みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
4.《ネタバレ》 実はこの映画、ソ連初のカラー映画なんだそうです、占領したドイツのアグファ社から接収したカラーフィルムが使われたというところがまたソ連らしい。ソ連という国は、歴史的な出来事を映画にするのが得意でしたが、敗戦直後のベルリンで撮っただけあり、本作も伝統に背かない堂々たるものです(NHKの『映像の20世紀』で記録映像とともに本作のベルリン・シーンが使われてたぐらいです)。スターリン・ヒトラーの二大独裁者のそっくりさんぶりは見もので、とくにヒトラーは俳優の熱演もありますがほんとそっくりです。スターリンは顔を造り過ぎたせいか表情があまり動かず、まるで蝋人形が動いて喋ってるみたいで不気味でした。 この映画のすごいところは史実に忠実なのは、「ソ連にスターリン、ドイツにヒトラーという人がいました。ヒトラーはソ連に攻め込みましたが、最後はソ連がベルリンを陥落させ、ヒトラーは自殺しました」ということだけで、後はねつ造と偽善のオン・パレードに終始していることです。あの有名なスターリンがベルリンの空港に降り立つシーンはもうほとんどSFの世界で、「世界最凶のプロパガンダ映画」に相応しく観たらトラウマになること間違いなしです。「映画って、ここまで政治の道具になれるんだな」というのが率直な私の感想です。 【S&S】さん [ビデオ(字幕)] 0点(2011-10-30 20:42:45) 3.キミョー奇天烈なる戦争映画。まず冒頭、アリョーシャとナターシャのラブラブな場面が描かれる(って言っても、このアリョーシャがまた冴えないオッサンなんだ、これが)。草原でラブラブな二人、と、そこに唐突に襲いかかるドイツ軍(ホントに唐突なんだ、これが)。ナターシャはドイツ軍の囚われの身に!復讐に燃えるアリョーシャ、と思いきや、彼は脇役に転落、映画はなんだか歴史ドキュメンタリみたいな様相に一変して、どっちかっつーと、途中からヒトラーが主人公になっちゃったみたいな印象(似てるんだ、これが)。変なニホンジンも登場したりして、トホホホホ。第2部ではいよいよソ連軍の猛反撃!って言っても、ソ連軍の快進撃ばかりで、派手な割にはいまいち盛り上がらない戦闘シーン。あれよあれよと言う間に、ベルリンは陥落、スターリン様ありがとう、マンセー!じゃなくてウラー!ってな映画でした(スターリンもまた、似てるんだ、これが)。スターリンが英雄視されてる、っちゅうより、もはや神格化されちゃってますね~。音楽はショスタコーヴィチ。交響曲7番なんかも挿入されたりするんだけど、はっきり言って、つまらな過ぎ。このぬる過ぎる音楽には辟易します。勿論、時代背景とショスタコの曲者ぶりを考え併せると、このヌルさをそのまま額面通り受け取るわけにもいかないのでしょうけど、「これがショスタコだと思ってほしくない」音楽であることは間違いないでしょう。というわけでまあ、変な映画には違いないんですけども、逆に、プロパガンダのためにはこんな変な映画を作っちゃうという驚き、この驚きだけは、時代を超えた普遍性を感じさせるわけで、これも映画の魔力の一種には違いありません。人に、国に、ここまでさせちゃう“映画”って、いったい何なんでしょうね。 【鱗歌】さん [DVD(字幕)] 5点(2008-11-03 12:02:58) 2.《ネタバレ》 1949年のソ連の戦争映画でしかもカラー。ある意味貴重な作品と思って興味津々で見ました。で見たら想通りのスターリン賛美の作品ですね。特に最後は。ま当然といえば当然。むしろそれが逆に新鮮な感じがした。今までに味わったことがない感じですね。1949年の作品ということを考えると内容はまずまずよくできている。てか相当頑張ったと思う。猛然とつき進む戦車のシーンなんかはまさに見所。さすがソ連です。 戦争直後だけにまさに当時の兵隊を見てるような感じ。戦闘シーンで人がパタパタ倒れていくのは違和感ありますが。主要人物の演技はよかった。特にヒトラー役の人の熱演ぶりは凄かった。ただ日本人が出てくるシーンには噴出しそうになる。思わず誰だお前といいたくなる^^; 【青陽】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-01-12 13:03:59) 1.《ネタバレ》 点数の理由:つまらん映画の部類。深読みしないと全然楽しめないのは映画として問題だが、6点も奮発するのは、2つの理由があるからである。1つはこの映画がなかったらショスタコーヴィチの名曲もなかったこと。しかし、これはCDで音楽だけが出ることが多いから、もうこんな古い音源に頼らなくてもいいとも言える。2つ目が、意外にお目にかかれないヒトラーの「生態」がよく描かれたからである。これは後に描かれた水木しげるの「ヒットラー」に出てくるヒトラー像を思わせる。これほどまで終戦直前のヒトラーの生態に触れた映画は戦後初ではないか。旧ソ連人民の怒りと憎しみを挑発する為に、皮肉なことに正確なヒトラー像を描いてしまい、そしてそれが今度は我々日本人の笑いの種になってしまったのだ。娯楽に乏しい時代の上映だったから、なおのことスターリンはよく見えたはずである。 さて、僕の本題はこの映画の真意だ。日本とユダヤである。ユダヤ人虐殺については何も触れていない。実はこの時期、ロシヤはユダヤ人虐殺計画を発動中だった(*アウシュビッツのロシヤ版)。だからヒトラーは「ユダヤ人の敵」とは書かれていないのだ。そしてもう一つ。この映画がの本当に言いたかったことじゃないかなと思うのが、日本についてのことだ。第1部はソ連の対日参戦についてルーズベルト・チャーチルにその心積もりを言って、これが第1部の締めになるのだが、この映画は「ベルリン陥落」であっても「トキオ陥落」ではない。第2部ではもっぱらベルリンの解放に終始している。しかし、第1部の終わりがこの映画の真意だと考えるなら、「本当は日本を最悪でも2分割に持ちこんで、ベルリンのようにしてやりたかった」というソ連の悪足掻きが見えるようだ。 この映画は過去の遺物だが、プロパガンダは永遠になくならない。例えば今地元で準備中の「愛知万博」の宣伝映画ができたら、こういうのはプロパガンダと言わないのだろうか?プロパガンダは国家がある以上、その必要な時には必要悪として甦るだろう。そのいい見本でもあり悪い見本でもあるのが、北の将軍様の映画だったり、この映画だったりするわけだ・・・ * 最近この「アウシュビッツ計画」を書いた映画「フルスタレッフ、車をまわせ!」という映画が出たそうだ。 【おおしまけんいち】さん 6点(2004-06-13 22:30:13)
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