みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
7.《ネタバレ》 市川雷蔵がコミカルな商人を演じた時代劇。 クールな役がピタリとはまる雷蔵だが、コミカルな役を演じても、十分に演じきれている。 それがまず凄い。 雷蔵が演じる男の人生観は、女を喜ばせること。 その為には、親の財産も食いつぶすし、お役人にも逆らう。 時には、命の危険もいとわない。 終始一貫とした姿勢は素晴らしいが、どうにも現実離れしていて、どう入っていっていいものか最後まで戸惑った。 最後は船で旅立ち、終了。 終わらせ方としては、かなり卑怯かな。 だって、女の為に権力にも逆らって男意気を発揮したんだから、その顛末が一体どうなるのか知りたかったし。 綺麗ごとで済まされるのか、それとも処刑されるのか。 だって、誰だって女の為に好き勝手やりたいわけで、でもそれをやったら下手したら、一生刑務所なわけで。 理想を好き勝手に追究すると、最後はどうなるのか? 意外とうまく生き抜けるもんなのか? この作品なりの解釈を知りたかった。 若尾文子が二番手クレジットなのに、最後にちょっとしか出なかったのが不満。 もっともっと、あのふくらはぎの美脚をさらけ出してほしかったのに。 【にじばぶ】さん [DVD(邦画)] 6点(2016-07-19 12:41:54) 6.《ネタバレ》 こういったタイプの映画なのだから、性的倫理観は一時的にオフにしておこう……と覚悟を決めて観賞に挑んだのですが、予想を上回る衝撃を受けてしまいました。 といっても、性的にインモラルという意味での衝撃では無かったのですよね。 予備知識として仕入れておいた原作小説の「人妻との密通」「少年愛」などは、劇中では全く描かれていません。 その代わりのように、主人公の独特の価値観、奔放な生き様が濃密に描かれていたのですが、それがどうにも面食らってしまう代物だったのです。 他人の恋路を叶えてあげる為に、千両も払ってみせる姿は、そこだけ見れば確かに格好良い。 けれども、そのお金は主人公が働いて稼いだ訳ではなく、父親を騙して持ち出した代物だったりするのだから、大いに興醒め。 勘当された後に、何処か他所で一山当てて凱旋し、父親に借金を返してみせるストーリーなのかなと思ったら、それも全然違っていたのですよね。 父親が病気で死に掛けていると知るや「しめた!」と喜び、ちゃっかり実家に戻って遺産だけ受け取り、再び女遊びに耽るような主人公には、流石に肩入れする事は出来ません。 作中で「飯よりも女子が好き」と言いつつ、食欲に負けて愛する女を一人にしてしまい、不幸な結果を招いたりと、どうも一貫性が感じられない辺りも気になりました。 そういった訳で、自分としては、あまり好感が持てないタイプだった主人公の世之助。 それでも作中にて、彼と関わったお蔭で幸せになれた女性もいた事は、喜ぶべきなのでしょうね。 最後の「船出」で終わる場面も、現実逃避というより、ずっと前向きな 「もっと沢山の女子と出会って、彼女らを幸せにしてあげたい」 という主人公の願いが感じ取れる辺りは、好みの結末でした。 【ゆき】さん [DVD(邦画)] 3点(2016-05-22 08:56:23) 5.《ネタバレ》 市川雷蔵はイイですね~、眠狂四郎やってる人と同一人物とはとても思えない明るい演技です。長大な井原西鶴の原作を上手に脚色してあり、勘当された世之助が女を漁って日本をひとめぐりすると言うゴージャスさです。ほとんど江戸時代のポルノグラフィと呼べる西鶴オリジナルに、武士に抑圧される町人の悲哀を織り交ぜてくるところは、監督が増村保造ならではです。ホンワカしたテーマ音楽と雷蔵のしゃべくりが見事にマッチしておりまして、世之助が愛した女子がみな死んだり殺されたりしちゃうのに不思議と観終わって爽やかさが残ります。女優はいろいろ出ていますが、やっぱり若尾文子が飛び抜けて輝いていました。 【S&S】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2014-04-19 23:57:39) 4.《ネタバレ》 世之助の純粋に「オナゴは可愛い化けモンや」と思う心が巻き起こすドタバタですが、単純に笑えます。あれほど必死に守ろうとしたお町も夕霧も死んでしまい、絶望する世之助ですが、他に守りたいオナゴが現れたらまた生きる力が湧いてくるのでしょうねえ。ここまで徹底していると、尊敬に値します。関西弁独特のテンポのよさと、雷蔵ならではの下品にならない笑いだけで、最後まで持っていってくれます。美術も素晴らしく、現在の時代劇より、作り物っぽさが感じられません。役者さんたちもみな芸達者揃いで、エンタメに徹した秀逸な作品だと思います。やっぱり雷蔵は華がありますね。 【すねこすり】さん [DVD(邦画)] 7点(2009-02-25 14:24:19) 3.増村保造監督と雷蔵が初めて組んだ作品で、増村監督にとっては初めての時代劇となる映画。この二人のほかのコンビ作「華岡青州の妻」と「陸軍中野学校」が完成度の高い映画だっただけに少し期待していたんだけど、うーん、ほかの2作に比べると軽いし、全体的に明るい作風で、いうなれば典型的なプログラムピクチャーの時代劇という感じ。だから何か物足りなさもあるのだけど、それでも無難に楽しめる作品になっているのは増村監督の職人ぶりがうかがい知れる。雷蔵が女性遍歴を重ねる男を演じる映画といえば「ぼんち」があるが、この映画でもコミカルに好演しており、剣三部作などで見せるシリアスな演技とは全く違った魅力があって、シリアスな役もコミカルな役もうまい俳優だなと思わせる。ただ、この映画よりも「ぼんち」のほうが面白かった気がする。二番目にクレジットされてる若尾文子の出番が少ないのがちょっと不満。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-05-20 12:25:43) 2.市川雷蔵と中村(二代目)鴈治郎のポンポンと繰り出されるきついのにイヤミのない関西弁の商人言葉の応酬が小気味良い。女が喜べばそれでいいと、会う女会う女に次々と奉仕するも、結局女に訪れるのは悲しい結末ばかり。女が生き難い時代が露呈される。それでも面白おかしい珍道中にしてみせるのはやっぱりまったりとした言葉の力が大きい。このまったり感のせいで増村独特の痛快感が損なわれているのはちと残念。大袈裟なセリフまわしも許される世界観が出来上がっているのに。若尾文子が最後のほうにちょろっと出てくるんだけど、役どころのせいもあるだろうが他の女優にはないオーラを感じます。 【R&A】さん [DVD(邦画)] 6点(2007-10-24 10:48:35) 1.タイトルにある好色てようにこの映画の主人公は本当にどうしようもないぐらいの好色男である。そんな女のことしか頭にない何とも軽くてお調子者の男を市川雷蔵が演じている。これが本当にドロドロしたタッチで人間の醜い部分ばかり描いている増村保造監督のものなのか?てぐらいやたら明るい。その明るさが監督本来の持ち味を少し殺しているように思えたのが残念ではあるけれど、けしてつまらなくはないし、それなりに楽しめる作品にはなっていると思う。 【青観】さん [ビデオ(邦画)] 6点(2007-01-07 21:35:57)
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