みんなのシネマレビュー

戦場のメリークリスマス

Merry Christmas, Mr. Lawrence
1983年【日・英・豪・ニュージーランド】 上映時間:123分
ドラマ戦争もの同性愛もの小説の映画化クリスマスもの
[センジョウノメリークリスマス]
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2024-03-01)【イニシャルK】さん
公開開始日(1983-05-28)


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監督大島渚
助監督リー・タマホリ(第1助監督)
キャストデヴィッド・ボウイ(男優)ジャック・セリアズ
坂本龍一(男優)ヨノイ大尉
トム・コンティ(男優)ジョン・ローレンス
ビートたけし(男優)ハラ軍曹
ジャック・トンプソン(男優)ヒックスリー
ジョニー大倉(男優)カネモト
室田日出男(男優)ゴンドウ大尉(新収容所所長)
内藤剛志(男優)イワタ法務中尉(軍律会議審判官)
金田龍之介(男優)フジムラ中佐(軍律会議審判長)
戸浦六宏(男優)軍律会議通訳
内田裕也(男優)拘禁所長
三上寛(男優)イトウ憲兵中尉
本間優二(男優)ヤジマ一等兵
三上博史(男優)日本兵
飯島大介(男優)ウエキ伍長
池田勝ジョン・ローレンス(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
脚本大島渚
音楽坂本龍一
撮影杉村博章
成島東一郎(撮影監督)
製作ジェレミー・トーマス〔製作〕
テレビ朝日
プロデューサー原正人(エクゼクティブ・プロデューサー)
配給松竹
松竹富士
日本ヘラルド
美術戸田重昌(美術監督)
編集大島ともよ
字幕翻訳戸田奈津子
その他東京現像所(現像)
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未見の方は注意です!




【クチコミ・感想】

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157.《ネタバレ》 20年前に初めて見た時はついていきづらい映画だなと思っていたが、久しぶりに見てみると、やはり言いたいことはよく分からないものの、意外にも昔よりは退屈せずに見られたし、ジャック(デビッド・ボウイ)とヨノイ(坂本龍一)、ハラ(ビートたけし)とローレンス(トム・コンティ)という二組の関係が描かれているが、同性愛描写も思ったほど気にならなかった。久しぶりに見て印象に残ったのはジャックがヨノイにキスをするシーン、以前に見たときはとくに何も思わなかった覚えがあるのだが、このシーンが非常に美しく、このシーンだけで映画の格調はかなり高まっていると思う。それよりもドラマとしてはハラとローレンスの関係のほうが印象に残り、中でもやはり酒に酔ったハラがジャックとローレンスを無断で開放し、サンタクロースの話をして、それがラストカットのハラの「メリークリスマス、ミスターローレンス」というセリフにつながっていくのは単純といえば単純かもしれないが、素直に巧いと思った。それにやっぱり、このラストカットのハラの笑顔がなんとも切なくて良く、そこからの坂本龍一のテーマ曲の入りが最高。(この一連のくだりだけだともっと高評価なんだろうな。それにタイトルも邦題より英題のほうが好きだ。)たけし監督作の「BROTHER」でもそうだったんだけど、切腹シーンはなにか海外のマーケットを意識しすぎているように感じてやっぱり気になってしまったのがちょっと残念だった。それにしてもたけし、今テレビに出てるのを見慣れてると、このころはかなり若いなと思わずにはいれない。(2020年1月19日更新) イニシャルKさん [DVD(邦画)] 6点(2024-02-29 19:53:16)

156.《ネタバレ》 “Merry Christmas, Mr. Lawrence”『ローレンスさん、あなたに祝福を。』
…思いっきり意訳ですが、今回改めて観て、こんなニュアンスじゃないかな?と感じました。
何だか不思議な映画ですよね。いろんな解釈ができそうで、名作なんだか駄作なんだか判断に迷います。ただ私は好きですこの映画。
そして音楽が良いですね。メインテーマはもちろん神曲ですが、“The Seed and the Sower”(1:30~)も負けじと名曲です。この映画が好きな理由に、神がかってるシーンが幾つかあって、そのシーンには必ず上の2曲が入ってます。

クリスマスとは縁遠そうな早朝のジャワ。ヤシの木の下を歩く軍服の男2人・ハラとローレンス。ここにメインテーマを被せる。このチョイスが素晴らしい。
脱走するセリアズの前にヨノイが現れ軍刀を抜く。『セリアズを斬りたくない』って表情に出てるのがもうたまらない。“The Seed~”の入り具合が完璧です。
酔ったハラ軍曹「ローレンスさん、ファーザルクリースマス。ご存知かな?」この時のハラさんの『合ってるのかな、意味通じてるかな』って表情が最高。俘虜なのに“さん付け”で呼ぶのが、平時のハラの人柄を感じさせて良い。「今夜!ワタシ!ファーザルクリースマス!」拙い英語に気持ちが感じられます。
ヨノイにキスするセリアズ。奇跡のスローモーション。あれ偶然撮れたそうで、そんな奇跡もあるものですね。そしてセリアズの髪を斬り敬礼するヨノイ。共に“The Seed~”が掛かります。
最後のハラのアップ「メリークリスマス!メリークリスマス!Mr.ローレンス」。
想像ですが、ハラとローレンスのシーンで掛かる“Merry Christmas~”は西洋(イギリス)の神を、セリアズとヨノイのシーンで掛かる“The Seed~”は東洋(日本)の神をイメージした曲じゃないでしょうか?
私はこの映画を、セリアズの中に神を見たヨノイ。ハラの中に神を見たローレンスという2つの話と解釈しました。

ヨノイは収容所の長。あの狭い世界では王のような存在です。2・26事件に参加できず、死に場所を失って今に至ります。神になり損ねたんですね。当時から話題のメイクは、ヨノイが『バッチリ化粧をした軍人さんだった。』という意味ではなく、美しい神でありたい、ヨノイの心の内側を視覚的に表現したのが、あのメイクだったんでしょう。なのできっと『メイクはオカシイ』なんて悪評が出るのも、大島監督は織り込み済みだったと考えます。
そんな収容所にセリアズが現れます。彼は処刑を恐れ、過去の弟との関係を後悔して生きる、普通の人間です。だけどヨノイから見て、(心に)メイクなどしなくても美しく、常に毅然とした態度のセリアズは、西洋の神そのものでした。
カネモトとデ・ヨンが死に、ヨノイは全ての俘虜に行(ギョウ)を強要。一方セリアズは花と盗んだまんじゅうを与えます。東西の文化の違いであり、神が民に与えるものの違いでもあります。
セリアズたちの脱走の際、ヨノイは遂に死に場所を見つけました。死んで軍神となりたい。そんなヨノイを見透かすように、セリアズはナイフを捨てます。ヨノイはここでも死ぬことが出来ませんでした。
遂にヨノイは俘虜全員を集合させ、重病人を死なせ、命令を聞かない俘虜長を斬り殺そうとします。セリアズっは身を挺して俘虜長を守り、ヨノイに博愛のキスをしました。ここでヨノイはセリアズの中に本物の神を見て、自分は神にはなれないのだと思い知らされました。

ハラはこの小さな世界では生殺与奪を与えられています。朝鮮人のカネモトを処刑しようとし、無線ラジオの件ではヨノイの判断を仰がず、独断で真犯人のチョウ?(と聞こえる)を処刑し、ローレンスたちを釈放しています。そんな勝手な事をして自室謹慎だけで済まされてます。そのためセリアズがヨノイにキスする場面は観ていません。
首から数珠を下げ、お経を唱える熱心な仏教徒のハラが、酒に酔って「ファーザークリスマス(イギリスのサンタの呼び方)」と、異教徒の神を名乗っておどけてみせます。立場は違えど友情を感じているローレンスへの好奇心から、彼らの信じる神がどんな存在か調べたのかもしれません。
処刑の前日、面会に来たローレンスに、ハラは流暢な英語で話します。好奇心の強いハラは、イギリスの文化と言葉を勉強していました。
そして別れ際、ローレンスの「Goodbyeハラさん、God bless you(あなたに神のご加護を)」に対し、ハラは「ローレンス!」と呼び止めます。『ローレンスさん、あなたに祝福を。祝福を。』ハラが思う最上級の贈る言葉。この時ローレンスはハラの中に本物の神を見ます。
…こんな解釈で、どうでしょう? K&Kさん [地上波(字幕)] 7点(2024-02-21 01:44:44)(良:1票)

155.《ネタバレ》 公開当時、劇場には見に行かなかったのですが、姉貴所有の坂本龍一による同名のサウンドトラックおよびピアノヴァージョンの「CODA」が録音されたカセットテープを聴きまくりました。インストゥルメンタルをじっくり聴くということに目覚めたきっかけでもあり、音楽作品として相当な思い入れがあります。また、何故か写真付きのシナリオ本も家に置いてあったりして、音楽と台本と静止画からイメージを膨らませていました。テレビ放映で部分的に見たことはあると思いますが、公開から30年以上たって初めて通して鑑賞することに。内容としてはジャワ島の日本軍外国人俘虜施設での日本軍兵士と外国人兵士の交流を描いているのですが、とにかく理解しづらいの一言に尽きます。ローレンスとたけし、デヴィッド・ボウイと坂本龍一の2つの関係が軸になっているのはわかるのですが・・・ある程度背景や事情がわかるはずの日本人が見ても、作家の意図を酌むことが難しいので(少なくとも私にはできなかった)、いわんや外国人をやです。多くの外国人を含む演じ手達が、作家の意図がわからず、迷いながら演じていたのではないかと邪推してしまいます。前作「愛のコリーダ」でも感じたのですが、この作家は、印象的な構図の絵をつくるのには長けていると思うのですが(首に敬礼のシーンや、最後の顔アップとか)つなぎや流れがいまひとつで、狙ってる感が出てしまうんですよね。と言うのが、英語が聞き取れない日本人が、日本語字幕の無い北米版blu-rayで見た感想です。また、音楽は大好きなのですが、BGMとしては音楽が勝ちすぎていると思いました。赤道直下、熱帯の中の熱帯と言っていいのですが、その割には映像がおとなしく、絡みつくような蒸し暑さなどが感じられないのです。饒舌な音楽がその現実感の無さに拍車を掛けているような気がします。 camusonさん [ブルーレイ(字幕)] 5点(2023-10-12 19:09:41)

154.【4K修復版で鑑賞。】
チネチッタは最近…メェ――ッチャ好みだ。
観たかった映画が。これでもかとリバイバルされてる。
2001年宇宙の旅も、七人の侍も全部面白かったなー。

つー事で、今回は古い映画に。
何でも4K修復されてるとの事で気分がグングンと入ってくる。

――戦場のメリークリスマス(1983年)

この映画は、既に何度か観ているんだが…痛感した事。
それは、観ている映画でも「(一定以上の)時間を経過」させると印象がガラリと変わる。
別に自分の事を偉く言うつもりは無いが、きっと「観なかった期間の、人間的な成長」がそれを感じさせるのだろう。

今まで、それを強く感じたのは映画版の「機動戦士ガンダム」だ。

最初は赤い彗星シャア・アズナブルのカッコ良さに惹かれ、凄く好きになる。
けど、大人になって「下の者を引っ張る立場」になれば、ランバ・ラルの責任感と、実直かつ老獪な仕事への取組みに惹かれ…
そして、「さり気なく難関な仕事を熟す」マ・クベに対して(嫉妬も半分含め)素晴らしい男だなー、なんて考える。

何より、結婚したり、子供が出来ると余計に胸に来るシーンは、ブライトとアムロの母のシーンだ。
息子であるアムロを預かり、彼の母に対して「息子さんをお預かりします!」と凛々しい言葉を残すのが、20歳を超えてない青年ってのが、否が応でも「戦争の悲惨さと非情さ」を表現している。

さて、その――「戦争の悲惨さと非情さ」だ。

本作、戦場のメリークリスマスは相当に訴えていた。
設定の秀逸さも素晴らしいが、戦争映画とセットになりがちな流血沙汰はあまりなく、それよりも「精神的に追い込まれてゆく様」の描写が凄まじい。

では、追い込まれてるのは誰なのか?
それは「捕虜」たちだけではなく「日本軍の者も」だ。
人間的な好き・嫌いはあるだろうが…観た人、観る機会がある人は考えて欲しい。

作品の日本兵は誰もが軍務に忠実なのだ。

俺の持論ではあるが、「自由とはサボる権利を有してる事」と思っている。
この映画では、誰もサボる事なく任務に就き…それ故に悲惨な状況が次々に発生する。
そんな中で、常に現場的に対処して苦悩するが故に、日本兵が悲惨さを引き起こすトリガーと成ってしまう。
この体系を作った上の人間は、この悲惨さを知っているのだろうか?

劇中でデヴィッド・ボウイの幼少時代が描かれている。
子供の頃から、歌う事が好きな弟を護って来た彼なのに…弟が自分の通う高校に入って来た時に新人歓迎の”イビり”に遭遇する。
服を脱がされ、無理に歌わされ…弟はそれ以降、歌う事が無くなった。
勿論、それ以上の悲惨な光景はなかったが、それ以降は弟ととの距離が出来てしまい苦悩する。
助ける事が出来なかった…いや、助けなかった彼は、ずっと自分の行為を悔いている。
今は捕虜にされてる戦場だというのに。

人はそれぞれ、そんな悔いと共に生きているはず。
それは敵対するイギリス兵だけじゃなく、日本兵もみんな同じだろう。
そして、それが「戦争という括りの中」で、平等に与えられる人間の所業だ。
誰もが苦悩し、苦しむ…なのに、それを引き起こすのも人間。

たけしが演じる「ハラ軍曹」が見せるラスト。

「メリークリスマス!Mrローレンス!」

明日、処刑されるのに笑顔のハラ軍曹。
狂気なのか?後悔なのか?
それは、まだ…今の俺には分からない…未熟だ、俺は…。
けど、祝うべきクリスマスを創ったのも戦争を起こす人間なのは解る。

戦争を起こすのは人間。
終戦後、強引に敗戦国を裁くのも人間。
忠実に軍務に励もうが…関係ない。
反論させない為には命を奪って処刑するしかない。

だが、デヴィッド・ボウイが見せた坂本龍一へのキス。
憎しみと醜悪の戦場の中、愛のキスを彼に示した事…。
それこそが、あの映画のテーマなのかも知れない。

そして――あの映画音楽。

この美しい調べの中に…うん。
人間が向かうべき場所が示されているのかも知れない。

また、何年かした後…
俺は、その場所をこの作品で探したい。

見つかると信じて。

     *

     *

Blue Jean(Official Video)を聴きながら。
. 映画の奴隷さん [映画館(字幕)] 8点(2023-01-18 23:25:08)

153.《ネタバレ》 巨匠と言われると、誰しもが文明論映画に挑戦したくなる。
かくして、異才大島渚の放った文明論が、本作である。
「戦場にかける橋」のアレックギネスをデビッドボウイに仕立てた快作と思った。

なるほど、外国賞狙いだったか、欧米の兵士の方が人間的で共感できる。
日本兵の方が狂気的に描かれてる。

が、ここで、ちらりと日本らしさを出したのが、
クリスマスの夜、たけし演じるハラ軍曹が、酔って、今夜は
俺がサンタクロース、お前らは特赦だ、と英国兵に告げる場面である。
そこがラスト、効いてくる。

ロレンスがハラの処刑される前日、神のご加護を、と告げると、
ハラのどアップで「メリークリスマス」と言って、映画は閉じる。
どういう解釈か?は人によって違うだろうが、
僕は、日本人は、みんなが神なのだ、ということで、最後のどアップに
繋がるのだろうと、そう思った。

今夜はクリスマスイブ。
メリークリスマス♪ トントさん [ビデオ(邦画)] 7点(2022-12-24 21:32:48)

152.評判の割には面白くないが、坂本龍一の音楽が印象的な作品でした。ところで、セリアズの弟のエピソード、必要か? クロさん [地上波(邦画)] 3点(2021-12-31 19:58:42)

151.《ネタバレ》   
子供のころ観て、Dボウイ展の影響で再見。

あの頃は、あまり良くわからず
ボウイのファンだったから見にいって
それなりに印象には残っていたが、まぁ、そこそこ。

でも、あれからいろいろなことがあって大人になり、
ああ、こういう映画だったんだと。
決して同性愛だけの映画ではない。
こんなの、子供には分かるはずもないよ。

大人になった今、再見して良かったと思います。



追記(2021.11)

先日、「戦メリは名曲なのに、ホモ映画に使われたのが惜しい」という意見を言う人と同席しました。
それはその方の意見なので特に否定もしませんでしたが。


この映画は同性愛を描いた映画ではない。
価値観が異なる人たちがゴッタになる収容所という場所。

日本と欧米。
生死感。

捕囚長のイギリス将校は頑なに日本人を見下し、
ヨノイ大尉は帝国軍人としての誇りを第一にして振舞おうとする。
ただ、忌避すべきはずの同性への恋慕の感情に取り乱しながら。
そしてセイアズの抱擁とキスを受けて、ヨノイ大尉の全てが崩壊した。
軍人であるべしとした自分の価値観や誇りに隠れていた自分自身を知ってしまったから。
自分自身の誇りと愛をこめて遺髪を取り、去っていく。


ハラ軍曹は粗暴で雑なようで、誰にも何も語らず自分自身を見ている。
ローレンスに感じる友情のような感情が自分にあることも、
帝国軍事としてなすべきことをしている非道な自分も。


酔っ払いながら、俺はクリスマスファーザーだと、ローレンスを独断で釈放したハラ軍曹は
帝国軍事として恥ずべき行為であっても、規律違反であっても、
友人でありたいと思っていたローレンスを死なせたくないという自分がしたいことをした。
自死することになったとしても、自分がしたいことを。
酒のせいで思ったのか、そう思いきるために酒の力を借りたのか。
個人的には後者と思いたい。


その結果、ローレンスは生き残り、敗軍の将として明日の処刑を待つハラ軍曹の下を訪れる。
何も出来ない無力感のまま席を立つローレンスに、
強く厳しい、収容所の時のようにハラ軍曹はローレンスを呼びつけ、
キラキラした笑顔で、メリークリスマス、ミスターローレンス、と声をかける。

君が生きている。
メリークリスマス、ミスターローレンス。
俺はクリスマスファーザー。
君の未来を贈ることが出来たから、俺に何の悔もないよ。
メリークリスマス。
と、ハラ軍曹はキラキラした瞳でローレンスを見つめる。


大戦時の日欧の情勢も、愛する者の性別も、個に生きるか組織に従うかも。
価値観はそれぞれに異なる。
ただ、その異なった価値観を越えて、誰かを想ったり与えたりすることはできないのか。
立場を越え、憎しみや痛みを越えた先にひとりひとりが想いあうことができれば。。。 こっちゃんさん [DVD(邦画)] 9点(2021-11-17 21:20:54)(良:1票)

150.《ネタバレ》 これは邦画になるんだろうか?(笑)
デヴィッド・ボウイの二枚目ぶりが際立っていました。というのが第一印象と、有名なテーマ曲を聴くことができて満足。
戦争映画であるけれど、戦闘シーンは皆無。旧日本軍の捕虜に対する待遇やイギリスでの階級主義、障害者の蔑視などが容赦なく描かれていてその点は強烈でした。
そして、国が違うことによる死生観、倫理観の違い、しかし少しだけ「クリスマス」という特別な日にわかりあうことができた。ラストで、メリークリスマス、というのは中盤と一緒。しかそ名前に敬称をつけるところ。誰が良くて悪いのか、ではなく、互いの信念のもとに一部の者が争い、それに巻き込まれた哀れな登場人物たちの哀れさ、そしていくばくかの救いを感じられるセリフだった。 クリムゾン・キングさん [映画館(字幕)] 7点(2021-08-01 20:52:00)(良:1票)

149.《ネタバレ》 太平洋戦争時のジャワ島の捕虜収容所を舞台にした作品。
登場人物みな軍人・軍属でありながら、戦闘シーンはまったく無い不思議な作品です。

太平洋戦争、捕虜収容所、と来ると、反戦映画かぁと連想してしまいますが、直接的な反戦のメッセージはありません。
ただ、戦闘による殺し合いは無くとも、戦争という極限状態での人間の葛藤が何重にも描かれており、やはりこれは反戦映画なんだろうなとも思います。

ビートたけし演じるハラ軍曹は、捕虜たちを折檻する残虐な軍人である一方で、欧米の文化に憧れを持つ素朴な顔を見せたり、処分覚悟で軍規を破り捕虜を助ける心優しい面を持つ人物として描かれています。
坂本龍一演じる収容所長ヨノイ大尉は、自らを厳しく律する青年将校で、聡明で寛容な人物として描かれているのにも関わらず、終盤では捕虜たちにエキセントリックな振る舞いを見せ、抵抗を見せた捕虜長を殺害しようとします。

ハラ軍曹は、恐らく元々はシャイで心優しい人柄の人物だったのでしょうが、戦争という極限状態のなか、軍人として生き抜いていくためには粗暴な人物にならざるを得なかったのではないかと感じさせます。またヨノイ大尉は、聡明で寛容な人物であるのに、大日本帝国陸軍という異常な組織の中で、また敗色濃厚となった情勢に鑑みて、自らの知性や理性をかなぐり捨てて、残虐な収容所長にならざるを得なかったのではないかと推察されます。
戦争という極限状態のなか、本来の自分を封殺して生きざるを得なかった2人の悲しい姿が印象的でした。

大島渚という一筋縄ではいかない怪人物が作ったこの作品、決してわかりやすい作品ではないので、私の考察も間違っているのかもしれません。いや、恐らく一面的な解釈ができる作品ではなく、解釈は観客に委ねられた作品なんでしょうね。
デヴィッド・ボウイ演じる捕虜セリアズのキスシーンや、ラストのハラ軍曹の「メリークリスマス」は、いくつもの解釈が可能なシーンであり、正解は恐らく無いんだろうなとも思います。

ビートたけし、坂本龍一、デヴィッド・ボウイ、内田裕也、ジョニー大倉といった、役者が本業ではなく演技上手ではない人たちがキャスティングされたことで、独特の雰囲気を持った作品でもあります。
なかでもビートたけしと坂本龍一の演技は、セオリーから言えばとてつもなく酷い演技なのだろうなぁと思いますが、ハラ軍曹やヨノイ大尉の人物像には不思議と合っていて、大島渚の天才ぶりを感じます。 りょうちさん [インターネット(邦画)] 8点(2021-02-03 01:08:59)(良:2票)

148.《ネタバレ》 坂本龍一さんの音楽大好きです!
特に戦場のメリークリスマス ピアノは最高です。
これが弾きたいがために電子ピアノを買って練習したほどです。

こんな素晴らしい音楽の映画も見ておかなければと思って観てしまいました。
記憶から消すことにします。
音楽だけはいいのですが、びっくりするほどにミスマッチです。
肝心の戦場のメリークリスマスでさえもピアノだけなら素敵なのですが、映画でかかっている音楽は
イマイチでした。 メメント66さん [インターネット(字幕)] 3点(2020-11-08 23:27:15)

147.《ネタバレ》 大島渚監督の名作だけど、ちょっとした同姓愛描写が興ざめなんだよね。若きタケシくんは鬼軍曹を熱演。単調なヤクザ演技はこの頃から「アウトレイジ」そのまんまやな。荘厳なオンガクはグッドだ。 獅子-平常心さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2019-09-23 21:31:52)

146.《ネタバレ》 封切り時に見た時は、佳作と思えた。でも、今考えてみると、いいのは、坂本龍一の音楽とたけしのラストの一言だけだなあ。 にけさん [映画館(邦画)] 7点(2019-02-03 19:14:52)

145.《ネタバレ》 正直さほど印象に残らない映画なんですが、後から振り返ると宗教、人種、差別、同性愛とかを上手く戦争に絡めてたのかなと。

ただ面白いかと言われると。。。たけしが「メリークリスマスMr.ローレンス」と言うまでの流れにイマイチ説得力が無いのが良くない。坂本さんは演技下手くそでした。とまあ書くこと自体は色々あるんでしょうが、さほど印象に残っていないというのが正直なところ。音楽でかなりリカバリーした映画だと思います。 なすさん [インターネット(字幕)] 6点(2018-06-03 09:48:44)

144.おそらくこの映画について、今後の人生において言及することは二度となさそうなので、ここで言及しておく。

高校生の時に映画館で見た。おどろくほど退屈な映画だった。
まさに映画没落期を立証するようなくだらなさ。
二度と見たくない。ちなみに近所に図書館があって、DVDの貸し出しがある。それでも借りることはないだろう。 おら、はじめちゃんさん [映画館(字幕)] 2点(2018-03-19 03:35:22)

143.公開当時は大変話題になってましたが、音楽がよいものの映画本体はたけしの存在感が感じられた位で、他に特に感ずるものがありませんでした。特にメイクした坂本龍一の陸軍将校役が全然似合っておらず所作も違和感ありまくりで。。 クリプトポネさん [DVD(邦画)] 3点(2017-08-13 11:31:45)

142.やっぱりセリアズの弟のくだりは・・・? すたーちゃいるどさん [DVD(字幕)] 5点(2017-04-30 18:42:00)

141.この作品の素晴らしさを全く理解できない私に問題があるのでしょうが、
まったく面白くないし、芝居も全員下手。話の組み立ても起承転結もなくだらだらと過ぎていくだけ。
音楽以外に誉めるものがない。なぜ、この作品が、かつて賞賛を受けたのかまったくもってサッパリです。
きっと私の修行が足りないのでしょう。きっとそうなのでしょう。 バニーボーイさん [地上波(邦画)] 0点(2017-02-24 22:44:13)

140.俳優ではなくミュージシャンの坂本龍一、デビットボウイと当時お笑いの売れっ子北野武の起用はなかなか面白いと思う。ただ、何を伝えたいのかは全く分からない。大島渚の独りよがり映画。 イサオマンさん [地上波(邦画)] 3点(2017-01-02 20:00:44)

139.《ネタバレ》 原作があるんですね。相当映画では端折っているのでしょう。登場人物たちの関係がさっぱり掴めず、つらい2時間でした。あの美しいテーマ曲も効果なしだったように思います。それにしても、日本人で演技(滑舌含め)出来ているのがたけしさん一人だけとは、どういうことか。 次郎丸三郎さん [DVD(字幕)] 5点(2017-01-01 14:25:58)

138.まず音楽は素晴らしい。坂本龍一の音楽は一流だが演技は二流でしたね。たけしも同様だがまあ見れたもんじゃなかった。
外国人目線で作ったかのような妙な文化と人間関係。不自然だらけだった。
戦場?収容所のメリークリスマスじゃないの? mighty guardさん [CS・衛星(字幕)] 4点(2016-09-19 19:15:57)

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【点数情報】

Review人数 157人
平均点数 6.32点
010.64% line
131.91% line
242.55% line
3106.37% line
4138.28% line
51912.10% line
63119.75% line
73119.75% line
81610.19% line
91710.83% line
10127.64% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.08点 Review12人
2 ストーリー評価 6.29点 Review17人
3 鑑賞後の後味 7.64点 Review17人
4 音楽評価 8.65点 Review20人
5 感泣評価 7.16点 Review12人

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