みんなのシネマレビュー |
|
|
|
ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
10.「L.A.コンフィデンシャル」が赤子に思えるほどの傑作中の傑作。 グレン・フォードが魅せるギャングvs警察のフィルム・ノワール。 「ゴッドファーザー」や「L.A.コンフィデンシャル」に多大な影響を与えたのはホークス、黒澤明、そしてフリッツ・ラング。 前半の丁寧なドラマ展開から一定に保たれた緊張の糸。 その糸が弾け飛ぶ時、主人公の壮絶な復讐劇は最高潮のままクライマックスを迎える。 “自殺”の場面から始まるファースト・シーンの強烈な導入、 最初30分はグレン・フォード演じる刑事が地道な聞き込み調査。 平和な家庭での日常、その裏では凶悪な事件を追う刑事だ。だが、まだ罪人を“徹底的に”潰す狂気は無い。優しすぎる一面を持っている。 用心棒をブチのめす場面も何処か優しすぎる甘さを感じさせる。その甘さが後半の狂気をより引き立てるワケでもあるのだが。 ま、アレですよ。とにかくバーの雰囲気とか、色々素晴らしい。 主人公の家庭に響く無言電話、ジリジリと迫る恐怖、積み木が崩れ去る暗示とかとにかく良い。 突然の死が重なる時、車が吹き飛ばされる時、警察バッヂを捨てる時、直接的な描写はなくとも沸騰したコーヒーを浴びせかけるシーンの恐怖、一生消えない火傷を負っても死ぬに死ねない女、外見は無傷でも爆発の衝撃で・・・男は復讐の鬼と化す! ラスト1時間の緊張感に満ちた展開。 主人公が探る一味も顔を出してくる。 リー・マーヴィンの悪党ぶりも良いが、何と言ってもグロリア・グレアムの存在!! こんな魅力的でエロティックで“女”を見せ付けてくれるファム・ファタールは中々お目にかかれない。別にヌードになるワケじゃない、脱がなくともそのセリフ、しぐさで勃起するくらい最高の悪女だ。 特に終盤の彼女は最高だったぜ。 今回のラングは女に容赦なさすぎる。 案外、少女の連続殺人を描いた「M」よりえげつないかも。 モチロン、我等がグレンも最高潮だ。 バーで一味と主人公が邂逅し“ゾッ”とする瞬間。 尋問される男は気の毒だ。 コンド●ムなんか机の上に置いておくから(関係ねえだろ)・・・。 首を締め上げてでも吐かせてやる! 終盤の銃撃戦までの流れも凄かった。 文句なしの傑作です。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-03-14 17:08:37)(良:1票) 9.《ネタバレ》 自分では決して人を殺さずデビーにダンカン夫人を殺させ、自分は刑事に復帰と、なかなか調子の良い物語。 警察上層部とギャングとの結び付きを告発した内容は、ラングの信念を感じる。 【にじばぶ】さん [インターネット(字幕)] 5点(2024-05-18 20:34:32) 8.《ネタバレ》 邦題は作り過ぎ。「怒りの熱波」で十分では?ラング作品らしく締まった展開だったが、復讐できたのは愛人デビーの一撃あってこそだったし、そもそも復讐後の爽快感が今一つ感じられない。”俺に任せろ”になっておらず、本当にどうでもいいが邦題が気になる。 【★★★1/2】さん [DVD(字幕)] 5点(2022-09-29 23:24:16) 7.眩しい程の一家の幸せが崩壊するシーンは監督特有の無情さを感じる。悪玉どもがさらおうとする娘のもとへ駆けつける硬骨漢グレン・フォードに手に汗握るも、以降から結末までの盛り下がり方はどうしたことだろう。「復讐はアタシに任せてちょうだい」と言わんばかりにグロリア・グレアムに美味しいところを全部持っていかれちゃダメでしょう。 【The Grey Heron】さん [DVD(字幕)] 7点(2017-05-17 12:40:31) 6.《ネタバレ》 ラングにしては通俗的過ぎる家庭描写だなと思っていると、一瞬にしてこちらの違和感を瓦解させる演出を持ってくる。本作についてもラングは完璧な世界を構築していると思う。 それは観客の感情操作を含めてであり、我々はもう冒頭からどっぷりとラングの術中にはまってしまう。 リー・マーヴィンとグロリア・グレアムの絡んだ暴力描写やグレアムが顔面半分を隠蔽されるという悲痛な画面は判りやすく心を揺すぶるが、例えば、バーでリー・マーヴィンから折檻を受ける女としてワンシーンだけキャロリン・ジョーンズが登場する、このシーンなんかもリー・マーヴィンの非情さを印象付けつつ映画のテンションを上げる見事な演出だ。ストーリ上もグレン・フォードとグロリア・グレアムの出会いのシーンであり、ここから映画がギアシフトするという重要な役割を担うシーンだが、それ以上にリー・マーヴィンの折檻自体、キャロリン・ジョーンズの怯え方自体が観客にじわりとした不安感を与え、それがボディ・ブローのように徐々に効いてくるのだ。 或いは、自殺した警官の未亡人を演じるジャネット・ノーラン(かつてオーソン・ウエルズの元でマクベス夫人を演じた女優)のなんとも狡猾なそれでいて落ち着き払った悪女としての描写も見事なもので、ラスト近くでグレアムと対決するのだが、私にはマーヴィンやグレアムと同じぐらい重要な位置付けだと思える。 【ゑぎ】さん [映画館(字幕)] 10点(2017-03-28 06:10:51) 5.警察内の嫌な部分、人間の醜い部分、男と女のドラマとしての面白さを十分に見せてくれている。復讐に燃える者の凄まじい執念、主演のグレン・フォードの渋さ、そして、この作品は何と言ってもグロリア・グレアムの色気に尽きる。この女優の悪女としての魅力があればこそでフリッツ・ラング監督の女優選びは毎度の事ながら本当に素晴らしい。終盤の銃撃戦、そこまでに至る物語としての運びかたもなかなかで、この監督の作品に外れは無し! 【青観】さん [DVD(字幕)] 8点(2016-10-27 20:06:42) 4.《ネタバレ》 警察の腐敗っぷりがなかなか。グレン・フォードのクソ真面目な顔がこの映画の雰囲気にダダハマリなのは素晴らしいことなんですが直接的な暴力描写はほとんどないのに間接的な怖さを伝える手法はもっと素晴らしい。モノクロ映画しかできない暗闇を通しての恐怖と音の恐怖で盛り上げてのとどめのコーヒー(笑)なんか時代劇っぽいようなちゃちい火傷痕ですがまぁいいか、前半のハードボイドっぷりから後半の犯罪アクション映画な感じへの移り変わりは個人的には好きな展開でした。 【M・R・サイケデリコン】さん [DVD(字幕)] 6点(2013-04-15 11:20:46) 3.《ネタバレ》 ある男が拳銃自殺をする。その場所からある場所に電話する。そしてまたそこから次の所に電話する。重要な三つの舞台と主要人物があっという間に提示される。しかも三つ目の部屋の屋内構造をしっかりと見せることがクライマックスをスムーズに見せることになる。そして最初の自殺現場に戻りいよいよ主人公の登場。この完璧な流れに唸る。幸せを絵に描いたようなある意味型にはまった家族が強烈な一撃にて崩壊する様は衝撃的。リー・マーヴィンのサディスティックな一面を見せたエピソードがグロリア・グレアムへのコーヒーにつながり、欲望のままに生きる女でありながらどこか憎めないシンプルな思考の情婦グレアムが女ゆえの、またシンプルな思考ゆえの、目には目を、コーヒーにはコーヒーを!となる流れの説得力も素晴らしい。唐突に孤独のヒーローの元に集まった義兄とその友人たちがカードゲームをする様はジョン・フォードの西部劇のよう。その後に合流する同僚と上司。しかしフォードっぽいのはこの一瞬だけ。サービスみたいなもんか。とにかく西部劇ではなく犯罪映画なのだと言う様に仲間たちの存在は消え去る。そして犯罪映画に相応しい銃撃戦をクライマックスに。傑作です。 【R&A】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-09-05 18:17:02) 2.《ネタバレ》 戦後のラング作品は戦前の神懸りモードと対照的な凡作が多いが、本作も例外ではない。問題は【放浪紳士チャーリー】さんが言及されている情婦役のグロリア・グレアム。何と言うか、もうハッキリ言って出しゃ張り過ぎ!!煮えたぎるコーヒーぶっかけられ場面は見せ場だからまだ許すとして、後半で完全に主役ジャックしてグレン・フォードを木偶の坊にした罪は余りに重い。これぞ正しく”本末転倒”or”主客転倒”!悪いが5点マイナスさせて頂こう。 【へちょちょ】さん 5点(2004-03-17 11:35:36) 1.何年か前のリバイバル公開で観ました。展開がキビキビしていて無駄が なくかなり面白かった記憶有り。脇役時代のリー・マーヴィンとその情婦(グロリア・グレアム)が煮えたぎるコーヒーを浴びせられるっていうかなり痛いシーンがあって、その印象だけが突出してます。この時代 でも警察内部の腐敗についても触れられていて驚きました。 【放浪紳士チャーリー】さん 7点(2004-03-14 17:27:48)
【点数情報】
【その他点数情報】
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS