みんなのシネマレビュー |
|
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
45.映画の初めの方で、主人公の男の子マルセリーノが、道ばたで架空の友だち「マニュエル」と遊ぶシーン。“マニュエル、それはね…”とか、“マニュエル、ほら…”とか言いながら独りで遊ぶそのマルセリーノの姿は、あまりにも無邪気で、無垢で、愛しくて、そして悲しくて、もう、涙なくしては見られなかった…。最後に見てからもう10年以上は経っているはずなのに、いまだこの映画(から受けた感動)はありありと鮮明に覚えている。それはきっと、この映画が、キャメラだの、構図だの、カット割りだのといったものにとらわれることなく、ただ「小さな奇蹟」をあるがままに物語ろうとした、その“てらいのない「純粋さ」”ゆえじゃないでしょうか。そんな眼差しの中でなら、たとえ屋根裏のキリスト像がマルセリーノの“相手”をしてあげるために動きだそうとも、ぼくたち観客は素直に納得させられてしまう。もはや宗教的な意図を越えて、このひとりぼっちの幼い男の子のために彼(キリスト)は“復活”したのだと納得させられる。そのために、この子が神の国へと召されることになっても、ひとりの「天使」がふたたび天上へと帰っていったのだと、たとえキリスト教とは何の関係もないぼくたちですら、素直に心打たれ、祝福できるのでしょう…。芸術であるとか、娯楽であるとかいったこと以上に、「映画」というメディアは、時に“この世で最も美しい何か”を現出するという「奇蹟」を実現してみせる。それを《神の顕現(エピファニー)》と言いうるのなら、ここにはまさしく「神」が宿っている。…にしても、「7歳までは神のうち」という箴言は、洋の東西を問わないんですね…。 【やましんの巻】さん 10点(2004-03-05 12:56:53)(良:3票) 44.《ネタバレ》 昔、テレビで何度か見ていて(『水曜ロードショー』がよく放映してたんじゃないかな)、大筋は知っていたつもりでしたが、改めて劇場で腰を据えて見て、あまりに記憶に欠落箇所が沢山あった事にびっくり。回想形式の映画だという事をまるで覚えておりませんでした。その回想のきっかけとなる冒頭の少女のエピソードを見て、これは幼い子供を亡くした人々に対する救済の映画なんじゃないかと思いました。パンとワインのマルセリーノ(という字幕よりもテレビ版の「マルセリーノ・パンとブドウ酒」の方がピンと来ますが)は、信仰心の厚い良い子という訳ではありません。いたずらっ子で言う事を聞かなくて。もしかすると、暴力を爆発させようとしてサソリに刺されたあの瞬間に、彼の命は失われる事が予め約束されていたのかもしれません。でも、そんな子供であっても、その心は神によって救済されるものなんですよ、っていう。幼くして散った命に対して、私達はどうしようもない無常感を抱きますが、信仰がどうであれ、その子供達の魂が救われたと信じる事ができるならば、それは残された者への救済へと繋がる、そんな映画なのかなと。広い広い空の下に立つ人の姿を捉える映像は自然という大きな時を刻む世界の中に生きる、束の間の時を刻む人間を表すようで、白黒・スタンダードながら印象的に映えていました。 【あにやん🌈】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-08-07 15:29:46)(良:2票) 43.もう随分前に観た映画ですが、「おはようマルセリーノ」の曲は今も私のハートで流れています。宗教映画にありがちなマルセリーノの奇跡は、若かった私にとって遠くで起こった御伽噺のような、軽い気持ちで鑑賞していました。しかし、数年前に訪れたポルトガルのファティマで、数々の奇跡の物語を聞いていると、信じる心を持っていることが人生でもっとも大切な宝なのだと感じました。今では、マルセリーノの奇跡は、信じる心という抽象的なものを映像化した、世にも美しい物語だと思っています。 【ソフィーの洗濯物】さん 10点(2004-02-19 18:00:48)(良:2票) 42.珠玉の名作…という言葉がぴったりの、胸に染み入る人間愛を描いた作品。この映画は手づくり感に満ち溢れており、つくり手の手の温もり、優しい眼差しなどをこれ程感じさせてくれる作品はそうないでしょう。ただ少し視点を変えて見ると、冒頭とラストの少女のシーンにもあるようにゾッとする怖さを描いた民話ともいえると思います。思い出すたびについ“マルセリーノの歌”を口ずさみ、涙腺がゆるんでしまう。やはりマルセリーノ(カルヴォ少年)が神様と言葉をかわし、ラストにつながるシーンまでが最高に美しく感動的。きっと今もスペインのどこかの村で、民話“パンとワインのマルセリーノ”が語り継がれているかも知れませんね。キラキラと輝く真珠のような名作に、文句なしの10点満点。※《追記:ネタバレ》ところで、なぜ神様はマルセリーノを昇天させたのか? 余りにも酷ではないかという意見もあるようですが、私なりの解釈をしたく思います。物語の途中、マルセリーノはサソリに刺されます。実は、この時点でマルセリーノは死んでいたわけなんですよね。しかし神様は死なすには早過ぎるし、まだその時期ではないと判断して特別に生かしてくれたんですよね。神様がマルセリーノに大きくなったら神父になりたいか、と尋ねるシーンがあります。それでもマルセリーノはかたくなにママに会いたいというだけです。もともと無い命、それも良かろうということで昇天させたわけなんですよね。十人十色の受け取り方が出来る典型的な作品ですね。 【光りやまねこ】さん 10点(2003-07-19 23:10:04)(良:2票) 41.確かに幼くして、あるいは若くしてなくなるのは惜しまれるほどのいい人が多い。私も彼らは特に神様に呼ばれるのかと思っていた。やるせない不条理である。ところでこの作品、可愛いマルセリーノはお母さんが恋しい、物置部屋のキリスト像に食べ物を運び話しかけるとキリストはそれに応える。そして彼の願い通りお母さんに逢わせようとし、幼いマルセリーノは昇天する。皆に愛され、神にも愛され短い生涯を終える。泣ける!テーマ音楽がまたいい。この相乗効果でよけい悲しい。一種のメルヘンなのだが、愛しき者の昇天という不条理を神の愛として描いているのだろう。 【キリコ】さん 8点(2003-06-16 20:56:04)(良:2票) 40.《ネタバレ》 子ども映画ではあるのですが、結構コテコテにキリスト教的価値観を描く映画でもあるので、内容に関しては好みとゆーのは分かれる方の作品かと思います。ただ同時に、子ども映画としては端的に最強クラスと言っても好いかと(正直、メッチャ観入ってしまいましたよね)。その子役の素晴らしき純粋さ(=それがもたらすある種の「神性」)とゆーのは、ほぼ同時期の『禁じられた遊び』よりも更に純粋で美しいモノにも感じられました。元々はイタリアの話らしーのですが作品としてはスペイン映画で、モノクロではありますがやはりどこか温かく爽やかな空気感も感じられて(+件の音楽・歌の気持ちの好さも含め)そーいったトータルの雰囲気の好さが(映画を観ている上での)多様な心地好さにも繋がっていたかな…と。個人的には、人生でも忘れ難い傑作…という類の作品に思えましたです。機会があれば是非。 【Yuki2Invy】さん [DVD(字幕)] 8点(2023-03-19 17:04:19)(良:1票) 39.《ネタバレ》 子供を捨てちゃうような母親は地獄に堕ちちゃっているので、マルセリーノが天国に行っても会えないんじゃないか とか 病の少女にこんな話したら、私やっぱ死ぬんだ、って落ち込んでしまうんじゃないか とか考えてしまうおれとは対極に位置しそうなこの作品。 がしかし、真相を突き止めるべく潜んでいたお粥さんの指が組まれるその瞬間ばかりは崇める心を共有し、「マルセリーノが あの子が 神に召された」という台詞で信仰が少しだけ沁みこんでくる。汚れなき天使が呼び起こす理解を超えた奇跡。そして汚れなきものがそれを語ることにより私たちが胸を震わす小さな奇跡。この作品は正に神の僕たる修道僧として、忠実な語り部としての立場を保っている。 【stroheim】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2006-09-24 12:26:11)(良:1票) 38.《ネタバレ》 ♪聞き覚えのある哀しいメロディー、主題歌だったんですぇ、、今頃気づきました。。荷車が出てくる中盤以降はもう、無宗教のこんな私のどこからこんなに涙が溢れ出てくるのかわからんくらい泣けました。彼だけを抱擁してくれる「友と大男」はいたが、一番逢いたい人が空想でさえも存在しなかった、、もうたまりません。飢えたものに与え、弱きものを助ける、人と交わり愛する・・私が忘れてしまってることばかりです、心を入れ替えて出直します。12人の僧侶は「月」のことを指してるのかしら?? //モノクロのスペイン語ということで敬遠してました、黒猫クロマティ様他のレビュワーさんが薦めて下さいました、ほんとにありがとうございます。 【かーすけ】さん 10点(2004-04-24 20:46:01)(良:1票) 37.これはもう、涙を搾り取られた作品でした。初見は中学生のときだったと思います。あの人はあんなところに縛られて可哀想、おなかがすいているのじゃないだろうか、人にはママという人がいることを知り、ママに会うことが望みとなる、マルセリーノのそういった子どもらしさ、純粋さがたまらなくいじらしいの。 私はキリスト教徒ではありませんが、この奇跡の物語は素直に受け取れました。あのラストシーンは生涯忘れないでしょうね。 【envy】さん [地上波(吹替)] 10点(2004-04-06 01:09:37)(良:1票) 36.子供の頃TVで見て以来、常に私の好きな映画ランキングのトップに位置する作品。一体何度繰り返しこの映画を見ただろうか。見る度に心が洗われる気がします。ラストのシーンはいつ見ても号泣してしまうのですが、神父達の悲しみに共感すると同時にマルセリーノには「憧憬」のようなものを感じます。この辺には多分に自分の中の宗教的な見解が影響しているのかもしれません。エリック・サティの音楽と古いモノクロ作品特有の光と影が、なにやら夢で見た世界のように思え心にしみます。 【黒猫クロマティ】さん 10点(2003-06-18 12:44:43)(良:1票) 35.《ネタバレ》 修道院に置き去りにされた赤ん坊を12人の修道士が父親となって育てるというようなお話。修道士たちは、赤ん坊の本当の親がいないかどうか村中を探し、結局見つからず、両親は亡くなっているとの結論に達しますが、すでに親心が芽生え始めており、赤ん坊を育てられることを内心では喜び、子供が成長すると、母親や同年代の遊び友達が必要だと里親を探すのですが、適切な人が見つからず、もうすでに家族同然となっているので、内心では喜び、12人の父親となって子供を愛し育てるところに心が温まります。邦題の「汚れなき悪戯」は、子供が、同年代の遊び相手がいないこともあり、周囲の気を引くために他愛のない悪戯をすることからとったものだそう。原題は「Marcelino Pan Y Vino」(パンとワインのマルセリーノ)。終わり方が、宗教臭くて唐突感がありますが、全体的には楽しめました。 【camuson】さん [DVD(字幕)] 6点(2023-05-29 18:52:44) 34.《ネタバレ》 数十年も前の中学生時代、音楽の先生が激推ししていた映画です。マルセリーノの歌?か何かが教科書に載っていたんだと思う。 その後30代ぐらいに借りて鑑賞してみて、ああ先生の言っていた通りの映画でした。 宗教色が強くてあまり入っては行けなかったけど、なかなかよかったです。 当時の映画好きは皆観たのかなぁ。 【大治郎】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2022-12-27 10:23:21) 33.《ネタバレ》 大学生の時、名画座の3本立てで見たことがあります。しかしかなり忘れていたようで、記憶にないところがかなりありました。特にキリスト像に関しては、とっとと動き出してセリフまで喋っているとは驚きました。ここまで来ると初見と変わらないようなような気もします。 私はヨーロッパの文化に関心があるので、キリスト教映画も抵抗なく見られます。しかしそれはあくまで文化的な側面であって、本作のように奇跡をてらいなくストレートに描かれると、ちょっと評価に困ります。もちろん悪い映画とは思いませんが。修道士か12人とか、架空の友達遊びとか、そのあたりもうまく作ってあると思います。そんなこんなで、結局無難な点数を付けざるを得なくて、製作した方々には申し訳ないような気もします。総合的には、わりと好きな作ですし。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-07-21 20:34:40) 32.《ネタバレ》 市場に積まれたリンゴの山の中程からマルセリーノがひとつを掴んだせいでリンゴの山が総崩れに、そして驚いた家畜の牛たちが暴れ出して市場全体がドミノ効果のようにめちゃくちゃになるシーンを何十年も昔、子供の頃に見た時には見過ごしていました。そして、周囲の大人達に冷たくされた寂しさの中でマルセリーノと屋根裏の痩せたおじさんとの交流が始まるのですが、それは子供心にただただ不気味にしか感じられませんでした。 今、大人として鑑賞してもやはり不気味さは拭えません。中南米系のカトリック教徒は奇跡を信じて例えば涙を流したことのある彫刻みたいなものを拝んだりしますが、カルチャーの違いかわたしには到底理解できません。劇中のフランス兵の帽子の形からナポレオン時代(19世紀前半)以降の物語だと推測できますが、マルセリーノの死因は奇跡ではなく心臓麻痺とかじゃなかったんでしょうか?まあ、今なら明らかにもなるし話題にもなるそういったことは不問に付して神様の意思といった宗教がらみの要因だけを問題にするとしても、12人の父親よりも1人の母親のほうがいいというマルセリーノの願いがいとも簡単に叶えられるのは、市場の騒動の件で一時的に冷淡になっていたとはいえ、マルセリーノを一生懸命育ててきた修道士さん達にとってはあまりにも不公平です。 でも鑑賞後にわたしは「人は皆、理由があって生まれ、理由があって死ぬ。」というある宗教家の言葉を思い出しました。乳幼児のうちに天に召される者は周囲の人間に何かを教えて去っていくのだそうです。マルセリーノが修道士達に何を教えたのか、宗教の違いを超えて考えてみてはどうでしょうか? 【かわまり】さん [DVD(吹替)] 10点(2015-06-08 00:02:25) 31.《ネタバレ》 手が動いた時は「おお~!」と思わず声を上げてしまいましたが、ラストは突き抜けてしまって信仰心のない自分は頭がポカーンとしてしまいました。キリスト教にとっては生物学的死が悪という事でもないので、楽園での母との出会いという望みを叶えるために主がそうしたのかな?としか・・・。そもそも母を知らずに育った少年が母を求める事にもちょっと違和感ありましたし。いろんな意味で衝撃的でした。私はこの作品も歌も全く知らなかったのですが、子供の頃見たとか歌を知ってるという人が多い事にも驚きです。 【東京50km圏道路地図】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-06-05 13:08:53) 30.《ネタバレ》 まんが日本昔話を思い出す。これはスペインが舞台で映画ではあるけれど。男の子はみなしごだけど、12人もお父さんがいてそれぞれ「台所さん」「鐘つきさん」等と牧歌的な中、子供はのびのび育つし意地悪なキャラの鍛冶屋も登場する。完全に昔話の装置だ。 わが国との宗教背景の違いは大きくて、わたくしどもの神様といえば山の神様のように気配だけだったり動物に姿を変えたりが多いと思うのだけど あちらは木彫りのキリスト像がはっきりと動き、語るのですね。びっくりした。現世を離れて母に会う、ちょっとビターにも感じる帰結の型はこちらの民話にもありそうな。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-02-20 00:16:42) 29.《ネタバレ》 モノクロの古い映画でキリスト教色が強い。 悪戯ばかりの「悪い子」マルセリーノが、イエスの祝福を受ける。 マルセリーノの歌は子供の頃に聞き覚えがあったが、この映画の主題歌だったとは。 天に召されたマルセリーノに喜びを感じるのか悲しみを感じるのか、宗教観によって違ってきそう。 心温まるファンタジーになるかと思ったが、無宗教の人間にとってはなんだか複雑な心境に。 ハッピーエンドには思えず、切ない余韻が残った。 この先、天国があると信じるようになれば、珠玉の作品に変わる可能性はあるけど。 【飛鳥】さん [DVD(字幕)] 5点(2014-12-27 00:11:38) 28.キリスト教のような一神教には共感できないですが、この映画は良かったです。 【ProPace】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-09-28 17:32:50) 27.子供ってのは、天使の顔をした悪魔な訳で、マルセリーノ君も見事にロクなことしません。そのマルセリーノ君が、修道院の2階にひっそりと打ち捨てられているようなイエス像と、心を通わす。ここで、マルセリーノ君は、イエス様にパンや葡萄酒をせっせと持っていくのだけど、これらを盗んで持っていくのだから困ったもの、自分の食べる分を節約して持っていくのだったら美談なんだけど、とか思っちゃうのが日本人の正直な感想ではないですかね? しかし勿論、(特に最後まで)観ればわかるように、そんな単純なエエ話を描いた作品じゃないし、信心を通じて現世的ご利益を得る教訓噺でもない。ただ、どうしようもないくらいに無垢で美しくてはかないものを、そっと描いた作品ですね。こういう、小さな奇跡。まあ一人の子供が生まれてくること自体が、ひとつの奇跡なんですけれども。それがだんだん、天使の顔をした悪魔になり(笑)。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-05-11 15:43:37) 26.《ネタバレ》 幼い頃にテレビで見た時には、動く彫像にビビりつつラストには感動に近い衝撃に包まれた記憶があったのだが、薄汚れた大人になって久々に鑑賞したらポカーンでした。いや、でもそれは素敵な主題歌もあらすじを知っていて、オチも知っていたのに、自分が薄汚れてしまったからなのかも。きっとそうだろう。 【movie海馬】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-05-07 21:32:44)
【点数情報】
【その他点数情報】
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS