていて、特にジョン・キューザックとダイアン・ウィーストのやり取りが笑えます。「だめ!言わないで..」のセリフは何度聞いてもおかしいです。どんどんツマミ食いをして太っていく俳優とかナチラルハイテンションな女優とか。(ごめんなさい、名前わかりません)ジェニファー・テイリーのブリブリの演技もなかなかGOODなり。展開が意外とポンポン進むんで、飽きませんでした。ギャングのチャズ・パルミンテリが実は俳優よりも芝居のことを良く理解していて、ジョン・キューザックに書き直しを進める...死んじゃうんだけどねぇ。 【さかQ】さん 7点(2001-11-27 21:34:39)(良:1票) 56.相変わらずの支離滅裂ぶりのクラッシック風映画ですが、それでもちゃんと精神分析医が出てくる。ラストは突拍子もないように思えてそれが一番よかったんじゃないかな。 「いい女」風を演じたらピカイチですなあ、ダイアン・ウィースト。アカデミー賞受賞も納得! 【HRM36】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-12-10 07:55:36) 55.よく出来ているのは分るけど、お芝居だなって感じてしまう。映画として、のめり込むことができない自分が、そこにいる。最後も、なんだか分らない。物語としての脚本は、優れた出来なんだろう。 【cogito】さん [DVD(字幕)] 6点(2015-11-28 23:50:38) 54.《ネタバレ》 ウッディー・アレンは斜に構えたインテリ監督と言ったイメージを持っていたので今まで敬遠していました。 本作の印象としては脚本の整合性と安定した世界観により、人が殺されたり不貞を働くシーン等をブラックユーモアとして作品から浮かずにストレス無く見ることが出来ました。 ロートレックのポスターの様なレトロな雰囲気で、尚且つ暗部を強調し奥行きを持たせている映像は、20世紀初頭のアメリカでありながらヨーロッパにも見えるような美しさが有りました。 そしてその映像美を支えているカメラワークが素晴らしかったです。 オリーブの殺害の嫌疑をニックがチーチに探りを入れる長回しのシーンで、セットの奥行きを活かしての演出にドリーでフォローしつつ、ニックが確信を突きチーチに詰め寄る所でカメラが軽く回り込みながらパンをしてチーチの表情を捉える動きは俊逸ですし、照明もハイライトと暗部のコントラストで緊張感を出す見せ方になっています。 作中で随所に見られるこれらのカメラワークの何よりも素晴らしいのは、作品の本流であるストーリーや演出、雰囲気を一切邪魔すること無くさり気なく、必要に応じて使われていることです。 この様に素晴らしい構成要素が多々あったのに、それ程作品には入り込めませんでした。 理由としてはテンポをもう少しだけ速めても良かったのではないかという所と、コメディにしては盛り上がりが弱く感じた所、話の結末が安直過ぎるという所です。(コメディなので安直な方がすっきりするのですが安直過ぎるのもどうかと思います) しかし、正直に言うと一番の理由は監督に対する自分の先入観だと思います。 良くないとは思いながらも残念ながら結局は最後まで拭い切る事は出来ませんでした。 カボチャが嫌いな私はどんなに美味しいパンプキンパイも遠慮してしまいます…。 冒頭で斜に構えた監督と評しましたが、私の方が彼の作品に対して斜に構えた形で見ていた事になります。 映画の見方に対するレビューがあったら、恥ずかしながら今回の自分のそれは1点か2点でしょう。 映画は作品から自分について教えられることが有りますが、まさかコメディで自分の欠点を認識するとは…。 しかし、本作を見て機会があれば彼の作品をまた見たいと思いました。 私の中にある彼の評価を覆らせてくれる様な作品に出会える可能性を感じさせて貰えましたし、是非そうなることを願っています。 【しってるねこのち】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-05-25 16:03:03) 53.話はめちゃくちゃで下品。しかしユーモラスだった。さすがウディアレン 【ホットチョコレート】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-04-28 23:01:16) 52.《ネタバレ》 面白いです。中味はちょっと違いますが一瞬「ラヂオの時間」が頭をよぎります。主人公が落ち目の女優に抱く恋心があり得ないと思えるほどダイアン・ウィーストの色あせっぷりが見事です。次第に作品の出来映えにこだわって過激な行動に走ってしまうダメ出しボディーガードの存在感も際立っています。 【ProPace】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2015-04-21 00:04:37) 51.ウッディ・アレンの作品はどうも肌に合わない、という意識が強くて、この映画も最初に入り込むことが難しかった。 でも、結果的にはよく出来た脚本、と認めざるをえない。作り方が上手い。それでも「笑える」ところまではいかないのがやはり苦手意識からか。 【simple】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-02-21 23:13:40) 50.アメリカ映画にしてはアメリカ映画ぽくなく、予算のない日本映画っぽい(テレビドラマっぽい)感が否めない。こじんまりとした独特の雰囲気は三谷幸喜の映画と近い。別に嫌いじゃないのだが、なんか、こう物足りなさを感じるのは何故か。たぶん、私がアメリカ映画はこういうのを観たいわけじゃないからだろう。 【シネマファン55号】さん [インターネット(字幕)] 5点(2015-02-18 14:57:08) 49.《ネタバレ》 ちょいと前半はだるいけど、チーチが絡んだきたあたりから面白くなってきますね。個人的にロブ・ライナーが出てきたときチョットビックリした(監督さんのイメージが強かったから)。でもウディ・アレンらしい「皮肉さ」はかなり控えめで、あっさりなラストも含め何か少々物足りない印象でゴザイマシタ 【Kaname】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-01-05 14:59:16) 48.《ネタバレ》 登場人物が個性的で、キャラや台詞が生き生きとしている。 プライドが高くて我がままばかり言う落ち目のベテラン大女優。 頭が空っぽで演技もど素人なくせにスターを夢見るマフィアの情婦。 情婦のご機嫌を取るため無理難題を突きつけるマフィアのボス。 スポンサーであるマフィアのボスに何も言えないプロデューサー。 そんな連中に芝居をめちゃくちゃにされていく脚本兼演出家の姿がおかしくて哀れ。 ずっと芝居を見せられてきたギャングの監視役チーチが、思わぬ名案を提案する展開は実に愉快。 そこにプライドを傷つけられてへそを曲げる主人公も、可哀想な被害者という面だけでなく弱点を持った人間として描かれている。 才能もチーチに劣り、出演者と男と女の関係になってしまう。 主人公よりもチーチが完璧な作品を求めていくようになるのが面白い。 どっちがプロの作家なんだかわからなくなる。 自分の作品のためには人も殺すほど鬼になれるなんて、究極のアーティストともいえる。 一方、主人公はアーティストよりも平凡な人間たることを選んだ。 それぞれみんな人間味があって血が通っているので、ドラマが躍動的に映る。 もったいなかったのはラストで、ちょっと安直なハーピーエンド。 三谷幸喜がこの作品を好きだというのもわかる。 『ラジオの時間』は明らかに本作にインスパイアされている。 予定調和気味にまとまった三谷作品より、角があって予測のつかない面白さ。 ウッディ・アレンの作品の中では、クセもなくて一番楽しめる。 【飛鳥】さん [DVD(吹替)] 9点(2014-10-24 22:39:18) 47.ウディアレンってやっぱりいいなぁと思える映画。 【aimihcimuim】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-08-16 14:05:22) 46.《ネタバレ》 ほかの登場人物もおもしろいし、役者もよー頑張ってるとは思うが、本作の面白さはチーチにつきますね。また、ふつうの脇役ですよという風情で登場する彼が、だんだんキーマンとなっていく、しかも主役であるデビッド(いかにも平凡な名前!(笑))は焦りまくっていく、一方、チーチは野心とかではなく、おのれの信ずるがままに熱情的にアイデアを吐露していく、というその展開が、愉快痛快。久々に面白い映画を見て、最近の「つまんない映画が多すぎ!」という鬱憤を大いに晴らしてもらいました。 【おばちゃん】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-11-15 23:00:30) 45.ウディ・アレンの中では一番好きな映画。特にオリーブの監視役に過ぎなかったチーチが演劇に口を入れてからは、舞台劇だけでなく映画そのものも生き生きしてきたように思った。ストーリー自体おもしろいが、登場人物それぞれに強い個性があり、それが見事に表現されているように思う。ただおもしろかった割にはラストがいまいちに思える。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-11-10 22:45:04) 44.登場人物のキャラクターも立ってるし脚本も見事なんだけど、観終わったあと何も残らないというか、あまり印象に残らないというか…。 そういった意味で「もうひとつ」な作品。 【eureka】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-05-15 12:57:34)
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