みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
25.《ネタバレ》 初っ端のカメラが凄いですね。2階の部屋から屋根瓦に行き、街灯ナメながらおっ母さんにフォーカス。最後腰の辺りから見上げる位置で固定。きっと子供が親を見上げる目線でしょうね。乗車拒否して喧嘩したり、芝居小屋の迷惑行為から、ブッ飛んだ主人公だなぁとは思ったけど、人の話をシッカリ聞いて、反省するところは反省できる男。徐々に松五郎が義理人情に厚く一本筋の通った魅力的な男に観えてくる。 字は読めないけど配られるビラを貰い、さぁ自分の出番だと本気の全力疾走。学生のケンカを見守るだけでなく、手まで出してしまう気の入り様。これこそ背中を見せて子供を育てる、まさに理想の父親像。ぼんぼんとの親子のようにほのぼのした関係から、成長したぼんぼんを「吉岡さん」と呼ぶことへの戸惑いなんて、この時代の映画で良くこのシーンに時間を割いたなって感心する。 クライマックスの祇園太鼓。太鼓を叩く松五郎に、路上を埋め尽くす観客、海の波しぶきに湧き上がる雲。“無法松”というタイトル通り、松五郎の生き様を表すような勢いが感じられた。そして走馬灯のように駆け巡る思い出。『あぁ、一生とある通り、太く短い生涯の幕を閉じるのだな』と感じさせるに充分な映像。最後止まる車輪と降雪で死を表現。唐突だけど見事。 検閲。そんな時代だったんだ。所々のブツ切り展開に“??”となったけど、納得。こち亀両さんのようなホロリとさせる人情話と思いきや、寅さんのような未亡人への想いを丸々切除されていたとは…これね、完全版を観ることが出来たら9~10点かも知れない。そんな嘆かわしい時代があった事に私が出来る抵抗として、8点にさせて頂きます。 ただ吉岡大尉のいきなりの死は、あの繋がりで正解というのは意外。 【K&K】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2022-10-17 19:10:26)(良:1票) 24.《ネタバレ》 何だかそっけない内容だなあ。特に主人公がいつの間にか死んでいるとか、訳が分からない。。子どもの頃に読んだ漫画(「小学*年生」とか)の方が、例えば母親へ寄せる気持ち等、深く豊かな内容だった。と思っていたのですが、皆さんの投稿のおかげで諸事情のためと理解はしました。 同情はしますが、提示された物はそれとして評価するしかありません。ない物を評価はできません。 太鼓のシーンも見事とは見えませんでした。実際、映像でそれを表現できなかったからこそ、登場人物の台詞でこれは見事なんだぞと定義付けなければならなかったわけです。 本作の存在は歴史(映画史ではなく)に記す価値があるのかもしれないが、内容にその価値はなさそうです。 【傲霜】さん [地上波(邦画)] 3点(2022-08-24 16:11:56) 23.《ネタバレ》 サイレントの伝説的な男優、阪妻を初めて拝見。 流石に古くてセリフが聴き取りにくかったが、大して影響は無し。 人力車の車輪が回るシーンを象徴的に挟み刻の流れを表現、随所に宮川カメラマンのカメラワークが冴える。 一本気な松が欲得など一切無く未亡人と息子に接し、ひたむきに尽くす生き様に胸を打つ。 運動会での激走、祇園祭の太鼓を見事に叩くシーンなど記憶に残る名場面が素晴らしい。 戦時中にこんな人情を前面に出した映画を作った当時の映画人の心意気には頭が下がる。 【とれびやん】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2022-07-30 18:19:17) 22.検閲でカットされたシーンを新たに撮影し直した58年のリメイク版と続けて鑑賞。どちらも素晴らしかったが、やはりこのバンツマ版のほうが完成度が高く、宮川一夫の撮影も素晴らしいの一言。吉岡夫人役の園井恵子がビックリするほど美しく、印象的であり、この2年後に広島原爆で亡くなられてしまったことを考えると非常に惜しい。子役の澤村アキオ(長門裕之)も印象的だった。いつまでも心に残る名作である。 【イニシャルK】さん [CS・衛星(邦画)] 10点(2022-01-12 22:45:51)(良:3票) 21.戦時中にこんな映画が創られていたことに、日本人として誇らしくなる思いがします。どんなに松五郎が無教養かつ無法でも作品に品があります。人としての性根の美しさにぐっときます。 阪妻の役者ぶりは言うに及ばず、スクリーンの中での映像表現をよく心得たカメラ、演出がとても洗練されています。松五郎が引く車の車輪、オーバーラップするその回転が止まった時、松五郎の人生も幕を下ろす。その一瞬で全てを説明し尽くす見事な一コマです。 園井恵子がとても美しいです。結い髪があんなにも美しく似合う女優さんを初めて見ました。彼女を失うことになったのも、無粋な検閲カットもすべて戦争のせいと考えるとたまらない思いがします。 あの時代、米国映画は豪奢な大作で世界を圧倒したけれど、日本はまた別次元の情感あふれる美しい映画を世に送り出していたのですね。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2021-11-28 23:40:33)(良:2票) 20.《ネタバレ》 当時の美術品の一つ一つが美しい。さりげないカメラの移動が美しい。もちろん園井恵子が美しい。そして、(検閲部分とは別の)省略と飛躍が美しい。大尉が熱を出しているシーンの次には、一足飛びに墓参りのシーンになる、この跳躍力。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2021-10-11 23:19:20) 19.《ネタバレ》 これが戦時中に作られたところが物凄い。当然検閲でカットされたシーンも多いわけで、ぶつ切りになっているのは致し方ないところ。 坂東妻三郎演じる庶民の男っぷりが実に人の良い日本人が好きそうなストーリーで、高評価の理由であろう。 宮川一夫のカメラワークはやや凝りすぎの感あり。 園井恵子さんは知らなかったが、戦前にこんな美人がいたことにびっくり。広島原爆の後遺症で亡くなったのは本当に惜しい。 【mhiro】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2021-10-11 21:27:54) 18.《ネタバレ》 下手なコメントできない。 日本映画の傑作。 何度も観たい。 【トント】さん [ビデオ(邦画)] 10点(2021-07-09 11:12:42) 17.《ネタバレ》 どうしても三船敏郎版と比べてしまいますが、私はやっぱり阪東妻三郎版が好きです。 三船敏郎は、誰もが愛する映画ならではキャラクター(松五郎)を完璧に演じていましたが、一方で「現実にはこんな人間はいないだろう」と思わせる面がありました。 阪妻の無法松は「昔はこんな人もいたのかもしれない」と思わされる、「人間」が画面の中に存在していました。ぼんぼんが連れてきた学校の先生を、祇園祭りに案内する松五郎の嬉しそうな表情が忘れられません。 それはそうと、松五郎が吉岡夫人に自身の葛藤(恋情)を叫ぶように伝える雪のシーンが国の検閲でカットされてしまったのが余りにも残念です。あのシーンがあると無いとでは、人間を描いた作品としての深みが全然違うと思います。 なんて勿体無いことをしてくれたんだろうと恨めしく思います。 【wayfarer】さん [DVD(邦画)] 9点(2020-06-14 02:41:58) 16.《ネタバレ》 映像や音質、ストーリーの繫がりの悪さは今から70年以上前の戦時中ということを考えれば致し方ない。検閲によって多くの部分がカットされてしまったことはまことに残念、当時の世相状況が伺えます。それでも阪東妻三郎の粋な男前っぷりは全く失われていない。きっぷの良さや陰ながら夫人を支える献身さも相まって男気あふれる無法松がとてもカッコいいですね。最後の祇園太鼓の躍動感は素晴らしい! 名作と言われるだけのものはあるとオモイマス 【Kaname】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2015-04-03 07:09:21) 15.《ネタバレ》 岩下俊作の小説「富島松五郎伝」を原作とする本作。 福岡県小倉の暴れ者「富島松五郎」こと「無法松」の顛末を描く人情もの。 街で大暴れするエネルギッシュな松五郎の身分を超えた情念を絡めた人生。 稲垣浩が魂を込めたこの映画だが、度重なる検閲で泣く泣くカットしてしまった部分も多く、今となっては不本意な出来となってしまっている。 松五郎が賭博に興じるシーン、良子に思いを打ち明ける場面などなど、重要な場面の多くが失われてしまった。 宮川一夫が収めたこの数々のシーンの一部が2007年に発見され、角川から出されたDVDで要約補完された。 ストーリー自体は後にリメイクで本懐を遂げたといえるが、本作で主演を務めた阪東妻三郎の素晴らしい演技が一部カットされた点は残念極まりない。 「雄呂血」の勇ましい二枚目が、この映画で見事に三枚目だが心の厚い熱血漢を演じる! 久世竜が代役を務めた雪のシーンですら、最初は自分の体で挑んで中耳炎を起こしていた。 サイレントからトーキーとなり、声の高さに一度は挫折したバンツマ。 それを声を出しまくった喉を潰し、ドスの効いた声に作り替える!役者魂ここに尽きる。 そして本作の一番の見所といえば、そんなバンツマのダイナミックな祇園太鼓。 監督の依頼を受けた太鼓打ち「田中伝次」が創作したオリジナルのものだったが、この映画がヒットした事で、松五郎の人物像とともにこの映画の太鼓打ちも全国、世界中に広まったという。 上記の太鼓を含め、宮川一夫の素晴らしいショットなどなど、見所も多い。 良子夫人を演じる園井恵子、結城重蔵を演じる月形龍之介の演技も素晴らしい。 特に園井恵子はこの「無法松」以外に映画には出ていない。彼女の最期を考えると、誠に残念でならない。 本作を見た方は是非とも三船敏郎主演のリメイクも見て欲しい。 【すかあふえいす】さん [DVD(邦画)] 9点(2014-12-18 18:57:31)(良:1票) 14.《ネタバレ》 実は、「車夫が軍人の未亡人に思いを寄せるなどけしからん」というような無粋極まりない検閲があったことは知っていたけれど、ここへ来るまでいわゆる三船版の存在は知りませんでした。 ただ、検閲でずたずたにされた後でも、酒場のポスターへの視線、そして彼の死後残されて風に舞うそのポスターで十分彼の未亡人に対する慕情は表現されていたような。 むしろ葉隠れにもあるように、忍ぶ恋こそ至極の恋かと感じさせてくれる映画でした。 ただ、暴力団の親分を社会の名士のように描く表現はどうもなあ。少しこの問題の病根の深さを感じました。 平成26年7月8日 点数のみ7→6 ※行方 【rhforever】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2014-07-08 11:26:58) 13.それでなくてもシーンが細切れになりがちなところに、検閲でカットされ肝心の終盤があっけない。松五郎が唐突に亡くなってしまったような・・・。それでも妻三郎の無法松は雰囲気が実に良い。三船版を見て改めてそう感じた。 【ESPERANZA】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-10-24 20:52:29) 12.三船版の後に観たので、ストーリーを追うような形で観るハメになってしまった。 こちらの方を先に観ていれば、もっと感動できただろうに・・・ 残念だ。 【にじばぶ】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-03-20 22:38:23) 11.古い映画だからといって、足し算をしながら見ることの出来ない私にはこの点数しか付けられません。検閲だか何だか分かりませんが、エピソードがぶつ切れで楽しめませんでした。 【くろゆり】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2008-02-09 16:07:24) 10.《ネタバレ》 三船版に引き続き阪妻版を観ました。キャスティングについては阪妻版を観てしまうと、正直三船版は霞んでしまいます(もう松五郎は阪東妻三郎、吉岡夫人は園井恵子の印象しか残っていません)。ただ、惜しむらくは検閲等でフィルムがズタズタにされているので、映画としての完成度では私は三船版の方が上だと思います。 今後、この作品を観ようと考えられている方は三船版と阪妻版を両方観る事をお勧めします。 【TM】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-02-02 23:04:08) 9.ずっと前にテレビでやったのを録画してあるという親戚に借りて見ましたが、あの感動は一度、観ただけで私の脳裏から離れない。そして、そんな映画が遂にDVDとなって発売されると聞いて速攻で予約、発売初日に買って来て再び観賞することに!いやあ、もうオープニングから眼が釘付けになる映像の素晴らしさ、これは間違いなく日本が世界に堂々と胸を張って誇れる日本映画史上最高の名カメラマン宮川一夫撮影監督の力が大きく、冒頭の二階から外へと移動カメラにより映し出されるスーパーショット、こんな映像、今の映画界では絶対無理、宮川一夫撮影監督にしか撮れない映像の素晴らしさにただただ見入るしかないほどの完璧な映像の世界にこれこそ映画ならではの映画でしか出来ない映像の世界に酔いしれ、そして、そんな映像と共に主演の阪東妻三郎の演技、人情味溢れる優しさに涙、涙、運動会のシーン、祭のシーン、太鼓を叩くシーン、更には松のエピソードがこれまた涙なくして見れず、どれもがとにかく泣けて、泣けて、今でもまだ思い出すだけで泣けてきそうです。阪妻以外にも吉岡夫人を演じている園井恵子という女優の美しさ、それは外見的なものだけでなく、内面的な美しさと人間としての美しい心にわたしゃ、完全にやられました。この映画の後、戦争によって亡くなってしまったと聞かされたけど、本当に残念だなあ!としか言えません。それともう一人、吉岡夫人の子供を演じている沢村アキオ(後の長門裕之)の名演技も忘れることは出来ない。それにしてもこの映画が撮られた頃って、日本は戦争の真っ最中だった筈!そんな時代にここまで人情味のある優しい気持ちになれる心温まる映画を撮った稲垣浩監督をはじめ、これほど泣ける素晴らしい作品を書いた伊丹万作という脚本家に加え、この映画に関わった人達、全員に拍手!文句なし満点です。 【青観】さん [DVD(邦画)] 10点(2007-12-18 21:14:07)(良:1票) 8.後年の三船+高峰阪は邦画のリメイクとしては相当よく出来たものと考えているくらいなのだが、それでも検閲によって中途半端になったオリジナルを愛すのはやはり物語を流れる雰囲気が素晴らしいから。宮川一夫のカメラ。監督稲垣の造形。まさにスクリーンの花、園井恵子。誰が欠けてもこうもいかなかっただろうけどやはり阪妻。粗野な行動と繊細な感情、力溢れた肉体に心優しい精神、そしてあふれ出す想いとそれを胸にしまい込む態度。相反する要素を持つキャラクターを「哀愁溢れる」姿態で見事に創り上げた、これが阪妻の名優たる由縁でしょう。阪妻、彼は男の持つ「哀愁」で映画ファンの心を鷲掴みにしたのでありました。邦画界における「心優しい、愛すべき乱暴者」の原点。 【Nbu2】さん [映画館(邦画)] 10点(2007-11-10 10:32:49)(良:2票) 7.劇中、涙を二度以上滂沱した映画は、本作が唯一。松五郎がひたむきに韋駄天走りする運動会、そして美しきラストの回想シーン。ズタズタにカットされていながら尚、この出来と云うから驚嘆する。この作品で阪妻こそ日本映画俳優の頂点だと確信し、園井恵子を原爆で失った憤りを改めて痛感する。園井さんの気品に満ち溢れた落ち着きある声音は、いつまでも忘れられない。 【丹羽飄逸】さん [CS・衛星(邦画)] 10点(2006-12-26 18:37:59)(良:1票) 6.無法松と未亡人の関係(と言っても、無いに等しい関係、なのだが)を、「一生」という形で描くことに意味のある作品だと思いました。原作・岩下俊作氏の『富島松五郎伝』とのことですが、こんな奴が本当にいたんだろうか。男として、惚れます。でも、維新以降(?)廃れていた祇園太鼓を復活させる松五郎、当時から「古い奴」だったんだろうなあ・・・右も左も真っ暗闇(関係ない) 【伯抄】さん [映画館(字幕)] 6点(2005-09-27 23:19:18)
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