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エル(1952)

El
1952年【メキシコ】 上映時間:92分
ドラマロマンス
[エル]
新規登録(2003-06-29)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2010-03-23)【にじばぶ】さん


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監督ルイス・ブニュエル
原作メルセデス・ピント
脚本ルイス・ブニュエル
音楽ルイス・ヘルナンデス・ブレトン
撮影ガブリエル・フィゲロア[1907年生]
配給日本ヘラルド
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【クチコミ・感想】

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4.《ネタバレ》 最も狂っておらず、最も狂った作品。
同時にもっともエロくなく、もっとも官能的なブニュエル作品。

精神を病み、自分が正義だと信じ続け身を滅ぼしていく男の悲しきドラマ。「昇天峠」より強烈だ。
精神病の症例記録を映画化しようと思うのは、ブニュエルくらいか。それをスリリングなサスペンスのように魅せるブニュエル。

男は、礼拝堂で聖母のように美しい女性(脚)と出会ってしまった。歪んだ正義は独占欲となって彼女を束縛する。
他人への憎悪。嫉妬で荒れては、愛する女に許しを請う。教会の上から「俺がてっぺんで、下を歩く連中はクズだ!」と言わんばかりに軽蔑する。
遂には「俺の思い取りにならんなら、いっそ!」と愛する女にまで憎悪を向ける。階段の手すりをガンガンガンガンと叩き続けるシーンの狂気と怖さ。あらゆる事が思い通りにならない苛立ちと恐怖。
男の様子を見て怯える女よりも、男は何かに怯えているのだ。

女はそんな男から逃げる。こんなもん逃げたくもなるわ。
男は「俺のものにならんなら、ブチ殺してやる!」と街に飛び出す。礼拝堂で周りから嘲笑される幻覚に襲われる主人公。自分の何もかもが否定される絶望感、怒りは神父の首に向かう。
女が向かった新天地の不気味なくらいの平和が、後を引きずる。 すかあふえいすさん [DVD(字幕)] 9点(2014-03-30 20:04:17)(良:1票)

3.出た!ラテンおやじのエロ作品。 「腿(あし)」が対象とはいえ、エロティシズムが日本人みたいにちまちましていません。ドカン!といかなきゃいけません、ドカンと。 なんつったってエロティシズムはなまものなんですから。 まいかさん [映画館(字幕)] 9点(2004-03-18 00:05:04)(良:1票)

2.《ネタバレ》 '精神を病むフランシスコの症状を一患者として医学的にも忠実に観察するように描かれている。独占欲に支配される彼の弱さは誰にでも多かれ少なかれあるのであり、それが恐怖を増幅させている。修道院生活で正常になったかに見えても、彼の心の闇は死ぬまで決して直らないだろう。 redmarshさん [DVD(字幕)] 9点(2010-12-17 23:38:51)

1.《ネタバレ》 普通こういう話だったら、妻を主人公にするよね、スリラーとして。たしかに語りはおもに妻だけど、主人公としての焦点は狂ってく夫に絞られている。スリラーとしての楽しみもあるけど、それが精神病の症例記録ってリアリティも持ってて、なんとも得体の知れない手触りの映画になった。主人公は正義の人なんです、不正が許せない。祖父の代の土地問題を裁判していて、どうもかなり無理な訴訟らしいんだけど、自分が正しいという信念があって、正しいことが負けるはずがないと思い込んでいる(こういう訴訟を抱えている人は『昇天峠』にも登場した。ブニュエルの近辺に実在したのかな)。いいかげんに生きてる奴らへの軽蔑と憎悪が煮えたぎっている。ここに愛する人が登場し(というか愛する脚を所持する女性)、嫉妬の苦しみが生じる。自分の厳格で高貴な世界に彼女を囲い込みたい。嫉妬で荒れては、許しを求めてひざまずく、その繰り返し(落とした食器を拾おうとして妻の脚を見ると、許しを乞い出すの)。自信過剰と自己卑下の壮大な空中ブランコを眺めているような躍動感がある。教会の鐘楼に上って、いいかげんに生きている他人どもの世界を見下ろす、彼らに対する軽蔑だけならいいけれども、そういう他人どもとも生活していく上で接触しなければならない、そこで自分と妻の高潔が汚されるのが我慢ならないわけ、そりゃ追いつめられていきますわな。その果てに、階段で手すりの間を叩くシーンが来る。あそこは妻の立場に立って怖いのではなく、あくまで主人公が追い込まれている状況が怖い。そして街に飛び出すと、軽蔑して止まない他人たちが嘲笑を浴びせてくる…。狂おしいまでの愛の物語ってのは映画史上たくさんあるが、ここまで狂ってて、しかもそれを冷酷に観察してる作品ってのはあんまりないぞ。 なんのかんのさん [映画館(字幕)] 8点(2010-03-18 12:09:25)

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マーク説明
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【点数情報】

Review人数 4人
平均点数 8.75点
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【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 10.00点 Review1人
2 ストーリー評価 9.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 9.00点 Review1人
4 音楽評価 9.00点 Review1人
5 感泣評価 9.00点 Review1人

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