みんなのシネマレビュー |
|
|
|
ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
27.第二次世界大戦前夜の時代、フランスの“上流階級”の人間たちの愚かさと滑稽さを描いた群像劇は、驚くほどに感情移入することができない。それくらい、彼らの思考と価値観そのものが、我々庶民からは異質であり、遠い位置にあることの表れだろう。 ただしそれは、何もこの映画で映し出された時代や環境に限ったことではないのかもしれない。 今この世界にも、確実に“上流階級”というものは存在していて、そこに巣食う人々は、一般ピープルにはまったくもって常軌を逸した思考経路でこの世界を捉えているのだろう。 そして、どの時代においても、そういう人間たちが、資本を牛耳り、結果的にこの世界全体の意思を司っているという現実に、本作の顛末同様にクラクラと目眩がするようだった。 フランス映画界の名匠ジャン・ルノワールの最高傑作とされる本作は、そうした遠くもあり、実のところこの世界の本質的な“愚”が詰まった何とも皮肉でブラックなコメディ映画だった。 ブルジョワたち(今で言うところのセレブリティ)同士の色恋沙汰や人間模様、享楽的な人生観が、ひたすらに滑稽で呆れる。 手放しで面白い映画とは言い難かったけれど、この世界の根幹に存在する“笑えない”愚かさは伝わってきた。群像劇を彩るそれぞれの人物描写も細やかだったと思う。 特にルノワール監督自身が演じた財産も才能もない食客の男が、小間使いの男と共に“屋敷”を去っていく顛末には、監督自身が感じていたこの世界からの逃避への願望が如実に表れていたと思う。 “ゲーム”とは何なのか。社交場での立ち振舞か、社交界における人間関係か、人間のエゴイズムの取り回しか。 いずれにしても、そのくだらない“ゲームの規則”の中で、雁字搦めになりながらも、それに抗うすべもなく依存することしかできず、体裁と偽善的な笑顔を保つしかない彼らの生き様に対して、感情移入せぬまま、ただただ不憫に思えた。 冒頭の狩猟パーティーの途中、数週間前に銃の暴発で太ももを撃ち抜かれて亡くなった社交界仲間のことを笑い話にするくだりがある。 今宵の飛行家の死も、きっと二週間後にはアンラッキーな事故として、彼らの中の笑い話として葬られるのだろうな。 【鉄腕麗人】さん [インターネット(字幕)] 7点(2023-09-17 07:51:40) 26.《ネタバレ》 考えてみると、フランスのセレブって不思議な階級ですよね。フランス革命で王制廃止して共和国になったのに爵位を持った人々が未だに存在してるんですから。ていうか、実は革命後80年余りのうち純粋に共和制だったのは20年足らずで、君主制だった期間の方が圧倒的に長かったということは意識されることは少ないでしょう。だから公爵や伯爵が生き残ってデカい面してるのも不思議ではなく、中にはブルボン家の傍系の子孫もいて実現性は皆無だけど密かに王政復活を願っているくらいですから。まあ新たに爵位が授与されることはないのですが、“自由・平等・博愛”なんてイメージだけでフランスを理解している人が日本に多いと感じるのは私だけでしょうか? 余談はさて置き、最近インテリの間で評価が高まってきた本作は上流階級の頽廃を痛烈に皮肉っているのは確かです、面白いと感じるかどうかは別にしてね。『ゴスフォード・パーク』や『ダウントン・アビー』などの英国貴族ものと比べると、“noblesse oblige(ノブレス・オブレージュ)”の雰囲気がセレブたちの振る舞いに微塵も感じられないところでしょう。この物語で彼らが狂奔しているのは不倫・恋愛沙汰といった“ゲーム”にいかにして勝つかということであるという事には頭がクラクラさせられます。この映画のストーリーテリングからすると、ジャン・ルノアールがこの連中を肯定しているのか否定しているのかは判断に迷うところかもしれません。侯爵は捕らえられた粗野な密猟者を何の咎めもなく雇ったりして悲劇のもとを創り出しますし、また自身も不倫しているからといっても妻を浮気相手のもとに送り出す侯爵には、「これは優しさなんてものじゃない、単なる怠惰だ」としか感じられませんね。 この映画のプロットは、時代設定が19世紀でもブルボン王朝時代でもなんら違和感がないわけで、これを現代の物語にしたルノアールの意図は理解できます。「ラ・シュネイは我らの階級を守った、次第に減ってゆく階級だ、お目にかかれなくなる人種だ」というラストの将軍のセリフは、現実に公開翌年にナチ・ドイツに敗れて占領され、壊滅的な打撃を受けるフランス上流階級の近未来を予言しているようで興味深い。 【S&S】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2021-09-21 23:35:26) 25.初見。笑えるところは一つもなく、怒り悲しみの感情も皆無で、貴族階級に向ける皮肉な視線も感じず。全編に亘って吐き散らかされる台詞に「喧しい!!!」嫌気がさしてグッタリとなりました。世の中のルールは自分には当てはまらないとする者達がゲームの規則とのたまう事に白けるところです。 【The Grey Heron】さん [インターネット(字幕)] 4点(2020-12-14 03:50:49) 24.《ネタバレ》 描かれる上流階級の生活は、正に虚構に満ちている。愛の無い結婚、ただ続く怠惰な娯楽、表層的な煌びやかさと上っ面の感情を取り繕うことに無駄骨を折り尽し、人生に真なる目的というものがある様には到底見えない虚ろな彼らは、少しでも真実味を帯びた感情に直面すればたちまち戸惑い、いわゆる「間違い」を犯してゆく。この映画において候爵夫人と関係しようとするアンドレやオクターブが少なからず「マトモ」に見えること自体が、集合全体としての彼らの深刻な倫理観の欠落を逆説的に表わしている様にも思われる。ゲームのルールを破ったのがどの個人か、が問題なのではない。そんなルールがルールとして社会的規範になっていること自体が、最も愚かしい過ちなのである。 終盤はかなり派手に喜劇的かつ悲劇的に描かれる物語ではあるが、彼らに救いの無いことはこれを喜劇と見るには悲惨すぎるし、また感情移入が困難なことでこれまた悲劇というには滑稽すぎる。確実にユーモアとペーソスを両構えで備える作品ではあるが、感じられるのはやはり根の深いシニカルな成分、そしてそれは、結局彼らがその後の歴史の中でその社会構造もろともに滅んでいったという厳然たる事実をもって、一つの大いなる真実と類稀な先見性を本作に埋め込んでいる。色々と、実に含蓄の深い映画だと思う。 【Yuki2Invy】さん [DVD(字幕)] 9点(2020-07-23 17:44:20) 23.《ネタバレ》 恋愛ドタバタゲームの映画。映像的には、楽しさが伝わってくるのだが、個人的に乗れなかった映画。 【にけ】さん [映画館(字幕)] 6点(2019-01-16 11:54:00) 22.《ネタバレ》 冒頭のフィガロの結婚の引用からの連想かも知れないけれど、オペラ・ブッファを思わせるような作品です。その連想でいくなら、ジャン・ルノワールの役どころは、狂言回し的なバッソ・ブッフォといったところでしょうか。 場面場面ではちょっとした悲喜劇みたいなものがあって、登場人物たちがさまざまに「重唱」とも言うべきものを奏で、それが映画の見どころ(オペラなら聴きどころ)なんでしょうけれど、全体を通してみると、他愛が無いというか、あまりまとまった筋立てもない印象(間違ってもこれはヴェリズモ・オペラではありませんな)。 ところが、最後まで明るさを通さない、通せないのが、オペラというものと映画というものの違いなのか、それとも本作の本作らしいところと言うべきなのか。最後には悲劇が待っており、しかも何だかそれが、まるで最初から避け難かったものであったかのような感じがして。で、ここで、映画の内容との関係があまりよくわからなかった『ゲームの規則』というタイトルに、思いが至る。みな、自由気ままにふるまっているようで、実はそうではなかったのか。 実は、モーツァルトのオペラも同じようなもんで、「オペラはみんな、こうしたもの」ってなところなのかも知れませぬ。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2018-10-21 13:50:48)(良:1票) 21.《ネタバレ》 巨匠ジャン・ルノアール監督の代表作と呼ばれるモノクロ映画。 おフランスの上流階級での痴情恋愛ゲーム。 そこのルールにそぐわない一途な若者が最終的には排除される。 シニカルに描いた悲喜劇は世間的な評価も高く名作とされているが、もう肌に合わないとしか言いようがない。 だいたいフランス映画の昔の名作とは、どうも相性が悪い気がする。 最後まで見るのが苦痛だったが、狩りのシーンだけは退屈しなかった。 【飛鳥】さん [CS・衛星(字幕)] 2点(2018-01-17 00:46:19) 20.意外な結末のようで意外でないような気もする。ショックや悲しさもいくらか含んでいるが、概して冷静で傍観的に見ていました。 とても不思議な味わいで、今まででこんな余韻は初めてかもしれない。また機会があれば見直してみたい作品。 現代との違いは沢山感じましたが、今でも世間体はあるし階級みたいなものも感じないでもない。でもそういうものって詰まらないものだなと傍観していて改めて感じました。 【さわき】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-12-18 15:14:05) 19.エスタブリッシュメントの本音というか人間の本性はこんなもんでしょう。とはいうものの、オクターブを演じた監督、あんたが一番猫かぶってるよ。 【ProPace】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-12-14 22:39:07) 18.《ネタバレ》 正直、「傑作中の傑作」と言われてもあまりピンと来ないのですが、製作年を見てちょっと驚いた。だって全く古臭さを感じなかったのですよ。軽妙な皮肉のセンスとか、遠景まで捉えて説明を済ますカメラワークとか、大変観やすい。狩猟の場面は不必要なほどに衝撃的ですし。いかに後世の作品が参考にしてきたのか、伺えます。 お話は不倫ばっか。貴族から使用人に至るまで、恋愛感覚の柔軟すぎること。ラストで恋愛沙汰で人が死んでも「不幸な事故」であったと客全員が了解してしまう、このブラックさ。開戦間近だというのにこんなことやってる場合か、と突っ込みのひとつも入れたくなりますが、もちろんそれは監督の狙い通りなんだろうな。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-08-16 00:42:32) 17.《ネタバレ》 第二次世界大戦前夜における上流社会の浮世離れを風刺し、戦争批判を込める。いつの世も変わらぬエスタブリッシュメントのゲーム(恋愛や不倫を含む広い意味で“お遊び”)に現を抜かす姿、自堕落、本音と建前の使い分け等々・・・オクターヴの狂言回しが効いている。 多様な人物の心理描写と併せ、パーティー会場の廊下と部屋を行き来するカメラワークは川の流れるごとく、群像描写が実にうまい。アルトマンの群像劇は嫌いだがこの演出は気に入った。 狩りのシーンは人間の冷酷さを象徴しており、戦争暗示の意図は理解するが不快感は残る。これでもかというほどの射殺は何とかならなかったかな? 終盤、シュマシェールが誤解してアンドレを射殺。それをラ・シュネイが客たちに向かって偶発的な事故なのですと説明。そこで客の一人が「事故の新しい定義ですな」と皮肉る。うーん、今でも古びない。「新しい判断」「もうひとつの事実」なんて平気でぬかす連中がいるものね。 【風小僧】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-07-06 11:36:42) 16.すみません、何かみんながワーワー言っているだけにしか見えなかったのですが・・・いろんな人間関係が「ただ置かれているだけ」であり、発展性がないので、いくら登場人物があれこれ動いても、見ていて疲れるだけでした。 【Olias】さん [CS・衛星(字幕)] 3点(2017-06-08 22:09:10) 15.《ネタバレ》 序盤からほっぺにチュ、手の甲にチュ、どんだけチュッチュチュッチュしとんねんフランス人は、と思っていたら案の定な展開。 フランス貴族の人たちにとっては、痴情はゲームのようなもんなんでしょうけど、そういう浅ましさをシニカルに描いているということでしょうか。 ラストのあっけなく銃殺されすオチが、狩猟会とかかってくるのですね。 その狩猟の映像が個人的に興味深く、次々と撃ち殺されていくウサギさんたちの映像は他に見たことがなかったです。 【あろえりーな】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-06-05 22:24:18) 14.《ネタバレ》 過大評価だ!・・・と言いたかったのに、何でこんなに面白いの。いやマジで。 個人的にジャン・ルノワールの最高傑作が「ピクニック」で一番好きな映画でもある事は間違いないが、この「ゲームの規則」もすげえ面白い 「大いなる幻影」よりもずっと面白いし、ブルジョワ共の狂騒と没落していく様子を愉快に描いた傑作コメディだ。 第二次大戦開戦前夜、戦争の足音も聞こえずオープンな性と浮かれきった貴族たちの危うさが生々しく描かれる。 社交場での絶えない笑い声、裏舞台で本音を洩らすように辛辣に語り合う人々、ユダヤ人に対する使用人たちの声など皮肉たっぷりの会話も怖い。 大陸を渡った英雄も、この狂騒に包まれた社交場では一人の人間でしかない。 まず、ファースト・シーンで一気に引き込まれる。冒頭の闇夜、熱狂的に騒ぐ民衆がひしめく場面から物語は始まる。 車の衝突音だの、銃の発砲音だの音楽とかマジでうるせえ。 「大いなる幻影」や「十字路の夜」はパンッパンッとリアルな音だったが・・・拳銃の発砲音まで狂騒してやがる。 「大いなる幻影」では静かに泣くように発砲音は小さかった。この映画は、貴族たちの笑い声のように音がデカい。 食事会の場面や、その後のパーティーで起こる騒動、時折現れる人形の不気味さとカオス。 狩りの場面は、とても神秘的で俺が好きな場面の一つだ。貴族たちのスポーツとして、余興として、滅びゆく貴族たちの絶頂が垣間見れる場面でもある。 林にわんさかいるウサギや鳥たちを、木に棒を打ちつける音で林の外へと追い立てていく。まるで祭りの囃子のようにカンカンカンと。 猟銃を持った狩人たちは、獲物が出てくる瞬間をひたすら狙う。 獲物が出た瞬間に一斉射撃。爆音が辺りに響きまくり、次々と獲物は地に倒され堕ちてゆく。本当に撃ち殺しているのだから凄い。 まるで戦争映画みたいだ。 銃声が響く中で情事にふけようとする男女の様子が印象的。 後半のパーティーでの騒動も笑いが止まらない。 浮気をする召使の男女二人、それにブチ切れて拳銃片手に走る森番との追いかけっこ。それを咎められてショボーンと涙まで流して落ち込む姿の可愛さは何なのだろうか。仲直り?する場面は最高に微笑ましい。 で、熊の着ぐるみに入って何してんだよルノワールは(爆) 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2015-01-15 16:36:39) 13.侯爵夫妻の元に集まった飛行家を初めとする客人たち、そして侯爵に仕える従者たちの入り組んだ人間関係と恋愛劇、それが衣装によって人違いになるところなどまさにボーマルシェの「フィガロの結婚」だ。といっても私は原作を読んだことはなく、モーツァルトのオペラで知っているだけのことなのだが・・・。原作は上流社会批判の風刺が痛烈に込められているのだが、この映画は果たしてどうであろうか。モーツァルトの歌劇では美しい音楽と歌で楽しめるのだが、映画はドタバタがひどすぎるように思う。それに動物愛護協会からクレームが出そうな狩りのシーンもあるし、コメディとして笑える結末でもないし・・・。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 5点(2014-07-17 20:56:33) 12.《ネタバレ》 狩猟会における「ゲームの規則」、それは浮世を楽しく忘れる為に偽りの感情を演じきることであり本音が介在することは許されない。そして規則を破った者に降りかかる悲劇。一見するとこの作品は単に「ユーモアが欠落している艶笑劇」なので公開当初フランス本国ではまったく当たらなかった、「楽しい悲劇」を目指した監督にとって最悪の作品となったのも当然とも思う。但現代の視点で鑑賞するといつの世にも変わらない、素晴らしい風刺劇であるというのが私個人の感想。普通こういった階級社会の没落を描いた作品にはその立場に立った人たちへの同情や時代への郷愁といった描き方をする(てか彼の前作「大いなる幻影」などはその雰囲気にあふれていた)のが常だがこの作中の人物に対して描くのは「現実を直視していない愚か者」であり、監督自身が演じたオクターヴに対しても変わらないスタンスで取組み突き放してしまっているのには驚かされる。その上で人として生きる真実=本当の愛・友情を求めることに目覚めた飛行士(この職業設定もつまるところ地に足がついていない、という意図を込めてますよね)が誤射によって射殺された挙句、狩猟会の獲物(ウサギ)の様な軽い扱いをされてしまうという皮肉。1939年の大戦前夜に監督ルノワールが伝えたかったのはそんな時代の流れを直視せずに怠惰な日々を過ごしている人々への警鐘、だったのでしょう。初見の感動がいまだに残っているのでちょっと甘目ですがこの点数。 【Nbu2】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2013-12-07 21:39:56) 11.ゲームの規則とはそういう事なのか?不倫もゲームであるが但し、きちんした規則の元にしないと、とんでもない結末になる。ジャン・ルノワール監督の人間観察の凄さ、上流社会の人間だろうが、そうでない人間だろうが、規則を守らないと人間として失格であるというような皮肉が沢山、込められているようだ。相変わらず何を撮っても標準レベル以上の完成度の高い映画しか作らないこの監督の凄さ、ただ、やはりこの映画に出てくる登場人物の人間関係が一度でははっきりしないのと、登場人物が多くて理解しずらいのが難点であるのと、やはり私は群集劇というものがあまり好みでないようだ。それでもつまらなくは感じないし、見応えのある作品に仕上げてしまうところは流石、ジャン・ルノワール監督だと言いたい。部屋の中を登場人物がこっちと向こう側とで動きながら単なるドタバタ喜劇には収まらないドラマを生み出す空間、喜劇でもありながら悲劇的でもあり、人生は両方あるから面白いんだよとでも言っているようにも思えるそんな映画です。色んなものがこの映画の中にはぎっしりと詰まっていてそういう意味でも凄い映画であることは見つめつつ、ジャン・ルノワール監督の最高傑作がこれかと問われると私はNOとしか答えようがない。取りあえず今は7点だけど、もう一度、見れば8点になるかもしれない作品て気もするし、迷いつつ7点てことでこの映画の感想を終わりにしたい。 【青観】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-11-11 20:41:15) 10.《ネタバレ》 観てる時「ゴスフォードパーク」に似てるなあと思ってましたが、この監督、アルトマンにも影響与えた巨匠らしいですね。あのクマのぬいぐるみのオジサンですよね。すごいなあ。この映画、上流階級とそこに仕える人たちの群集劇ですが、こんな戦前に、もうここまで人物を整理した演出が出来るほど、映画文化って成熟してたのですね。一見、理知的な女性が実はもろかったり、森番の奥さんでありながら平気で浮気したり、女性観が冷めてるなあと思いました。 【トント】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2008-05-16 22:12:16) 9.《ネタバレ》 2回目の鑑賞でやっとレビューが書ける。というのも、1回の鑑賞だけでは登場人物の名前と顔を追うだけで精一杯でしたので。ちょっと人間関係が入り組みすぎて、しかも個性が際立っている役者が少なかったというのは、2回目を観たときもやはり感じました。 この映画に主人公はいるのでしょうか。もし、いるとしたらそれはルノワール演じるオクターヴでしょう。 このストーリーのポイントは、オクターヴのクリスティーヌに対する友情のような気がします。男女間の友情って本当に難しいと思うのですが、最後に温室の中で二人の間に愛情が芽生えても、次の瞬間にはその愛情が引き裂かれてしまう・・・。皮肉というか切ないというか、何とコメントしていいのかわからないくらい、映画が終わって呆然としてしまいました。 また、狩りのシーンでは、これが特に好きなシーンなのですが、森や空の開放感や銃を撃つ人の躍動感(?)が伝わってきて、見ていて気持ちよくなると同時に、獲物が息絶える姿を映し出すという生々しさも感じたのですが、これが飛行士が死ぬくだりの伏線になっていて、密猟者の男が言った「兎のように」死んでしまったというのが、これまた皮肉というか何というか・・・。 兎に角、登場人物の複雑さもあり、2度の鑑賞で人間関係は把握できましたが、非常にコメントに詰まる映画でした。 【もっつぁれら】さん [映画館(字幕)] 6点(2008-02-16 16:23:17) 8.《ネタバレ》 私達貴族って、何と申しましても優雅ですわ。人間の品とでも申しましょうか。美しくあらねばなりませんもの。お金もかかりますけども。えぇ、そのとおりでございますわ、中身なんてそんなものは、どうでもいいのですのよ。どんな方でも同じでございましょう。人間の欲望なんて皆同じですわ、どこをどうしても喜劇にしかなれませぬもの。喜劇、ですわ。あなたも目撃なさったでしょう、この喜劇。カモなみに人が撃たれましてよ、でも、喜劇。恋は盲目、ここは悲劇かしら。追いかけっこの茶番。こう見えて貴族をやっていくのも案外大変なのよ。え?、何?、没落の始まり?、だから何なのよ。人生は喜劇って今言ったばかりじゃないの。お分かり下さるかしら…… 【K-Young】さん [DVD(字幕)] 10点(2008-01-15 20:55:23)
【点数情報】
【その他点数情報】
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS