みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
213.《ネタバレ》 “Carlito's Way”邦題まま。 逮捕前のカリート・ブリガンテの武勇伝についてはあまり語られないけど、もうアル・パチーノってだけで大物のマフィアでカリスマ性があったんだろうって想像できますね。そんな男が5年ぶりにシャバに戻って、カタギとして生きようとする。 時代が変わってベニー・ブランコのような(カリートから見て)チンピラが大物を気取っている。サッソが言う「彼は20年前の君と一緒じゃないか。」おそらく街もマフィアの世界も何も変わっていなくて、カリートの居ない間に時間だけが過ぎただけ。悪党は次の時代の悪党に代替わりし、古い悪党は沙汰される。ただカリートは自分の進むべき道を考え、ただそこに向かって進もうとしていた。 昔からの仲間、ラリーン、クラインフェルド、サッソ、パチャンガ。昔の仲間に大なり小なり裏切られるカリート。ここだっておそらく昔と何ら変わっちゃいない。カリートの価値観、進む道が変わっただけ。 クラインフェルドのクズっぷりが素晴らしい。カリートの刑期を短縮させるなど、それなりに有能な弁護士なんだろうに、突発的な行動が後先考えてなくて驚く。だけどトニーの脱獄の手助けがフランク一人だけって、マフィアって人材不足なのか?あれじゃクラインフェルドだって暴走するわ。でもカリートを道連れにする意味が…何かさせるつもりじゃなかったのかな? オープニングから撃たれるカリート。この場面がどこで出てくるのか?と思ったら一番最後だった。この映画で結末を映画のアタマに持ってきた意図が私には良く分からず。パチャンガがあの場面でカミングアウトする意図も私には分からず。ただカリートの脱出劇の緊張感。『楽園への脱出』看板と踊るゲイルの美しさは『ユー・アー・ソー・ビューティフル』と相まってとても美しかった。さすがデ・パルマ。 ブロードウェイを夢見ていたゲイルは、ストリッパーに身を落として働いていた。想像と違う現実のゲイルに、カリートは少なからずショックを受けたはず。 サプライズでゲイルに会いに行き、格好つけて帰ろうとしたときのゲイルの言葉。ドアチェーンを引きちぎるのは、想像していた自分の姿とは違ったはず。 最後の夕焼けの海岸で踊るゲイルは、あくまでカリートの理想とする将来像。自分抜きにでもバハマで幸せに暮らすゲイルを想像してのことなんだろう。 だけどきっとゲイルはバハマには行かないはず。カリートが死に、何のツテもなく身ごもったゲイルが、見知らぬ土地で一人生きていく未来は想像できない。マフィアの世界から足を洗おうとしても抜け出せなかったカリートと一緒で。 【K&K】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2023-06-04 22:45:57) 212.《ネタバレ》 893として生きた以上893として死ぬんだろうな。 って思いながらOP見ていましたが、どこかで「とか言って更生したんだしハッピーEDもあるんじゃないか」と期待してました。 裏切られましたが。 ショーン・ペンのあの髪型って毟ったんだろうか、剃っただけなんだろうか、そんなことばかり気にするのもおかしな話だよ。 【悲喜こもごも】さん [インターネット(字幕)] 7点(2023-06-01 21:54:41) 211.《ネタバレ》 30年の刑を5年に減刑して貰ったら恩義に感じても仕方ないか。 ショーン・ペン演じるイかれたクズの弁護士役は意外と似合ってる。 終盤、列車内から駅での追いつ追われつのシーンは緊迫感とスリルでハラハラドキドキする。 そしてショッキングなラスト・・・カリートの夢は儚く散っていく。 古今東西、ヤクザ映画でハッピーエンドはまず無いのではないか? パチーノが男臭い元ヤクザを好演、ゲイルとの恋愛模様が物語に膨らみを持たせている。 【とれびやん】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2023-04-11 20:53:26)(良:1票) 210.《ネタバレ》 ブライアン・デ・パルマという監督を知っているか? いや、今日は久しぶりに本作を観た。 人は生きてると、追いつめられる事がある… そんな時こそ、これを観て欲しいと思う映画だ。 仕事でもそうなんだ。 ――「こんなはずじゃなかった…」 ――「あの時、ああなったから…」 ――「アイツが居なきゃ…」 時間が経過すりゃ反省する事もあるが、こんな思いになる事があるだろう。 俺も、多分…過去はそうだったと思う。 けど、早いうちに、俺は最悪と共に「その考え」を変える事が出来た。 それは、過去…癌に掛かった時だ。 癌に掛かると逃げ場のないエリアに追い込まれる。 散々、癌の時にも上記の事を散々考えた。 けど、どうにもならず…頭に描かれたのは信長公の言葉。 ――是非に及ばず。 要は、仕方ない…そう考える事だ。 そりゃ、文句や言い訳もあった…無限に。 けど、考えて考えて考えて…何度も何度も思考は辿るが、結局のところ自分なのだ。 結局は、人は変えられないが自分は変えられる。 この思いを含めて更に考えてみる。 世の中には自分しか居ない訳じゃない。 そして、天候が変われば晴れや雨にもなるのが道理。 素晴らしい世界がたくさんある代わりに、想うように進まない事が殆どと知るべきだ。 けど、諦めるって意味じゃなく、どこを基本に置くか?の問題。 そう――是非に及ばず、だ。 人生は、考えていた基本形で物事は進まず…色んな事件が付加したり、様々な人間が絡んでくる。 その突発的な出来事すらも絡めて、物事を進めていく…それが人生であり”道”なのだ、と思う…。 さて、カリートの道。 尊敬する監督…ブライアン・デ・パルマの逸品だ。 監督の作品を辿れば…ヒッチコックに導かれたような数々の名作を知り、ジャンル問わず時代を駈け廻っていたと知る。 いや、様々な娯楽映画を創りながらも中でも、俺は「スカーフェイス」や「アンタッチャブル」が大好きで堪らない。 険しく切ない…男の道。 そして…時に現れる怨敵と困難の世界。 回避すべき世界を壮絶に観せて男が葛藤する…それが名将がデ・パルマ監督の作品だ。 デ・パルマの世界に触れるだけで俺は震える。 言わば、アレだ。 人生経験よりも時には得るものが多い。 俺にとって、だけど…そんな名画を創る監督だ。 さて、簡潔にカリート・ブリガンテの人生を辿りたい。 元麻薬王のカリートは友人弁護士の力で出所し、自力での更生を誓う。 正しく生きる為、周囲の誘いも断り…悪しき道に通ずる関係を断ち切ろうとした。 けど、現れる困難。 殺しの現場、悪意への誘い…その度にカリートは思う。 「この困難は、先に進む為に仕方ないことなんだ…」と。 だが、人としての義理、己の信念を果たそうとすれば、周囲や状況はそれを許さない。 一体、彼の進む道は…どこに向かうのか。 そして、彼の進みたかった道は何なのか? ただ、一生懸命に道を歩きたかった…カリート。 ――更生後の素晴らしい世界。 ――愛する者と一緒に居る世界。 人を裏切らずに暮らそうとする彼が…疑念で敵に追われる様が…観ていて、ただ苦しかった。 きっと「これは俺の道じゃない…」と思いながら藻掻くカリート。 逃走せずに、己の道を探す彼…そこが「カリートの道」なのだろう。 想えば、カリートの道も、スカーフェイスもそんな映画だった。 例えようのない困難、人による鬩ぎ合の中で巻き込まれてゆく…そんな不条理の嵐…その嵐に立ち向かって生きてゆく。 けど、一方のアンタッチャブルはどうか? 財務官のエリオット・ネスは出向先の警察に散々裏切られ苦汁を飲む。 けど、そんな中でも彼は決心する。 己のプライドを捨てて、敢えて警官の中に飛び込んだ。 そして、マローン、マローン、そしてストーンら仲間を得て、命を賭して…暗黒街の王アル・カポネを追い詰めたのだ。 この突発的な出来事も人生だ。 受け入れる。 困難も祝福も、すべてすべて受け入れる。 そして時に振り返り、こうつぶやくのだ。 これが俺の道だ、と。 そう――是非に及ばず。 . 【映画の奴隷】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2023-02-15 12:23:47) 209.《ネタバレ》 記念すべき初レビューはこの映画と決めていました。(ヒートと迷いましたが) 今までどれほどこちらのレビューを参考にしてきたことか、やっと仲間入りができて光栄です。 さて本作のレビューですが、あらすじに目立った起伏は無いものの、まるで映画のお手本のような作品に仕上がっています。物語としては非常にシンプルですが、カリート(アル・パチーノ)やその取り巻き達の過去まで感じられる台詞の数々はなかなかです。従弟役のジョン・オーティスも”イタイ”若造を好演しており、ビリヤード台のシーンは序盤の見どころの一つになっています。 カリートの独白やゲイル(ペネロープ・アン・ミラー)との語らいが多く、彼らの人生観が掘り下げられていて感情移入しやすい作りになっています。ベネロープとの相性が良いのかアル・パチーノのキャリアの中でもかなり自然な演技が引き出せています。クルクル頭のショーン・ペン(クラインフェルド役)も奇跡の演技で、ラストのアディオス(弾無しで撃たれるシーン)は最高でした。そして怒涛の勢いを維持したままグランドセントラル駅の長回しへ。今までのツケを全て支払ってラストのYou are So Beautiful(ジョー・コッカー版)が流れてくると感動の嵐です。(いや、結末はわかっちゃいるんですが・・) また、本作ではデ・パルマ監督特有の演出やカメラワークがビシバシ決まっていて、パチーノのスカした演技と監督特有の癖がとても良くマッチしています。ビリヤードのシーン、女の部屋の扉をぶち破るシーン、ディスコの階段を上るシーン、四人のマフィアをテーブルで囲ったシーン、エスカレーターでの銃撃シーン等々、デ・パルマお得意の長回し&グルグルカメラのベタ演出がこんなにも決まっている映画も珍しいと思います。 カリートのセリフで「カサブランカ」が出るところもニンマリさせられますが、特筆すべきはオープニングとエンディングで語られるカリートの独白の上手さです。あの独白で一気に物語に引き込まれるオープニングは映像も含めて本当に素晴らしいです。またエンディング曲(ユーアーソービューティフル)も素晴らしいですが、劇中で使われている全ての70年代ディスコミュージックもクールすぎて、本当にもう何から何まで抜かりがない作品に仕上がっています。コテコテな作品ではありますが、私にとっては生涯トップ5の映画の一つに挙げられる名作です! 【アラジン2014】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2022-09-11 18:25:00)(良:1票) 208.《ネタバレ》 微妙。この手の映画に期待しがちな派手な暴力シーンは、期待値を上げたせいかこじんまりした印象。 全体を通して、始めの方のビリヤード酒場のシーンがピークでしたね。あとはさほど工夫も見られず。弁護士の最期も、ごくわずかな間伸び感のせいで台無し。まあ一番の宿敵だからじわじわ死に際を強調したかったのだろうが、そこはスパっと仕上げなきゃだめよ。TVドラマじゃないんだからさ。 冒頭で時系列が逆転しているらしき様子を見たので、その後も時系列嵐なのかと気を引き締めていたら全然そんなことはなく、無駄な緊張を強いられ損した気分。 パーティーに集まる美女達は目の保養になった。 そうそう、時代が変わったというならなぜ女は裏切らなかったのか。女も裏切っていたら映画としてベターだったのに残念。 【ほとはら】さん [DVD(吹替)] 5点(2022-08-05 07:56:42) 207.《ネタバレ》 人生で2度目の鑑賞。1度目の鑑賞のことはボートで色々あったこととラストしか覚えていない。弁護士がショーンペンだったり、ヴィゴ・モーテンセンが出ていたりとか、新しい発見がいっぱいあった。スカーフェイスから10年経ってるアル・パチーノは油が乗り切ってるね。追跡のシーンも古き良き映画っぽくて、わくわくどきどきしつつ涙出てきた。映画って素晴らしいね。素晴らしい映画はいつ見ても素晴らしいね。 【センブリーヌ】さん [インターネット(字幕)] 7点(2022-07-11 16:43:33)(良:1票) 206.人生を描くイーストウッドと、道をあゆむアル・パチーノ アル・パチーノの主演でなければ平凡な展開だったかもしれない。 若き頃のワルさは映像では描かれていないが 今時分のワルさは描かれている。 それは自分に嘘をついて愛する人に本当の自分で嘘をつくことだ。 常に「人(友人、子どもの母になる人、昔の付き合い人)」 が起点となっている。 それは普通の描き方なら「巻き込まれている」 形になるが、 アル・パチーノが描くと、全てを包み込んで受け入れているようにみえる。 だから、正真正銘の悪いやつではなく ワルという片仮名で表記したくなる、格好いい男なのである。 真っ当ではない、しかし他者を裏切れない男という自分を貫く、 そんな魅力が描かれた映画。 【元祖】さん [インターネット(字幕)] 8点(2022-01-01 21:55:12) 205.ショーン・ペンがアル・パチーノを超える存在感と演技力を見せています。カリートには最後は恋人と一緒にバハマに行かせてあげたかったです。終盤の地下鉄からグランセンへの追跡銃撃シーンが圧巻でした。 【みるちゃん】さん [DVD(字幕なし「原語」)] 9点(2021-04-28 09:06:14) 204.アル・パチーノの映画で一番印象に残っている。 最後の駅のシーンはとても悲しかった、 ゲイルと新しい生活を送らせてやりたかった。 夕日に踊るゲイル。 エンドロールを映画の一部だと思い、 これほど切ない気持ちで最後まで見た映画も少ない。 【プエルトガレラ】さん [DVD(吹替)] 8点(2020-10-10 20:20:23)(良:1票) 203.刹那的で平坦さも多い映画だが、何故か引き込まれる。 主人公の「分かっていても変われない」という気持ちが良く分かる。流れる曲もいい(最後とか)。 【simple】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2019-08-16 21:34:49) 202.一番かっこいい時のアル・パチーノ。展開が痛々しいが、それがまたハマっている。駅の銃撃戦はデ・パルマの映画って感じ。 【ラグ】さん [インターネット(字幕)] 6点(2019-08-15 02:15:33) 201.これはもう、Carlito's Wayというよりは、Pacino's Wayであって、いつも通り、というかいつも以上に、存分に映画の中で語りまくってます。手振り身振り全開で、実に気持ちよさそうに語りまくり、おかげで時にはカットが切り替わると手の位置がズレてしまってる、なんて事も発生する訳ですが、そんなの些細なこと。何せ気持ちよくしゃべってるんですから。 デ・パルマも例によって例のごとく、カメラをクルクルと走り回らせたり、疑似パンフォーカスともいうべき合成映像使ってみたりと、お構いなし。 こんなコトばっかりやってると映画がバラバラになりそうですが、この映画、意外に収まりがいいんですね。主人公像にアル・パチーノがよくハマってる。大物のようでありながら、何となくセコい感じがね。ジョン・レグイザモをいたぶるあのエラソーな感じが、実にお見事。 デ・パルマも本作の終盤のクライマックスでは、実に真っ当に追跡劇をスリル一杯描いていて、そう、やろうとおもったらこういう事できるんですよね。できるのにやらないのね。本作ではちゃんと、シビれるほどの盛り上がりを演出してくれます。 で、これらすべてが収斂していく、衝撃のラスト。衝撃的だけど、でもやっぱりこれしかないよね、という説得力があります。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2019-04-14 15:36:44) 200.《ネタバレ》 出だしからやられる事がわかっているので、変に落ち着いて鑑賞できた。 長い映画ではあったが冗長さは感じなかった。 脱獄するボスが、部下にボートぐらい用意させればよいのに、なぜこの弁護士を使ったのか理解できない。(彼が反撃に出る事ぐらい予想できただろうに) 【チェブ大王】さん [地上波(字幕)] 6点(2019-04-07 10:26:06) 199.《ネタバレ》 ノワールの雰囲気はよく役者もハマっているが、全体的にテンポが悪く冗長感は否めない。長尺を詰めてテンポよくすればもっと引き込まれたろうに。 クラインフェルドが刺されても死なず、カリートの面会も警官のあっさり身体検査で実現等、ご都合主義が目立つ。クラブ・パラダイスからカリートが逃亡する間、のほほんと待っているマフィアもマヌケな展開。 コートを着たカリートがホームから列車に乗って逃走するシークエンスは、監督の敬愛するヒッチコック映画を思わせる。だが、妙にコメディまがいの印象で、ドリフのコントを観ているような脱力感を覚える。 「パチャンガがベニーに買収されて俺たちを見張ってる」・・・このセリフは伏線というよりネタバレだね。忠告を無視し、買収されたと知りながらパチャンガにゲイルを駅まで送らせるのは(文字通り)致命的だ。冒頭の回想でカリートの運命を認識済みとはいえ、同行させた時点でその後の展開が容易に想像できる。 【風小僧】さん [CS・衛星(字幕)] 3点(2018-11-25 14:01:22)(良:1票) 198.ショーン・ペンの演技の方に目がいってしまいますが、どう見ても本気で足を洗おうとしているようにはみえない主人公。先が読めないのかアバウトなのか、どんどん冒頭のシーンに向かって突き進んでいきます。裏切と死が隣り合わせの世界は当事者でなくても見ているだけで疲れます。 【ProPace】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2018-10-20 11:29:28) 197.《ネタバレ》 やっぱりパチーノのギャング物はハズレませんねえ。 本人は本気で足を洗おうと思ってるのに、どんどん巻き込まれていく。(まあ裸一貫で出直すんじゃなくて、まず儲けてからってのも悪いんだが) ヒロインもヌード含めて魅力的。 出てくるやつはほぼ全員ワルで、ほぼ全員死ぬ、そして残ったのはまだ生まれてない息子。で、彼もやっぱり・・・なっちゃうんでしょうねえ。 【くろゆり】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-10-11 23:50:53) 196.カリートのキャラクターは好きにならざるを得ない。そしてこれだけ裏切りそうな人物が多けりゃ見逃せませんわな。 【さわき】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-10-09 18:59:59) 195.アル・パチーノのキャリアで第2絶頂期ともいえる時期の名作。 スカーフェイスでのぎらつきが上手く抜けて、哀愁と円熟を感じられる演技と演出が光っている。 丸くなった…というよりはデパルマにしろパチーノにしろ、より洗練された感があり、 銃撃シーンやサスペンスシーンの撮り方・盛り上げ方はお手本級の完成度。 ラストの鉄道でのチェイスシーン、そこからの華麗な銃撃戦はもう悶絶もの。 アンタッチャブルの階段落ちに匹敵するぐらいにカッコいい。 【nakashi】さん [ブルーレイ(字幕)] 10点(2018-03-24 20:47:20) 194.《ネタバレ》 「スカーフェイス」(1983年)の10年後に製作された本作は、作品自体が「スカーフェイス」が10歳年を取ったような映画となっている。なんとなく「スカーフェイス」から毒気を抜きとり、角を全て取って丸くしたようなマイルドさがあるのだ。アルパチーノ演じるカリートはベテランのマフィアだが、その世界から足を洗い、愛する人との平穏な第二の人生を夢見る男。このカリートがとにかく良い奴で、つい応援したくなってしまう。冒頭から、最早あまり女性にも興味が無いような態度が描かれていたり、とにかく「これからは真っ当に生きていこう」とする真面目な(?)姿勢が描かれる。自分自身を曲げないところなどの共通点はあるものの、これはトニーモンタナからギラギラした要素を全て抜いたような男である。デパルマの演出はまさに円熟の域に達している。また、全体的にクスッと笑えるようなコミカルな演出が意図的にされているのも特徴だろう。「大人のためのマフィア映画」といった趣があり、また上質な映画が持つ独特な時間軸を有している。 【rain on me】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2017-10-26 09:08:52)
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