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時計じかけのオレンジ

A Clockwork Orange
1971年【英】 上映時間:136分
ドラマSF犯罪もの音楽もの小説の映画化バイオレンス
[トケイジカケノオレンジ]
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2020-12-17)【イニシャルK】さん
公開開始日(1972-04-29)


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監督スタンリー・キューブリック
キャストマルコム・マクドウェル(男優)アレックス・デ・ラージ
ウォーレン・クラーク(男優)ディム
ジェームス・マーカス〔1943年生〕(男優)ジョージー
ポール・ファレル(男優)浮浪者
パトリック・マギー(男優)アレクサンダー氏
エイドリアン・コリ(女優)アレクサンダー夫人
ミリアム・カーリン(女優)キャットレディ
ジョン・J・カーニー(男優)巡査部長
スティーヴン・バーコフ(男優)タマを掴まれる警官
マイケル・ベイツ(男優)看守長
ゴッドフリー・クイグリー(男優)牧師
オーブリー・モリス(男優)デルトイド氏
アンソニー・シャープ(男優)内務大臣
カール・ドゥーリング(男優)ブロドスキー博士
フィリップ・ストーン(男優)
シーラ・レイナー(女優)
クライヴ・フランシス(男優)間借人ジョー
デヴィッド・プラウズ(男優)用心棒ジュリアン
キャロル・ドリンクウォーター(女優)フィーリー看護婦
マーガレット・タイザック(女優)
原作アンソニー・バージェス
脚本スタンリー・キューブリック
音楽ウォルター・カーロス(シンセサイザー編曲・演奏)
作曲ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
挿入曲ジーン・ケリー"Singin' in the Rain"
撮影ジョン・オルコット
アーネスト・デイ(カメラ・オペレーター)
製作スタンリー・キューブリック
配給ワーナー・ブラザース
美術ジョン・バリー〔美術〕(プロダクション・デザイン)
クリスティアーヌ・キューブリック(劇中絵画・彫刻)
衣装ミレーナ・カノネロ
編集ビル・バトラー〔編集〕
録音ピーター・グロソップ[録音]
字幕翻訳高瀬鎮夫
原田眞人
あらすじ
あまりあるエネルギーをもてあそぶティーン・エイジャーの理由なき反抗。そこには強姦あり、超暴力あり、現実からの逃避行ありで・・ そんなギャング一団のリーダー、アレックスのその後を追ったストーリー。

3737】さん(2004-01-13)
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【クチコミ・感想】

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554.内容知らずに母親と見てしまったぞ。 コジコジ3さん 2点(2004-06-24 08:03:38)(笑:11票)

553.1930年代から60年代まで、ロボトミーっていう外科手術があったんですね。これは脳にほどこす神経繊維の切断手術で、精神分裂病とか、鬱病とか、凶暴な人とか、そういう人たちにこの手術を行ってたらしいんだけど、これをやると人間にとってとても大切なもの、意欲がなくなってしまうことがわかったんですね。まったくの無気力無関心人間になってしまうという、、、、。それで、要するに何が言いたいかというと、この映画は面白く、ユーモアたっぷりに映画として見せてくれてるけど、実はこのロボトミーと同様のことをテーマにしてるんじゃないかと思うんですよ。アレックス少年に強制的にあの映像を見せる事によって、本人の意思とは関係なしに、心からの良心の改善とか、反省する気持ちとかそういうのまったくなしに、ただ単に機械的に犯罪をさせなくさせるっていう、、、、。だからすごく難しい、いくら議論しても結論がでないくらいの相当な問題を提起してるんですね、この映画は。アレックス少年は、道徳的な改正なしに、機械みたいになっちゃった、つまり「時計じかけのオレンジ」になっちゃったわけだけど、実際の現実において、例えば、刑を重くすれば犯罪は減るのか?とか、犯罪者の人権をどう考えるか?とか、本当に犯罪を減らすにはどこまで踏み入ってよい領域なの?これからユビキタス社会になるけど、それは徹底した管理者会で、プライバシーはなくなるんじゃないの?とか、おおよそ犯罪にかかわる全ての事柄に共通することをこの映画は投げかけてきますよね。(だからこそこの映画は30年以上前に作られていたにもかかわらず、古くならない)この映画は犯罪を助長するといわれてキューブリックはかなり嫌がらせを受けたみたいだけど、実はその逆。キューブリックは、この社会を本当によくするにはどうしたらいいかって、誰よりも考えてたんだろうと思います。でなきゃこんな映画撮れないと思うから。 あろえりーなさん 10点(2001-08-31 13:34:22)(良:11票)

552.この映画を区立図書館の視聴覚コーナー(周りから丸見え)で見ている人がいた。勇気があると思った。 STYX21さん 6点(2003-11-13 06:54:43)(笑:10票)

551.「暴力」を徹底的に追求した、「非常に面白くない」映画。それが私の率直な感想だ。しかし、同時にこれは、文句なしの傑作でもある。商業映画とは全く違った次元で、だが。……私たちはなぜ、アクション映画を《娯楽》として楽しめるのだろう。殴られるのが怖いのに、他人がぶたれ、蹴られ、凶弾に倒れるシーンを、わざわざ金を払って映画館へ見に行くのはなぜだろう? ……私は思う。私たちは、剥き出しの暴力でない、ほど良い室温になったワインのように供される暴力を、エンターテイメントとして消費し、日常の糧としているのではないか、と。キューブリックは、その虚飾を剥がしただけだ。現実に生きる我々の知る暴力は、ドラマチックでもなんでもないということを示しただけである。そう、アレックスを突き放したのはキューブリックではなく、心の底では暴力が大好きな、我々自身に他ならないのだ。 J.B.さん 10点(2003-12-05 01:43:16)(良:6票) (笑:1票)

550.《ネタバレ》 昨今が60年代ブームとはいえ、この作品のデザインセンスは素晴らしいですね。アレックスと3人の仲間達の白タイツにマワシはどうかと思ったけれど。暴力を楽しむ少年の一人称で語られる物語。この少年、何故にか嫉妬・悲しさ・虚栄心・惨めさは通常人と共通し、学があり、芸術に理解を示し、賢く、したたか。暴力に対する陶酔を除けば、観客が自らと同一化させるにはなんとも理想の主人公。愛着も湧いてくる。ともすれば、さて唯一の際立った特長である彼の暴力性はどの様に扱われるのかがこの映画のテーマ。暴力は社会秩序を乱し、排他されるべき存在。しかし、ソレが行政の暴力によって抑止される。牧師が言った「道徳の選択が出来るからこそ人間なのだ」はこの映画のメッセージの一つなのだと思う。ソレを気の弱いバカにされている牧師に語らせている辺りに、その言葉が余りに無力であることを示しているとも感じた。さて、主人公の暴力性は結局再び彼のモノとなる。社会秩序を乱す彼の暴力性ですら、この映画では政治的に利用される。彼は翻弄する側から翻弄される側になる。彼の暴力性は非難されるべきものではなくなり、全体主義の中ではたいした意味合いを持たない。ラストには「もどってよかったね!」と作り手側の声。アレックスは私達観客。だから観ての私も「よかった」と思う。そして、そして、そして?そして今後アレックスの暴力性はどう扱われる?物語は今後を持たない。ラストの「よかったね」のセックスシーンは既にリアルではなく舞台。だから今後は存在しないのだ。この映画は観客にアレックスという身を与えて夢を見させた気がする。観客が暴力性を持ち、それによって社会的にどういった報復を受けるかという夢を。なんとも不思議に、なんとも虚ろに。どこまでがアレックスの言葉でどこまでが私の言葉なのだか。なんというか、71年の作品ですか。丁度思想的な面でヒッピー文化の事を考えれば時代的にも今後を愁う社会風刺に感じます。とはいえ本当にキューブリックは凄いですね。他のどの作品とも一線を架しているのは変わらぬ事実だと思います。満点を献上させていただきます。 夢の中さん 10点(2003-12-10 03:53:07)(良:4票) (笑:1票)

549.こういう映画を好きって言う人に『本当に?』と問いたい作品。こういう映画が好きなのが『おしゃれ』だと思ってる人が多いんじゃないかな。自分的には最悪な映画。心に訴えるものが多そうで、実は薄っぺらいだけの映画だと思う。ただ過激に、グロくしただけの映画だと思う。 エルビスさん 1点(2003-10-21 13:30:22)(良:5票)

548.オエッってなった。二度と観たくない。 紅蓮天国さん 0点(2003-10-13 08:39:25)(良:2票) (笑:3票)

547.この映画を観て「気分が悪い」といった類の感想をもつのは当然であって、それこそ監督の狙ったところではないでしょうか。そう思ってしまった時点で、監督からすれば10点満点の観客だと思うのですがどうでしょう。

なので、その「気分が悪い」の理由を考えず、ただ単に「気分が悪いのはダメなもの」と解釈して放り出して0点をつけてしまうのは、思考停止に過ぎないし、あまりにもったいない気がします。娯楽性のみを求めてこの作品を観たのならばなおさらもったいない。まぁそういった意味でも、この映画を前にしてしまっては、0から10の11段階の点数をつけるなんていうのはあまり意味を持たない気もします。あの「第九」へのイメージを180度変えさせられてしまった時点で見事に術中にハマってるんですからね。

「おもしろい」というのはなにも、腹をかかえてゲラゲラ笑うことだけを意味するのではなく、こういう衝撃も「おもしろい」という感情の部類に入るのだな、と実感させてくれる映画でした。この衝撃をうまく言葉に変換する能力がないのが残念です。知恵熱でそう。というわけで、9点です。マイナス1点は、観せたい人を選んでしまうから、という理由です。作品としては10点。もっと多くの映画や本を消化して成長してから、またこの狂気に触れたいと思います。

【追記】余談ですが、主人公が他人を殴ろうとすると吐き気をもよおすシーンを観て、力石徹戦後の矢吹丈を思い出しました。おっつぁん・・・テンプルに打ち込めねぇ・・・。 708さん [DVD(吹替)] 9点(2005-11-02 04:28:01)(良:2票) (笑:2票)

546.キューブリックは難しい。この作品の背景も意図もよく分からない。とても素人考えな解釈だけれど、オレンジは有機的で不安定で腐敗しやすいもの、つまりは人間と暴力のメタファーで、時計は無機的で硬質で正確なもの、つまりは規律や規範や管理や束縛のそれなのだろうか、と思った。時計を仕掛けられたオレンジ。その無理なコントロールはいつしか両者に破綻をもたらす。時計はオレンジの酸で侵食され、オレンジは静かに腐って行く。そう見受けた。この作品には、その「オレンジ」にも「時計」にも凶悪で不愉快なほどの暴力を感じる。キューブリックの確信犯的な企み、高尚で硬質で無機的な「キューブリックの暴力」。計算された暴力、キューブリックの私室の中の整頓された暴力。その部屋の椅子に座り、1人ほくそ笑んでこっちを見ている彼の姿が浮かぶようだ。とことん観客を高みから見下ろす監督だと思う。あと、全くの蛇足だけれど、ある友人が、私が下睫毛にもマスカラをバリバリに塗っているのを見る度にこの作品を思い出すらしい。確かにあのアレックスの目元は印象的。 ひのとさん 9点(2004-01-24 15:01:39)(良:4票)

545.どうしてもどこか褒めなければいけないとすれば、強いて言えばタイトルがカッコ良い。キューブリックはこの映画をミック・ジャガーとキース・リチャーズ主演で撮りたかったと聞いているが、実現していればそれなりに興味深い映画にはなっただろう。暴力ってそんなにイイですかね?人を幸せな気分にしない映画には、せめて感動を与えてもらいたいと私は望むのですが。それさえなければタダの野次馬根性。なんとなく、観る人をバカにした作品という印象が捨て切れない。映像的にスタイリッシュではあると思うが、それだけで本当にイイのか。私はこの作品を19歳の時に観たのだが、既にこの世界観に心酔できるほど素直ではなかったらしく、おかげで自殺者にも犯罪者にもならずに現在まで生き延びている。もう1回観てみようかな、と思わない数少ない作品の1つである。 anemoneさん 2点(2003-12-06 00:57:34)(良:4票)

544.私はこのようなむき出しの暴力描写、はだか描写は映画表現の堕落と思うし認めることはできない。卑怯にもキューブリックはこの作品の上映をふるさとの英国では許可しなかったそうだ。自分の故郷で上映するには恥ずかしいと思ったのだろうか。デザイン的には優れている、暴力描写は美しく秀逸だ、しかし根本的に映画としてインモラルだ。テーマそのものはモラル的だが、ここまで暴力をスタイリッシュに高らかに歌い上げるほど大したテーマでもない。この映画描写により、この映画をまねたウルトラ暴力が一般に蔓延し、性暴力がまるでおすみつきを得たかのように世界にのさばりだした。キューブリックにはそのことに対する責任があるはずだ。それは、映画の出来不出来以前の問題であり、人間としての生きる姿勢の問題であり、功なり名を遂げた表現者としての一般に対する責任の問題だ。ふるさとで上映を許可できないような映画を作るな、といいたい。 マンフロントさん [DVD(吹替)] 0点(2007-11-20 18:13:48)(良:3票)

543.キューブリックの魅力が高密度に詰め込まれてます。ストーリーは当時の社会風潮を皮肉っていて、その社会が生み出した、その社会を象徴する主人公のアレックス。彼は暴力とセックスをこよなく愛する根っからの悪人として描かれています。浮浪者への暴力や作家の家へ侵入しての強姦を観て吐き気や嫌悪を抱く人は多くいるでしょう。これだけ残酷なものを観てそう感じるのは当然ですが、勘違いしてはいけないのは、キューブリックが暴力を賛美しているのではないということ。アレックスは社会の象徴なので、彼を嫌悪すると言うことは、気づかないかも知れないけど、そういう社会への嫌悪ということでしょう。頻出する性的オブジェも、人間の本質に迫ったものでしょう。性欲を抑制する道徳観は、生まれた後で付け加えられたもので、本来性欲は人間にとって自然なものだという主張だと思います。BGMも完璧にマッチしています。アレックスの大好きな第九は、はじめは昇天してしまいそうな快楽を彼に与えます。しかし洗脳の副作用により聴くだけで自殺したくなってしまいます。そして元に戻す治療が成功すると、また彼に快楽をもたらします。第九の第四楽章に付けられている歌詞は「歓喜に寄す」という詩で、つまり、政府の政策によって喜びや幸せを奪われるという構図をうまく表現しています。またヘボい内務大臣が現れるシーンでは「威風堂々」で皮肉っているし、作家の呼び鈴がベートーヴェンの「運命」だというのも伏線になっていてアレックスが出所後に再び作家の家に行ったときになるほどと唸ってしまいます。個々の場面を見てみるとごちゃごちゃとした映像が全くなく、壁などの配色もとてもきれいなため古さを感じさせません。アレックスの部屋、キャットレディの部屋、内務大臣が現れるシーンで出てくる刑務所の廊下など、とてもキューブリックらしい奥行きのあるショットで魅せています。前回の投稿からまた何回か見ましたが、何度見ていても飽きることなくまた新しい発見があったり理解が深まったりとまだまだ奥が深そうです。一回見たくらいでは残虐さや疑問しか思い浮かばないと思います。もし最初の残虐なシーンに耐えられるのなら数回見ましょう。そうすればこの映画で訴えかけているものが少しはわかってくると思います。逆に映画に哲学や思想を持ち込みたくない人、そういう観方をしない人にとってはこれほど苦痛な映画はないでしょう。 マクドウェルさん 10点(2004-06-03 23:47:40)(良:3票)

542.学校の図書館に置いてあった時計仕掛け。それを借りていた友人。「あ、それDVD持ってるよ」と言った俺。一瞬よく解らない表情をして、俺に返事をする友人。「これってポルノ映画だろ?」。違うよ。 ぶらっくばぁどさん 8点(2004-06-02 18:15:17)(良:1票) (笑:2票)

541.この映画を観て嫌悪感を感じない人は、私はちょっと危ない人だと思います。これほどわけのわからない暴力と悪意をストレートに描いた作品はないでしょう。評価の分かれ目は嫌悪感をどう消化するかにあると思うのですが、私の中では嫌悪感が嫌悪感のまま残ってしまいました。もう二度と観たくないけど、一度は観て良かったという意味でこの点数です。 USS_Barcelonaさん 6点(2003-12-08 12:01:34)(良:3票)

540.観終わったあとに、こんなに気分悪くなった映画は初めてでした。。
ただツマラナイって思うんじゃなくて、とっても不快でした。 civiさん 0点(2003-10-25 09:11:06)(良:3票)

539.《ネタバレ》 凄いです。すごい映像とキャラクターが続々登場するので、退屈する暇がありませんでした。キューブリックでは一番好きですね。間違いなく。音楽の使い方もすんごいですね。ウィリアム・テル序曲がBGMのコマ送り3Pにはお腹が痛くなるほど笑わせてもらいました。一番好きなシーンですね。
ただ、ずーっとクラシック音楽が流れているので、「登場人物に音楽が聞こえているのかいないのか」がよくわからなくて混乱しました。特にラストシーンは……アレックスが完治してるのはわかるんだけど、突然無反応になるので「これ、ただのBGMなのか?違うの?」と混乱してしまい、乗りきれないラストシーンになってしまいました。それでもカッコいいんですけどね。いやー、凄い映像体験でした。とにかくすごい映画を見たいなーと思ったら時計じかけのオレンジ以外にありませんね。 ◼︎映画ってのは映像メディアなんですよ。すごい映像を提供してくれる作品に対して「映像が凄いだけだからさぁ、価値観が理解できないのに高評価しやがってさぁ」みたいな上から見てるつもり意見は的外れなんですよね。勘違いじゃないからね。マジで凄いんだから。 カニばさみさん [DVD(字幕)] 9点(2014-04-22 22:12:02)(良:1票)

538.《ネタバレ》 人間好きなものは、嫌いなものは一生好きになれないのが性というものらしい。
もちろんキューブリックは好きな監督だよ。キューブリックの戦争映画にハズレはないって思っているし、犯罪映画でも初期の「現金に体を張れ」や後年の「シャイニング」は大好きだ。
でも「時計じかけ」だけはマジで勘弁して下さい。もう一度あの狂気に満ちた世界を見ろだなんて俺にとっては拷問といってもいい。ダメなものはダメなんです。途中出てくるルドヴィコ治療法の映像だって俺には怖すぎる。
同じSFで人間の狂気を描く作品なら、俺は「博士の異常な愛情」を選ぶだろう。

でもこの映画がすごいという事は認める。認めざる負えないよ。
近未来的で不思議な世界観、そこを闊歩する若者たちの狂気、狂気、狂気!女が服を破られおっぱい丸出しでレイプされる寸前、変態どもが乱入して縄張り争い。老人をなぶり、車を猛スピードで飛ばして次から次へと悪事を重ねていく。仲間ですら腹に杖を撃ち付け川に叩き落し「上下関係」をハッキリさせ、支配しようとする。強盗、強姦、虐待、何だってやる。ルイス・ブニュエルの「忘れられた人々」を思い出す強烈さ。

だが彼らに罪悪感なんて欠片もない。何故なら「楽しい」から。自分たちが同じ目に遭うなんて考える気もない。今しか奴らは見えていない。
いつの時代も若者は時代を逆走する。「世界を変えられるのは俺たちだけだ!」それが巧を奏せば“英雄”にされる。だが大抵は“愚か者”となって自分の愚かさを思い知らされていく。
主人公なんか正にそう。怖いものなんて何も無い。いや怖いものを「まったく知らない」から。止める人間がいなければ何処までも奴は突っ走る。ソイツに共感する奴もいると思う。

俺?俺の場合は共感どころか「クソ野郎がブッ殺してやりたい」と素直に思ったね。この映画の後に「雨に唄えば」を見たからこそ言っておきたい。誰かアレックスをジャック・ニコルソンの斧でブッ殺せるゲーム作ってくれマジで(嘘ですゴメンナサイ殺さないで下さい)。

偽善者?そう思いたい奴はそう思え。ただ主人公を見てムカツかない奴も俺はどうかと思うぞ。
なんせアイツが好きな音楽も聞けない、悪事も出来ずに仲間にも裏切られていく様子は不覚にも同情しちまいそうになった。犯した女が筋肉モリモリマッチョマンの眼鏡になっているわ、美味そうなスパゲッティ喰いながら失神するわ、部屋に監禁されて好きな音楽に“殺され”そうになるわ。
「こんな奴に同情するなんて・・・」でもこれが人間だと思う。

でこのまま死ぬのが普通の映画だろ?ところがどっこい、重傷負って死ぬどころかピンピンしてら。オマケに開き直って女とヤリまくり、いつも通りの主人公だ。見事に「免疫」が出来ちまった。

ただただ「(゜д゜) 」だったよ。
殺意も同情も呆れ果てて失せた。

馬鹿は死んでも治らない奴っていんだな・・・。 すかあふえいすさん [DVD(字幕)] 8点(2014-01-31 10:27:33)(良:2票)

537.アレックスVS女二人組の乱交シーンをスロー再生して食い入るように観てみた。が、肝心な「細部」がよく見えなくて何度も何度も巻き戻しながらスロー再生した。それを7~8回ほど繰り返したのち、ふと気付いた。「はっ!むしろ俺が『時計じかけのオレンジ』……」。なるほど、キューブリックはそこまで計算して作ったのかぁ…。さすがに深いです(違)。 mickeyさん [DVD(字幕)] 8点(2009-02-06 18:44:26)(笑:2票)

536.この治療法を必要としている若者が最近増えてきた気がする・・・ マー君さん [CS・衛星(字幕)] 3点(2007-05-20 00:46:09)(良:2票)

535.記号的なオブジェや色、シンメトリーな構図、空間の奥行きを感じさせるカメラワーク、幾何学的な造形。人間を冷笑しているかのような客観的な描写。たしかに洗練された映像センスだと思う。でもそれを手放しで賞賛できない自分がいます。内容的には体制批判や管理社会への風刺なのだと思いますが、何しろ映像や音楽なんかのインパクトが強烈過ぎて、その一瞬の不快感(あるいは快感)で終わってしまう。暴力や欲望という本能を見せ付けるためだけの映像美、という気がして…。まあそれは主人公の視点だからしょうがない。ただレイプを芸術っぽく表現してしまう所に監督の悪趣味さ、無責任さを感じてしまうんです。極めて男性的な視線と、根底に性蔑視が感じられて嫌だった。そんな映画から何らかのメッセージをくみ取ろうとする事がバカバカしくなりました。 Tweetyさん [CS・衛星(字幕)] 2点(2007-03-13 02:26:42)(良:2票)

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【点数情報】

Review人数 554人
平均点数 7.53点
0152.71% line
1101.81% line
261.08% line
3152.71% line
4183.25% line
5417.40% line
6417.40% line
76912.45% line
89817.69% line
99416.97% line
1014726.53% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.28点 Review46人
2 ストーリー評価 7.22点 Review49人
3 鑑賞後の後味 5.96点 Review50人
4 音楽評価 8.27点 Review58人
5 感泣評価 3.81点 Review22人

【アカデミー賞 情報】

1971年 44回
作品賞 候補(ノミネート) 
監督賞スタンリー・キューブリック候補(ノミネート) 
脚色賞スタンリー・キューブリック候補(ノミネート) 
編集賞ビル・バトラー〔編集〕候補(ノミネート) 

【ゴールデングローブ賞 情報】

1971年 29回
作品賞(ドラマ部門) 候補(ノミネート) 
主演男優賞(ドラマ部門)マルコム・マクドウェル候補(ノミネート) 
監督賞スタンリー・キューブリック候補(ノミネート) 

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