みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
5.《ネタバレ》 1952年の「弥太郎笠 前後篇」の3時間を90分にまとめあげてしまうマキノ雅弘の妙技。 これぞ股旅時代劇「弥太郎笠」の決定版。 いや、淀川長治さんが絶賛していた稲垣浩の「弥太郎笠(彌太郎笠)」がいつ発掘される解らない。 なので、現時点での決定版という事で。 この「弥太郎笠」こそマキノ映画の文字通り“祭り”のエネルギーが脈打つ代名詞的な存在だろう。 本当は旗本の御曹司である弥太郎は、武士社会に嫌気がさして股旅の渡世人としての人生を選ぶ。 序盤からテンポ良く惹き込まれるのはいつもの事だが、幻想的な祭りの場面の踊りは御曹司(エリート)としての踊り、歌、剣の腕前を隠し、武士ではなく一人の人間としてお雪と交流する。 かつて世話になった恩人のため、惚れた女のためにヤクザ一家との死闘を選ぶ弥太郎。 全身からエネルギーがほとばしる中村錦之助のパワー、 少しふっくらした感じだが町のおっとりした可愛らしさが美しい丘さとみ、 これを中心としたマキノ流アンサンブルが繰り返され心地良い。 日本の時代劇の面白いところは、殺陣が無くても話の面白さで見入ってしまうところだ。 いや、殺陣もあるからこそ更に面白い。 1957年の「浪人街」じゃ本当に火花散らす鍔迫り合いがあったし、本作も負けてねえぜ。 「血煙(決闘)高田馬場」も、 「次郎長三国志」も何処か狂気地味たフルスピードの斬り合いが強烈だった。 この映画も凄い凄い。 お腹一杯になる傑作です。 【すかあふえいす】さん [DVD(邦画)] 9点(2015-01-14 07:15:41) 4.映像のリズムの良さに、ほれぼれする。ひょっとこ面の連中が祭りの囃しにのって、ヨイヨイと手を振りつつ大河内伝次郎を連れ出していくあたりの凶々しさ。あるいは通り過ぎた弥太郎のあとで、ワラワラと三度笠が現われてくる場のリズム感など、これしかないという間合いで。ほとんど音楽を感じさせるのは、カタキのとこの土間口での殺陣。弥太郎がひとくさり喋ってはひと太刀浴びせ、と緊張をためては放つその緩急のリズムが絶妙。そして全体の構造としても、ラストにまた祭りとひょっとこが反復される大きなリズムとなる。アウトローものでありながら、実はいいとこの侍であった、ってのにはちょっとガッカリさせられたが、「おとっつぁん、弥太郎さんがいじめます」とか「冥土へ行くんなら静かに行ってくれよ」などもキメぜりふがピタリとハマってる。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 7点(2008-08-09 12:04:04) 3.どうもマキノ監督の時代劇は肌に合わないようです。 しかしながら、丘さとみの可憐さ、躍動感溢れるチャンバラには目を見張るものがありました。 【にじばぶ】さん [ビデオ(邦画)] 5点(2008-03-23 15:04:44) 2.マキノ雅弘監督に中村錦之助に丘さとみ、この三人の組み合わせてだけで期待大!今作はマキノ雅弘監督作品で言うと観たのは順番で言うと3本目ですが、その3本の中では1番です。まずは何と言っても主演の中村錦之助演じるりゃんこの弥太郎の男らしさ、かっこ良さに加えてこれまた丘さとみのヒロインの美しさときたらたまりませんです。この二人が並ぶだけで本当に絵になります。旅から戻ってきた中村錦之助を迎える丘さとみの表情の素晴らしさ、美しさとどれもが観ていてうっとり致します。この作品、単なるそこいらの今時の二流クラスの時代劇なんかとは違って、面白い上に感動的な物語で途中から涙が出てきました。間違いなくマキノ雅弘監督は日本映画を代表する名監督の中の名監督です。もう、本当に映画を観ていると思わせるその素晴らしい雰囲気、美しい構図、何もかもが映画的で傑作の名に相応しい作品です。中村錦之助、丘さとみ以外にも千秋実のとぼけた演技、イカサマぷりも大いに宜しい!他にも田中治男の相変わらずの面白さ、そして、最後のシーンでの東千代之介の人間味溢れるかっこ良さも印象に残る。とにかくこの作品、殺陣のシーンの見事さに加えてしっかりとした大人の恋の物語を感情豊に描き、中村錦之助と丘さとみの二人には感情移入せずにはいられませんでした。これを観て益々マキノ雅弘監督作品に興味が沸いた。なにわともあれ、傑作です。祝!2008年1月21日DVD化決定!<追記:2007年12月20日> 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2007-12-20 20:13:06)(良:1票) 1.僕はマキノ雅弘って明朗快活で爽やかな活劇が得意な、ある種職人的な監督さんだと思っていたのだけれど、やっぱそれだけの人じゃなかったんだ、とこの作品を観ながら思った。上手く説明できないけれど、どこか過激で異様な(勿論良い意味で)要素が時々見え隠れして、それがとてもスリリングなのだ。これはもう、「映画的魔法」としか言えなくて「そうか、マキノの“マ”はマジシャンの“マ”だったんだな」とか思いながら酔いしれるしかないやね。とにかく中村錦之助演じる弥太郎と丘さとみのヒロインの美しさ(お祭りで二人が踊るシーンの美しさはある意味ミュージカルですわ)やら、何やら暗示的な「ひょっとこ」と「おかめ」のお面の異様さやら、何だか分からないけれど盛り上がってしまう、この説明不能な魅力。参りました。あ、そうそう、この映画「お米を研ぐ錦ちゃん」が見られるよ。だからどうしたと言われても困るけど。 【ぐるぐる】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2005-11-16 15:57:12)(良:2票)
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