みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
216.《ネタバレ》 こうねー、なんかねー…。 何て言えばいいかなぁー… すごくね、とってもね、ゆったりしててさぁー 何て言えばいいかなぁー…… ふぅ。 あれ、何だっけ……あぁそう、映画ね。この映画の感想ね…… 何て言うかな、とにかくゆったりしてて、何て言うかなー うん、なんかね、こう、本当に長い距離をね、本当に長い時間をかけてねぇ。 ちょっとずつちょっとずつね、進んでいくんですよ。 なんかこう、もどかしいくらいにね、ゆっくりゆっくり行くワケでさぁー…… ちょっとずつね。 うん。 んで、感想なんだけど……うーん…何て言うのかなー… んー…… まぁ…よくわかんないけど… なんかとってもね……ゆったりしてて……温かいっつーのかな… 何なのかなぁ………… うん、つまりね、まぁ…そういう感じの映画だったんです。 【コバ香具師】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-10-25 01:08:29)(良:1票) (笑:2票) 215.実話であることが必要以上に話題を呼んだが、「老い」をテーマとした作品の中では極めて異質なロードムービー。73歳のアルヴィン・ストレイトがはっきりと自分の余生の短さを自覚した時、彼は人生でやり残した最後の仕事を成し遂げることを決意する。それは10年前、仲違いしたままの兄を、誰の力も借りずに自分自身で訪ねること。バスに乗るのでなく、知人に送り届けてもらうのでなく、時速5マイルのトラクターで行くことは、それが他でもない自分自身に残された力で出来る最後の仕事だったからだ。行く先々で出会う人々に、彼は気持ち良くハローと言うが、それ以上のつながりを求めない。それはまぎれもなく、新しい出会いから始まる交流が、おそらく時間切れに終わるであろうことを老人である彼が悟っているからだ。彼はたった一つの目標のために、ひたすら350マイルの道を行く。自閉症の娘は、不自由ではあるが何とか身の回りの世話が出来、一人で生きて行くことができるだろう。兄に謝罪するわけではなく、ただ「会いに来たよ」と言うために、老人は最後の旅をする。それが人生で最後に残された、たった一つの借りだとしたら、自分の力で返すことでその人生に決着をつけたい。私たちは皆、少しずつ周りに借りを作りながら生きている。借金で首が回らなくなる人もあれば、自分の人生に納得し、貸し借りナシで去って行ける人もあるだろう。その時、自分は何を思い、誰に謝りたいと願うのか。この映画を観ながら、私はガラにもなくそんなことを考えていた。 【anemone】さん 8点(2003-12-03 23:24:55)(良:3票) 214.《ネタバレ》 恥かしいことに“ストレートに心に響く物語”で「ストレートストーリー」だと今まで思い込んでいましたが、 実は“ストレイト兄弟の物語”だったのですね。 これが実に素晴らしい映画です。 イレイザーヘッドをかました鬼才監督の作とは思えないです。 非常に優しく、画面は温かさに包まれます。 淡々と描かれるのは自然の温もりです。 派手なことをしないで面白みを出すのは熟練された表現だと思います。 広大な風景が映し出されるとまるで呑み込まれるような美しさと不思議な陽光の温かみをおぼえます。 旅の途中で様々な人とのふれ合いがあり、そこに人間の温もりがありました。 スローライフやマイペースを自分に取り戻し、自分の欠点までも許し愛せてしまうかのようなヒーリング度の高い癒し映画。 非常にヒューマンな映画ですが、リンチ監督のセンスによるユニークさも見られます。 リンチ監督の「闇」も今回ばかりは自然の中(夜の森の暗闇など)にひっそりと溶け込んでいるようです。 いや、普段から「闇」を見つめるリンチ監督だからこそ、この陽光みなぎる温かみの映画が作れたんだと僕は思います。 淡々としているところに「隙」があり過ぎてそうでいて、実は一切ないという、そして感動は本物という凄すぎる作品です。 (しかし僕は何故かウィンナーがとくに忘れられない) 【ゴシックヘッド】さん [DVD(字幕)] 9点(2012-06-27 00:05:53)(良:2票) 213.《ネタバレ》 異色映像派監督の「らしくない作品」って必ずといっていいほどあり、スコットしかりバートンしかりギリアムしかり。 リンチにとってはこれ。 普段プライドがじゃまして出せないような作品を愛情をこめて作っていたりすると、人間のアザーサイドを知らされる気もする。 緑色のトラクターがゆっくりと進むさまは亀を思わせるノンビリ加減。けど車や自転車では早すぎて目にとまらないような景色をゆったりと眺められることでもある。 ファーンズワースは「赤毛のアン」の優しいマシューで、あの時よりお年を召していた。 ヒッチハイクの家出娘には毛利元就の束ねた矢に似た話をして家族の元に帰し、同年輩の戦争体験者にはそれまで人に言えなかった兵士時代の辛く苦しい思い出も口をついて出る、癒し癒されの道行き。 「老人になって一番悪いことは」 真実かもしれないけれど哀しい言葉だね。 ロードムービーってことでハリー・ディーン・スタントンも拝める。 2人で星空語りをしたら、また苦労しながら娘シシー・スペイセクが待ってる家まで帰るのかなあ。 【レイン】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-03-04 01:35:37)(良:2票) 212.《ネタバレ》 美しい映画である。田舎町の風景の美しさ、音楽の美しさ、更に人間愛としての美しさなど、この映画はとにかく美しい。十年前に喧嘩したまま別れたままの兄が病気で倒れたと知らされ、このままでは二度と会えないかもしれない。弟の兄への気持ち、それを見事に表現してみせたリチャード・ファーンズワースの名演技がこの映画を単なるヒューマンドラマではない人生の厳しさ、老いていく者の厳しさをあの台詞「若い頃のことを覚えていることは老いていることの短所である」というこの何とも痛烈で心の痛む台詞であって、老いた者にしか解らない。老いた者だからこそ言える台詞である。兄との再会をただ目指してゆっくりとトラクターに乗って走る。物語にこれといった凄いアクションがあるわけでもない。そこがこの映画の最大の長所である。兄との再会を果した時のあの弟の表情と兄の表情が何とも嬉しそうで見ていて良かったね。このまま二度と会えないまま終わらずに本当に良かったね。と言わざるを得ないぐらいこの兄弟の嬉しそうな顔付きはいつまでも心に残りそうです。 【青観】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-01-11 11:23:38)(良:2票) 211.《ネタバレ》 高速交通網が発達し、西部劇の時代と比較するとあの広いアメリカも随分狭くなってしまった。 しかし、久々にアメリカの広さを感じると共に、ここまでスピード感の無い映画も久々だと感じた。(あの坂道以外) それも現代人が忙しすぎるだけで、本来の時の流れを感じたような気もします。 ほとんど何も起こりませんが、時速8キロの旅で出会う人達とアルヴィン老人との絡みの1つ1つが実にいい。 家出娘に家族とは何かを語る。口数の多い映画ではないですが、 木の枝の束ひとつで翌朝、家出娘は家に帰っていったことを見る者に伝えてくれる。 自転車で旅する若者の一行には、老いるとはどういうことなのかを語る。 鹿を跳ね飛ばした事故と、その後の鹿に囲まれる、ちょっとした笑いドコロがいい。 本作で唯一スピード感を感じた坂道とトラクターの故障と、彼を助けた中年男との交流や、 ビールでも飲みに行こうと誘ってくれた近所との老人との交流もいい。 喧嘩ばかりしている双子の修理工に兄弟とは何かを語るあの表情がたまらなくいい。 兄ライルと寒いミネソタの農場で育ったと語る焚火を囲む地元の神父との語らい。 雄弁な映画ではないですが、兄との生い立ち、若い頃の戦争体験と除隊後の酒に溺れた日々。 やがて結婚し子沢山に恵まれたが子育てに苦労した日々。年を取るとはどういうことなのかを語る今。 アメリカで生まれ、年老いていく名も無き男の一生を人々との交流を通し浮かび上がらせていく素朴な語り口が素晴らしい。 主演リチャード・ファーンズワースは本作のすぐ後にこの世を去ったそうですが、 最後にこんな素晴らしい演技を見せてくれたことに心からありがとうと言いたい。 そして出番は多くなかったけど、シシー・スペイセクは素晴らしい女優さんだと改めて感じさせてくれた作品でもありました。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 9点(2008-11-20 01:29:08)(良:2票) 210.時間の重み。人生の重み。それがどっしりと底にあるから、この映画はこんなに穏やかなんだろうか。 【あさ】さん 9点(2004-05-24 11:26:26)(良:2票) 209.涙・涙・涙の感動作!ではなく、『ジン』と心に響く作品。老人の言葉や表情などにイチイチ感動している自分に可笑しくなってしまった。心労の多い方、最近忙しい方、是非オススメです。 D・リンチ監督作品-と云う観方ではなく、ただ観て下さい。それだけです。 【MAZE】さん 10点(2004-02-01 14:57:01)(良:2票) 208.きっと、穏やかなのは表層だけだ。長きを生き、色々なものを見て来た1人の人間の抱えるものは、きっととても壮絶なものだから。老い、摂理を達観したからこそ、それをオブラートに包み、他人の目に穏やかに映すことが出来る。この映画を観て、死んだ祖父や祖母を思い出した。自分の歴史も背景も何も語らず、ただひたすら働き続け、逝ってしまった。ファーンズワースじいさんは、この映画の後、病気を苦に自殺した。1人の老人が亡くなるのは、1つの図書館が無くなるのと同じ。この言葉はアメリカのことわざだったっけ。 【ひのと】さん 10点(2003-12-11 19:17:17)(良:2票) 207.《ネタバレ》 デヴィッド・リンチは怖い映画が多いけど、こういうほのぼのとした映画も好きなんだよなあ。 村上龍、はまのゆかが組んだ絵本も良かった。 デヴィッド・リンチの真価は、「ツイン・ピークス」に代表されるように予算の限られた制作下で発揮される。 いかに低予算で人を愉しませられるか。リンチはその使い方と心の掴み方が上手い。 この映画は何せ芝刈り機でアイオワ州からウィスコンシン州まで行こうというのどかさだ。 隣通しとはいえ何10Kmも離れている。 これが実話なんだから凄い。 病気で倒れた兄を見舞いに芝刈り機だぜ?弟のアルヴィンじいさんも凄いけど、兄貴もスゲーよ。 冒頭の「ウ゛ッ」といって突き飛ばされたのはアルヴィン? アメリカの広大でのどかな農村風景。 道中で出会う様々な人々。 妊娠した若い女性やシカ事故で嘆く女性、機械に強いおっさんなどなど愉快な出会いばかり。 たまに酒で戦争の記憶を吐露するしんみりした場面も。 坂道を下る瞬間が怖いこと。 それまで兄貴が病で死なないかソッチの方が心配だけどな。 結構呑気だが、死んでも旅を終えようとするアルヴィンの男の意地を見せられる映画でもあるのよ。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-11-16 18:35:09)(良:1票) 206.《ネタバレ》 良い映画だった。生きる、ということはつまりそういうことであるなあと。ゆっくりとね。バックしているわけじゃないんだから、いつかはきっと着く。そう言わんばかりのほのぼの加減。出会う人々もみんな優しくて、良かった。見ているうちに、自分が旅をしている気になった。 【lalala】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-01-15 18:29:30)(良:1票) 205.この作品を65歳すぎの映画好きの父親に薦めたところ、後日「良い映画だったよ」と言う感想が返ってきた。 【SODOMOJO】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-12-17 22:56:30)(良:1票) 204.《ネタバレ》 風景も人物も話も全てが美しい。でも伝えたいことは決して逃れられない老いの怖さ。「一番怖いのは若いときを覚えていることだ」ってセリフは永遠に残りそう。じっくり考えると怖い映画です。 【みどりいろ】さん [DVD(字幕)] 9点(2008-08-18 18:19:14)(良:1票) 203.自分にも弟がいて、男二人兄弟なのですがストレイト兄弟と同じで、もう長いこと口をきいてません。自分たちの場合は、特に理由があったわけではないのですが、気がつけば自然にそうなっていました。でも今考えてみると、兄らしいことをろくにしてあげられなかったことが原因かもしれません。これからどうなるか分かりませんが、どうなったとしてもたった一人の兄弟なんですよね。自分だってこのまま終わりたくはありません。でも待ってるだけじゃ何も変わらない。きっかけは自分で作るものだし、何かがあってからでは遅いんですよね。頭では分かってるつもりなんですが...身をつまされる映画でした。 【ちゃじじ】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2008-01-09 21:42:56)(良:1票) 202.行きはいいかもしれんが、帰りは だるいやろな~。 【ケンジ】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-03-13 23:01:23)(笑:1票) 201.本作とはまったく趣が違うけど、デヴィッド・リンチって『ロスト・ハイウェイ』といい『マルホランド・ドライブ』といい、「道」を中心に据えている。それらの二作が難解と言われるのは、主人公が辛い人生から逃避して自らの記憶を書き換えているがために、現実と非現実の境界が不明瞭になっていくからだ。 しかし本作はまったくその正反対で、主人公の老人は今まで放置してきた家族の断裂を修正し、人生で失ってきたものを取り返すために行動する。『ロスト・ハイウェイ』や『マルホランド・ドライブ』で印象的だったのは、深夜の真っ暗なハイウェイをヘッドライトがかすかに切り開く映像だ。暗闇を探りながら疾走する真新しい自動車。だけどアルヴィンはたとえ時間をかけてでも、昼間の明るい青空の下を、着実に、穏やかに進んでいく。乗っているのは時速30kmのおんぼろトラクターだ。 最初はリンチが異色作を撮ったのだろうかと思っていたのだが、きっと根にある主題は同じだ。人生の不幸に、どうやって向き合うか。その答えは「最後まで自分でやり遂げたい」という老人の言葉に現れている。優しく時間をかけて傷を癒していく老人のやり方はじれったいように見えて、実はいちばん真っ当な方法なのだろう。 【no one】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-12-10 08:04:16)(良:1票) 200.《ネタバレ》 愛すべき頑固で偏屈ものの爺さんが、ひたすらゆっくりとゆっくりと進んでゆく。10年も兄と仲違いをすることになった喧嘩の原因も、ついに語られる事はない。長い道のりの中で出会う人々と時には助け時には助けられ、恩着せがましいことも恩に甘んじることもなくひたすら目的のために旅を淡々と続けるだけ。70数年の人生に比べれば、数週間そこらの時間や距離なんて、老人には大して問題ではなかったに違いない。若者には決して、やろうと思っても出来ない豊かな旅。愛や友情や親切など、人間同士の関係の理想的なものが、この旅に凝縮されているように思う。そしてそれは主人公の言ったところの「足も目も弱ったが経験は積んだ」老人だからこそ可能であることなのだろう。私も年をとったら、こんな愛すべき偏屈者になりたいものだ。弟の顔をみた兄は、間を分つことになった確執をどう考えたろうか。再会した後の会話も無いが、オンボロのトラクターがあっただけで十分だった。子供の頃のように夜空を眺めて、楽しげに語り合う兄弟の様子が瞼に浮かぶようなエンディング。じつにゆっくり、ゆっくりとした、美しく、大らかな映画だった。 【six-coin】さん 8点(2005-02-13 03:01:02)(良:1票) 199.画面を流れるセンターライン、自動車事故!燃える家!リンチワールドっ!! でもダークな事は、なんにも起きません。のどかです。ゆったり、静かに流れてゆきます。人生の終盤にさしかかったおじいちゃんが旅に出て、その道程で人に親切にしたりされたり。おじいちゃんが辿った道は、おじいちゃんが生きてきた道。ドラマティックに駆け抜ける人生もあるけれど、ゆっくりのんびり進む人生もある、そんなおじいちゃんの姿が、じんわりと胸に染みてきます。心穏やかな、ほんわりとする映画でした。 【あにやん🌈】さん [試写会(字幕)] 9点(2003-12-08 14:52:54)(良:1票) 198.《ネタバレ》 ただケンカで仲たがいしていた兄に会いにいくという本当にあっさりした簡単の話だけど、なんでここまで好きになってしまうんだろう?あのリチャードの名演技(あれが素なのかな?)がとにかく素晴らしいと思う、あの方の他の出演作は見たことないけどあの映画にでるための俳優と言っても決して過言ではないと思う。あの俳優の一つひとつの動き、行動が心を和ませてくれます。基本的に一人なので会話が少なく、アルヴィンの心情をこっちが色々と考えてしまうのもひとつの魅力だと思います。あの映画を通して僕が見出したテーマはもちろん兄を思う弟の、父を思う娘の家族愛であるとも思うんだけど、もうひとつ一期一会というのもあると思う。旅の途中で出会う様々な人たち、そのそれぞれの人たちが持つそれぞれの気持ち、考え、それに向かうアルヴィン、なんとも言えない哀愁を感じます。そして極めつけはラスト!兄との再会後のあの沈黙がたまらなく好きです。もどかしいというかなんというか。きっと、話したいことは山ほどあるだろうし、抱き合っちゃったりなんかもしたいだろうし、素直に謝りたいって気持ちもあったと思う、でもお互いなかなか素直になれない駄々っ子というか、頑固者というか、でもそういうのが好き。お互い探り合って、何から話そうか、どう話そうか心のなかで色々考えてるんでしょうね。 哀愁たっぷり。 【AXL侍】さん [映画館(字幕)] 7点(2003-11-23 23:55:43)(良:1票) 197.リンチだけに何かあるかと最後までヒヤヒヤして見てたけど。観終わってちょっとウルりました。実は、道が意味するものが人生で、まっすぐじゃなくて、坂道や、下り坂や、雨の日があって。。。そんな説明が無用なほど理屈ぬきで感動するんじゃないかな?やーーいいもん観ましたわ。 【たかちゃん】さん [映画館(字幕)] 10点(2003-11-12 20:28:57)(良:1票)
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