みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
7.《ネタバレ》 興行的に失敗し酷評を受けフレッド・ジンネマンの遺作となった本作を念願叶っての鑑賞。気骨の監督による、何があっても、どんな結果が待ち受けようとも、信念を貫き通す数々の人物にひれ伏してきた身にとっては、不倫且つ近親相姦のカップルの物語に「監督は枯れてしまったのか?」「酷評も止む無しか」とガックリ。しかし、クレパスから40年ぶりに回収された遺体の許嫁だった老婆に、スケールは小さくなったものの監督の持ち味健在を感じられました。抜群のロケーションでの峻烈な映像美も監督ならではのもの。鑑賞した値打ちある秀作。 【The Grey Heron】さん [映画館(字幕)] 7点(2019-01-13 22:56:50) 6.少女のやや異常な成長物語。身内の人間に男を見てしまった少女が、そこから巣立っていくまでのいささか精神病理学的な物語なんだけど、そういうのにありがちな異常の押し付けがましさや大袈裟なシーンを伏せ、淡々と進めていくところが巨匠の上品なとこ。氷の中に封じ込められてしまった死体が、幼時の叔父への憧れが凍りついてしまった女性と重なっていく。それが次第に融けていくストーリーで、外の世界=ガイドの男も絡んで、視線のドラマが堪能できた。人物には脇や背後から光が当てられ“ワケアリ”の翳りを出している。ヒロインの笑顔が微妙に曇っていいんだな。これ最初はモノクロで撮りたかったそうだが、氷河の内側のトロッとした緑を出せただけでもカラーにした甲斐があったんじゃないか。少女時代の憧れが心の底にまだ光りヌメッてる感じ。ケイトの側のドラマは丁寧に描かれてるんだけど、叔父さんの側がちょっと弱いか。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2012-12-09 09:33:05) 5.《ネタバレ》 ガイドを含めた三人の男と女の関係の展開にしても、たっぷり導入している登山シーンにしても、たいした盛り上がりや派手さが無いのに、めちゃめちゃ見応えがあるんですよねー。ラストの一人が岩にあたって転落し、一人が戻ってくる。このシーンの見応え、女はどちらが戻ってくるのを本当に願ってたのか? でも確かに邦題は意味不明なんですけどね。 【よし坊】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2007-07-01 08:57:38) 4.どのへんが「氷壁の女」なんでしょうかね。ショーン・コネリーの渋さに恋愛が混ざるとなんともいえない雰囲気です。捻りのないすっごい普通な感じがするんですが、壮大な山岳ショットにちょっとホレボレなんですが、この手の映画はちょっと苦手でして。。でもフレッド・ジンネマンの遺作としてはちょっと惜しいように思うんだけどなぁ。 【M・R・サイケデリコン】さん [地上波(字幕)] 5点(2007-06-18 14:36:40) 3.原題も今ひとつだけど、この邦題は全然中身の本筋と違ってないかい?ま、内容的にも、3人の間でもっといろいろな心理戦のやりとりが繰り広げられると思っていたので、あまりにもそのまんまでストレートな展開に拍子抜けしました。ただし、岩登りや垂直下りなどの場面で、変に脅かす演出(ハーケンがずれて抜けそうになるとか、足場が崩れるとか)をほぼ入れずに、急斜面の迫力と登場人物の手足の動きをじっくりと撮りきることで緊張感を出していたのは印象的。 【Olias】さん [地上波(字幕)] 4点(2007-03-29 04:19:55) 2. 巨匠フレッド・ジンネマンの有終の美を飾る遺作となった映画がコレ。渋さで売り始めたコネリーの魅力をJ・J・アノーやデ・パルマより誰よりも素早く見抜き、主演に据えた慧眼は流石。しかも、サイレントの巨匠エリッヒ・フォン・シュトロハイムの傑作「アルプス颪」を連想させるが如き重厚な山岳映画である。CGやらSFXなんぞ一切使わなくとも「クリフハンガー」や「バーティカル・リミット」なんかよりゃ遙かに秀抜な登山場面は演出力とカメラワーク次第で撮れるのである。要はセンスの問題であり、そこが人の心を打つ分かれ目なのではないかと考えたりもする。主演のコネリーのみならずベッツィー・ブラントリー、ランベール・ウィルソンもジンネマンの演技指導により目を見張る好演。名監督とは俳優の持てるポテンシャルを存分に引き出せる監督であり、その意味でジンネマンは矢張り優れた名伯楽であったのだなぁと意を強くした。ただ、97年に亡くなるまでの15年間にあと1作は発表して欲しかった…!それだけが心残りでつくづく惜しまれる。 【へちょちょ】さん 8点(2003-10-15 04:47:23) 1.おぼこ娘風のベッツィ・ブラントリーが、ハダカを見せる一瞬のシーンがあまりに強烈すぎて、作品全体の印象トンじゃってます。すみません。それでもあえてコメントさせていただいたのは、フレッド・ジンネマンへの敬意を込めて。この遺作は、結果的にこれまでの彼の重厚かつ野心がギラギラした鬱陶しい「名作」にはない、軽やかな叙情と、諦観、そして”若さ”へのアンビヴァレントな感情が、見る者の心に染み通っていくようでした。最後に美しい映画を残してくれて、巨匠ありがとう! 【やましんの巻】さん 8点(2003-05-30 18:48:10)
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