みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
13.《ネタバレ》 製作当時はもう五社協定は雲散霧消しているわけですが、こうやって岩下志麻や乙羽信子が東宝映画で三船敏郎と共演しているのが観れるというのは珍しいことです。明治維新のときの赤報隊の史実をもとにしたオリジナル・ストーリーですが、穿った観方かもしれないけど70年安保闘争をカリカチュアしたような脚本であるような気がしてなりませんでした。官軍=佐藤栄作政権という図式で、宿場に突入してきた官軍が村人と対峙する絵面はまるで機動隊と衝突する学生デモ隊が彷彿されます。その村人たちも代官に反抗していたのは女郎屋の女たちと老師に扇動された若者だけで、半分以上の住民がこの騒動を眺めるだけの野次馬だったというのも意味深です。けっきょく赤報隊として官軍に利用されて果てる権三=三船敏郎なのですが、若者たちに詰め寄られて「理想と現実は違うものだ」と逃げを打つ老師=天本英世のセリフを聴くと、70年安保闘争後の無残な学生運動の成れの果てを予言していたようにすら感じます。 前半はとくに岡本喜八節が快調で、岡本映画常連の伊藤雄之助だけでなく三船敏郎までもがコミカルな演技を見せてくれます。権三が吃音気味というキャラ設定のおかげで、三船は普段は聴き取りにくいセリフ回しなんですが切れ切れに喋るおかげでいつもより耳に入りやすかったです。そして全編で効果的に使われるのが“ええじゃないか”節で、あの踊り狂う群衆の迫力は後年の珍作『ジャズ大名』の前振りみたいに感じました、もちろん今村昌平の『ええじゃないか』よりもずっと早いですね。コミカルな前半から打って変わって悲劇的な結末を迎えるわけですが、後半はちょっとテンポがもたつく感はありました。宿場に潜入していた幕府側の遊撃隊のエピソードは、ちょっと詰め込み過ぎた脚本のような感じでもたつきの原因だったと思います。とは言え個人的には珍しい三船敏郎のコメディ演技は堪能できたかなと思います。 【S&S】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2024-02-11 22:11:58) 12.三船敏郎が重々しすぎて、この主人公の役にまったく合っていないというのが最大の難点なのだが、脚本もかなり今ひとつだと思う。ラストのくだりなどは、それまであれこれ持ってきていたのを処理しきれておらず、グシャグシャになってるし。高橋悦史先生と寺田農先生の出番が割と多めだったのは、ちょっと嬉しい。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2022-08-24 00:23:20) 11.《ネタバレ》 「七人の侍」の武士にあこがれた百姓役の三船敏郎が、今度は赤報隊にあこがれる。隊長に頼み込んで、故郷に凱旋するが、かつての故郷は「人物」のいない荒れ果てた町になっていた。赤報隊がこの街にやってくるというので、送り込まれた赤毛だったが、赤報隊は内部のイザコザで、話が込み入ってくる。最後、三船は元奥さんと一緒に鉄砲の餌食になる。涙があふれる・・。町の用心棒との友情も粋なもので、時代の流れの中で大義名分で動く連中の勝手さに、行き場のない感情を最後、町民たちは「え~じゃないか」と踊り狂う。岡本喜八さんは「座頭市と用心棒」でもそうだったが、込み入った話を割とすんなり処理するのが上手い。この話も面白かったです。 【トント】さん [DVD(邦画)] 7点(2014-06-05 21:06:16) 10.《ネタバレ》 奇想天外なキャラ、コミカルな味付け、テンポ良い場面展開と、岡本監督ならではの娯楽作品。明治維新を農民目線で見せてシニカルに捕らえており、テーマはかなり深いものがあって、それを娯楽映画にしてしまうというところも、岡本監督ならでは。日本の誇る大俳優となった三船敏郎もこの映画撮ってる時、既に50前で見た目の歳は隠せないけど、溌剌とした若さあふれる演技(単純でお人好しというキャラ設定もあるが)で、途中でそれを忘れてしまうのはさすが(でも、やはり、「七人の侍」の頃の三船敏郎であれば、完璧だったのだが、、)。脇役陣も、それぞれのキャラと演技がドンピシャとはまっており、その演技のうまさを引き出す監督、スタッフの技量に感服です。 【nobo7】さん [DVD(邦画)] 7点(2009-07-26 23:51:22) 9.《ネタバレ》 今回の三船は流石に前に出すぎかな。漫画みたいに大げさでひょうきんなキャラクターはいいのだが、見せ場が少ないのでただのアホにしか見えないのは意図的なのだろうか。オープニングから軽い雰囲気で笑わせてくれたので、赤毛が大活躍する痛快なアクションコメディ映画を期待してしまいました。 かと思えば、意外と腰の据わった話が描かれ、大暴れしてくれると思った三船氏はほとんど酒飲んで大声出しているだけでヒーローとは程遠い。同じく漫画的なキャラクターの伊藤雄之助の快演には相変わらず惹きこまれてしまいましたが、その他様々なキャラクターの個性をどうにも持て余し気味。 少ない立ち回りは迫力があまりないし、時代劇で鉄砲があんなに出張ってくると三船も形無し。ラストシーンのせつなさは見事。 【すべから】さん [DVD(邦画)] 6点(2009-03-06 18:46:26) 8.《ネタバレ》 三船敏郎がちょっとバカっぽいのが難点だが、スピード・テンポ、エネルギー申し分ない。登場人物全ての個性が際立っており、小さな村での凝縮した人間関係は描写は、今の社会そのものである。「葵が菊に変わるだけ」コレに安易に期待するか?ニヒルに構えるか?潮目の変化を好機と捉えて勝負にでるか?今の日本も「自民が民主に変わるだけ」かもしれないが、安易に期待しすぎると「インチキだ!」と叫びながら刀を投げつけるような失望感を味わう事になるんだろうか?でもいい加減「ええじゃないか」じゃすまされないよ。 【東京50km圏道路地図】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2008-06-09 03:51:46) 7.《ネタバレ》 ユーモラスな雰囲気、独特のリズムとテンポの見事さで観客を映画の世界に引きずりこんでおいて、骨太なメッセージをガツンと食らわす岡本喜八監督の手法はお見事としか言いようがありません。キャスティングも非常に素晴らしく、三船敏郎は勿論のことニヒルな高橋悦史や岸田森の演技が印象的でした。 まあ、政権がどんなに変わろうとも権力というものの本質はそう変わることは無いということなんでしょうね・・・・・。 【TM】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-05-30 18:44:46) 6.《ネタバレ》 コミカルでマンガのような内容が楽しい。隊長から赤毛を借りて自分の村に戻って村を圧政から解放する下りまでトントンとリズミカルに繋いでいき、テンポは上々。特徴ある音楽も妙にはまっている。しかし遊撃一番隊が登場するあたりから調子も面白さも落ち着いてしまいます。最後はバタバタと人が死んでいくけど、どれもあっさりしてしまっていて、見せ場として成立していない感じ。遊撃一番隊もあっさり、高橋悦史もあっさり。結局鉄砲最強である。「たった三日間だけでもお前は百姓の天下にしたんだ」というお話なので、爽快感のあるラストには成り得ないのがちょっと寂しい。役者さんは皆良かったが、特に代官役の伊藤雄之助さんがとぼけた味を存分に見せてくれて本当に楽しく素晴らしかった。三船さんは確かにこの役をするにはちょっと歳を取りすぎ。でもその違和感に慣れてくると段々楽しくなります。この歳でこんなコミカルな役をやってくれてることが可愛らしく思えたりして。 【MARK25】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-12-30 22:57:21) 5.期待はずれ。 もう一つ面白くなかった。 高橋悦史、岸田森は若くって魅力があったがもういない。 岸田は同年生まれで、食道がん。私と同じだ。高橋は膵臓癌。残念、残念。 【ご自由さん】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-12-24 16:43:01) 4.岡本喜八監督の映画で主演している三船敏郎を見るのは初めて。五月に見た「座頭市と用心棒」が内容的にちょっと物足りない映画だっただけに同じくスタープロ(三船プロ)制作のこの映画にはそんなに期待してなかったんだが、こちらはわりとシリアスな作風になっていてそれでいて喜八監督らしいユーモラスなシーンもあり、(代官役の伊藤雄之助がとくにコミカルな演技をしていて笑える。)なかなか面白かった。ラストのええじゃないかの踊りは圧巻。主演の三船が「七人の侍」の菊千代のようなキャラクターなのは三船の当時の年齢もあって若干の違和感を感じるのがちょっとと思うものの、全体的には喜八監督らしい傑作だと思う。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 7点(2007-07-26 14:23:42) 3.赤毛というタイトルそのままに赤い髪をしている三船敏郎の大将ぶりが醸し出す能天気な性格の中に見えるリーダーシップの姿こそこの時代の大将そのものではないかと見ていて感じることが出来る。自分を犠牲にしてまでも農民、平民の為に金持ちである武士達へと戦いを挑む姿が描かれています。前半、やや単調な感じがしなくもないが、後半のはちきれんばかりの力強さと岡本喜八監督の時代を読み取る力は流石!作品の雰囲気は喜劇的ではある。ところが観ていてこれは単なる喜劇ではない何か考えさせられる内容になっている。権力のあるもの、ないものとでは違う。やはり権力のある者の方が強い。しかし、権力で支配する人間に対して、立ち向かう為に何か行動を起こさなくては何も始まらない。そんな叫びというものが聞えてきそうだ! 【青観】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2007-05-21 21:33:47) 2.《ネタバレ》 「赤報隊」に「ええじゃないか」を合わせて描いた時代劇。内容のほうは「斬る」や「助太刀屋助六」に近いコミカルな面もある一方で時代の移り変わりのパワーを感じる作品。つまらなくはないと思うが例の如く三船の年齢が気になる・・・。他に誰と言われても三船しかいないんだけど、流石に年齢いきすぎてるでしょ。乙羽信子のええじゃないかの舞いは「日本誕生」のウズメを思い出させるような感じで印象的。 【バカ王子】さん [ビデオ(邦画)] 6点(2006-06-15 23:46:51) 1.時代の移り変わり、明治維新のエネルギー。そこに赤毛の三船敏郎がやってきて、凄いことになってくる。前半1時間は安っぽいコントのようでサブく、グデる。だが中盤からクライマックスへの爆発的なパワーはとてつもない。 「葵が菊に変わるだけ」という明治維新。その終わることの無い絶望的な時間の狭間、一瞬だけ訪れた幸福。彼らはその記憶を大地に刻み付けるため、「ええじゃないか」とどこまでも踊り続けるのだ。 【紅蓮天国】さん 6点(2004-09-07 04:10:31)
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