みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
14.《ネタバレ》 フェリーニ作品に腰が引けるのですがリチャード・ベースハート出演に釣られて恐る恐る鑑賞。 心配は杞憂に終わった良作でした。詐欺師3人一体となっての騙しの手口で貧しい人々のなけなしの金を巻き上げるのに血圧計が振り切れる。外道生活から抜け出すべく後戻り出来た妻子持ちで若いリチャード・ベースハートと出来なかったブロデリック・クロフォード。48歳が強調されておりましたが、一回り上の私はどないなるんや! しょんぼりします。 救いの無い結末ですが因果応報、止む無しなのでしょう。 私的には「道」>「崖」≧「カビリアの夜」であります。 【The Grey Heron】さん [インターネット(字幕)] 7点(2023-03-26 16:12:24)(良:1票) 13.《ネタバレ》 改心したかと思いきや、なんや余計たち悪いわい~!的終わり方。どういう意図でこうしたのでしょうか?フェリーニさん?? まぁ少なくともいえることは、胸を張って堂々と生きていきたい、というか生きていくべきだということ、でしょう。だから、この詐欺グループから抜けたピカソは偉い、というか当り前だ。でもやっぱりどこかで何か報いを受けるとも実は昔から思ってます。まさに因果応報です。いいも悪いも必ず返ってくると思ってますハイ 【Kaname】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-11-06 11:21:35) 12.《ネタバレ》 フェリーニ作品としてはわかりやすい。因果応報、道徳と人間性といった問題が凝縮されているように感じた。 ■詐欺師どもは貧乏人を狙ってなけなしの金を騙し取る。非道な者どもであり、仲間の一人は妻から見はなされそうになる。悪の道に進むと、通常の人が抱くような愛や信用といった純朴な心とは無縁な世界を歩まなければいけないのだ。それは主人公自身が何よりも自覚しているはずだった。 ■だが主人公にも娘がいた。面倒をみたいと思っているのだが、あろうことか娘の目の前で警察に逮捕される。そして次の仕事で狙った相手の半身不随の娘との会話で胸を打たれる。あの娘の健気さとまっすぐさは見ていても素晴らしく伝わってくる。 ■悔悛したいと思うが、結局出来ない主人公はそのまま崖に突き落とされ、這いあがれずに死んでいく。最後に体から金が出てきたのは「善良になりたいと思っているけど、儲かる悪事を止められない」という主人公の心の矛盾した側面を表しているのだろう。コートを捨ててふっ切ったピカソとの対比が印象的。 【θ】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-04-24 00:24:06) 11.《ネタバレ》 この映画の一番の肝はやはり、後半に出てくる半身麻痺の少女なのでしょうか。 この頃の他のフェリーニの作品で本作同様、汚れのない子供に接することで人生をリセットするチャンスを与えられるシーンが見られますが、いずれの作品の主人公も結局立ち直れないままで物語が終了してしまっています。 全体的なストーリーは面白かったのですが、どうもアウグストの行動に疑問が残る。 少女の純粋さや気丈に振舞う健気な姿を見て、何もしてあげられない自分を恥じ、胸の詰まる思いをした事は事実。しかし、そこで改心したと思いきや、アウグストの体のあちこちからお金が出てきたのは、一体何が言いたかったのだろうと不思議に思った。最後、悪事から抜け出そうと道行く農民にすがろうとするアウグストを再び崖から突き落とすかのような結末に、本当に救いようのなさを感じました。 少女が懸命に松葉杖を使ってアウグストに近づき救いを乞う姿と、ラストシーンでの崖の地肌の乾いた感じが特に印象的。 【もっつぁれら】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2009-12-30 14:47:22) 10.《ネタバレ》 途中まで主人公は「道」にも出てきた二人の夫婦かと思っていましたが、焦点が徐々に中年親父にシフトしていったのが面白い驚きでした。若い夫婦の現時点での行き着く先がこの中年の主人公であると暗に示されているように感じます。足の不自由な娘を前にし良心の呵責を覚えつつも、わざわざ金を分割してまで体のあちこちに忍ばせる狡猾さ、身勝手さを捨てきれない主人公に賛同も同情も出来ませんが、自身の娘を想う気持ちは伝わってきます。一方若い夫婦はこの先どうなるのか。「家に帰ろう」と言い残した後 映画から完全に消えたところを見ると、主人公とは違う道に進むことが出来たのかもしれません。 【njld】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-12-10 15:46:27) 9.《ネタバレ》 パーティの席で窃盗をしてしまい、それがバレて冗談で済ませようとする展開や、娘の目の前で警察に連行されるパパの姿など、「詐欺師の哀れみ」が前面に出ていてなかなかぐっとくるものがあります。そして終盤の歩けない少女との出会い。シンプルでありながら、ツボはちゃんと押さえてる。「詐欺師は家庭を持ってはならない。孤独でなければならない」と主人公のおっちゃんは鉄則を語ってましたけど、彼自身、娘がいたが為に、不自由な身を持つ少女に共感を得ずにはいられなかった。完全にワルになりきれなかった男の話。詐欺師とは、金と引き換えに、人間性を失う職業。彼は金を捨て去る代わりに、もう一度人間性を回復しようとしたものの、時既に遅し。ああ、日本全国の詐欺師たちに一度は見てほしい作品。 【あろえりーな】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-11-14 17:32:24) 8.小児麻痺の少女との会話で、自分が罪深い人生を送っていることを痛感しその後の行動に出たんだろうけどその行動と言動との違い。何がしたかったのか?何をしようとしてたのか?良心が芽生えたのにそこで終わってしまうのは悲しい。 【茶畑】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2008-10-31 22:11:23) 7.《ネタバレ》 後悔や諦観、静かな絶望。最後のアウグストの支離滅裂な行動から、そんなやり場のない心の嘆きが感じられて悲しい気持ちになりました。 【Trunk】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2008-10-30 13:41:49) 6.《ネタバレ》 フェリーニという人の描く世界、見つめる視線の先には人間とは如何に惨酷な生き物、運命には逆らえない。この映画の主人公三人の悪人達、社会から完全にはみ出してしまったどうしようもない人たち、人を騙し金を奪うことを商売にしている奴ら、そんな奴らの苦悩、悲しみ、そんな中で三人のうち、一人の男、アウグストが別れた妻と娘との再会、その瞬間に見せる彼の一人の父親としての娘との幸福感、更に小児麻痺の一人の少女との出会いによって、今までの自分のしてきたことへの償いの意味を込めての仲間との別れ、純粋な少女の優しさ、会話の中で生まれる本当の人間愛、この映画が描いているその人間愛こそフェリーニ監督の持ち味、人間の心の中にある悲哀、人間の弱さというものを感じられずにはいられない張り詰めた空気、最後の最後に良心を見せて死んでいったアウグストを演じて見せたブロデリック・クロフォードの名演技に誠意と意地を感じることが出来る。 【青観】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-04-13 21:21:18)(良:2票) 5.《ネタバレ》 数多あるフェデリコ・フェリーニ作品群の中から、『崖』を鑑賞。 フェリーニ作品は全て観たが、この『崖』が一番のお気に入りだ。 世間では、同時期に作られた『道』(1954)の方が有名である。 でも私は『崖』の方が遥かに好きである。 一番のお気に入りシーンは、「主人公と小児麻痺の少女との会話」シーン。 詐欺を働き、その人生自体も汚れきった中年の主人公。 片や、小児麻痺と戦いながらも人生と真正面から向き合い、純粋さを失っていない少女。 この対照的な二人の会話は、ただただ見入ってしまうほど感動的で印象的なシーンだ。 主人公が、純粋な少年や少女と会話をするシーンは、『甘い生活』(1959)や『青春群像』(1953)などの初期フェリーニ作品でもよく出てくる。 『甘い生活』は非常に尺の長い作品で、ややもすると退屈さに襲われる危険性大の作品だが、ラストの「海辺での主人公と少女との会話(実際は会話が成立していないが)」シーンが一気にそのもやもやを吹き飛ばしてしまう。 『青春群像』でも、ラスト間際の「汽車が出発する直前の、主人公と少年の会話」シーンがあり、最後にとてつもない余韻を残す。 私にとって、初期フェリーニ作品が大好きな理由は、まさにこれらの名シーンが存在するからなのだ。 中期から晩年にかけてのフェリーニ作品は、まさに「映像の魔術師」的作品が多く、それらは高く評価されているかと思うが、私の好みには合わない。 やはり私にとってのフェリーニ作品といえば、『甘い生活』であり『青春群像』であり、そしてこの『崖』であるのだ。 “あの会話シーン”を観たいが為の理由で、私はこれらの作品をまたいつの日か観ることだろう。 最後になってしまったが、ニーノ・ロータの音楽も言わずもがな素晴らしい。 やはりフェリーニはロータあってのフェリーニである。 【にじばぶ】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2007-11-12 21:44:37)(良:1票) 4.《ネタバレ》 3枚目以下が主人公。48歳とは思えなかった、…50代前半かと…。 いんちき薬で刑務所に入ったかに思えたが時間的差異がない。 最後の靴に忍ばせた金はどうするつもりだったのか? 疑問は残るが「眼には眼を」みたいなシュールな結末が尾を引きます。 フェリーニの中間的作品でしょうか。 まだ、全然わかりやすい。 絵も美しい。 【PaperMoon】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-01-15 00:31:40) 3.《ネタバレ》 はっきり言って主人公はかなりの悪人です。無知な貧乏人から金を騙し取ったり、偽の抗生物質を売り付けて病人を死に至らしめたりと。ある意味では『自転車泥棒』で自転車を盗んだ奴等と同類です。金持ちからふんだくれば良いものを…、最後に仲間から言われる「自業自得だ」という言葉もまた然り。ただこれはそういうモラルを問う映画ではないし、そもそもあれで主人公に感情移入するなと言う方が無理というものです。彼を慕う若者の詐欺師に「この仕事では家族は邪魔になるだけだ」と言いながら、実は彼にも娘がいて、しかも事情で定期的にしか会えない。傑作『青春群像』にも似た登場人物の後悔と未練の気持ちがビシバシと伝わってきます。ラスト、どん底に突き落とされ蟻地獄から這い上がるかのようにもがく主人公の姿に、今からではもう人生をやり直すことができないという崖っぷちの心情が重なってようやくタイトルの意味が理解できました。自分はもう無理だからこそ、まだ希望のある若者に願いを託したかったのかもしれませんね。 【かんたーた】さん [地上波(字幕)] 8点(2005-06-03 18:42:14)(良:2票) 2.ん~~ラストがなぁ…終盤わけわからんようになってくる…TVだからカットされてたんかな?そこが気になった…内容は今見ても確かに見れるし、この辺の映画はカラーでない分、それを補うがごとく、いろんな事で描写されてる気がする。ならでは感がありますね。 【レスマッキャン・KSK】さん [地上波(字幕)] 6点(2005-05-22 07:00:49) 1.そうそう、声と口が合ってません(笑)。トリュフォーの『アメリカの夜』でセリフを覚えられない女優が「フェリーニだったら適当なことをしゃべらせて後で声を入れてくれるのに」って言ってました。実際フェリーニの映画づくりに脚本らしい脚本は無く、彼のイマジネーションだけで進んでいくと聞いたことがあります。そしてフェリーニの映画では、キーとなる登場人物がその作品の中で何かの象徴として配されます。STING大好きさんの言葉をお借りすると、アウグストの娘はまさに人生の光の象徴として配されます。光に触れたとき自らの悪行を恥じるアウグスト。人間の弱さと愚かさにまみれた男が必死に闇の底から這い上がろうとしたとき一筋の光が見えた気が..。名作『道』に続き「後悔先に立たず」な人生劇。フェリーニ作品の中でもお薦めしやすい「気安さ」がありますが、これもまた名作です。 【R&A】さん 7点(2004-06-07 14:50:51)
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