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田園に死す

1974年【日】 上映時間:102分
ドラマ青春もの小説の映画化
[デンエンニシス]
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2024-12-01)【イニシャルK】さん
公開開始日(1974-12-28)


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監督寺山修司
キャスト菅貫太郎(男優)
高野浩幸(男優)少年時代の私
高山千草(女優)私の母
八千草薫(女優)人妻(化鳥)
春川ますみ(女優)空気女
原泉(女優)幻婆
三上寛(男優)
大前均(男優)大男
木村功(男優)映画批評家(特別出演)
粟津潔(男優)詩人(特別出演)
原田芳雄(男優)嵐(特別出演)
原作寺山修司「田園に死す」
脚本寺山修司
音楽J・A・シーザー(音楽/演奏)
撮影鈴木達夫
製作寺山修司
九条映子
ATG
企画葛井欣士郎
配給ATG
美術粟津潔
編集山地早智子
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【クチコミ・感想】

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45.《ネタバレ》 母を否定することが物語の原点。母は毎日小言を言い、狂った時間で拘束し、東京(外界への憧れの象徴)行きの汽車に乗ることを許さない。父は不在。イタコの口を借りて会話はできるが、母はそれも否定する。華やかな見世物小屋(理想的な世間の象徴)があるが、その実態は不健全で変態的なものだと知ってしまう。隣の人妻と駆け落ちをするが失敗。母がいる限り自由は無く、成長も無い。貧しくて、猥雑で、因襲に縛られた東北の寒村に縛られ続けるのだ。それから20年。男は大人になり、東京に出たが、依然として母親と暮らしていて、拘束は続いている。男は自分の惨めで汚れた過去を変えることが出来ないかと、理想的に脚色した自伝映画を作ってみた。それでも過去は変わらなかった。あるとき「3代前のおばあちゃんを殺したらどうなる」という知人の言葉から、母殺しを連想する。だが現実に母殺しはできない。母が存在しなかったら自分も存在しない。それならば昔の自分にやらせればよいではないかとう発想で、男は恐山で昔の自分と対面する。恐山は死者と生者、過去と未来が交差する賽の河原。「過去を改変するには二人の共同作業が必要だ」言葉巧みに母親しをけしかける。だが昔の自分は東京帰りの女に童貞を奪われ、汚れてしまい、女と東京へ駆け落ちしてしまう。変な風に過去が改変されてしまった。仕方なく男は母殺しを決意。実家にいくと、母は何の疑念も見せず、未来の息子を受け容れる。息子のことなら何でも受容してしまう圧倒的な存在感。男は母殺しは到底出来ないと悟る。母と自分は一如、血と呪縛は断ち切れない。次の瞬間、時代は現代に戻る。二人は現代も未来もこうして生活(食事)を続けるのだ。母を否定した男は田園(過去の故郷)に死す。【象徴】①3人の女は母の女性性の象徴でもある。共に不幸であることが特徴。隣の人妻は貧しくて、愛なき結婚をし、昔の男と再会して心中する。儚い女だ。間引き女は父無し子を産み、村の因襲に抗えず、子供を川流しにして失踪する。悲しい女だ。空気女は夫が浮気しても、嘲弄されても、誰かに殺されそうになっても許してしまう。愚かな女だ。間引き女と交わったことは、近親相姦を暗示する。②赤ん坊を流したとき、雛流しの発想から雛壇が流れてくる。雛壇は鎮魂の象徴。③白粉は恐山(時空の交差する超空間)の住人であることを表している。④原色=思い出は醜く、美しく、エロティック。 よしのぶさん [DVD(邦画)] 7点(2011-09-18 23:59:11)(良:1票)

44.冒頭のかくれんぼから持って行かれた。映像の一つ一つが何を象徴しているのかを考えながら観ることほど野暮な事はない。ただ、身を任せればいい。 カタログさん [CS・衛星(邦画)] 6点(2011-09-08 23:25:38)(良:1票)

43.《ネタバレ》 「書を捨てよ町に出よう」もそうだが、この人の作品は内省的に心の深層をえぐりながらも、映画の志向はむしろ外の世界、未来へと向かっているように感じられる。前半美化して描かれた少年時代を否定し、後半では過去の自分と向かい合い、その半生と対局している。よくも悪くも過去の記憶は人間を束縛する。ゆえに不満足な現状と対比して、昔は良かったと嘆くこともあれば、過去の記憶がコンプレックスとして残り続けることもある。しかし、本来人間は将来の成長を志向していかなくてはならない。過去と真剣に向き合うことは、未来への飛躍の手段であり、ただ感傷的なものではない。三上寛も途中で決起を促している。寺山はそれでも過去と決別することはできなかった。映画の内容はおどろおどろしいが、鑑賞後に暗い気持ちにはならない。むしろ前向きな気持ちになれる。最期のシーンは度肝を抜いた。恐山にも行ってしまった。 こまごまさん [DVD(邦画)] 8点(2007-08-04 12:11:42)(良:1票)

42.《ネタバレ》 田舎を、田を、畑を母を、切り離そうと考えるばかりに、土着的な人格、習慣や因習を卑しいものと捉えすぎる、また作品内に取り込みすぎている嫌いがあるが、それもまた寺山の回帰への抵抗と考えれば可愛らしいものである。 過去を捨てるということ、過去があり現在の自分があるということ、記憶(映画)の中で母を殺し、故郷を捨て現在の自分と異なる自分を求めたこと。思い通りに動いてくれない20年前(記憶の中)の自分、映画(記憶)の中ですら田園を捨てることのできない寺山、少年の童貞を奪うことで父なし子を捨てさせられた復讐となし村を捨てようとする女、息子を捨てない母、世を捨てる男女。 雛壇は川を流れ、空の色は明暗を彷徨う。暗闇で映えるタバコの煙。支配する赤。支配する舞台装置。新宿区新宿字恐山。魔術はまだ完成を見ぬが、それでも尚頭一つ抜けた演出の才。寺山修司とは、事件である。 stroheimさん [ビデオ(邦画)] 8点(2006-09-24 12:15:39)(良:1票)

41.《ネタバレ》 鮮烈かつ強烈な映像イメージ。前衛的な舞台演劇的な記号は、人心に潜在する禍々しさを顕在化させつつ、日本的自然の深み広がりと融和して、何とも言えない郷愁をも誘います。現在の私を演じる菅貫太郎は、ピルロ風の二枚目で、画像も貼らずにの麻呂と同一人物とは思えませんでした。 camusonさん [DVD(字幕)] 8点(2023-08-03 20:09:30)

40.《ネタバレ》 学生の頃リバイバル上映で見てからウン十年。久方ぶりに配信鑑賞。『書を捨てよ』の荒削りでゴツゴツした手触りから、かなり映画的に仕上がった印象。しかしパワーはさらに強くなり、今でもアチラコチラでその影響力が見られる【寺山修二的イメージの大博覧会】。いや、まったく色褪せてないし、素晴らしいです。そんな世界観の中でも八千草薫さんがキュートで可愛らしいのも、良いカンジ。

そしてラストシーンの【アレ】は、やっぱり何度見ても衝撃的! 幻覚@蛇プニョさん [インターネット(邦画)] 8点(2021-05-22 09:58:36)

39.《ネタバレ》 まったく意味が分からない。
ただ映像的な魅力と気合は感じた。

いくつかの考察サイトを見てみるとこういうことかな。

過去を美化している自分がいる。
悩む主人公は「過去は過去、振り回されるな。」的なアドバイスをもらう。
過去を切り捨てるために記憶の中の母を殺そうとする。
ここでの過去は美化されておらず悲惨な感じ。
でもやはり母を切り捨てられないままズルズルと生きていく。

たぶんこんな内容なんかな。 Dry-manさん [インターネット(邦画)] 6点(2021-05-08 23:40:19)

38.《ネタバレ》 当時はサイケでシュールな最先端映画だったのだろうが、技術の革新で映像から古びてくる。鑑賞したフィルムの状態も悪くて、それもマイナス要因。ラストのどんでん返しで、新宿の街に行くのは、初めて見た人は驚愕(そして真似)しただろうが、今では手あかのついた手法。残念。 にけさん [映画館(邦画)] 7点(2019-01-24 16:49:20)

37.《ネタバレ》 始まって直ぐのかくれんぼ、不気味な表情で何も言わない少女、沢山の人達も何を考えているのか分からない不気味さ、恐山の風景のドロドロした映像、顔面真っ白な人達、顔が破けていて誰か分からない写真、沢山の鳴り響く時計、男が女の身体を触ろうとするのを障子の向こうから望く老婆に不気味な表情、空気女、サーカス、その他不気味なまでの笑い声等、何が何だか全く分からない。分からないが故に知りたい。そう思わせる映像の数々、映画が持つ映像表現で見せるこの摩訶不思議な世界観に見入ってしまいます。赤、黄色、緑、青、色の使い方がこれまた不気味さを象徴していて過去と現在、そして未来、人間の中に隠れてる狂気、夢なのか現実なのかという問い掛けを不気味な映像表現で見せる寺山修司の世界は寺山修司自身にしか解らないだろうけど1つ言えることは人は一度は過ちを犯す生き物なのだということ。これはそんな映画だ。最後に馬という言葉を発してはいけないという台詞を聞いて、何て残酷なんだ。競馬ファンにとってこれ程残酷な言葉、台詞はない。 青観さん [DVD(邦画)] 8点(2018-04-21 16:18:19)

36.なんかへんてこりんな映画を観てしまった、という感じ。所々に挟まる意味不明な映像表現も嫌な感じ。
他人様に見せるものではないでしょう。。。 マー君さん [DVD(邦画)] 2点(2015-11-28 12:36:24)

35.とてもわかりやすくアングラの世界を紹介している作品です。決して理解しようとしてはいけません。なんたってアングラなんだから。 la_spagnaさん [DVD(邦画)] 7点(2013-09-23 14:40:46)

34.《ネタバレ》 よくわからないが、わからない映画のような間延び感もなく、楽しく観れた。掴みやすいストーリだったからだと思う。斬新な演出が上手く働いていて、今観ていてもカッコイイと思った。 afoijwさん [DVD(邦画)] 8点(2012-09-15 21:25:38)

33.詩の芸術性とかよくわかんない。その方面に対する見る目が私には全く備わってない。さらにアングラ演劇が苦手(よく知りもせず苦手も何もないんだけど)。この作品のアングラ演劇的な演出にいちいちいやーな感じを抱く。いやーな感じを抱きながらも素直に凄いとも思う。かっこだけじゃない、狙って出せるものじゃない本物の独創がある。というのはわかる。だからだろうけど見た当時の点数は7点らしい(メモにそうある)。だけどそれ以降再見せず。再見しようとも思わなかった。数年後の今は、いやーな感じだけが記憶に残ってる。よって6点にする。ストーリーは奇抜なようで意外に筋が通っててわかりやすい。 R&Aさん [ビデオ(邦画)] 6点(2011-10-18 15:42:09)

32.《ネタバレ》 売りに行く柱時計がふいに鳴る横抱きにして枯れ野行くとき。家の換喩である柱時計にも実は未練がある(家出をすすめる寺山は家らしい生活をしたことがないという哀しい逆説である)。中年の「私」が少年時代の(母を乗り越えた)「私」を待ち受けるが、来ない。これはいいシーンだ。結局、幼年期というものを卒業できない人間のモンダイなのである。いい映画だと思う。 ひと3さん [映画館(邦画)] 8点(2011-03-15 00:11:40)

31.邦画史上最大といっても過言ではないくらい妖しく美しい映像には、寺山修二の才気が感じられる。
しかし、個人的に気に食わなかったのは音楽。古臭い。
音楽一つでここまで映画は古くなるものか。
J・A・シーザーの音楽に-3点 せかいのこどもさん [DVD(字幕)] 5点(2010-12-11 22:24:04)

30.これを、千と千尋くらいの人数にレビューしてもらったら良いと思う。 黒猫クックさん [映画館(邦画)] 3点(2009-01-04 21:52:37)

29.『ツィゴイネルワイゼン』に代表される、イマジネーションをつないだだけの映画は苦手。
しかもゴダールの様な映像美もない。
どう楽しめというのか?
どう感動しろというのか?
どう感情移入しろというのか?
まるで分からない。
にじばぶさん [CS・衛星(邦画)] 2点(2008-09-17 23:35:29)

28.自己表現を突き詰めた結果 シュールになっているものには心が動かされるものですが、これはシュールにしようとしている感が出過ぎていてシラけてしまいました。表現方法の必然性をほとんど感じることが出来ませんでした。 くろゆりさん [CS・衛星(邦画)] 5点(2008-05-16 12:23:09)

27.イメージとしては面白いと思いましたが、自分探し的なものを延々と見せられただけのような気がしました。それは恐山やイタコといった東北独特な風景を背景にしてはいるが、僕がこの地に抱く恐れにも似た畏れをほとんど感じなかったせいかも知れない。期待していたが結局は何も感じぬまま終わってしまった。本も含め、寺山修二にはあまり縁がなさそうだな。音楽は良かったんだけどね。 カリプソさん [DVD(邦画)] 5点(2008-01-23 01:21:12)

26.斬新な映画だった。人間の記憶をうまく表現できていているとおもう。 ホットチョコレートさん [地上波(邦画)] 7点(2008-01-03 19:21:55)

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【点数情報】

Review人数 45人
平均点数 7.16点
000.00% line
100.00% line
224.44% line
312.22% line
400.00% line
5511.11% line
6817.78% line
7613.33% line
81328.89% line
948.89% line
10613.33% line

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