みんなのシネマレビュー

ラルジャン

L'argent
1983年【仏・スイス】 上映時間:85分
ドラマ犯罪もの小説の映画化
[ラルジャン]
新規登録(2004-02-23)【おっさんさんさん】さん
タイトル情報更新(2014-07-17)【アングロファイル】さん
公開開始日(1986-11-29)


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監督ロベール・ブレッソン
原作レフ・トルストイ「にせ利札」
脚本ロベール・ブレッソン
音楽ヨハン・ゼバスティアン・バッハ「半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV903」
撮影パスカリーノ・デ・サンティス
配給フランス映画社
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【クチコミ・感想】

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12


25.《ネタバレ》 ちょっとしたことから人生が転落していくことはあるだろうし、所謂一般市民は善と悪の境界のようなところで生きている。だから自分を守るために多少のインチキはするのだろう。それが他人を不幸に陥れることもあるわけだが。そういった人生の不条理さを描いているのだろうが、出所直後にイキナリ殺人しちゃって、罪を重ねていくというのはやや唐突で無理があって、展開を急ぎすぎ。原作未読なのでどうアレンジしているのかわからないが、この辺の過程はもうちょっと丁寧に描いて欲しかった。あとは役者が総じて下手というか魅力がないのも盛り上がりに欠けるのも難点ではある。 東京50km圏道路地図さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2023-06-28 13:10:59)

24.一枚の偽札を手にした事による人生の転落、お金が人の人生を狂わす様子、その描き方が凄い。殺人シーンも省略しながらも殺人を犯した事を解らせる映像表現など、映画とは何か?その答えが詰まっている。ブレッソン監督の映像作家としての凄さ、音楽を一切使わず、音にしても犬の泣き声ぐらいであとはピアノの音ぐらいで殆ど無い。台詞にしてもなるべく抑え、表情だけで語らせる上手さに関心させられる。陰惨な話だけに楽しい映画ではない。だから楽しい物語だけを追いかける人、何から何まできちんと台詞で説明してくれる最近の日本映画が大好きな人にはオススメしません。想像力のある人、想像するのが好きな人にオススメの映画、映像作家の一人であるブレッソン監督の遺作にして珍しいカラー映画です。 青観さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2018-10-17 21:05:51)

23.《ネタバレ》 ストーリーが凄く淡々と進む感じがするのですが、やはりモンタージュがスタイリッシュで抜群に格好良い事があげられると思います。
写真屋の店主が偽札に気付くシーンからガソリンを扱う手のショットへ、また、ベッドの裏から出てきた大量の睡眠薬から救急車と白衣の人物を捉えるショットへの移行などなど、スパッと明快なモンタージュのオンパレードが見ていてとても心地良いのです。
また、ここまで見てきた観客は画面の中に斧を目にすることになり、当然背筋が凍るような感覚に襲われるわけですが、ここからがブレッソンの凄いところ。
イヴォンは家事を手伝ったり果実を採って食べさせてあげたりと一旦は善人となりハッピーエンドに向かうのかも、と思ってしまう。自分はラストよりも、むしろそういった見る側の人間を食ってかかるような“フェイント”や“焦らしテク”にやられました。
ところで、それぞれの立場を考えてみると、偽札を掴まされたイヴォンは善良な一市民。
食事の会計時に衝動的に乱暴な振る舞いをしてしまったり、仕事を解雇され妻子を養うべく銀行強盗の輸送役をやるも、根が善人であるのは間違いなさそう。
また、イヴォン以上に善良なのが写真屋の雇われ従業員ルシアン。
写真屋の金庫を荒らしたり金属片を使って他人の預金を引き出したりと悪事を働く姿が描かれていますが、自分の読み間違いがなかったとすれば、これらの一連の行いは偽証によって罪を着せてしまったイヴォンのため。自ら刑務所に入りイヴォンを救うため。(結局、イヴォンは脱獄の誘いを断りちゃんと刑期を終えて出てきましたが。)
出所したは良いが、全てを失ったイヴォン。
偽札を作って何事もなく生きてゆく学生と、偽札によって人生を狂わされる善良な人間たち。彼の手にかかった人達も同様。
偽札とは一体?? もっつぁれらさん [映画館(字幕)] 6点(2015-08-24 23:39:29)

22.《ネタバレ》 無駄を省いたドライでハードボイルドな映像は、それだけで引きつけられます。話の内容もある種非情な不条理劇ですが、偽札を使った人々がそれぞれ罰を受けるあたり、因果応報もちゃんと描いています。しかし主題は、運命に見放されたかのような男の、自分を陥れた「金」への復讐?(なのかどうかはよくわかりません)
まあ、あまり理屈をこねるタイプの映画ではないでしょう。とりあえず、ある程度の魅力は味わえました。

ところで、ミサをラテン語で挙げていましたが、時代設定はいつなんでしょう。 アングロファイルさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-07-09 22:26:29)

21.どういうカットを組み合わせるか・何をどう配置しどう動かしどう撮るか・あるいは撮らずに省略するか。等々。映画作る側はそりゃあ神経使うんでしょうけれど、それがあまりにリキ入ってると、観てて疲れる場合もありますわな。本作なんかもずいぶん「作りこまれた」印象がありますが、それが作為として気になることなく、むしろ我々を圧倒して映画に引き込んでいくのは、その各シーンがまるで、非情なる運命の歩みを刻々と刻んでいくように、我々に迫ってくるから。まさに目が離せない映画(もっとも、目が離せる映画ってのが存在するのかどうか知りませんけれども)。 鱗歌さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2014-06-23 17:16:30)

20.テーマはとても深く、考えるべきものであるけど、後半の主人公の落ち方はちょっと極端では?原作を読んでみたい。 nojiさん [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-05-03 02:00:34)

19.《ネタバレ》 結論から言えばかなり暗い映画。
不条理さが自然なかたちで進行していき、最後の後味も悪い。
映画として素晴らしいのかどうか、何となく観た自分には判断はつかない。 simpleさん [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-04-27 16:36:01)

18.そのクールな終わり方に見終わった瞬間「はぁっっっ!?」って声出して言っちゃいました。呆気に取られた。好き嫌い別れるでしょうが、私は真ん中。監督独特の手法は印象に残るし嫌いではないが、たぶんもう観ない。でも未見の人で興味有る人は見ておいた方がいいと思う。そんな映画。 movie海馬さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-04-30 21:58:14)

17.原作はトルストイの『にせ利札』。
富裕層の少年がいたずら心で犯した過ちが、労働者であった一人の青年の人生と魂を破壊していく物語だ。
少年家族、写真店の夫婦(彼らは富裕・中流層であるがゆえに善良とみなされるのだ)にとって都合よく片づいた小さな事件は、彼らが思いもつかないほどの重大な結末を招くわけだが、これは非常に普遍的で闇の深いテーマである。
この社会が黙殺する小さき者たちは、度々社会を震撼させるような事件を起こす。
それは、凶悪とか復讐を通り越して、この世の中を道連れに心中していることに他ならないのだ。
だから、殺害対象は必ずしも憎い相手でなくても構わないのだろう。
現代社会に生きるすべての者が決して目を背けてはいられないほど重大で深淵な問いを、簡潔かつ厳格な演出で突きつけた、威厳に満ちたこの遺作にただ震撼する。 poppoさん [映画館(字幕)] 8点(2011-10-02 18:26:52)(良:1票)

16.ブレッソンの遺作。
カラーとブレッソンの不協和音が心地よい。 にじばぶさん [ビデオ(字幕)] 7点(2011-08-21 00:18:35)

15.序盤は良かったが、途中からよく内容が分からなかった。
そもそも自分の観察眼がないのだろうが、ナレーションのない淡々としたフィルムでフランス映画っぽく肌に合わなかった。
似たような人物が出てきたり、カットが目まぐるしく変わって難解だった。 mhiroさん [CS・衛星(字幕)] 3点(2011-02-28 22:02:39)

14.1回目は4点だったけど、2回目はその倍になりました。1回でその真価を見抜けなかった自分が恥ずかしい。 Balrogさん [DVD(字幕)] 8点(2009-11-28 01:26:49)

13.冒頭に映されるのはいかにも現代的な裕福な家庭。ごく普通の家庭の普通の会話が少しだけ映される。しかしその「普通」の中に、そしてその「少し」の中に、息子の甘え、親の無関心、責任のなすり合いといった醜悪なものを凝縮させている。この一見「普通」でありながら実は「醜悪」なものはこの後も延々と映され続ける。これが現代社会なのだ。ブレッソンは「醜悪」なものをけして大袈裟に映像化しない。「普通」の中にあるものを巧みに見せてゆく。『少女ムシェット』で少女が何かに怒っているように『ラルジャン』の青年もまた何かに怒っている。「何か」とは社会に他ならず。が「何か」はあまりに大きく、且つ漠然としているためにその怒りもまた矛先を持ち得ない。弱者は殺人者になるか死ぬか。強い者のために弱い者が虐げられ、強い者のために弱い者が作り出される社会。ブレッソン思想、ここに極まり。それでいてブレッソンが早くから確立させていたモンタージュの完璧さと「手」「足」「扉」に代表される印がこの作品を「ブレッソンの映画」たらしめている。「ブレッソンの映画」とは最高級ブランドである。 R&Aさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-05-22 16:15:07)(良:1票)

12.《ネタバレ》 洗面所で手を洗っているところを撮るだけで、主人公が殺人を犯したことを効果的に伝えてしまうブレッソンの手際のよさには舌を巻く。ストイックな演出が冴え渡る中で、ワンカットだけ映し出される女性の脚がなんともエロティック。 クルシマさん [ビデオ(字幕)] 9点(2008-06-07 00:25:55)(良:1票)

11.《ネタバレ》 もっと、一枚の偽札が偶然的に巻き起こすいろんな皮肉なドラマがあるかと予想していたのです。ところが、途中からは、男の単なる犯罪転落ものになってしまったのでがっかり。というか、刑務所入りくらいまではともかく、その後は偽札はほとんど関係ありません。泥沼系(?)の作品であれば、後出でこれを超えているのはたくさんあるような気がします。俳優陣に個性が感じられないのも残念でした。 Oliasさん [CS・衛星(字幕)] 4点(2008-05-29 23:42:31)

10.映画でも小説でも色々な作品を見れば見るほど、同じようなストーリーには驚かなくなります。この映画の衝撃もトルストイの原作も今初めて見たはずなのに、勧善懲悪なものが受け入れられた時代は遥か遠くなり、同じようなシチュエーションのフォロワーものを多く見過ぎているので新鮮にも衝撃的にも感じませんでした。映画は見た時代によって変わるものです。そうなると個人的評価は好きか苦手か。この映画は苦手でした。 omutさん [CS・衛星(字幕)] 5点(2008-05-21 20:24:24)

9.《ネタバレ》 首が飛んだり、血しぶきが吹き荒れる、といった類ではないが非常に怖い映画でした。
金は天下のまわり物。
彼が人を殺したのもお金のため。
私がこの作品を好きなのは、殺される老人のひくバッハが印象的だから。
なぜ『半音階的幻想曲とフーガ・ニ短調』だったのか。
ブレッソン監督におしえてもらいたかった。
これを観た後、猛然と練習して今も時々ひくお気に入りになりました。
ひきながら頭の中は、庭に面した部屋でバッハをひく老人がいつもよみがえります。 バッハバッハバッハさん [映画館(字幕)] 9点(2008-04-20 00:21:20)(良:1票)

8.まるであらすじをそのまま映像にしたような世界。実に淡々と進んでいく。妙に殺風景なセットに妙に光量の多い画がなんだかコントチック。前半はもろにあらすじのまんまだが、テンポが良い分それなりに楽しめる。後半は翻弄された男に話が絞られていき、普通な感じになって逆につまらない。そして展開も。目的とその方向を間違いすぎている。 MARK25さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2007-09-17 18:56:59)

7.映画史上最高の遺作の一本、であると言い切っちゃおう。 Nbu2さん [映画館(字幕)] 10点(2007-07-26 21:44:26)

6.徹底的に無駄を排した、極めて効率的な完璧なフィルム。感服。 アンダルシアさん [映画館(字幕)] 10点(2007-07-01 05:15:45)

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マーク説明
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★《更新》★:2日以内に更新
《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 25人
平均点数 7.32点
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428.00% line
5312.00% line
6312.00% line
728.00% line
8624.00% line
9312.00% line
10520.00% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.00点 Review1人
2 ストーリー評価 7.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 6.00点 Review1人
4 音楽評価 Review0人
5 感泣評価 Review0人

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