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男はつらいよ 寅次郎相合い傘

1975年【日】 上映時間:91分
ドラマコメディシリーズものTVの映画化
[オトコハツライヨトラジロウアイアイガサ]
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2024-08-14)【イニシャルK】さん
公開開始日(1975-08-02)


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監督山田洋次
助監督五十嵐敬司
キャスト渥美清(男優)車寅次郎
浅丘ルリ子(女優)リリー松岡
倍賞千恵子(女優)諏訪さくら
前田吟(男優)諏訪博
下條正巳(男優)車竜造
三崎千恵子(女優)車つね
太宰久雄(男優)桂梅太郎
佐藤蛾次郎(男優)源公
笠智衆(男優)御前様
中村はやと(男優)諏訪満男
吉田義夫(男優)奴隷商
谷よしの(女優)函館の旅館の仲居
笠井一彦(男優)中村
戸川美子(女優)キャバレーの女
村上記代(女優)小樽の主婦
米倉斎加年(男優)海賊
上條恒彦(男優)海賊
早乙女愛(女優)鞠子
久里千春(女優)君子
岩崎加根子(女優)信子
船越英二(男優)兵頭謙次郎
原作山田洋次
脚本山田洋次
朝間義隆
音楽山本直純
作詞星野哲郎「男はつらいよ」
作曲山本直純「男はつらいよ」
主題歌渥美清「男はつらいよ」
撮影高羽哲夫
製作島津清
内藤誠(製作)(製作主任)
企画小林俊一
高島幸夫
配給松竹
美術佐藤公信
衣装松竹衣裳株式会社
録音松本隆司(調音)
中村寛
照明青木好文
その他東京現像所(現像)
山田洋次(4Kデジタル修復版総合監修)
近森眞史(4Kデジタル修復版)
岸田和美(4Kデジタル修復版)
あらすじ
ある日、とらやにふらりとリリー(浅丘ルリ子)が訪ねてくるが、寅さんがいないと知り、そのまま旅に出る。その頃、寅さんは青森で知り合ったパパこと兵藤(船越英二)と連絡船で北海道に渡っていた。二人が函館の屋台でラーメンをすすっていると、ふらりと女の客が入ってきた。見ると、何とリリーではないか。ここから三人の珍道中が始まった。しかし、小樽でパパが初恋の人に会いに行ったことがきっかけで、寅さんとリリーが大喧嘩して別れてしまう。雨の中の相合傘シーン、メロン騒動、リリーの結婚の承諾と、シリーズ屈指の名場面が満載。

パセリセージ】さん(2016-09-25)
全てのをあらすじ参照する

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【クチコミ・感想】

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44.《ネタバレ》 雑多に盛り込まれるゲスト出演者やエピソードを巧く消化しきれず空回りすることも多い『男はつらいよ』シリーズだが、本作『寅次郎相合い傘』は、その中にあって桁違いの完成度を誇る奇跡のような一作だ。あらゆる登場人物が挿話が場面がそれぞれ見事に噛み合い、唯一無二のアンサンブルを織り成している。言うまでもなく渥美清がすばらしい。そして浅丘ルリ子がすばらしい。だが、それ以上に倍賞千恵子がすばらしい。添え物のように控えめに画面を彩る彼女はけれど、妹として姪として妻として母として友として、その時々にそれぞれの表情を見せる「さくら」という確固たる一人の人間として、ゆるぎなくそこに存在する。シリーズ全48作を通し、まるで定点カメラで撮影された花のように次第に萎れていった倍賞千恵子だが、スクリーンに刻んだそうした年輪の如き変化をも引っくるめ『男はつらいよ』にひたすら愛された彼女は、日本一幸福な女優だ。おそらくどのマドンナよりも。そして寅次郎を愛すればこそ一喜一憂する、とらやの面々。ある時は近所の人々の心ない噂を悲しみ、ある時はリリーとの夢物語を語る「寅のアリア」に聴き惚れる彼らの、家族としてのその表情の、なんという繊細さ!美しさ!店先で甘えるようにさくらの腰に抱きつく幼い満男や川原で虫を追いかけるその満男をさらに追いかける博の姿が、愛情に満ちた彼ら親子のその有り様をさりげなくも雄弁に語り、柴又の道端や寺の境内で遊ぶ子どもたちを捉えた他愛のないワンショットまでもが、この映画に温かい血を通わせている。さらにはメロンを巡る馬鹿馬鹿しい諍いから「相合い傘」へと至る一連のシークエンスのすばらしさ!子どもじみた寅次郎を一喝するリリーは、いつしか天涯孤独な身の上の客人としてではなく彼ら「すばらしき家族」のその一員として、そこにいる。そのことのなんという幸福感!東京の下町のケチな団子屋の、このささやかな家族たち。市井に暮らすつましい彼らのありふれた、けれどかけがえのないその瞬間瞬間を、映画は斯様に丁寧に切りとる。そうすることで山田洋次は人の世のすばらしき「幸福」を、そしてその美しさを、見事にここに描いたのだ。もしも何も知らぬ外国人に『男はつらいよ』とはどんな映画かと訊かれたら(そんな機会はまずありそうにないが)、私は間違いなくこう答えるだろう。happinessの映画だ、と。 BOWWOWさん [DVD(邦画)] 10点(2010-04-23 15:21:25)(良:4票)

43.《ネタバレ》 男はつらいよシリーズで一番好きな作品は何か?と聞かれれば私と全く同じレビュワーの方もおられますが、本作と夕焼け小焼けの2本でいつも迷ってしまいます。相合い傘を見た後に聞かれれば「相合い傘」と答えるかもしれないし、夕焼け小焼けを見た後に聞かれれば「夕焼け小焼け」と答えるかもしれない。「男はつらいよ」には色んな面白さがありますよね。勿論言うまでもなく寅さんと毎回魅力的なマドンナとの恋、寅さんが帰ってきた後に起こるとらやの騒動。(特に本作のメロン騒動は本当に面白いですよね!)そして寅さんと旅先などで出会う、不器用だが愛すべき男たち。本作の船越英二演じる兵頭はその代表格ではないでしょうか。また、寅さんとリリーという、旅暮らしの渡り鳥同士のやりとりには他のマドンナとの間には無い、実にいい味わいがあります。では、相合い傘の中で好きな場面を。やはり寅が雨の中リリーを柴又駅まで迎えに行くところですね。寅を見つけて嬉しそうに駆け寄るリリーがとてもかわいいです。「迎えに来てくれたの?」「馬鹿野郎、散歩だよ」「雨の中を散歩?」「悪いかよ」「濡れるじゃない?」「濡れて悪いかよ」「風邪ひくじゃない?」「風邪ひいて悪いかよ」私の中でシリーズ全作を通して屈指の大好きな場面です。それと、おなじみの寅さんが名調子で夢を語る場面がありますが、本作での「俺にふんだんに銭があればなァ・・・」で始まる、リリーをもっと大きな劇場で歌わせてやりたいと語るあの場面もいいですねえ~。それと・・・もうキリが無いですね。長くなりました。以上、寅さんについて語りだすと止まらなくなるとらやでした。 とらやさん [地上波(邦画)] 10点(2008-11-24 18:09:52)(良:3票)

42.例えばキャメロンディアズが街を歩いていたとしよう。「おっキャメロンディアズだ!」と興奮して思わず口に出してしまうだろう。しかし、別に追いかけたりはしない。江戸川の遊歩道あたりで倍賞千恵子を見かけたらどうだろう。思わず頭を垂れてひれ伏し最敬礼してしまうに違いない。「さくら」とはそういう存在なのだ。継続は力なり。いくら「メリーに首ったけ」のキャメロンがかわいくても所詮は大脳皮質レベル。倍賞さんはDNAレベルの女神なのだ。思うに、このシリーズが長く愛されたのは、さくらと寅の「絶対に見捨てない、裏切らない」絶対的に安定した絆を軸にしているからだ。浅丘ルリ子の啖呵は確かに気持ちいい。しかし、リリーの代わりはいても、さくらの代わりは世界中どこを探してもいないのである。何がいいたいかと言うと、とにかくさくらがいいのである。今BSでやっている「男はつらいよ」48連発に嵌っているのである。最近、録画し貯めたこいつを1日2本、休日4本ずつ観ている。いや仕事もちゃんとしてるんだけどさ、もう病気である。続けて観ると、倍賞さんが演じるさくらこそがこの映画の太陽だってことに改めて気づくわけです。今まで洋画ばっかり観てきました。邦画は宣伝ばっかりで全然駄目とも嘯きました。でも、ごめんなさい。今はこのシリーズ全体を抱きしめたいほど愛しています。降参です。おばちゃん役の三崎千恵子がBSのインタビューに出演していましたが、この映画を語るときの表情といったら・・美しい。確固とした愛情と自信と望郷が入り交じった、実にきれいな顔をしていた。
最後になってしまいましたが、この映画についてです。シリーズの中でもピカイチなのは皆さんがおっしゃるとおり。兄妹愛、恋心、友情が見事にバランスした、世界で一番後味のよい映画の1つです。長文失礼しました。 正義と微笑さん [地上波(吹替)] 9点(2005-11-23 02:26:54)(良:3票)

41.《ネタバレ》 まだ全シリーズ観てないけれど、今の所一番好きなのが本作。色々な形で過去と現在がクロスする切なさと、未来は決して現在にクロスすることはない、生きることの不安。リリー松岡の再登板によって、これらがうまく描かれていると思います。さて、まず冒頭の寅さんの夢、チープ過ぎる海賊ぶりに苦笑。目が覚めると寅さんは映画館の中。出る時に、モギリのおばちゃんに(眠ってて映画観てないくせに)「面白かったよ、有難う」と声をかける。コレですよコレ! モギリのおばちゃんが映画作った訳じゃなし、それでもこの一言。笑いと感動と反省を呼び起こす場面であります。で本編。離婚したリリー松岡がとらやを訪れる、この場面からすでに、過去と現在が交わり始めます。一方寅さんは旅先にて家出オヤジ(ポリデント船越)との珍道中の真っ最中。しかしものすごーい偶然により、ラーメン屋にてリリーと寅さんは再会できちゃう。これぞ過去と現在を結びつける“運命”の力なり。舞台は二人の思い出の地、北海道。海辺で戯れる場面の3人の童心。初恋の人に会おうと決心する船越。これらすべて、過去と現在との交錯。で彼はこれで目が覚め、無事更生。寅さんとリリーはとらやに戻り今度こそいい感じ。ここで、例のメロン騒動が勃発する訳ですが。寅さんの分を切り分けるのを忘れるという失態から大ゲンカ。この場面もまた、寅さんという子供vs周りの理不尽な大人、という構図で、私にとっての過去である「子供の頃の気持ち」をチクリと刺激します。寅さんにとっては「気持ち」の問題であり、自分のことを構ってくれなかった事へ抗議しているのに、周りのオトナどもはこれを理解せず、あくまでメロンという物質的なレベルでしか捉えない。とらやの面々にわたしゃ怒りを感じたよ(とムキになってしまう自分の子供心に、苦笑もする)。ここでリリーだけが、「気持ち」の面から寅さんを咎めているんですね。で、寅さん出て行っちゃうけど、“相合傘”によって仲直り。大のオトナが相合傘でドギマギする、やっぱり中身は子供。この後、二人はもう一歩で結婚か、という事になるも、見事なまでのすれ違いで、あえなく撃沈。我々の過去も、こういうどうしようもない忸怩たる思いと湿った後悔で、死屍累々、ですわな。観ててタマラン気持ちになります。あの時ああしていれば…。シリーズのどれか一本は満点としたかったので、本作を10点とさせていただきます。 鱗歌さん [CS・衛星(邦画)] 10点(2009-08-16 15:54:38)(良:2票)

40.《ネタバレ》 男はつらいよの全48本ある中でどれが良いかというようなアンケートをするとこの第15作をシリーズナンバーワンに挙げる人が大勢、いる中で私もこの作品を後の17作「寅次郎夕焼け小焼け」とどっちをナンバーワンにしようか迷うぐらいこの作品大好きです。個人的には17作「寅次郎夕焼け小焼け」がベストですが、とにかくこの作品も寅さんシリーズの中でも屈指の傑作になってます。浅丘ルリ子演じるリリーと寅さんにそしてもう一人忘れちゃならないのが船越英二演じる兵藤謙次郎の存在、この三人の友情のドラマが物凄く良いわけで、メロン騒動の話などもこれまた良くて、その他良いシーンが沢山出てきます。雨の中での傘をさしながらの寅さんとリリーの会話は名台詞中の名台詞であり、名シーンの一つである。 そんな素晴らしい名シーン、もう、これだけでこの作品のまた、このシリーズのそして、俳優渥美清、車寅次郎という人物像、その全てがここにある。当然のことながら満点です。 青観さん [映画館(邦画)] 10点(2005-09-24 18:07:52)(良:2票)

39.《ネタバレ》 前回登場作でもそうだったけど、リリーとの関係は、やっぱり恋愛関係じゃないんだな。ほかの人には分からない、放浪人としての感覚と感性が、言葉にはしなくても2人の間では共鳴しているし、そのことを無意識に2人とも分かっている。その視座が明確に設定されているからこそ、新たな切なさがこみ上げるし、演出もさらに突っ込んだ先を行っている。●相合い傘のくだりはもちろん名シーンなのですが、その前フリとして実に効果的なのが、雨の中戻ってきた寅次郎を何事もなかったかのように迎えるさくら、そして寅次郎の(迎えに行きたいという)内心を知ったときの、さくらの何とも言えない微笑みの表情。●そしてクライマックスの「幻の結婚承諾」シーン、ここでの浅丘ルリ子の演技は何度見ても凄い。「いいわよ」のときには、ずっと押し隠していたであろう少女のような純真さがふわっと現れている。しかし次の瞬間、さくら達が大喜びしている横では、すでに「何であんなことを言ってしまったんだろう」という強烈な後悔がにじみ出ている。そして寅が帰宅した時点では、膝を抱えて、まるでそれまでの感情の吐露を壁に塗り隠そうとするかのような無表情さ。●一瞬だけ登場する、デビュー直後の若き日の早乙女愛ちゃんも忘れてはいけません。 Oliasさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2016-08-26 02:39:42)(良:1票)

38.《ネタバレ》 リリー再登場で、「男はつらいよ」の毎度のパターンをちょっと超えて結構良い出来の作品になっている。
この時代における女の自立とジレンマも上手くリリーと寅さんに言わせている。
この相手と結婚しないとなるともう一生独身かな...という切なさが漂う。そういう物語になってしまった。 simpleさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-04-25 23:30:23)(良:1票)

37.《ネタバレ》  なーるほど、世間の人は嘘は言わねえ。シリーズ中最高点だけのことはある。この後約30本続くのは百も承知だが、それでもここでハッピーエンドかと思わせるほどの、寅とリリーの相合傘が切なく美しい。だがこのシーン、いつもの寅の羽織り方といえばそれまでだが、リリーの組もうとした背広の腕に寅の腕は入っていないというのが、後の展開を暗示させて薄寂しくもある。そしておそらくシリーズでも異色なのだろう、寅の側から身を引く展開も良い。リリーの気持ちを察せないとか、今までの様に意地を張ってしまうとか有りえたが、悲しいまでの寅の思いやりを見せられ、「アンタは一生独り者だよ」と悲しいその運命に涙してしまう。

 まっ、それにしても、メロンが一切れ足りないくらいのことで「ワケを聞こうじゃないか」って面白すぎだが、リアルタイムで見ていたらナカナカどうして、笑えないくらい当時は貧しかったよなあ、なんて思ってしまった。これは個人差が大きかもしれないが。
 ところで、見終わってこのシリーズにしては初めて、サブタイトルに合点がいった。 Tolbieさん [DVD(邦画)] 8点(2014-06-06 20:32:51)(良:1票)

36.《ネタバレ》 【世紀の大事件!メロン事件! だからちょっと待ってってば 六等分ではヤバイって。 駄目だってば! そ~らみたことか 始まっちまったじゃないかよ 見てはいけないものを見てしまったような気がしないでもない メロンの配分による地獄絵図。結果、誰が悪いのかってことならば? 私はあれを持って来た船越さんの名をイチ押ししたく思う 悪く思うなよ(ポリデント。)(^w^)  今回のマドンナ:二度目の登場、浅丘ルリ子さん。】

メロン事件はいいんです。
とにかく面白いんです そのくだり。

でも、どうもしっくりこない
どうも好きになれない 今回のお話。

そんなこんなで質問→ なんでとらやは旅館でもないのに、傘にとらやの名前を派手に入れているのか 必死の宣伝なのか そのわりには、団子買いに来た若い兄ちゃんを 寅は平気で『今日は団子売ってないからって追い払っていたぞ』 いいのか それで いくないだろ(笑)

いくないと言えば、船越さん、(ポリデント)
彼の家出の件も なんか納得出来ない
陰で心底心配していた優しいご家族と(デカイ犬が) ちゃんといらっしゃったじゃないか(それなのに)  
なにを家族を疑うような事を言ってらっしゃるんでしょうか 
彼のほうこそ家族への思いが足りない感じない。

挙げ句、寅に関しましても、あれでいいのか
自分じゃ彼女を幸せに出来ない だからほっとくんです 放置するんです みたいな閉鎖感。
だったら今後、惚れた晴れた恋したと言った相手にはその後の進展は一切期待してくれるな 俺にはどうせ甲斐性なんてないんだから と、さくらに引導を渡してしまったようなものだと感じる、それではあまりにやるせないではないか だったら今後もう、彼の色恋沙汰を誰も応援出来なくなってしまうではないか そのへん、少し寂しく感じた。ちょっと残念な回となってしまったのでありました。 3737さん [試写会(邦画)] 7点(2014-01-28 22:00:08)(良:1票)

35.《ネタバレ》 描こうとしているテーマ、キャスト、ストーリーの展開、メロン騒動などの小ネタなど評価すべき点はたくさんある。それ以上にこの作品は、リリーの「幸せにしてやる?大きなお世話だ。女が幸せになるには男の力を借りなきゃいけないとでも思ってるのかい?」「もし、あんたがたがそんなふうに思ってるんだとしたら、それは男の思い上がりってもんだよ」「女がどうして可愛くなくちゃ、いけないんだい」というセリフが、言葉として浮いたものとしてではなく、「なるほどリリーならそうだよな」というようなリアリティを持って発信されている、あるいはリリーの人間像をそこまで確としたものに作り上げている、ということだけでも満点をつけたい。 Let it Snowさん [映画館(邦画)] 10点(2008-01-18 11:08:55)(良:1票)

34.《ネタバレ》 シリーズ15作目。本シリーズで流血を観たのは初めてじゃないだろうか?…劇中夢の話だけど。過去最大級にお金が掛かった夢だなぁ。帆船のミニチュア特撮まで出てきたわ。
当レビューサイトで平均点も高くレビュー数も多い。1作めを除くと最高傑作の呼び声も高い本作。

噂が独り歩きじゃないけど、何故か有名な『メロン騒動』の部分だけは、以前動画で観てました。コトがメロンだけに、たかがメロンって馬鹿らしい可笑しさと、されどメロンって笑えないリアリティの、さじ加減がまた秀逸だなぁ。
真顔で「…ワケを聞こうじゃないか」で引き込まれ、そっくりな博のモノマネで吹き出したわ。おいちゃんがお金投げて、おばちゃんが泣き出す修羅場っぷり。とどめのリリーの一括。寅に掌返しで「他人様」と言われたからこそ言い返せた口上に、とらや一家でなくてもスカッとしてしまう。あぁでも、寅は悪くないんだよなぁ。本作『寅次郎メロン騒動』でも良いんじゃないか?ってくらい。

そのあとの雨の中の相合い傘。大人げない姿を見せた寅と、つい言い過ぎたリリーの、気遣いたっぷり、心をくすぐる男女の会話が堪らない。結婚とかお付き合いとか、そういうのでなく、この瞬間が最高なんだよね。
「お兄ちゃんのお嫁さんに…」心から“それも良いな”って思った嬉しそうなリリーと、口に出した後、そんな生活は自分には無理なことを悟っていくリリーの表情の変化。ここで一拍置ければよかったのに帰ってきてしまう寅。冗談にするしか出来なかった二人の間が悲しい。
「オレみてぇバカとくっついて、幸せになれる訳がないだろう?」最後に来て寅のこのセリフ。「女が幸せになるのに、男の力を借りなきゃいけないとでも思ってるのかい?」小樽の港でのリリーのセリフ。
リリーが去って大雨が降るなか、傘を持って掛け出せない寅の背中、さくらへの語りが寂しすぎる。だからタイトル『寅次郎相合い傘』なんだな。 K&Kさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2023-09-02 17:00:40)

33.《ネタバレ》  基本的に寅次郎という人間が嫌いなんで、レビューすることもないと思っていたが、とても自分好みに寅という人間のつまらなさ、
小ささ、駄目さ加減が描かれていたのでとても楽しめてつい。

メロン騒動、寅のあまりの小ささにイラっとしたが、リリーさんの啖呵にすっきり。お前がそんなこと言える立場なんかと、明確に寅に指摘したのは後にも先にもこれだけじゃないだろうか。

あと、かねがね寅は妹が好きすぎて女性経験が皆無の人間じゃないかという説を唱えているんだが、今回ますますその思いを強くした。
そうじゃなきゃ、さんざん人の気持ちとか言う人間が、さくら、ひろし、おいちゃん、おばちゃん、そしてリリーの気持ちを、あそこまで軽く踏みにじれるのが説明できない。相当こじらせてるんだなと考えれば初めて理解できる。

まあ、自分みたいな主人公が大嫌いな人間まで楽しませてくれるのは名画と言わざるを得ないかも rhforeverさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2022-01-22 22:21:22)

32.《ネタバレ》 安定の面白さ。ほのぼのと見れます。ただ、何故だろう、どうしても浅丘ルリ子演じるリリーさんに感情移入できないんですよね…。船越パパとの珍道中は面白かった。 はりねずみさん [CS・衛星(邦画)] 5点(2021-08-07 16:06:36)

31.《ネタバレ》 寅さんシリーズできちんと見たのは四作目。
ここのレビユーサイトではシリーズ中一番人気が高い今作、
期待してみたら確かに納得の出来。
見てて気持ちいい。
ただオチはちょっと弱い。
続きに含みを持たせてるから仕方ないのかな。
代わりに船越サイドのエピソードでオチをつけても良かったかもと思った。 Dry-manさん [DVD(邦画)] 7点(2020-12-19 12:28:15)

30.《ネタバレ》 シリーズ15作目。リリーはもはや女寅さんと化し、寅さんと絶妙なコンビになってました。超常識的なパパを旅の友に加えることで、リリーと寅さんの型破りなところが際立って面白いです。リリーからの逆プロポーズ?も寅さんまさかの反応。照れ臭かったのでしょうか?メロンを分けてもらえず駄々をこねる寅さんが最高に面白いです。 ぽじっこさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2020-11-18 06:56:32)

29.不器用で自由人な男女のすれ違いの恋物語。私はこの作品で、初めて男はつらいよを鑑賞しました。笑っていれば楽しいことがある。失敗したり辛い時でも、家族や仲間が助けてくれる。日本人の価値観って、昔はこうだったんだよね。現代は、効率やスピード、成果主義が第一。その色眼鏡で見てしまうと、この映画はある種無駄なこと、非効率、ナンセンスなことだらけ。でもそこには、家族の暖かみや、人と人との助け合いから生まれる、ゆるぎない幸せが、今よりずっと多い気がする。 VNTSさん [インターネット(邦画)] 7点(2018-03-16 18:26:21)

28.《ネタバレ》 リリーさんの寅さんシリーズにおける特別感が理解できない、むしろ不協和音とすら思っていたモノです。本作を見て、シリーズにおけるリリーさんの立ち位置がやっとわかった次第です。皆がお似合いであると思っていたのに、の人だったのですね。相思相愛であるにも関わらず、寅さんがフッタ形になっちゃった女の人。1:04:00頃のパパさんから「いつ結婚するか」聞かれたときの寅さんの表情がすごい。完全に笑っているのに、笑っていない。惚れてたんだよ。啖呵売のシーンが多いのも本作の好きなところです。 なたねさん [DVD(邦画)] 8点(2017-10-29 20:16:16)

27.《ネタバレ》 これはすばらしい。寅さんとリリー、お互い相手を思いやったために別れてしまうというのが悲しい。そこへ持っていくまでの2人の関係もいいです。「自由」というのがテーマですが、きつい日常から飛び出して、ひととき自由を味わう兵頭パパの存在が、寅さん・リリーとの対比でとても生きています。自由すぎるというのも考えもので、結婚というのはいろいろと制約があるものなので、この2人には似つかわしくないかも。40年前ならすぐ結婚に結びつきますが、今なら無理に結婚しなくてもいいじゃないの、となるかもしれません。そういう意味では、時代をよく映していると思います。

リリーを大劇場の舞台に立たせたいという寅さんの語り、メロン騒動のおかしさと淋しさ。シリーズとしては異色の展開ではありますが、寅さん(というか、渥美清)の魅力も十分に堪能できる一遍です。 アングロファイルさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2016-09-03 11:05:21)

26.脚本+演技力なのか、マドンナに不自然さが無いのでみんなに感情移入できる。今まで観た寅さんシリーズで一番グッときた。 ProPaceさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2016-08-27 16:57:06)

25.《ネタバレ》 その日暮らしの寅さんとリリー、夫婦になると上手くいかないだろうって、最後まで分っていたのは寅さん。
でもリリーは女の幸せは男が決めるものでないって、映画のはじめでは言ってたが、結局、寅さんに
その(結婚)の判断を任せて出て行ってしまう。追いかけない寅さん。

これだけの話を一話の映画にできるのが、まあ、すごいことではあるが。話が小さくまとまってしまった。
別に映画でなくても良いかな。寅さんシリーズの中で内輪受けする映画だが、もっと色々、工夫すれば大きなドラマを演出できたと思う。

例えば、二人と対比させている一般サラリーマン、船越が後半も、寅さんとリリーとの関係に意味ありの役割を
演じ、リリーに華やかなステージで歌わせることをお膳立て、二人の関係に一役買う。
そのステージで歌っているリリーを観ながら、寅さんが身を引いて去っていく・・・
・・なんてドラマが入ってくると、映画の醍醐味を味わえたかもしれない。 cogitoさん [DVD(字幕)] 5点(2016-06-04 14:10:32)

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【点数情報】

Review人数 44人
平均点数 7.93点
000.00% line
100.00% line
200.00% line
300.00% line
400.00% line
536.82% line
6511.36% line
71022.73% line
81125.00% line
949.09% line
101125.00% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.00点 Review1人
2 ストーリー評価 7.66点 Review3人
3 鑑賞後の後味 8.33点 Review3人
4 音楽評価 7.00点 Review2人
5 感泣評価 7.00点 Review2人

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