みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
16.《ネタバレ》 素敵すぎる。 抑揚のきいた優雅な素晴らしい演技。細かい所まで気のきいた演技。 これでもかって空間を演出した背景。 パースのきいた世界で形の変わらないものをなめらかに動かす技術。 ディズニーでもフライシャーでもなく、もちろん日本でもない独特の絵柄。 コスマのせつなくもはかない音楽。 絵の中から恋人同士が逃げ出すというなんというロマン。 して意味の分からない素敵な秘密警察。 不思議な科学技術。 鳥という名の鳥。 なんでいきなり巨大ロボット。 労働階級、独裁政治といったような戦後フランスの当時の社会問題が見え隠れしますが、 それを恋の物語としてファンタジーにしてしまう力量。 この映画にへ理屈なんていりません。 「王と鳥」「やぶにらみの暴君」と両方みましたが、世間的には圧倒的に「やぶにらみ」が良いという評価のようですが、ぼくはどっちもよかったです。「やぶにらみ」の方が全体的にアップテンポだったかな、「王と鳥」のほうがシットリしてる気がしました。けど、エンディングは「やぶにらみ」の方が好きですね。 なんか古典の王道のような終わり方で好きです。 「やぶにらみ」に関しては後半のクオリティがだださがりでとても残念です。(最後の国を破壊する引きのシーンのロボットがえらくかわいい動きになっているのはおもしろいって意味では好きですが。) 「王と鳥」はグリモー自身が満足いくまで作り直しただけあって、全体のクオリティマナーは守られていました。こちらの方がラストが社会的メッセージを感じますが、グリモーはこの映画を古典的な物語というより、 社会的メッセージとして描きたかったのですね。どちらの作品もあの国の一般市民の生活が描かれていないので、そんなシーンがちょっとでもあったらなと思いました。 色々あげたらまだまだきりがないですが、とにかくぼくはどっちも好きです! あの階段を駆け下りるシーンは何度みても、いつみても、 何かが始まる気がして、ぼくをドキドキさせてくれます。 【bokugatobu】さん [DVD(字幕)] 10点(2009-09-22 04:53:29)(良:1票) 15.《ネタバレ》 寓話系ってあまり好きじゃないけれど、これは別だった。 まず、作画が素晴らしい。けっして昨今のCGのような迫力を持っているわけではないけれど、一枚一枚の絵が単純なようで工夫が凝らされていて、何度も目を見張らされた。城の造型はもちろん、巨大な機械兵の手の形など、諸処に独創的なセンスが表れている。キャラクターのちょこまかした動作はとてもナチュラルで、しかも愛嬌いっぱい。とくに王様の愛犬! あの可愛さはやばい。 宮崎駿作品との類似点の多さはちょっとびっくりするほどで、無条件に宮崎駿の才能を信じていたものとしてはショックだった。魔法と科学を融合したような不思議な世界観はジブリだけのものだと信じていたのに……。もっとも、似ているのは表層的な部分に留まっているし、ジブリはジブリで独自の境地に達しているから構わないと思うけれども。 この映画でいちばんコミカルなのが臣下たちが盲目的に王様を崇める下りで、次々とまぬけな銅像が製造されるシーンでは笑ってしまった。でもそこが同時にいちばん嫌なエピソードでもあって、笑う一方で薄ら寒い思いがした。実際、独裁者ってのは傍からみると明らかにバカでしかなかったりする。こんなにも滑稽な世界がある意味では「現実的」であるということに気づかされて、心底嫌な気分になった。 そしてこの結末は……尾を引く。普通なら煙突掃除と羊飼い娘が結びついて予定調和のハッピーエンドを迎えるところを、瓦礫の山を築いて放り出してしまう。機械兵が何かを考え込むかのようにたたずむ寂しげなラストシーンと、あの素朴だけどとても美しいピアノの音楽。愚かな独裁者を倒す正義もまた浅はかなものでしかなく、跡に残るのは廃墟に過ぎない。なんともまあシビアで、辛すぎる結末だ。 よくできた寓話だと思う。遠い時代の遠い世界の物語でありながら、まぎれもなく現代の、現実の物語でもある。 【no one】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-08-05 00:48:54)(良:1票) 14.《ネタバレ》 宮崎駿が影響を受けた作品。 カリオストロを思い出させる場面が出てきて、 自分がインスピレーションを受けた作品のDVDを ジブリ美術館で売ってるとこは、彼の作家としての誠実性を感じる。 さて本編である。 貧しい労働者カップルの中に王が嫌らしく入ってくる。 今でいう、非正規カップルに正社員が入ってくるといった感じか・・ ロボットまで出てきて、大騒ぎの後に、ラストを迎える。 恋人が幸せになるかどうかはともかく、大騒ぎの末、二人は邪魔者を退けた。 とくに恋人二人が仲睦まじくなるような様子もなく、大騒ぎの後の余韻で映画は終わる。 【トント】さん [DVD(字幕)] 7点(2023-09-17 13:22:52) 13.《ネタバレ》 宮崎駿監督や高畑勲監督が影響を受けたというフランスのアニメ。日本での公開時に高畑監督が字幕も手掛けていることもあって、偲ぶ意味も込めて初めて見てみた(その目的で本作を見るというのはちょっと違う気もするけど。)のだけど、抜ける床など仕掛けの多い城や、追われる男女二人、地下にいる市民、そしてラストの巨大ロボットなどカリ城やナウシカやラピュタで見たようなシーンが出てきて、まさに初期の宮崎、ジブリ作品を思い浮かべずにはいられない描写が多く、どんなに天才と呼ばれる作家でも必ずその根底には何かしら影響を受けている作品があるものなんだと感じることができる。しかし、既に書かれている方も何人かおられるが、初期の宮崎アニメが明るい冒険活劇的なのに対し、本作は作られた時代性もあってか、少し暗めで権力への風刺があって、テンポもゆったりとしている。とくに権力への風刺は強く、自画像の王様が本物に成り代わるというアイデアからして皮肉めいているし、追われる身の二人を助ける鳥も決して完全なる善のイメージで描かれてはいないことにも驚かされる。よくあるおとぎ話なら、悪い王様は鳥によって滅ぼされ、羊飼いの娘と煙突掃除人は幸せに暮らしましたとさで終わるところをそうはせずに、鳥が乗り込んだ巨大ロボットが城を破壊してしまうラストは少々ひねりすぎのような気がするのだが、王様も鳥も結局は同じという皮肉はなんとも辛辣で強烈。巨大ロボットが完全に破壊された城の瓦礫の上でまるで何かを考えているように座り込んでいるラストショットは否応ないもの悲しさと虚無感に包まれているが、この感じがたまらなく良い。でも、欲を言えば鳥によって解放された市民たちの歓喜にあふれたシーンなどをもっと強調しても良かったのではないか。それと、90分未満の短い映画だが、やや間延びしているように感じた部分もあったのはちょっと残念だったかな。アンデルセンの童話が原作とのことだが、見る前にそれは忘れたほうがいいかもということを最後に付け加えておく。 【イニシャルK】さん [DVD(字幕)] 6点(2018-04-14 18:47:26) 12.かんじんのやぶにらみの暴君は、けっこう最初のほうでいなくなってしまう。いろんな象徴がありましょう。扇動者としての鳥も、クリアな善のイメージだけではない。時報を告げる犀ってのは、どこから来るイメージなんだろう。もしかしてフランス語なりフランスの諺なりだけで分かるシャレかなんかなのか。アニメっていうと最近はとかくスピード感を出せるのを得意とする世界となっているが、これはゆったり動いてて、いい。落とし穴を避けようとピョンピョンするあたりのスピード感がそれで生きる。巨人の胸で奏される結婚行進曲のグロテスクなアレンジ。下層市街の冥府のような感じ。解放される猛獣たち、人の解放の喜びはそれほど強調されない。 【なんのかんの】さん [DVD(字幕)] 7点(2013-09-27 09:25:15) 11.《ネタバレ》 画質の荒いオールド・アニメ。へたくそな作画、動きになめらかさがなく、どのシーンでも間合いが悪く冗長、音楽ともシンクロせず、退屈。原作はアンデルセンの「羊飼いの娘とエントツ掃除人」。原作では磁器の人形ですが、ここでは絵の中の人物になっています。これに鳥と王を付け加えてなんとか物語にした代物。やぶにらみの王様は絵から飛び出た肖像画の王様に抹殺されますが、後にフォローもありません。これでいいんでしょうか?孤独で人間嫌いの王様が最後に人間らしさを取り戻すと要素があれば感動できたはず。太陽の当たらない「下層市街の市民」がライオンたちと一緒に地上に出てきますが、こちらもフォローなし。いいかげんな脚本です。国王の横暴から人民が立ち上がり、自由を取り戻すというサブストーリーはどこへやら。兵士と闘う場面があれば共感できました。小鳥たちと王の愛犬はかわいらしいですが、ストーリーにはからみません。鳥は妻を殺され、小鳥が殺されかけたこともあり、王様を憎んでいます。一方掃除人は小鳥の恩人なので二人の味方です。肖像画の王様は、巨大ロボットを操って二人を捕まえます。が、最後は逆に鳥がロボットを操り、城は必要以上に破壊し尽され、王様は追放されます。地下のライオンたちや市民を開放したのも鳥。鳥がこんなに活躍していいんですか?ここは娘と掃除人が活躍しなければだめでしょ。二人の恋が成就する物語なのですから、自分たちの力で解決すべきでした。二人は逃げ惑うだけ。せめて兵士や警察と戦いましょうよ。最後城ばかりではなく、町までも廃墟にしてしまったのはやりすぎ。誰も幸福にはなれないバッドエンド。人間には住む場所がないし、鳥の巣も崩落。結局鳥によりロボットが暴走しただけですか?何もかも放りっぱなし。心の浄化や成長といった要素がないと物語はつまらなくなります。鳥には王様に逆らうだけの気骨があり、知恵があり、口達者だというだけの話ですね。でもよく考えれば、鳥が憎んだのは暴君の王様であって、肖像画の王様ではないのです。別人ですよね。絵の王様は恋に盲目なだけ。王様を倒したという点では鳥の味方のはず。所詮鳥も愚か者。独自の世界観?とくにユニークさは感じませんでした。ロボットのデザインのセンスのなさには苦笑。社会風刺?皮相さしか見えてきません。この映画を推奨する高畑監督はセンスがないですよ。 【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 5点(2009-09-04 00:49:30) 10.《ネタバレ》 何かの機会で予告編を見て以来ずーっと気になっていた映画。どこぞやで開かれたポール・グリモー展にまで足を運び、絵の美しさや彼のプロ根性に驚かされたりしてから・・・早2年か。やっと見る事が出来たんだけど、その間にちょっと期待が膨らみすぎてしまったようです。ストーリーは面白いし、音楽や作画も本当に素晴らしいのですが間延びするシーンが多すぎで眠くなってしまいました。風刺が謳い文句のようになってますがそちらも中途半端。もっと派手に社会批判して欲しかった。でも最後のもの悲しい感じの終わり方は好きですよ。 【Kの紅茶】さん [DVD(字幕)] 5点(2008-02-06 01:24:30) 9.《ネタバレ》 「ジブリの原点」なるキャプションに惹かれて鑑賞することに。抜ける床、地下市民、逃げる美少女、同じ顔の警官ぞろぞろ等々。確かに初期宮崎作品を髣髴とさせます。小ネタからその世界観に至るまでソックリです。でも受ける印象は全く違う。宮崎作品は情緒溢れる冒険活劇。一方、本作は文学性が強い。それに政治風刺も色濃く見えます。“やぶにらみ”は、民へ目を向けていない事の比喩。王様本人は早々に地下に消え、自画像が王に成りすまし。強大な兵器が仇となる皮肉なラスト。黒髪青髭の王様も、特定の人種を示唆しているのかな?当時の社会背景は存じませんが、辛辣な体制批判が込められていると感じました。ただ、魅力的な世界観ゆえ間口は広いものの、起伏に欠ける物語に退屈する人もいると思います。自分がそうでした。個人的には本作を体験したことで、いっそう初期宮崎作品の娯楽性の高さに感心した次第です。浮世絵がヨーロッパの印象派に多大な影響を与えたのは有名な話。本作と宮崎作品の関係もそれに似ていると思います。どちらも優れたオリジナル。それぞれ素晴らしい。 【目隠シスト】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-02-01 21:46:01) 8.意外とストーリーはちゃちゃく、それほどまとまりもなし。個々のアイディアやイマジネーションは当時としては斬新だったのでしょうが、メッセージ性含めて、今となってはどれも新鮮味もなく、特別感じるものはありません。結局、歴史的な原点を観るということの価値しか感じられない。例えば「カリオストロの城」や「未来少年コナン」を彷彿とさせる要素を作中に見つけて「あー、なるほどねぇ」と言うような、アイディアの源流探しの楽しさの方が、映画の楽しさに遥かに勝ってしまうんですな。 【MARK25】さん [DVD(字幕)] 5点(2007-09-25 23:17:10) 7.《ネタバレ》 この映画の雰囲気は馴染めませんでした。それにしても仕掛けの多いお城です。チョット間違えると自分が床下の落ちかねない。そして最後の全てを廃墟にしてしまうところなんて、それでいいのかぁ~と思ってしまった。 【みんてん】さん [DVD(字幕)] 3点(2007-08-02 14:16:20) 6.《ネタバレ》 宮崎駿に影響を与えたっていうのが宣伝文句であったんで、どれどれと見てみたら、なるほど、確かに「カリオストロの城」はこれによく似ている。でも彼の場合はいつも明るい作品だけど、これは凄く皮肉っぽい、ちょっと怖い作品ですよね。絵から抜け出して来た王様が本物と入れ替わっちゃったりするところなんて、結構怖いアイデアです。ラストにもびっくりですね。全部ぶっ壊して、しまいには自分の巣箱までぶっ壊しちゃう鳥さん。王と鳥。王という暴君を倒すはずだった鳥までもが暴君と化した、なんとも皮肉な結末でした。 【あろえりーな】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-07-10 22:09:59) 5.よくある感じの悪い王様の物語だけど、独特の雰囲気が印象的。 内容的にはドタバタしてるんだけど、何故かゆったりとした流れに感じる。 王様がムスカのようで、少年と少女はパズーとシータ。 ロボット兵も出てくるし、最後には城も崩壊して一件落着。 【もとや】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-07-01 22:55:08) 4.これは、あかんでしょ~ 高畑監督..内容が、さっぱり意味不明です!..太田光との対談も観ましたが..沢山の人に観てほしいって..アニメ史を語る上での歴史的価値(骨董品)としてなら評価出来ますが、..一作品として、映画として、評価すると..今さら..って感じです!.. 【コナンが一番】さん [DVD(字幕)] 1点(2007-05-09 16:54:53) 3.2011/12/3、この作品のキモが突然わかったので追記。 (詳細はブログにて) 【エスねこ】さん [DVD(字幕)] 6点(2005-05-31 21:09:32) 2.ビデオのパッケージ写真をパッと見た限りでは「ディズニーみたいなのかな?」と思っていたのですが、実際に観てみると全く違うタイプのものだということが分かりました。鳥を含めた登場人物のしなやかな動きに、フランス語の滑らかなアクセントが相まって極上のハーモニーを生み出しています。特にあのいやらしいまでの王様のキャラクターは悪役ながらも秀逸!他に類を見ないどこまでも聳え立つ城の立体表現(何となく『クレヨンしんちゃん/ヘンダーランドの大冒険』を思い出しましたが)、そして中盤から突如として登場する巨大ロボットの件もスペクタクルに満ち溢れています。一部ライオンのシーンが微妙にクオリティが低下しているような気もしますが、そんな些細なことなど気にならなくなるほどのフレンチ・アニメーションの傑作です。余談:現在『やぶにらみの暴君』をビデオやテレビなどで観られる機会はあるのでしょうか? 【かんたーた】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-05-29 11:37:29) 1.《ネタバレ》 フランスアニメ界の金字塔を打ち立てた「やぶにらみの暴君(52)」の改作版。独裁主義の王様。ある日、絵から抜け出した羊飼いの少女を気に入った王様が、少女と煙突掃除の少年…そして二人を守ろうとする鳥をひたすら執拗に追い掛ける話。なんとなく、この王様を観ると“あの国のあのヒト”を思い出してしまいますが(笑)、そんな社会風刺にも似た“暴君”の描き方は実にユニークで且つ面白い。たっぷり皮肉が込められている所もポイント。細部に至る描写と独特な世界観、どこか未来系な乗り物、そして高く聳える城のディテールは実にに素晴らしい。背景の描き方もかなり丁寧に描かれていて、多分絵の具に若干の黒を交ぜて重厚感を出していると思いますが、そんな色使いが充分に活きてます。この作品を観て「未来少年コナン」や「カリオストロ」等を思い出してしまいましたが言われて納得、あちらはオマージュと言う事なのか…(別サイトでそんな事言われてた)。「雪の女王」もそうだが、日本のアニメ界に影響を与えた意味でも、本作のレーゾンデートルを高く評価したい所。 【_】さん 8点(2003-10-19 22:48:37)
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