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嘆きのテレーズ

The Adultress
(Thérèse Raquin)
1952年【仏・伊】 上映時間:107分
ドラマモノクロ映画犯罪ものロマンス小説の映画化
[ナゲキノテレーズ]
新規登録(2003-05-25)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2024-05-27)【にじばぶ】さん
公開開始日(1954-04-20)


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監督マルセル・カルネ
キャストラフ・ヴァローネ(男優)ロラン
シモーヌ・シニョレ(女優)テレーズ・ラカン
シルヴィー(女優)マダム・ラカン
原作エミール・ゾラ「テレーズ・ラカン」
脚本シャルル・スパーク
マルセル・カルネ
配給新外映配給
あらすじ
フランス南西部のリヨンで洋裁店を経営する未亡人ラカン夫人と一人息子カミーユの家に嫁いだ孤児のテレーズは常に満たされなかった。夫が病弱でテレーズは姑にこき使われるただ働きの店員兼看護婦同然だったからだ。ある日テレーズは外出中に倒れた夫を家に担ぎこんだ屈強な男ロランに惹かれ、すぐに二人は駆け落ちを算段するほど親密になる。しかし事実を知ったラカン母子はパリの親戚の家にテレーズを軟禁して二人の仲を引き裂こうとする。テレーズを取り返すためにロランは車で彼女と夫が乗るパリ行きの列車を追い、そして・・・。

かわまり】さん(2007-06-22)
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【クチコミ・感想】

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24.《ネタバレ》 「良い脚本(脚色)と脇役によってサスペンス映画はより良くなる」事を教えてくれるフランスサスペンス映画の古典。人間の業を深く描いた文豪ゾラの原作は上下2巻の長丁場なんだけど、不倫の恋から生じた犯罪計画の破綻というサスペンスに重点を置いた脚色(合わせて原作には出てこない水兵の存在)が上手い。またこの度何十年ぶりかの鑑賞だったんだけど、主演の男女二人以上に、脇を固める役者陣がビジュアル的要素も相まって演技が上手すぎ。特に「目が口ほどにものを言いまくり」な主人公の継母を演じたシルヴィ・アルコーヴェのインパクトが凄く心臓に悪すぎる。暴力行為を示さずとも観客に緊張感を味合わせる手法として、古典的かもしれないが今の映画も踏襲してゆくべき要素でありますよね。予定調和的因果応報なラストだけが玉に瑕なんでこの点数なんだけど好きな一本。機会が有ればまずは30分我慢して鑑賞くださいませ。 Nbu2さん [ビデオ(字幕)] 8点(2024-05-26 17:41:19)

23.《ネタバレ》 亭主関白ヅラしてほぼ何もできないマザコン旦那や意地悪な姑、間男、地文のつ後のいいことばかり宣う恐喝野郎と確かに、共感できる人がほぼいない(笑)
だけど確かに、全員悪人という訳ではなく、現状を打破したいともがく人々。恐喝野郎も出てきた時は「何こいつ?」でしたが、ホテルの子にず文の行末を話すときなど、完全な悪と描ききっていないのでなんだかんだ全員憎めない(笑)
そして全員不幸になって終わるというある意味突き放した終わり方。因果応報というか、やっぱり悪いことってしちゃいけないんだって思わせてくれる映画でした。 クリムゾン・キングさん [DVD(字幕)] 7点(2021-08-12 17:40:29)

22.《ネタバレ》 マルセル・カルネ監督と言えば『天井桟敷の人々』と本作『嘆きのテレーズ』が代表作ですが、私は本作により強い魅力を感じました。

後半のもっていきかたは、決してうまくはなく、むしろ顛末が分かってしまう時点で、面白味の観点で言えばかなりマイナスポイントです。

しかしながら、ゆすりの男が車に跳ねられ、息を引き取る間際に「てがみ、てがみ・・・」と繰り返すシーンは非常に心を打たれました。

ゆすりという卑怯なことをしながらも、お金を受け取ったからには、死の瀬戸際に立たされても、義理堅く手紙のことを何とか伝えようとする。
卑怯なゆすり男が、死ぬ間際にみせた誠意。
これには心打たれました。

ストーリー展開のうまさに関して言えば、ハリウッド映画などの娯楽性を重視する作品たちには劣りますが、観る者の心に訴えかけるラストと演出は、単なる娯楽作品にはない崇高なものを感じます。

しかし、シモーヌ・シニョレって、個人的にどうも好みに合いません。
顔が大きいのがネックです… にじばぶさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2020-11-29 18:04:57)

21.《ネタバレ》 シモーヌ・シニョレとゆーと、どうしても「クセ者」な方の仕事を思い出してしまうのですけれど、今作の清純そうな薄幸そうな可哀そうな感じも意外なホドに全然素晴らしかったです。シンプルなサスペンスですが、登場人物全員に瑕があると言うか、何かしらな心暗さを背負ってゆくなかで運命がそれを悉く許してくれない、とでも言いますか。ある種、勧善懲悪のキッチリした話なのだとも思いますが、個人的にはどれも少し、運命がわの「やり過ぎ」にも感じます。皆が不幸になって終わりますが、最後の2人の破滅は手紙一本で、というラストの呆気無さ・さり気なさが、洒落ているしそれでいて残酷さが際立つようで中々秀逸です。フレンチ・フィルム・ノワール斯くの如し、という佳作。 Yuki2Invyさん [インターネット(字幕)] 7点(2020-11-29 11:34:56)

20.《ネタバレ》 松本清張作品のようで展開結末は大体で予感通りでした。テレーズの胸中が察せられるキャスト全員の演技と演出が実に見事。水兵最期の「手紙~」の演出は無かったほうが運命の皮肉さを感じるのではないかと思います。巨匠の手腕冴えわたる見応えたっぷりの名作です。 The Grey Heronさん [インターネット(字幕)] 8点(2020-10-31 14:08:46)

19.《ネタバレ》 前半は不倫の話なので、渡辺淳一風の文芸作品かと思いきや、後半サスペンスに移行したのは驚き。しかし不自然さもなく、うまい展開だと思います。本作の登場人物はそろってエゴが強く、それがぶつかり合うところが見どころでしたが、そこが最後になってあざやかに反転する。水兵がいまわのきわ、テレーズたちのことを思って手紙のことを伝えようとするところに、人間のあるべき姿が描かれていたと思います。非常に効果的でした。車のぶつかる場面がわざとらしいのが、玉にきずですが。 アングロファイルさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-08-13 20:35:10)

18.不幸な境遇、不倫、犯罪と続く展開の中に共感できるようなキャラクターを見出せませんでした。エゴがはびこる世の中では、現実はそんなものなのかも知れませんね。そこそこに面白かったです。 ProPaceさん [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-08-13 18:48:45)

17.登場人物特に主人公二人に共感できぬままだらだらと見ていたが、列車のシーンあたりからだんだんおもしろくなった。それにしても大の男たちが双六とはなあ。 ESPERANZAさん [DVD(字幕)] 7点(2013-08-16 09:12:10)

16.《ネタバレ》 殺人ありユスリありの犯罪ドラマだが、極悪人がいない。みんなささやかなレベルアップを求めているだけで、ちょっとした自由や安定に手を伸ばし、破滅を引き寄せてしまう。印象深いのがユスリ、ネチネチした悪党の振る舞いはしていても、けっこう義理堅い奴で、自分が瀕死の状態でも密告手紙の心配をしてる。古自転車屋を営めたらたぶん更なるユスリはしなかっただろうと思われる。戦争で裏切りを含む幾多の苦難を渡ってきて、これからは穏やかに生きたいと思ってたんだろう。値切られた金額でも満足していた。その希望のささやかさが、この人物を立体的にしていた。テレーズの旦那はすごろく遊びで満足する、その母は息子さえ元気ならいい。主人公の二人は、ダンスホールで大っぴらにダンスできなくても、ひそやかに密会を続けていた。それだけで満足できなかったちょっとした夢、レベルアップの希望が、登場する全員を破滅に導く。ことさら宿命などと呼ばなくても、こういう「意のままにならない進行」で世の中は動いていくんだな、だからと言って死んだように生きてても仕方ないしなあ、などとしみじみ考えさせられる。その事実だけを淡々と記録する映画の静けさがいい。寡黙なテレーズ、病後の姑の目だけの無言、そして破滅を告げるラストのユスリ屋の永遠の沈黙。 なんのかんのさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-10-06 11:02:58)

15.《ネタバレ》 例えば、夫が転落したときに、ひたすら列車の走行音だけが響き渡り、周囲にも何も変わったことはなく、「あれ?今のって本当に起きたことなんだっけ?」と感じさせてしまうところとか、凄くリアリティがあってゾクッとするのです。そういう箇所はほかにもあります。なんだけど、全体的には、未練がましい人たちがうだうだ進めている比率の方が高く、スリリングさが継続しませんでした。 Oliasさん [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-10-03 00:05:10)

14.カルネ監督でエミール・ゾラ作とくれば面白くないはずがありません、期待通り。人間が人間を殺しては終わりです。フランス映画らしく残酷で暗い結末のラストのはずなのに、謂いつけ通りに破滅の道へと進むことも知らず明るい日差しの中、一目散に郵便ポストに向かう少女の姿がなぜか凄く印象に残っています。 白い男さん [地上波(字幕)] 9点(2012-09-27 13:35:08)

13.《ネタバレ》 登場人物の誰にも感情移入できず、魅力も感じない。しかし映画としては原作の知識は全く無いですが、その登場人物の設定がよく練られていて、特に旅行から戻ってきてからの展開にはぐいぐいと引き込まれました。サスペンスを無理に盛り上げようと過剰な音楽や演出は抑えられた落ち着いた雰囲気ながらも緊張感を持続しつつラストに向かって盛り上がっていくサスペンスドラマとしての構成が素晴らしい。ラストでトラックが突っ込んでくるところはちょっと強引だったものの水兵の男の死に際の台詞、そして恐らくは結局誰も得をせず幸せにもなれないであろう、あのいかにもフランス映画らしい余韻を残す幕切れも見事でした。 とらやさん [DVD(字幕)] 8点(2009-12-25 23:58:44)

12.《ネタバレ》 境遇のせいで不幸な結婚を強いられたと嘆きながら、出会ったばかりの男と簡単に両思いになり、あげく旦那を無視しまくる表情も中身もない怖い顔の嫌な女テレーズと、間男のクセにイチイチ逆ギレして乱暴なクソマッチョに、病弱で傲慢でヘナチョコ他力本願男、自分が結婚させた癖に嫁を見下すババア、夢の実現のためにと言い訳しながら他人を脅迫するチンピラ・・・うーんフランス人らしい・・・というか、どいつもこいつもイラつくっ! お前ら全員一生嘆いてろっ!
イライラ感満載でしたが、唯一の無邪気な少女の忠実な仕事によるオチにはスッキリさせられました。
すべからさん [DVD(字幕)] 5点(2009-10-01 13:18:11)(笑:1票)

11.《ネタバレ》 シモーヌ・シニョレていうと「悪魔のような女」でのあの本当にぞっとするような正しく悪魔のような女があまりにも強烈すぎて、最初のうちは何だか違和感を感じてしまったものの、そこは流石はフランスを代表する名女優!観ているうちに彼女のあの苦悩する演技にどんどん惹き付けられていく。夫がいながらも別の男に愛されると同時に愛してしまったというその苦しみ、愛人と共謀して夫を殺す。いや、彼女の場合は相手の男がやっただけで、本当は殺してはいないのだが、罪の意識の深さに苦しむ姿が何とも哀しい。恋愛映画ではあるけど、男と女の特に女の心理状態の不安さがテーマとも言えるような内容で、本当は8点にしようかで迷うものの、私にはシモーネ・シニョレという女優の持っている本来の悪魔的女の恐さというものにおいて考えるとどうしてもこういう役より「悪魔のような女」で見せた彼女の方が持ち味があるような気がしてならないので1点マイナスの7点てことにしたいと思う。 青観さん [ビデオ(字幕)] 7点(2008-06-07 11:03:03)

10.《ネタバレ》 子供の頃に観て、ラストの展開が強烈に印象に残った映画。今回観直してみたら、座りながらの握りこぶしでの往復ビンタが印象強烈。凄いことをする。全体に良く出来ているものの、惚れ合う過程を素振りよりも台詞だけで済ましてしまっている箇所が目に付くのが難点。大体、逃げ出そうといいだした後に、女性がいかに虐げられているかということを聞かされるというのでは、逃げ出そうといったのが単に旦那から奪い去りたいというだけの意味になってしまいマイナス。虐げられているからこそ、二人で逃げ出し幸せになろうという流れにして欲しいところだった。 MARK25さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-08-27 23:47:57)

9.《ネタバレ》 自分、フランス映画それほど熱心に観てる人間ではないんですが、これはものすごく好きな作品です。偏愛『冒険者たち』は別格として、これまで観たフランス映画の中では一番好きかも。なんか文学的で香りがする端正な作品ですよね。心理的サスペンス映画であると同時に、どうしても避けられない運命の轍にはまった一組の男女が辿る人生行路を、深みのあるモノクロ映像で的確に描いていきます。ラストの幕切れも皮肉な味わいだけどこれで良いのでは?ハリウッド映画にはどうしても出せない芳醇なコクと苦味がこの映画には滲み出ているような気がします。 放浪紳士チャーリーさん [ビデオ(字幕)] 8点(2007-06-23 13:32:14)

8.黒澤明監督のモノクロも墨絵のようで美しいですが同作品はヨーロッパのモノクロ作品の美しさを存分に見せ付けてくれます。主演のシモーヌ・シニョレが美しいのは言うまでもない・・・と言いたいところですが、体全体はあくまでも豊満で肉感的なのに顔が大写しになると男のように見えました。でも、他のどのような女優さんでもテレーズの満たされない寂しさは出なかったでしょう。嫁と姑の確執も特に後半以降、姑役の年配の女優さんが鬼気迫る演技で見事に表現していました。周囲からは羨まれているに違いない安定した生活の中で欲求不満に陥っているテレーズと彼女に言い寄るセクシーな男の話は、残業続きで疎遠な夫に愛想をつかす金曜日の妻たちの走り、そして金妻モノをもっと極端にした形で展開します。ただ、「猫の目をした(テレーズの言葉)」水兵あがりの男が出てきた頃から少しつまらなくなりました。結末も、私の私見ではありますが、陳腐なので-1とします。原作者ゾラは人間の情欲を見つめた作家でしたが、物語としての結末はどうでもいいのかもしれません。邦題「嘆きのテレーズ」の「嘆き」はないほうがいいと思います。 かわまりさん [DVD(字幕)] 9点(2007-06-22 22:59:26)

7.これは面白いですねー!グイグイ引きつけられて一気に鑑賞しました。追いつめられ型心理サスペンスで、特にシモーヌ・シニョレが素晴らしいです。
よし坊さん [ビデオ(字幕)] 8点(2006-05-30 00:08:13)

6.《ネタバレ》 見終わったあとに「シュール」と思えるフランス映画そのものです。にやついた水兵が強烈にイヤな奴だったけど、いまわの際の「手紙」で任侠的良心を感じられ哀れも感じました。さて、これからどうなるんでしょう?という余韻を残してのFIN、いいですねー。 PaperMoonさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-04-18 23:05:21)

5.何十年も前に見たことがありましたが、テレビでやっていたので久々に見てみました。やっぱりあのラストは衝撃的ですね。でも、そこに至るまでの過程が今見るとどうしようもなくアホらしい(大昔に見たときはそうは感じなかったのですが)。亭主はマザコンの超ダメダメ男。浮気相手はハンサムだけど短気ですぐに手が出るタイプ。どっちも大した男じゃないよ。男を見る目のない女だね。昔だったら8点つけたけど、今の価値観だと7点ですね。 チョコレクターさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-04-13 21:47:44)

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マーク説明
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【点数情報】

Review人数 24人
平均点数 7.38点
000.00% line
100.00% line
200.00% line
300.00% line
400.00% line
528.33% line
628.33% line
7937.50% line
8833.33% line
928.33% line
1014.17% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 3.00点 Review1人
2 ストーリー評価 7.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 9.00点 Review1人
4 音楽評価 10.00点 Review1人
5 感泣評価 Review0人

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