みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
3.《ネタバレ》 タイトルからして通俗的な印象だが、「わたしたちは天使じゃない」などというキャッチコピーを見ても、今どきそんなこと初めから誰も思ってないだろうと脱力感を覚える。ストーリーはとりあえずキャッチコピーの通りに展開し、やがてモンスター患者が出てきてさんざん駄々をこねるが見ていて同情心がわかず、思わず他の入院患者の立場になって、看護婦さん方も人間なのだから自分だけの守護天使を求めるな、と突き放したくなる。 最後の場面はまたいかにも安易な感じのエピソードで、実際こんなことは病院内ではありえないだろうし、また心をこめたメッセージのように見えても、どうせ担当看護師がどうすれば格好付くかだけ考えて適当にこなした仕事だろう、という皮肉な感情がわく。 しかし、そうは思いながら不覚にも、もし自分が入院患者の立場でこれをやられたら、この時ばかりは目の前の看護師が天使に見えるかも知れない、と思えた。天使は、われわれ一人ひとりのことを(いつもではないが)ちゃんと見ていてくれるらしい。そう思うと、もうこの映画を悪くいえなくなってしまった。個人的にこういうのに弱いようだ。 なおこの映画の脚本家は看護師の経験者ということで、病院での勤務実態の描写のほか、ベテランが新米とは別の陥穽にはまるといったあたりも現実的なのだろう。コメディ要素もあるが控え目で、全体として極めて真面目な映画である。 【かっぱ堰】さん [DVD(邦画)] 8点(2012-02-18 22:29:00) 2.まず病棟シーンでは、医師役:江守徹と大鶴義丹が足の手術処置を実演している。 今度は、ストレッチャーを押す薬師丸ひろ子の長い移動ショット。そこからさらに、彼女らが採血・点滴・清拭・バイタルチェック等々をベテランの身のこなしで遂行していく様を点描していく。 尿瓶の洗浄や、患者の洗髪といった地味な労働のシーンも薬師丸ら役者自らがしっかり実演している。 ナース役:薬師丸や松下由樹は相当に実務と動作を研究し、演技訓練したはずだ。 実演自体が素晴らしいのではなく、プロフェッショナルの合理的で無駄のない動作の流れと彼女らの真剣な横顔がそこにあるから、その労働のショットはアクションの画面として美しい。 長崎監督はナースステーションのシーンにおいても、ロングショットを駆使して後景で立ち働くナース役一人ひとりの労働にまで目を注ぐ。 飲食シーンを適宜取り入れ、彼女らの人間臭さを描出することも忘れない。 これら敬意のショットの丹念な積み重ねがあってこそ、ラストのファンタジックなキャンドルサービスはドラマの生真面目さを越えて輝きを増す。 キャンドルの光の中、薬師丸の振り返るショットが崇高さを湛えてこの上なく美しい。 【ユーカラ】さん [映画館(邦画)] 8点(2011-10-10 21:10:31) 1.女性の職場群像ものとしてけっこう面白かった。そろそろ仕事が鮮やかさを失ってきたころ、新入りの汗がまぶしく感じられ…、なんてあたりの心理。あんまりなかったんじゃないか、こういうの。日本映画で女性の群像となると、女郎や街娼グループなんかが得意だったがあれは特殊だし、どこか大奥ものの変形みたいでもある。そうでないと働かない女学生たちになってしまう。62年の鈴木英夫『その場所に女ありて』が、職場で働く女性群像ものの初めだろうか。でこの映画、そのまま看護婦という職場のスケッチで展開してくれてもよかったんだけど、まごころ込めたつもりが事務的だった新入りと事務的のようでいて患者の心を知り尽くすベテランが対比され…、と分かりやすいドラマの構図が出てしまうあたりから、ドキュメンタリー的な新鮮味がやや薄れてしまった。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 6点(2008-03-07 12:20:17)
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