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ビフォア・ザ・レイン

Before The Rain
(Pred dozhdot / Пред дождот)
1994年【仏・英・北マケドニア】 上映時間:115分
ドラマ戦争もの
[ビフォアザレイン]
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2020-07-25)【かっぱ堰】さん


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監督ミルチョ・マンチェフスキー
キャストカトリン・カートリッジ(女優)アン
ラデ・シェルベッジア(男優)アレキサンダー(アレックス)
フィリーダ・ロウ(女優)アンの母親
脚本ミルチョ・マンチェフスキー
製作サム・テイラー[製作]
配給大映
字幕翻訳太田直子
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未見の方は注意です!




【クチコミ・感想】

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15.《ネタバレ》 オムニバス3部構成。第1部は、海を背にした僻地に建てられた修道院を舞台にした話。第2部は、うってかわって、都会で写真誌の編集者として働くキャリアウーマンの話に。不意に襲う暴力の暴発しか共通点がないなと思ってたところ、第3部で、すべての話がつながるような構成です。イニャリトゥの「アモーレス・ペロス」に構成や雰囲気が似てるような気がしますが、本作の方が全然古いので、この手の作品としては先駆けだったのかも知れません。第3部でうまくつながって、なるほどと思う反面、第1部で目の色変えて少女を追っかけていたのに対して、第3部でいとも簡単に逃がしているなど違和感も残ります。日常の中の非日常をさりげなく切り出していると思うのですが、全体的に詰めが弱いというか。人の死が、印象に残ると言うより、逆に受け手を不感症にしてしまうようなところがあります。不意に訪れる理不尽な死のリアリティはあるのでしょうが、感情の方が追いつかず、あまり残らない感じです。 camusonさん [DVD(字幕)] 5点(2023-02-25 17:48:14)

14.《ネタバレ》 今でいう北マケドニア共和国の映画である。見えていた湖がオフリド湖とすればアルバニア国境に近い場所ということになる。
劇中で「500年の恨みを晴らす時だ」という台詞があったが、15世紀末に何があったのか部外者にはよくわからない。この辺はかつてイリュリア人(アルバニア人の祖先?)などが住んでいたところ、6~7世紀に北からスラブ人が押し寄せて、さらに東からブルガール人が攻めて来てブルガリアの一部になり、その後14世紀のうちにオスマン帝国に征服されてから19世紀まで大きな動きはなかった感じではないかと思うが(そんな簡単ではない?)、この地方で見れば何か500年前に大事件でもあったものか。
20世紀末に関していえば、マケドニアでは1991年のユーゴスラビアからの離脱はわりと平穏に行われたが、人口の約1/4を占めるアルバニア人の処遇には苦慮したらしい。映画の撮影は1993年とのことで、映像で見えた国連部隊が1992年12月から派遣されていた国連保護軍だとすると、当時の現地情勢と同時進行の映画だったことになる。実際はこの時期にマケドニアで大規模な騒乱はなかったようだが、その後は90年代末のコソボ紛争の影響もあって、2001年にはマケドニアでも紛争が起きたとのことで、現在ではマケドニア人とアルバニア人の連立政権という形で各民族に配慮した国家運営がなされているとのことである。

ところで劇中で印象的だったのは現地の村で、銃器や小物以外に近代を思わせるものがほとんど見えない。村中が知り合い、親戚だらけなのは非常に息苦しく、またカメの火刑とかネコへの執拗な銃撃を見ると、言っては悪いが地域社会の文明度が疑われる。いきなり復讐団ができたのは、紛争のせいというよりこの周辺(どちらかというとアルバニア側?)にあったという“血讐”の風習のせいではないのか。カメラマンの男がロンドンにいると野蛮人のようだが、地元ではジェントルに見えたというのも意図した対比と思われる。
物語としては循環構造だそうで、パート単位で並び順をずらしてあるほか、明らかな矛盾が生じている箇所がある。面倒くさいので厳密に考える気にはならないが、とりあえず人も社会も永遠に同じことを繰り返すのではなく、少しずついい方に向かうものだと一応期待したい。
ちなみにレストランで騒いだ男は、アイルランド人でないとすれば何人だったのか。どうも何かと不快な場面の多い映画だった。 かっぱ堰さん [DVD(字幕)] 5点(2020-08-29 08:25:04)

13.マケドニアに於いてのマケドニア人とアルバニア人の内戦。親族であっても躊躇いなく殺してしまう下劣さ。度々見られるグロテスクな映像の下劣さ。第2部のストーリーの下劣さ。監督の言わんとしたいのは何なのか、自国の惨状なのか、人間とはこの程度もものなのだということか? ひたすらに陰気臭い作品にゲンナリ。 The Grey Heronさん [DVD(字幕)] 2点(2016-08-08 00:56:20)

12.こういう映画は好きなんだけど、もっといいものがつくれたはずでは?と思ってしまう。
aimihcimuimさん [DVD(字幕)] 5点(2014-08-20 01:54:07)

11.《ネタバレ》 深いようで深くない映画。必ずしもまっすぐには進まない物語と復讐の連鎖というテーマはきちんとリンクしているし、美しい撮影に支えられて映画には終始重厚な雰囲気が漂っています。「これは何か賞をやらなければ」と思わせる佇まいはさすがなのですが、肝心の人間ドラマは意外と薄っぺら。第1部「言葉」の主人公である僧侶が、殺人を犯した少女を愛するに至った過程はかなり適当にすっ飛ばされているし、2年間も沈黙の誓いを守り続けてきた彼がついに言葉を発する場面の扱いも軽いものです。僧侶には多くの葛藤があったはずなのに、それらがすべて適当に流されているのはもったいない限り。第3部「写真」の主人公であるヒゲのおっさんは、この手の映画にありがちで面白みのないキャラクターに終始しています。第1部の僧侶とは対照的にこの人の悩みは観客に対して積極的に投げかけられるのですが、「かつて傍観者を決め込んだ結果として殺人に加担してしまったから、今度は積極的に声をあげます」という意見はすごくありがち。鋭い切り口や深い考察を期待するとガッカリさせられます。。。
そして、最大の問題児が第2部「顔」。主人公は不倫妻なのですが、子供を身籠っているにも関わらず旦那に離婚を迫る不倫妻と、「俺の実家があるマケドニアに二人で引っ越そうよ。出発は明日。明日までに返事してくれないなら、あなたとはお別れだ」と凄まじい無茶ぶりをする不倫相手。乗車したタクシーの車内で真っ昼間からおっぱじめようとするなどやりたい放題の二人なのですが、こんな登場人物にどうやって感情移入しろと言うのでしょうか?この二人に振り回される旦那が不憫で仕方ありません。いったん旧ユーゴ以外に舞台を移し、作品のテーマに普遍性を持たせることを目的としたパートだとは思うのですが、消化不良でおかしなことになっている部分が多いのでパート丸々不要であったように思います。。。
マケドニア人監督がユーゴ内戦についての映画を撮ったという点と、当時はまだ珍しかった時間軸の解体という手法を社会派ドラマに持ち込んだという新しさ、これらが本作の高評価につながっているのですが、こうした外部的要因を外した場合、本作は大した映画ではないように感じます。 ザ・チャンバラさん [DVD(字幕)] 4点(2012-08-16 17:37:38)

10.《ネタバレ》 時折挿入される気分を害するグロテスクな映像。
痰を吐いたり、ゲップしたり、とにかく下品な演出のオンパレード。
ひげ面のジジイが主人公なのも頂けない。

いや、そういった理由以前に、とにかく映像・音楽・演出などの全ての面において、生理的に合わなかった。 にじばぶさん [ビデオ(字幕)] 0点(2012-02-21 01:12:46)

9.《ネタバレ》 非常に美しい作品です。そして、民族対立の恐ろしさを静かに淡々と伝えてくれます。マケドニアにおけるマケドニア人とアルバニア人の対立は、マケドニア人が「500年の恨みを晴らす」というセリフがあるように非常に根深いものを感じました。
3つの物語が、とても上手くつながっていて非常に良く出来た作品だと思います。 TMさん [ビデオ(字幕)] 8点(2006-04-16 22:23:14)

8.この映画とすぐに結びつくのはニーチェの「永劫回帰」。ニーチェが言っていたのは、「まったく同じ(「似かよった」ではない)できごとが永遠に繰り返されているこの世を、肯定することができるか」ということだったと思う(うろ覚え)。この世がマジでおんなじことを繰り返してるのかは別にして、この映画に当てはめてみよう。「ひどい戦争が繰り返される世界に生きていて、しかも同じ争いが繰り返され、しかもそれを知る立場にいて(巧妙なことにこの立場は観客において初めて可能になる)、この世を肯定することができるか?」とこの映画は観客に言っていることになる。「それでも人生にイエスという!」という標語をドッかで聞いたことがあるけど、もう一回、いや永遠に同じ人生を生きると「知った」時にも同じこと言えますか? 劇中の人物が自身の人生を肯定できるかではなく、悲惨な争いが永遠に繰り返されるとラストに知らされた観客に人生への判断を迫るのがこの映画の主題なんだと思う。 wunderlichさん [映画館(字幕)] 8点(2005-09-23 17:08:11)

7.あるヒマな日曜日に映画でも見に行くかと新宿に出掛けたはいいが、特に見たい映画があったわけでもない。なので当時私が好きなタイプが良くかかっていた単館系映画館に入った。そこでやっていたのがこの「ビフォア・ザ・レイン」。見ながら「マケドニアってどこよー?」だった私ですが、最初の話の圧倒的な映像美にすっかり惹きこまれた。運命にからめとられると人はそこから逃れられないのか?あらかじめ用意された悲劇に自ら飛び込んで行くしかない、人間と言うものの業の深さに悲しくなった。まわりにこの映画を見た人間が一人もいないので、埋もれた佳作だと今まで思っていたんだけど、色々賞をとっているのですね。 黒猫クロマティさん 7点(2004-08-19 13:03:07)

6.《ネタバレ》 終盤、この映画には時間の流れに矛盾があり、未来と過去が循環していることに気付く。そんな非現実的な時間のパラドックスが、現実的な人間の業の輪廻の比喩となり、「人はいつまでもいつまでも馬鹿なことの繰り返しばっかしてるんだよ」と物語る。これが良い映画なのかは分からない。賞取り映画のような気もする。でも確かにこれは一つの、確実な現実ではあるはずなんだとは、分かる。 ひのとさん 6点(2004-05-23 19:55:51)

5.4部に分かれている変わった映画かな?ただ、何かが足りないように感じた。 ボバンさん 5点(2004-02-27 00:35:11)

4.《ネタバレ》 最後ですべての話しが繋がって最初に戻るという構図は面白い。土着性の強い題材かな。映像だけでもけっこう楽しめたんだけど、政治がらみの背景には疎いのでストーリー難解な部分多しです。 mimiさん 6点(2003-10-19 00:41:24)

3.この題材でこんな描き方なら、国際映画祭で賞はいただき。…そんな思惑が画面から透けて見える。確かに力のある映画作家だとは思うけど、こういう「野心作」は好きになれない。こんな見方こそが偏見でしょうか…。 やましんの巻さん 5点(2003-08-23 19:23:06)

2.そこでなければ生きられない人、そこにある規律が一番重い。すべてこの景色に凝縮されているのかな。 Bridgetさん 6点(2003-08-19 01:17:36)

1.救いようの無い哀しい話です。戦争の中でも最も理解し難い民族紛争・内戦。そこには大国の影があるにせよ、何で人間は殺し合うのでしょうか?ほんの少し先祖が違うから?宗教が違うから?イラクがこうならなければいいけど。。。 クロマスさん 7点(2003-04-15 22:07:12)

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マーク説明
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【点数情報】

Review人数 15人
平均点数 5.27点
016.67% line
100.00% line
216.67% line
300.00% line
416.67% line
5533.33% line
6320.00% line
7213.33% line
8213.33% line
900.00% line
1000.00% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 Review0人
2 ストーリー評価 7.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 3.00点 Review1人
4 音楽評価 Review0人
5 感泣評価 Review0人

【アカデミー賞 情報】

1994年 67回
外国語映画賞 候補(ノミネート) 

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