みんなのシネマレビュー

海の上のピアニスト

The Legend of 1900/The Legend of the Pianist on the Ocean
(La Leggenda del pianista sull'oceano)
1998年【伊】 上映時間:125分
ドラマファンタジー音楽もの戯曲(舞台劇)の映画化
[ウミノウエノピアニスト]
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2020-10-19)【イニシャルK】さん
公開開始日(1999-12-18)


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監督ジュゼッペ・トルナトーレ
キャストティム・ロス(男優)1900(ナインティーン・ハンドレッド)
プルート・テイラー・ヴィンス(男優)マックス
ビル・ナン(男優)ダニー・ブードマン
メラニー・ティエリー(女優)少女
クラレンス・ウィリアムズ三世(男優)ジェリー・ロール・モートン
ピーター・ヴォーン(男優)楽器屋店主
ケヴィン・マクナリー(男優)
三木眞一郎1900(ナインティーン・ハンドレッド)(日本語吹き替え版【VHS・DVD】)
玄田哲章マックス(日本語吹き替え版【VHS・DVD/テレビ東京】)
長島雄一ダニー・ブードマン(日本語吹き替え版【VHS・DVD/テレビ東京】)
土師孝也ジェリー・ロール・モートン(日本語吹き替え版【VHS・DVD】)
納谷悟朗楽器屋店主(日本語吹き替え版【VHS・DVD】)
伊藤和晃農夫(日本語吹き替え版【VHS・DVD】)
相沢まさき機械工のメキシコ人(日本語吹き替え版【VHS・DVD】)
多田野曜平(日本語吹き替え版【VHS・DVD】)
日野聡1900(ナインティーン・ハンドレッド)(日本語吹き替え版【BD】)
小松史法マックス(日本語吹き替え版【BD】)
山寺宏一ダニー・ブードマン(日本語吹き替え版【BD】)
井上和彦ジェリー・ロール・モートン(日本語吹き替え版【BD】)
柴田秀勝楽器屋店主(日本語吹き替え版【BD】)
宮本充1900(ナインティーン・ハンドレッド)(日本語吹き替え版【テレビ東京】)
小林さやか〔声優・1970年生〕少女(日本語吹き替え版【テレビ東京】)
磯部勉ジェリー・ロール・モートン(日本語吹き替え版【テレビ東京】)
滝田裕介楽器屋店主(日本語吹き替え版【テレビ東京】)
原作アレッサンドロ・バリッコ戯曲『海の上のピアニスト』
脚本ジュゼッペ・トルナトーレ
音楽エンニオ・モリコーネ
編曲エンニオ・モリコーネ
主題歌ロジャー・ウォーターズ"Lost Boys Calling"
撮影ラホス・コルタイ
配給アスミック・エース
特撮アル・パッセリ(SFX)
字幕翻訳戸田奈津子
あらすじ
1900年に船の中で生まれた"Nineteen hundred"は、生まれてから一度も船から下りたことがなかった。天性の感性でピアノを弾き、船付きの楽団の一員として働く。船は米国への移民を乗せ、大戦中は病院船として活躍し、やがて廃船となる。船とともに生きた"Nineteen hundred"はどうなったのかが、彼とともに楽団員として働いたトランペッターから語られる。これは大人の寓話である。

オオカミ】さん(2004-02-14)
全てのをあらすじ参照する

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【クチコミ・感想】

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358.ピアノは楽器の中でも特別な存在だ。習い事をするならピアノだし、音楽家でまず思い浮かぶのはピアニスト。我が家でもご多分に漏れず同じ事をやっている。ミステリアスな物語進行と美しい映像に音楽が加わり、引き込まれていったが、この展開で万人が納得する結末は難しいだろう。ジュゼッペ・トルナトーレはかなり悩んだに違いない。そして彼は5年間練りに練り、一つの素晴らしい結末を考え出した。映画の公開から5年も経過しているので、映像ではなく実演してもらおうと考えたのだろう。彼は演技者を指導し、実際に結末を演じてもらったのだ。そう、それが英国の海岸で発見された謎のピアノマンだったのだ。(たぶん違う。) パセリセージさん [ビデオ(字幕)] 7点(2005-11-25 18:30:17)(笑:3票)

357.《ネタバレ》 生まれてから一度も船から降りたことがないっていう所になんだか
とても興味の触手をくすぐられた。船の中からピアノと共に想像力を
駆使して世界中を旅する彼の瞳・表情が印象的だw
陸に上がると、世の中選択肢が無限にあり過ぎて恐ろしくて生きて
いけないって彼の言葉も そういう特殊な環境に育った人物だから出る
言葉なのかなw  語り役のトランペット奏者の人もいい味出してると
思った。 最後船が爆破されるという時になって、1900ハンドレッドの
身を案じて船を訪れた彼との会話、そして髪の毛を引っ張られるような別れ際の
シーン(1900ハンドレッドが何もかも覚悟した上で澄んだ表情をしながら
言うジョークと、涙でくしゃくしゃになりそうなのを我慢しながら 立ち去ろうとする
トランペット奏者の対比が泣きそうになった)がせつない。
黒人ジャズマンとの対決シーンは 見ててスゲーッ スッとしたwwお高い奴を
やり込める1900ハンドレッド格好いいぜww
1900ハンドレッドの初恋・別れ切なくて涙出そうになった。
なんでレコード渡せなかったんだよ、あと一歩だったろ、もうあとちょっと
声張り上げて出してれば。。。船下りて会いに行けよ、勇気持ってくれよ
そう言いたかった。

アキトさん [DVD(吹替)] 8点(2004-09-02 13:14:39)(良:1票)

356.私はへぼピアノ弾きだ。いまだに子どもが練習する曲をさらっている。なっかなかうまく行かない。指が引っかかる部分だけ100回練習したり、指使いを変えてみたり、弾きすぎは良くないかもとしばらくピアノに触れないでいたり、スピードで勝負してリズムに乗れるようにしたり、先生に左手が弱いといわれればバッグも左手で持つようにしたり。いずれも必死な行為だ。それだってなかなかうまく行かない。できたと思えば新しい課題が出てきて、またもや手探り練習の日々。白と黒の楽譜を見つめながら真面目に泣けてくる。こんな私は「ピアニスト」で心を病むエリカ先生や「シャイン」で手袋しながら猛然とピアノを弾くヘルフゴッドには共感できても、この映画はイカンのだ。御伽噺だから本気になって文句いったって仕方ないのはわかっている。しかし許せん。ピアノ、そんなに突然うまく弾けるもんかい。あの揺れる船でごろごろ右左に移動しながら演奏なんぞできるもんかい。即興の曲でピアノ対決に勝てるなんて。んなバカな。その前にピアノにタバコ立てるな!火事になるだろが!ああ、自分の才能の無さをこの映画の思いっきりフィクションな部分にぶつけ、へっぽこピアニストである私はまた練習を続けることにしよう。暗い部屋でヘッドホンしながら…。でもきちんとした身なりで優しく話すティム・ロスがかえってセクシーに見えたりして、いいじゃん♪なんて思うことも…ちょっと待て、いくら視界に入ってきた女の子が可愛くったって、練習も無しであんなに良い曲できるもんかい!!ケッ、と完全にひがみ根性爆発でまともに見ていられません。この映画が好きな方、ごめんなさい。うーわんっっ!! のはらさん 3点(2004-02-14 19:06:16)(笑:2票)

355.《ネタバレ》 この珠玉の名作「海の上のピアニスト」は、「ニュー・シネマ・パラダイス」のジュゼッペ・トルナトーレ監督が、一人芝居として有名なアレッサンドロ・バリッコの原作をもとに映画化し、私のように心から映画を愛する者に、また一つ忘れ難い感動を与えてくれた作品です。

船上で生まれ育ち、生涯一度も船を降りなかった天才ピアニストの数奇な運命が、唯一の親友の回顧録として語られる一大叙事詩となっています。

この映画の冒頭の客船に迫る自由の女神を目前にして、移民たちが、「アメリカだ!」と叫び、狂喜するシーンを観た時、「この映画は絶対好きになるに違いない」と確信しました。
このシーンこそが、このように"素晴らしい寓話"への入り口なんだと-------。

そして、今は落ちぶれたトランペット奏者のマックス(プルート・テイラー・ヴィンス)が、楽器屋の主人に話して聞かせるという構成で、この感動の物語は展開していきます。

生年に因んで1900(ナインティーン・ハンドレッド)と名付けられた子供は、船倉で育つ事になります。
ピアノとの出会いは、8歳の時で、一等客室に忍び込んで、ダンスホールのグランドピアノを弾きこなし、船の人々を驚かせたりします。

そして、成長したナインティーン・ハンドレッド(ティム・ロス)は、船に乗り合わせた人々が語る、陸の世界の風景や彼らの表情に浮かぶ生き様といったものに、インスピレーションを得て、その"夢や憧憬"を鍵盤に託していくのです-------。

その余りにピュアで、美しい音楽は、無垢なナインティーン・ハンドレッド自身の姿そのものなのだと思うのです。

ジャズの創始者であるジェリー・ロール・モートンの挑戦を受けて弾く、ピアノの力強さも実に聞き応えがあり、ユーモラスな雰囲気も手伝って、忘れられない名場面になったと心から思います。

陸から見える海の美しさを語り、人生をやり直すべくアメリカへと旅立った男との出会い、最初で最後の録音演奏中に、窓越しに見かけた美しい少女へのほのかな恋心。
そして、彼は船を降りる決意を固めていくのです。

しかし、果てしなく広がる摩天楼を前にして、彼は船へと引き返していくのです-------。

果たして、自分の世界に閉じこもる事を選んだ彼は、我々が共感すべくもない臆病な、人生の敗北者なのか?
いや、それは違うと思うのです。我々は彼が現代の外界が抱える"不安や毒"に触れてしまう事を望まないのです。

寓話は寓話として、美しいまま幕を閉じる事を切に臨むのです。

私は、マックスとナインティーン・ハンドレッドとの出会い、そして別れのシーンが大好きで、嵐の夜、激しく揺れる船内で、ストッパーを外したピアノの前にマックスと並んで座り、くるりくるりと回るピアノを奏でるナインティーン・ハンドレッド-------。
何ともファンタジックで、夢のような時間に酔いしれてしまいました。

そして、爆発前の船を降りて行く、マックスを見送る最後の瞬間、名残惜しそうに一度、二度と声を掛けるナインティーン・ハンドレッド。
彼のどこか弱い人間臭さを感じて、目頭が熱くなるのを禁じ得ませんでした。

とにかく、伝説のピアニスト、ナインティーン・ハンドレッドを演じたティム・ロスが、一世一代の名演技だったと思います。
穏かな表情の奥に、"先行きの見えない人生への不安"を見え隠れさせて、見事というしかありません。

そして、そんなナインティーン・ハンドレッドの切ない心情を映し出す、エンニオ・モリコーネのオリジナル・スコアの素晴らしさ。
一度きりの瞬間、瞬間を捉え、二度目はないという音楽は、様々な表情を見せ、たっぷりと感動の余韻に私を浸らせてくれました。

そして、「いい物語があって、それを語る人がいるかぎり、人生は捨てたもんじゃない」というナレーションは、そっくりそのままジュゼッペ・トルナトーレ監督の映画に対する取り組み方を表していると思います。

感動のツボを押さえた語り口のうまさは、もはや名人芸に達していて、いい物語を聞かせてあげたいというトルナーレ監督の、"温かく優しい思い"で溢れていて、楽器屋の店主が、マックスに大事なトランペットを返してやるラストの人情劇も、とても心が温まる思いで、名画を観終えた後の感動が、私の心の中でいつまでも爽やかな余韻として残り続けたのです。 dreamerさん [DVD(字幕)] 9点(2021-06-04 08:19:45)(良:1票)

354.《ネタバレ》 本音を言えば生きてほしかった。勇気をもって一歩踏み出してほしかった訳だけど、あまりに特殊な生き方をしてきたナインティーン・ハンドレッドの恐怖を私たちが完全に理解することはできないだろう。ここのレビューを読んでいて再会のシーンにいろいろな見方があることを知った。全然頭に無かったことだけど「もう既に死んでいた」とすれば、そちらの方がより感動的にも思える。気品ある映像と素晴らしい音楽、ティム・ロスを初めとした味わい深い役者たち、そして描かれた男の友情。私はこの映画が大好きだ。 リーム555さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2013-08-06 18:40:22)(良:1票)

353.サントラを買ったほど、音楽が良い。

主人公の1900がものすごく愛おしく、それ故に彼のとった行動には涙が止まらなかった。
グランドピアノが回転しながらホールを滑ってゆくシーンは圧巻。
このシーン以外にも、心に響くシーンがたくさんある。

ストーリーもだが、音楽もよいので多くの人に見て欲しい作品。

Sugarbetterさん [DVD(字幕)] 9点(2011-01-21 19:45:55)(良:1票)

352.《ネタバレ》  美しい音楽と映像。ピアノの対決シーンなどもよかったと思う。主人公は、一生船から降りれなかったわけで、ある意味引きこもりといえば引きこもりだろう。 ただ、主人公が単なる引きこもり人間と違うところは、ピアノで世界の全てを表現でき、自分で生計を立てていたことだろうか。少女にキスしてもう少しで犯罪者になるところだったけど、ならなくてよかったと思う。船を降りれなかったことが愚かといえばそれまでだが、人間の活動範囲など個人差があるしね。世界を股に掛ける人間からみたら、地方でモグラのように働いている俺なんかも引きこもりだ。あと最後の再会のシーンは1900の服が小奇麗なので、マックスの幻想かなと思ってしまった。 パオ吉さん [DVD(字幕)] 8点(2007-11-08 18:18:36)(良:1票)

351.ピアノを弾きながらフロアを駆けめぐるシーンがとても素敵。1900の隣りに座りたい。 srprayerさん [DVD(字幕)] 8点(2007-05-16 22:03:15)(良:1票)

350.《ネタバレ》 多分、お母さんのおなかから出てゆくのが怖かったんだろう。
そう、社会に出るとき誰もが乗り越える道を海が閉ざしてしまった。
チャンスはあった。が、若さゆえの無鉄砲をするには成長しすぎていた。
トトは飛び出すことができた。それは失恋くらいでやけになれるほど若かったからだ。
船と劇場の爆破のシーンが重なる。

アホをどりさん [DVD(字幕)] 7点(2006-06-12 20:14:38)(良:1票)

349.《ネタバレ》 この作品のような、鑑賞後考えさせられる映画が好きなため点数は最高点をつけさせていただきました。映像、音楽ともに全体的な雰囲気がストーリーと合っていたところも好印象。船から降りない(降りられない)1990に反感を持っている方が多いようですね。しかし、考えてみると人それぞれの人生観や価値観は違うと思いますし、1990の考え方も決して間違いではないと感じました。その考え方は「ピアノは鍵盤の数が無限なのでは無い。弾く人(弾く人の心、弾き方)が無限なんだ」という言葉に集約されていると思います。人生は無限の可能性をもっているとよく言われますが、短い人生において実際はその中からいくつかしか選択することができません。多くの選択肢をできるかぎり求め無限を目指す人もいるでしょうし、船とピアノの中に無限を求める人もいます。1900は船の上で「無限」であり「自由」だったと思います。だからこそ彼のピアノは美しく、人を惹きつける魅力があったのでしょう。 siceさん [ビデオ(吹替)] 10点(2005-10-31 13:33:41)(良:1票)

348.《ネタバレ》 とにかく理屈抜きで本能レベルで感動してしまいました!好きなシーンがいっぱいあります。個人的にベストと言っても良い作品です。(※注・以下トルナトーレ監督他作品のネタバレあり)トルナトーレは「一生地に足つけず、夢を追い続けてもいいのではないか」と言っておりましたが、このテーマは『ニュー・シネマ・パラダイス』や『みんな元気』でも描かれていたと思います。船が象徴するものは『ニューシネマ~』のトトにとっての映画館であり『みんな元気』の老人にとっての耳にしている子供達の姿だと思います。この前二作品ではトルナトーレは主人公を下船させ、厳しい現実への直面で無残さを味わわせましたが、本作ではついに1900を下船させなかったのです。1900とトトたちとの違いは実は外の世界を〝ある意味では〟知っていたという事でティム・ロスの物憂げな表情がそれを物語っています。彼の奏でるピアノが型破りなのは人間の無限性を、完膚無きまでに叩きのめされるジェリーの登場は陸の限界を匂わせ、想像には敵わない事を暗示させます。そして大勢の客を乗せる船は言わば小宇宙であり、そこを1900の全世界とする事により陸への思いを唯一の夢、欲望としています。それは同時に下船が全ての満ちたりと共に生きる目的、活力の喪失である事を意味するのです。本作には世界の大小に関わらず夢や欲望を喪失してはならないというメッセージが込められているのではないでしょうか。悲しくもロマンティックな美しい物語です。 ミスター・グレイさん [映画館(字幕)] 10点(2005-10-30 15:20:16)(良:1票)

347.この映画はいいと言うより好き!!って感じです。ジャズピアニストとの対決シーンは本当に素晴らしい。前半で揺れる船の中でピアノを弾くシーンもすごく好き!最後にトランペット吹きと語り合うシーンもかなり感慨深いものがあった。トルナトーレ監督の作品は今んとこ外れなし!! TK of the Worldさん [DVD(字幕)] 8点(2005-10-29 00:08:42)(良:1票)

346.《ネタバレ》 ”稀代の天才”とは、こういう人間を言うのかもしれない。世界を見て回れば大きく成長する者もいれば、"Nineteen hundred"のように自分の中で天性の素質を磨き上げる者もいる。人に認められることだけが優秀ではないと思わせる、繊細かつ力強い演奏への情熱を演じ切ったティム・ロスに拍手を送りたい。恋心を抱いても結局下船できなかった彼に、勇気がないという見方もできれば、世俗に染まらずに済んだという安心も感じます。きっと実社会にも"Nineteen hundred"のように、誰にも知られずにこの世を去った”稀代の天才”が多くいると思いました。 どんぶり侍・剣道5級さん [地上波(字幕)] 9点(2005-06-25 01:16:48)(良:1票)

345.この、「産まれてから一度も船を降りたことのない天才ピアニスト」をめぐる、美しくも儚い作品のイタリア語原題が『NOVECENTO』であると知った時、ああ、やっぱり…という感慨にとらわれたものだった。それは、ベルナルド・ベルトルッチの『1900年』の原題と同じだであるからだ。
たぶん、それは決して単なる“偶然”ではないだろう…

あのベルトルッチの大作は、イタリアの大地で繰り広げられた20世紀初頭から第2次世界大戦後までの激動の歴史を、壮大な《叙事詩》として謳いあげる。一方、トルナトーレによる本作は、同じく1900年から第2次世界大戦直後の‘46年までを背景としながら、世界恐慌とも、戦争とも(直接的には)まったく無縁の寓話を《叙情詩》として歌うのだ。
そこに、醜い地上の「歴史(ヒストリー)」を拒否し、あくまで美しい「物語(ストーリー)」を対置させようとするトルナトーレの作家的姿勢をぼくは見たいと思う。彼の『ニュー・シネマ・パラダイス』がそうだったように、彼は、常に“夢見る者”を肯定し、けれどその“夢”が結局は“現実”に押しつぶされるしかない儚(はかな)さを、深い哀悼とともに見送り続けるのだ。
本作における、あの、あくまで地上(=現実)を拒否して船もろとも消えていった主人公がまさにそうだったように…

そんなトルナトーレの映画は、確かに甘く、美しく、“敗北”すらも甘美な「蜜の味」に変えてしまう。ただ、そういった現実逃避を、それ以上に現実を「拒否」するトルナトーレよりも、あくまで聖も俗も美も醜もいっしょくたになったこの現実こそを直視し、まるごと「肯定」するベルトルッチにこそぼくは組みしたい。
何故なら、ぼくらは「物語」ではなく「歴史」を生きざるを得ないのだから。ぼくらの生は、夢じゃなく現実の側にあるのだから。
そのことだけは、片時も忘れたくはないと思うのだ。 やましんの巻さん 6点(2004-07-26 16:30:27)(良:1票)

344.《ネタバレ》 素敵な余韻と旋律が流れ出ている作品だと思います。
ジャズという点で、クラシックの方が個人的にはしっくりくるのですが、ペットとストーリー性を考えるとジャズの方がいいのでしょう。
嵐の中でのメリーゴーランドがこの映画で一番すきな所で、
あんなシーンを取り込んだ所で、まったくもって感動しまくりました。
味のあるティムロスも最高。ストーリーは突っ込むところがありますが、この作品のファンタジーさでまったく不問となるかと思います。
素敵な映画。 風太郎さん 9点(2004-05-13 15:48:02)(良:1票)

343.甘ったるい作品。
ずーっと戦場のピアニストでレビューしてた…。
pied-piperさん 5点(2004-05-03 23:31:09)(笑:1票)

342.話題になっていたので期待して見たのですが・・・・。印象はただ長い!途中で寝てしまいました。 あずきさん 4点(2003-12-06 19:06:21)(良:1票)

341.《ネタバレ》 結構ラストシーンの評判が低いようですが、個人的にハマりました。主人公は何故船を降りなかったか?なぜなら彼の人生は、常に船とピアノとともにあるからです。最後に船を降りて、幸せに暮らしてしまったら、とてもつまらないものになっていたはずです。私は誰に何と言われようが、あのラスト以外有り得ないと思っています。 Ronnyさん 8点(2003-11-21 23:59:19)(良:1票)

340.最後のシーンが賛否両論ですね。僕は・・・思いっきり共感しちゃうんです。僕も同じ状況なら同じ道をたどったと思います。ちょっと危ないかな?僕?(笑)だって、あの人にとっての「世界」はあの船だったんですよ。船の外の世界は、彼にとって宇宙さえも遥かにしのぐ広い、広い、あまりにも広い世界だったんでしょう。本人もそんなこと言ってたでしょ?自分の「世界」から出るのは死ぬのと同じ。だから自殺しても変わらなかったのでは?それに、彼は船のありとあらゆるものを見て曲を作っていますが、もしそんな彼が船の外に出たら、さて1日に何千曲の曲が出来るやら。(笑)この世は恐ろしく複雑で訳の分からないものだ、なんてメッセージも込められていたのかも知れないと思います。 カワセミさん 9点(2003-06-12 23:16:26)(良:1票)

339.腰抜けが!!不安に立ち向かう勇気の無い主人公に感情移入できるはずもなく従って至って退屈な映画。 カテキン・スカイウォーカーさん 1点(2003-02-25 21:33:43)(良:1票)

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【点数情報】

Review人数 358人
平均点数 6.94点
000.00% line
151.40% line
261.68% line
3102.79% line
4185.03% line
53810.61% line
66217.32% line
76016.76% line
87621.23% line
95314.80% line
10308.38% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.75点 Review8人
2 ストーリー評価 6.90点 Review11人
3 鑑賞後の後味 6.60点 Review10人
4 音楽評価 8.84点 Review13人
5 感泣評価 6.45点 Review11人

【ゴールデングローブ賞 情報】

1999年 57回
作曲賞エンニオ・モリコーネ受賞 

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