みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
10. 革新的な映画技法の数々と対照的な白人優越主義のプロパガンダ、これらを総合してどう評価するか判断が悩ましい。しかしながら、今では当たり前の映像表現を確立したという点で、その実績に敬意を表してこの点数とする。 【風小僧】さん [インターネット(字幕)] 7点(2024-07-21 13:16:15) 9.アメリカで初めて創られた190分もの作品であり、その中には戦争、人種差別、思想など様々な濁流が流れている。 後の「風と共に去りぬ」の骨子がこの映画に詰まっているのだ。 この映画の場面場面で数多く出てくる「絞り」のように、小さな点が大きな光の塊となっていく。 アメリカの南と北、二つの名家にて起こる恋愛、戦争、死の物語を当時のアメリカ社会のうねりと共にドキュメンタリー風に描く。 映画史上初めてのオリジナルの音響、燃え盛る街を背後に逃げ惑う民、強烈なフラッシュ・バック、印象的なカットの繋ぎなどなど・・・一つ一つの場面の完成度。 1890年代終わりのリュミエール兄弟作品、1903年の「大列車強盗」、1910年の「月世界旅行」、そして1915年の「国民の創生」。 前半30分の登場人物の相関、南北戦争の激戦、後半における数々の死と「KKK」の設立、新たなる闘争の決着・・・密度のある映画だ。 ストーリーの流れや演出は文句なしに素晴らしい。 だが、だがである。 リンカンは何故暗殺されたのか。 それは黒人の現状と痛みを理解し、そこに共鳴したからこそ彼らを開放するために戦い、そして殺された。 後のキング牧師やマルコムXたちがそうだったように、肌の色ではなく、心で理解できたからこそ彼は戦ったのだ。 黒人の解放運動、キャメロン家と共に戦う黒人の女性を描いた点は良かった。 ただ、黒人への恨みをそのまま黒人に返す事を目的とした「KKK(クー・クラックス・クラン)」を英雄として描いた部分は残念でならまい。 これこそ正に「面白ければそれでいいのか?」という映画なのだ。 白人に蔑ろにされた憎悪。 その憎悪が白人に向けられ白人を殺す。 そして黒人に家族を殺された白人の憎悪が「KKK」を産んだ。 だが、「KKK」はあくまで黒人への憎しみをたぎらせた組織であり、それが「アメリカ」という国を造り上げたわけではない。 リンカンが死ななければ南北の統一も無かったし、黒人奴隷の苦しみが無ければリンカンが戦い暗殺される事も恐らく無かっただろう。 その憎しみの連鎖が黒人差別の要因である筈なのに、この映画はそれを疎かにしてしまっているのだ。 黒人の苦痛を細部まで理解出来なかったグリフィスの詰めの甘さだけは惜しい。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-03-18 17:24:25) 8.アメリカの南北戦争を境とした、奴隷解放後の話でした。歴史に忠実な物語にしようと努力している節はありますが、いかんせん白人優位な内容に出来上がってしまいました。制作された時代を考えると、仕方ないのかなとも思えます。映画の醍醐味としては、時代の動乱をとらえていて緊迫感があり、なかなかの見応えでした。男性陣の顔がなかなか見分けづらいのが、やや難ではあります。 【shoukan】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-05-28 16:24:22) 7.黒人差別、銃、単純勧善懲悪型ストーリー、ご都合主義的勘違いなどなど、アメリカの悪い部分ばかりが際立つ本作。 アメリカ史、アメリカ映画史を語る上で、最も重要な作品であることは間違いない。 しかし、アメリカの悪い部分ばかりをこう見せられると、元々アメリカ嫌いな私は、ますますアメリカという国と文化が嫌いになってしまった。 嫌悪感を増幅させる本作を、高く評価することは私には無理だ。 【にじばぶ】さん [DVD(字幕)] 5点(2008-04-06 01:46:34) 6.この映画の差別的な部分はともかくとして(顔を黒く塗った白人が「悪い黒人」を演じるのって、やっぱり観ててヤだなあ)、あの白装束KKKの大群のシーンには圧倒されます。さらにはこの映画、私の大好きな「立てこもり映画」でもあったりするんだから、たまりません。ここに“映画の創生”を目の当たりにするのであります。 【鱗歌】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-02-09 18:16:31) 5.冒頭でアメリカに買われたアフリカ黒人の姿が映され、「悲劇の種は蒔かれた」というような(正確には違う文言だったと思います)字幕が出る。つまり黒人蔑視の描写があっても、黒人=悪のストーリーではなく、諸悪の根源はアメリカが黒人奴隷を買いつけたという歴史にあると言っている。とはいえ、そのことを理由にKKKを正当化していることは間違いないところ。しかし、それもその時代の南部出身のグリフィスの視点という意味では仕方のないことなのかもしれないし、当時の思想を見る、という部分では興味深かったりもする。ストーリーはさておき、この作品の凄いところは、今ある映画手法のほとんどがこの作品によって生まれたということ。映画をいきいきとさせる、そのための手法がわんさと投入されるこの作品は、今見ても存分に楽しめるものとなっている。映画手法のパイオニア的価値を見出すまでもなく、その躍動感だけで十分この映画は面白いのである。物語がどんなものであれ。 ただしストーリーを全く無視するということはなかなか難しく、またストーリーによる感動も些細ではあるが映画の一部であると思ってしまう私は、心情的に違和感を感じた光り輝くラストシーンだけがどうも...。あれさえなければ10点を付けていたかもという可能性を否定できません。 【R&A】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-05-16 12:38:28) 4.KKKの首領を主人公に置き、KKKの側の視点から描いた早期アメリカ史の物語。この映画ではKKKは社会の無秩序を救う英雄的救世軍である。反対側、つまり黒人やムラート(混血)の側に視点を移せば、当然これは差別と偏見に満ちた映画へと転化する。たしかにグリフィスの革新的な映画手法は映画史上、みごとなものなのにちがいない。してみると、映画的手法と作者の視点の取り方とは別問題であって、映画手法はどのような視点にも有効であり得るということ、映画というものは視点しだいで物事をいかようにも描きうる両義的なものだということを、この映画は如実に教えてくれる。 【goro】さん 5点(2004-02-09 16:38:43) 3.「お勉強」のつもりで観たら、意外や意外、面白かった。ついでにKKKを賛美しているとは感じなかったけどなー。おれには、所詮世の中なんてこんなもんでしょ、っていう諦念が伝わってきた。 【じゅんのすけ】さん 9点(2003-07-09 22:33:17) 2.グリフィスは南部の出身なので、KKKを崇めた、とかいろいろ言われているが、本人はノンポリシーで作ったと後年語っています。この年は、デミル=雪洲の「チート」とこの作品が大当たりして、興収1500万ドルを上げました。これは大ヒットの「チート」のさらに5倍凄い数字で、今でいえば2億5000万ドルと、マトリックスもびっくりの数字だったんですね。 【FOX】さん 5点(2003-06-22 22:03:46) 1. 初めて商業レベルで大長編映画を作り上げ、カットバック技法を生んだデヴィッド・ウォーク・グリフィスの偉大さは映画史上不朽であるとは思う。グリフィス映画の名ヒロイン、リリアン・ギッシュも美しいし。が、KKK(ク・クルックス・クラン)を英雄扱いする本作の差別的視点にだけは何としても共感しかねる。よって減点。因みにリンカーン暗殺の下手人である舞台俳優ブースを演じるは後の名監督ラオール・ウォルシュ(「死の谷」や「白熱」は必見)。 【へちょちょ】さん 8点(2002-12-31 17:09:19)
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