みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
674.きょうぼくはニュージーランドにあるサムライランドにいってきました。 おもったよりゆうだいなところだったのでおどろきました。 ウエストワールドみたいなテーマパークなので人殺しもしほうだいだし、 いくらきられてもテッポウでうたれてもへいちゃらです。 いちばんえらいサムライはハナシずきなのかえいごでべらべらはなしかけてくるのでちょっといわ感がありました。 けっきょくサムライはむやみに死にたがるばっかりで、ブシドーってのはなんだかよくわかりませんでした。 きいろいニホンじんはぼくたち白じんとちがって、死なないとなんかキマらないからしかたないのかな・・ ころされてからアタマを下げられてもいみないし、ぼくはハラキリもしませんでした。 でもカッコいいニホンのヨロイも着ることができたしまんぞくしました。 えっちなオプションをもっとつければよかったかなとおもいます。 【皮マン】さん [DVD(字幕)] 2点(2004-06-19 19:27:44)(良:4票) (笑:6票) 673.《ネタバレ》 本作制作決定時にはとても心が躍った。渡辺謙や真田広之が本格的ハリウッド大作で暴れてくれる。これは絶対にトム・クルーズは喰われるな、と。そして、同時に大きな不安もあった。サムライ版『ダンス・ウィズ・ウルブス』になってしまうのではないか、と。結果としては、前者・後者ともに当たった……。海外の人が観るには、それなりに楽しめる作品だろう。しかし、日本人としてみればこれは許せる作品ではない。なんなんだ、この徹底的に美化された日本人像は!『ダンス・ウィズ・ウルブス』のレビューに書いた通り、これは只の動物映画である。サムライ達は只の動物扱いであって、徹底的に人間性を排除されている。意味のわからない方は、本作のサムライを全てゴリラに置き換えてみるといい。シガニー・ウィーバーの『霧の中のゴリラ』と何ら変わりはない。要は、今のアメリカ批判のために題材として扱われただけ。しかも、中途半端に娯楽作品の要素と文芸作品の要素が混在しているからタチが悪い。時代考証を行って、中途半端なリアリティーを出されるよりは、チビでメガネをかけたカメラを常に携帯している日本人像の方が「虚構」とわかってよっぽどましだ。それに、現代日本人の特徴をよくとらえたデフォルメであるしね。(今はカメラからカメラ付き携帯に進化しているが)というわけで、本作には怒り心頭であるが、日本人キャストの頑張りに免じて0点は避けておこう。 ※あっ、シガニーの作品名は『愛は霧のかなたに』だった。『霧の中のゴリラ』っていうのは原題の直訳で最初、邦題の仮題として使われたもの。失礼致しました^^;。 【恭人】さん 1点(2004-05-29 00:28:42)(良:6票) (笑:2票) 672.全世界向けのハリウッド映画としては上々の出来としていいのでしょう。 トム・クルーズと日本人俳優たちの演技、ハリウッドスタッフの誠意にも好感が持てました。 しかし、「邦画」、特に歴史ものとしては時代や精神面を含めた文化の解釈や 考証が滅茶苦茶、はっきり言って子供だまし以外の何者でもありません。 「フジヤマ・ゲイシャ」レベルです。 例をあげればきりがありませんが、いくらなんでも明治に忍者はいません。 天皇は政治なんかしません、ラストエンペラーと勘違いしてます。 勝元がモーフィアスにしか見えません。 大村なんか「007」のハロルド坂田そっくりなステレオタイプで偏見の塊です。 日本は戦国時代以来、戦争の主力兵器は鉄砲であり当時は世界最大の銃保有地域でした。 物語のモデルと思われる西南戦争が起こったのは明治維新の原動力となった 薩摩藩士にその見返りがなかったのが原因でもあります。 いくらなんでも評価が高すぎます。自国の文化歴史を考えるべきです。 非常に期待して観たので辛口の評価になました。 追記 この作品のモチーフは、第2次世界大戦中の日本でたびたび見られた現象です。退却も降伏も許されない状況で敵に追い詰められ、精神的にパニックになった末の自暴自棄な特攻・いわゆる「バンザイアタック」と思われます。硬直した日本社会の縮図です。 しかし作品中ではこれが日本人の精神文化の最も神聖で気高いものとして描かれています。 最も根本的なところで考察が間違っています。 【y_osuka】さん [映画館(字幕)] 3点(2004-01-06 01:32:24)(良:6票) (笑:2票) 671.《ネタバレ》 日本人であれば誰もが感じるであろう矛盾で、指摘すればキリがないりのでしょうが、それにしてもサムライが列車を襲う…と言うのは、サムライをインディアンか何かと勘違いしてるのでは…と、アメリカ人の日本への認識のアマさを思わず疑ってしまう。アメリカ人には、サムライをインディアンのレトリックに置き換えた方が伝わりやすいからそうした設定にしたのでしょうが、一緒にするな!…と言いたい。所詮は歴史の無い国が憧れだけで創った映画に過ぎません。たかだか200年余の歴史しか持たないアメリカが創ったとて、主人公になんの葛藤も持たせないまま安易に和の心を理解させてしまうのはいかがなものか。「切腹」の映画が公開された頃、やはり非人道的に捉えた外国人はなかなか理解できなかったもの。目の前で繰り広げられる殺生を行うサムライの姿に、そんなにカンタンに理解出来るものなのか…疑問。全く意味の無い死を並べ立てて、これが“武士道”だ!…と言われても、サムライが単に野蛮で非人道的な人種にしか見えません。何度かのチャンバラで真田広之扮する氏尾がネイサン・オールグレン(トム・クルーズ)に唾吐き・足蹴りは、些か“武士道”に反するのでは?…と失笑。こうした矛盾で、やたらに連発される“武士道”が一人歩きし過ぎて、一体何がそうで何がそうでないのか…と言う事を、正しくキチンと伝え切れていないようにも思える。同時にここまで“武士道”を考える契機になった意味では本作の貢献度は高いかもしれないが、個人的にはあまり評価したくない映画。例のクライマックスの軍隊VSサムライの異様な光景にはただ閉口。ラストで、何故かネイサン・オールグレンだけになかなか弾が当たらない…と言うのが是また不思議で、そのアメリカ人がたった1人だけ生き残る…だなんて、どこまでもご都合主義な展開に一気に興醒め。ラストで、日本人から何故“武士道”が失われたのか…と、アメリカ人に言われるまで落ちた日本文化。大体、日本に西洋文化を持ち込み失わさせたアンタに言われる筋合いは無い! 個人的にはご贔屓な役者陣がハリウッド作品で演じる…と言うだけで高評価にしてしまいそうですが、それのみで評価するのは武士道ならぬ映画道に反する気もするので、あくまでも作品の陳腐で浅い内容に客観的な評価と言う事で採点。 【_】さん 3点(2004-06-23 18:59:30)(良:7票) 670.《ネタバレ》 時代考証が間違っているとか何で英語喋ってるんだと言う以前に、この映画は最低だと思う。主人公達は単なる人殺しである。廃刀令が出されているのに言う事を聞かない。殺されて当たり前である。しかも名誉のために死を、とか言っている。自分は良くても身内は心配するだろう。(というか身内も狂ってるのだが、彼らが侍にならなければ平和な生活を送っていたはずだ)それぐらい考えろと言いたくなった。世界では何千何万という人達が飢えに苦しんで、死んでいる。その「死」を、自ら遂げようとするのである。狂っているとしか言い様が無い。ストーリーもありがちである。というかこれは「ダンス・ウィズ・ウルブズ」のパクリだろう。それに加えて侍を格好良くし、昔の日本人の偉大さを見せる。しかも侍を「慎ましい」とかほざいてやがる。死んだのを良い事にキスをしている侍と侍の家族。これの何処が「慎ましい」?はっきり言って今の昼ドラレベルの慎ましさである。どこまでも頑固、武力には武力で対抗しろ。剣が出来なきゃ人間じゃない。もう私はこの人達の美学に飽き飽きした。渡辺謙や真田広之の演技を見ろといっても、内容がこれじゃ演技に集中出来ない。これは侍のアイドル映画だ。<追記>本作を観て、ハリウッドが日本文化を認めてくれた、と言っている方も多いのでしょうが、その「文化」なるものが、果たして世界に誇れるものなのか、それは紛れもない日本の「恥」なのではないか、批判はしません、その事を真剣に考えて頂きたい。 【マムゲン】さん 2点(2004-02-05 21:16:41)(良:4票) (笑:3票) 669.観終わった後味がこれ程悪い映画も珍しい。一言で言えば歴史認識の相違から生じる不快感だが、ノミネートということで、マスコミなど全く内容の是非については触れようともしない点についても憤りを感じる。アクションは日本の殺陣師の努力もあって良いのだから、極端に言えば「ロード・オブ」の様に娯楽アクションに徹してもらえれば、誰でも楽しめたのである。実際、インディアン=サムライと短絡的に”弾圧される者たち”と結び付けたり、忍者が出てきたりと、世界向けの戦略が見え隠れしたりする。何が一番問題かと言うと、政府に反逆する勝元(渡辺謙)の理由が分からないのである。役者やスタッフとはいえども日本人が制作に関わっているのだから、説明不足の一言では済まされない。根本がコレだから、トムが惹かれる訳も理解出来ないし、反乱軍のくせに天皇に簡単に目通り出来ることなど、何から何まで違和感だらけなのである。”武士道とは死ぬこと”が美化されし過ぎており、これでは世界から観れば「特攻隊」の原点位にしか感じられないだろう。このような誤った認識をされるのは甚だ迷惑である。私は時代劇が好きだし、数々の作品を観てきたので本能的に嫌悪感がした。小池一夫作「子連れ狼」の中に「武士道とは死をもって生きること」というセリフがある。心の奥底に死をも掛けて主君に仕えるということで、今回の様な”狂い死に”では断じて無い。勝元が仕えるのは天皇であり、刀を取られるという理由だけで反乱を起こすのである。何処に正義があり、死を掛ける理由があるのか。しかも銃を使わないで戦うなど、信長なども否定している。勝元が死ぬのは良いとしても、道連れの部下については全く見るに耐えない。最後に、翻訳で”朕”と訳したことについて疑問を感じる。少なくとも私には中国皇帝のイメージしかない。翻訳:戸田奈津子とあるだけで消沈するのは私だけでは無い筈である。 【まさサイトー】さん 3点(2004-06-05 04:57:19)(良:6票) 668.《ネタバレ》 渡辺謙という下敷きで真田広之を文鎮にしてアメリカ人が初めて筆で書いてくれた「武士道」と言う大文字。 漆塗りの立派な重箱にきちんと納まっている。 敬意を込めて盛大な拍手を送りたい。 しかし、ストーリーと言う紐がとてつもなく緩く、「おいおい何でここでこう縛るかなー、そこにそんな結びめいれないだろ普通。ハートマークまではいってるし。」という大雑把な縛りで、繰り返し持ち歩くと、紐がはずれて中の武士道までどこかへ消えてしまいそうだ。 大事に蔵にしまっておくのがいいかもしれない。 床の間に飾る「武士道」の文字は、作者に敬意を表してしばらくの間飾ることにしよう。 でも長く飾るにはやはり日本人の書いたものの方がしっくりくるような気がした。 殺陣の立ち回りのスピードと迫力はほかに類を見ない。ここだけ見ても価値はある。 いずれにせよこの作品、トム・クルーズという西洋きっての浮世絵の風呂敷に包まれている以上世界中の多くの人に見られるだろう。 「下敷き」と「文鎮」から一歩も二歩も踏み込んだ渡辺氏、真田氏の今後の活躍に期待する。 (追記)今の日本で果たしてこのテーマで撮れるだろうか。 もはや粉々になって空気の中に消えてしまい日常気付く事も無い「武士道」なる精神も、海の向こうから見るとキラキラ輝く大きなダイヤモンドに見えたのだろう。 両手に持って高く掲げ見せるような大きなダイヤモンドは、今の「日本人」には到底描けないような気がする。 皮肉だ。 (追々)やっぱりたかとオールグレンの関係はありえない。 吐き気がする。 たとえ仇であっても客人として迎えた以上凛としてもてなすのは百歩譲って道理としても、何で恋に落ちるんだよドァホ。 減点だ。 【Beretta】さん 5点(2003-12-09 02:38:21)(良:3票) (笑:3票) 667.《ネタバレ》 いやー。想像以上でした。こんなに良質なチャンバラものが日本人以外の監督によって撮られてたなんて皮肉なもんですね。黒澤監督が亡くなった今、これほどパワーのある邦画ってもう作れなくなったのかなぁ・・と思うと泣けて泣けて。で、そのチャンバラシーンが想像以上の出来。どっしり重い重量感がひしひしと伝わる出来となっています。この映画について極力情報を得ずに鑑賞したんで、最初、謙さんが坊主なんで脇役(これは失礼)で真田さんが主役級かと思ったら、全く逆だったんですね。でもこの二人が抜群の存在感で堂々たる演技をしていたがすごく嬉しくなりました。この映画ってラストで感動していた方が劇場では多かったんですけど、私は途中ニンジャに襲われるシーンにかなり感動したんですよね。謙さんと真田さんの鬼気迫る殺陣が、「日本人もここまでやるぞ!まだまだ捨てたもんじゃない」って感じでジーンとしたんです。恐らく魂が揺さぶられたんでしょう。このシーンだけで映画館で見てよかったなぁーって思ったもんです。それにしても今までのハリウッドの中で日本という舞台をとっても大切にそして敬意を払った一番の映画でしょうね。忘れていたサムライスピリットの素晴らしさを思い出させてくれた功績として9点献上します。(補足)この映画って今ひとつお客が入っていなかったみたいなんですけど、こういう映画が是非ヒットして欲しいな・・。 【シネマレビュー管理人】さん [映画館(字幕)] 9点(2003-11-24 03:28:24)(良:6票) 666.《ネタバレ》 皆さん仰られてる様に時代考証的なミス・ツッコみ所は満載。でもいいじゃん、別に。映画鑑賞は「間違い探し」じゃないんだし(そういう観方も否定はしないけど)、それを言えば「座頭市物語」だって非現実的だし、「七人の侍」だって史実的間違いはある。要は「何を描こうとしたか」を観客に届けることが出来れば、映画としては成功なんじゃないでしょうか?・・・・・・何ですって、それでも「ツッコみゴコロ」を抑えることが出来ないと仰る?そういう場合はこれを時代劇ではなく、日本に良く似た国を舞台にしたファンタジーだと思えばいいんです!以上(とは言え、流石にニンジャの登場と「総土下座」のシーンにはちょっとビックリしたけど)。さて、本題。本作の主役はやはり、トム・クルーズではなく、やはり渡辺謙であり、真田広之であり、又は役名すら与えられていない侍たちであり、もっと言えば「古き物に殉じて死んでいった者達の魂」なのだと思います。結局最後はトム・クルーズだけが生き残るので一見美味しい役のようだけれど、やはり印象に残るのは華々しく散っていった男たちの姿。トム・クルーズもその辺は承知していて、敢えて「一見美味しいけど実は引き立て役」を引き受けたのでは?と感じるのは深読みのしすぎでしょうか?刀だけでなく肉体全体を使った大迫力の殺陣のシーンも素晴らしかったけれど、あの、背筋をピンと伸ばして馬に乗る武士たちのシーン!涙なしには観られませんでした。これを良い刺激材料として、日本も面白い時代劇を沢山作ってほしいものです。 【ぐるぐる】さん 8点(2004-02-03 17:42:49)(良:5票) 665.本当にヒドイ。デタラメな設定や時代考証には全て目を瞑ったとしても、なお余りある下らなさ。薄っぺらな心理描写、ご都合主義で配置された人形のようなキャラクター。ハリウッドの大作映画にありがちな、ステレオタイプでチープな世界観だが、特に強くそれを感じてしまうのは、やはり日本が舞台だからか。要するに、この映画を本当に作りたかった人は誰もいないのだろう。これは「作品」ではなく「企画」。こんな企画ならいけそうよ、という企画書が提出され、予算が付いて、スタッフが人選されて、プロジェクトが動いていく。スタッフ個々人はプロであり優秀だから、ちゃんと仕事はする。しかし出来上がった映画は、細部はよく作られているものの、伝えたいこと、表現したいことは何もない、大仰なだけの空箱になる。「名誉」とは何かを考えもしない人が、「名誉」をテーマにした映画を作ることの皮肉、というところか。観る前から大体予想はついてたんだけど、諸般の事情で観ざるを得なかった。観てしまったからには、言わざるを得なかった。泥臭くてリアルな殺陣に1点、随所でニヤニヤ笑えたことに1点。 【眠い悪魔】さん 2点(2004-01-27 01:25:57)(良:4票) (笑:1票) 664.《ネタバレ》 皆さんの評価が高いので、年末(31日)に時間作って映画館に見に行きました。映画館は結構空いていて、ありゃりゃ意外という感じでした。さて、映画の内容は、最低ですね。武士道とか名誉とかという言葉が物凄く安っぽく使われてます。設定がおかしいとかどうのこうの言うレベルにも満たないです。音響は派手でババーンとずーといいぱなし。寝にくかったです。あまりに暇なので、スクリーンのキズ探しをずーとしていました。また、我家のプロジェクターの色調整のためにいろいろ色の発色のしかたとか観察したりして・・・とか。実質3点なんだけど、上演時間が結構長くて苦痛だったのと時計ばかり見て奥さんに叱られ、夫婦不仲になったので更に1点減点で2点。 【ぴよっち】さん 2点(2003-12-31 21:25:46)(良:3票) (笑:2票) 663.現在、「日本」で時代劇を作っている立場にある人全てに問いかけたい。今のあなた方が作っている時代劇がいかに「ホームドラマ」であるかを。それが悪いとは言わないが、今回ラストサムライを鑑賞して、痛切に現在の時代劇の作りの「稚拙さ」「練り込みの甘さ」「重厚感の無さ」を実感。突っ込み所満載の本作「ラストサムライ」と比べて見てても、「魂」の置き所が全然違っていた。だからNHKの武蔵なども失敗するのだ。非常に気持ちのいい映画だった。最後の土下座など、ちょっと「引く」部分もあるにはあったが、よくぞここまで創意工夫をこらし、誠実に作られた映画であったと感動しました。最初は明治天皇が出てくる等を知っていたので、「これはアジア近辺諸国にはうるさく言われる映画だな」と、野暮ったい気持ちで鑑賞に臨みましたが、鑑賞後の今はそんな事は吹っ飛んでいました。素直に日本人として誇っていいと思います。トムをはじめ、大半の役者の演技が素晴らしかった。凝りもせずに次々に「ホームドラマ」の時代劇を世に送り出して、「戦国もの」「時代劇」のファンをがっかりさせてる日本映画の現状に憂いを感じている者としては、海の向こうからやってきた、「ハリウッド製」の時代劇に深い感謝の念を思わずにはいられない。これで日本映画も目覚めてくれればいいのだが・・・。土下座のシーンをマイナス2点で、8点とさせて頂きます。 【はむじん】さん 8点(2003-12-16 18:47:47)(良:5票) 662.《ネタバレ》 俺は今まで日本を題材にしたハリウッド映画は駄作ばかりだと思い続けていました。(まぁたまに「キル・ビル」みたいな例外もありますが)この「ラスト サムライ」にしてもトム・クルーズが日本のスター俳優集めて話題性狙っただけのダメダメ映画かと思ってました。 でも公開するやいなやこのサイトでも評価が高かったし、友人も「絶対観ろって!」っと大好評だったので「ファインディング・ニモ」から本作へ鑑賞を変更しました。 それでも鑑賞直前まで変な日本描写が出てこないか内容がグダグダになってるんじゃないかと不安も多くありました。だけど、実際鑑賞してみると物凄いスケールと迫力に終始圧倒され続けあっという間に2時間半が過ぎ去りました。 ハリウッドおなじみのダイナミックな映像に燃えたきるサムライ魂が見事に絡み合い、今まで見たことの無かった映画に出逢えたような気がしました。勝元率いるサムライ軍が登場するまでの静かな雰囲気に戦闘シーンの凄まじさ。それに映画音楽の巨匠ハンス・ジマーの壮大な音楽が被さる。これに興奮しない人はいないはず。どのシーンを見てもズウィック監督とトムの武士道へ対する尊敬の念が込められているように感じれる。俳優陣も渡辺謙の素晴らしい演技に心底感動した。流暢に英語を喋る姿はまさに「かっこいい」の一言。オスカーノミネートも当然のことだと思います。真田広之もキレのある立ち回りや男気溢れる戦いぶりでひたすら強い印象を受けました。 でも本作でも少しの粗はあります。勝元たちは飛び道具は使わないとか言ってた割には弓矢とかの飛び道具を普通に使ってたし、最後のあのオッサンが土下座してその直後に全員が一斉土下座も唐突すぎる。 でもそんな事はこの映画が持つエネルギーにかき消され鑑賞中はただこの映画の美しい世界観に酔いしれる事しか考えられません。 今までこんなに素晴らしく日本を描いたハリウッド映画が他にあっただろうか?ズウィックにもトムにも渡辺謙にも他、この作品に関わった全ての人に土下座して「参りました!」と言うしか感謝の念がありませんね。 【エージェント スミス】さん 10点(2004-07-02 13:17:44)(良:3票) (笑:1票) 661.内容は予想通り陳腐なものではあったのですが、この映画を絶賛している日本人が意外に多いのがびっくりです。突っ込みどころ満載なのは色んな人が指摘しているので敢えて書きませんが、武士道って日本にそんなに根付いてたの?なんかあのユートピアじみた村、現代だったらオウムの上九一色村とかの位置づけなのかなあ、なんて思いながら見てました。 【カムイユカラ】さん 3点(2004-06-16 07:29:46)(良:1票) (笑:3票) 660.《ネタバレ》 とても期待してみにいきました。私は渡辺謙さんも真田広之さんも大好きなのです。渡辺さんは特に「独眼竜正宗」の頃からずっと好きなのです。なのに・・・。 何でしょう、別に怒ってるわけじゃないし、こういう映画を作ろうとしていただいたことは本当に有り難いのですが、面白くなかったです。 武士道とは何だかよくわからない意地のためにたくさんの命を犠牲にすることではないと思います。この描き方ではそんな風にみえてしまうじゃないですか。 皆さんおっしゃってますが、桜が何桜かさっぱりわからなかったり、ていうか造花にしか見えなかったり、明治時代に忍者(武器のツメがカリオストロの城に出てくる敵が使ってたやつとそっくりだった)が出てきたり、わりと何発も撃たれた真田広之が長いこと元気だったり、登場からずっとおしとやかだった小雪が最終的には大胆にも夫の仇・トムの着物を脱がせておまけに接吻したり、行水をのぞかれても恥ずかしがる様子も見せなかったり、ええもうそんなことどうでもいいですから武士道精神だけはしっかり描いてほしかったです。お願いしますほんとに・・・。 【クリロ】さん 4点(2004-01-09 23:03:34)(良:3票) (笑:1票) 659.合戦のシーンで、「弓兵が"アローレイン"をひらめいた!」と一人興奮していたのは私だけでしょうか。 これだけ日本語と英語が混在する映画はあまり思い当たらないので、侍はwarriorではない、SAMURAIだ!刀はSWORDではない、KATANAだ!などと憤っていたが、 これは日本語の表現が豊かというだけでなく、訳するという事自体の味気なさを感じ、私も外国映画を見るときにどれだけ損をしているかと苦々しかった。字幕は文字数の制限もあるしね。 ともかく、勝本の魂に涙するもよし、真田広之のバッファローマン風兜に苦笑するもよし、自分の知識・想像にそぐわない時代考証に憤るもよし。感じ方は色々あれど、 日本人だけが本質にも末梢にも踏み込む権利と素養を持ったハリウッド超大作という極上の贅沢、この特権、行使しない手はないですよ。 【笹】さん 8点(2003-12-25 11:01:41)(良:4票) 658.欧米での評価は比較的高いようですが、日本人が見るとやっぱりおかしな点が散見されます。些末な揚げ足取りではなくて、根本的におかしい。典型的アメリカ人の異文化の捉え方、オリエンタリズムの発露と言いますか。明治維新と言えば、日本史上の一大イベントなわけです。それを舞台にして、あそこまで自由気ままににストーリー創作したらまずいでしょう。例えば日本人の漫画家が、フランスを舞台に自分の創造したキャラクター「ピエール」をアンシャンレジーム率いて戦うルイ16世の忠実かつ最も重要な臣として描いたら、荒唐無稽だとして誰もまともに扱ってくれやしません。いくらフィクションとは言え、有名な史実を無視して好き勝手に架空の人物を大活躍させてしまったら、まずいのです。漫画でも評価の高い作品はそんな馬鹿なことしません。「ベルサイユのばら」であれば、主人公オスカルは比較的マイナーな人物であるジャルジェ将軍の一人娘、マリー・アントワネットの近衛隊長として描かれている。オスカルはロベスピエール外、歴史上の有名人物とも知遇があったりもしますが、それでも彼女の人生はフランス革命と言う一大事件の片隅の1エピソードとして進行する。一方、「ラストサムライ」のカツモト外は、そんなもんじゃ済まないでしょう。天皇以外の有名な歴史上の人物を全て脇に追いやっての大活躍。小学生が学校で習うような大まかな歴史年表さえも思いっきり書き換えてます。日本人なら誰が見ても大ウソ。事件全体も単純かつスケールを小さくしすぎている。怪しい「武士道」なる哲学を奉じ、どこぞの牧歌的な田舎の部落で平和に生きる500人たらずの「サムライ」が日本の旧勢力の全てとは、あんまりです。原始共産制から突然「サムライ」が生まれたのでしょうか。まぁアメリカ人にしてみれば辺境の島国の歴史などその程度の認識なのでしょうけど。ただ、日本人を冷酷な戦争犯罪マシーンのように描いたり、眼鏡かけて出っ歯でお辞儀して変な風習もつ滑稽な小動物的に描くステレオタイプよりは、遥かにマシですが。日本を肯定的に描いているし、日本を深刻に誤解させるようなこともありません(カツモトが実在の人物であったと勘違いされようとも大した問題ではない)。 【Hermeneus】さん 6点(2003-12-16 00:10:03)(良:4票) 657.まずは、ここまで徹底した「日本」へのアプローチと、文化への理解、そして敬意に対して、トム・クルーズや作り手たちに「ありがとう」と言いたい気持ちになります。何より、渡辺謙や真田広之ほか日本の役者をここまで正当に扱ったことに、本作の度量の深さをしみじみと感じるし。トムを含めた登場人物それぞれが複雑な人間的陰影をたたえ、戦闘シーンの圧倒的なスペクタクルも見事! と、何だかケチのつけようのない充実ぶりなのですが…。作品がどこか『ダンス・ウィズ・ウルブズ』の”二番煎じ”的な展開であること。ここでトム・クルーズが魅せられた「武士道」とは、結局のところ「侍」という《支配者階級》のものであり、彼らは決してアメリカ先住民のようなマイノリティとは違うのにこの映画はそのあたりを(わざと?)同一視していること。その2点がどうしても気になってしまったのでした。この映画からは、当時の民衆がすっぱりと切り捨てられ、ただの背景でしかない。そのあたりが、例えば黒澤明の『七人の侍』などとは決定的に異なるところではないでしょうか。もちろん、それがほとんど”イチャモン”じみたものでしかない、素直に本作の素晴らしさを賞賛しろ! との非難を覚悟の上で。 【やましんの巻】さん 8点(2003-12-01 17:04:37)(良:4票) 656.《ネタバレ》 この映画はそもそもファンタジーなわけで、主演のトム・クルーズを侍の国に登場させ、その設定が日本史に疎い日本人以外の人々にも受け入れられるためには、史実との相違などは、もとより制作者にとってはたいした問題ではなかったのだろう。 事実、明治初期の世相や歴史にこだわりのない私としては「?」という部分があっても軽く右から左へうけながすことができた。 作品の核となるストーリーのテーマは異文化交流で、「いかに死ぬか」を尊ぶ侍と「いかに生きるか」が問われるアメリカ人が、各々の背景にある揺るぎない信念を越えて尊敬という名の絆で結ばれるという、美しい友情の物語。 ゆえに、勝元は誇りのために滅び行き、オールグレン大尉は誇りを取り戻すために生き続けるという、それぞれの結末が悲しくも清々しい。 大作の名に相応しい戦闘シーンの壮大さや、殺陣の美しさに充分すぎるほど楽しませてもらい、ラストでは久し振りに劇場で大泣きしたので、点数はもちろん「Perfect」です。 【poppo】さん [映画館(字幕)] 10点(2007-09-30 19:14:08)(良:3票) 655.飛行機の中で観ました。 感想。眠くはならないです。それ以上のものはございません。 映画には、いくら「突っ込みどころ」があってもいいと思います。 それをもってあまりある魅力があれば。 又,製作陣が最初に提示した「約束の線」を自ら超えなければ。 しかし... 例えば、黒澤明、宮崎駿、武満徹,小沢征爾等のインタビュー/対談、スタッフの話、等をお読み下さい。 作る側の心構え,最低ラインというもののご参考になるでしょう。 「突っ込みどころ満載だが、魅力溢れる作品」の代表格として、「太陽を盗んだ男」を挙げたい。 特典DVDもご覧になれば更に「なるほど」と思われるでしょう。 勿論私にとって、そうした資料は「後付け」のもので、 彼らの作品はそんなことを知らなくても楽しめる、とてつもないパワーを持った作品です。 その源泉を知りたくて、その一部に触れて、「成る程!」というわけです。 この作品からはそうしたパワーが感じられない。 何に対してであれ,感動できる心は素晴らしい。 しかし、客が育たねば,映画の質はますます衰退します。 同時に、提供する側の心構えや「ここでOK」というラインが下がれば,作られるものの質も下がる。 そうした作品が全体に占める割合が上がれば、全体が薄まる。 客はその中で相対的な判断を行う。 そしてその中の作品や監督を「目標」にしてプロになる者。 そして彼らの「目標」は「目標」で「最低基準」でないために、さらに質が低下したりする。 料理同様,芸術にも「口に合う,合わない」という要素は存在する。 例えばベジタリアンであっても、近江牛というものは良質のものなのだ、と認める心は持ち合わせておきたい。 この映画がここまで絶賛されてしまうのは、私たち客側にも問題あるのでしょう。 トム・クルーズは現代の大スターであり、ハリウッドの中で最もパワフルな人物の一人です。 彼に「ここでOK」と思わせてはいけない。もう一押し,ふた押しさせるのは、観客の眼です。 「ここで大丈夫と思ったら、もう一押し。それが映画だよ」 と その昔、黒澤明は言われたそうです。 このような現象は、音楽界、マンガ界においても非常に顕著なものですが。 【tj】さん [ビデオ(字幕)] 2点(2005-11-01 01:30:12)(良:3票)
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