みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
8.禁酒法時代はギャングの時代、実世界で抗争が繰り返されれば、映画の世界にもギャング映画の時代となってくる。タイムリーなネタが描かれている訳で、いつの時代も皆さん、敏感というか、まあ、お好きですなあ。 であると同時に、トーキーの長編映画が登場し、広まっていった時代。トーキー初期の作品、と言ってよいと思うのですが、この作品を見ていると、いかにもトーキーならでは、と言った感じで、意識的に「オフの音声」が取り入れらているようです。「画面外からの音声」だけではなく、例えば会話シーンで、語り手は向こうを向いていて口元が画面に映っておらず、聞き手の方の表情が画面に捉えられていたりして。音があってこそ可能となる、同時並行の表現。新技術が登場すれば早速、それを駆使した新しい世界の探索が始まり、またさまざまな形で繰り返されていく、っちゅうことでしょうか。 一方で、影を用いた間接的な描写など、画面上の多重性みたいなものもあって、サイレント時代の残り香のようなものも感じさせたり。 物語はと言うと、チンピラ風情の主人公がギャングの一味に加わり、暴走気味の行動で頭角を現していくけれど、その先には破滅が待ち受けている、という、ベタと言えばベタなお話で、それを80分で駆け抜ける。主演のエドワード・G・ロビンソンが、見るからにワルそう、と言っても狡猾タイプではなく、「ちょっと(かなり?)勘違いしてるヤツ」といった風情で、役にマッチしています。たぶん、こういうヤツが実際の世界でも少なからず、いたんだろうなあ、と。 【鱗歌】さん [インターネット(字幕)] 8点(2024-11-24 07:54:36)★《新規》★ 7.《ネタバレ》 ギャング一代の栄枯盛衰を(なんと80分で!)描く、というトコロで、正直なかなか色々シンドイ部分もある映画ですが、極め付きにシンプル、が故に逆にギャング・マフィア映画に必要なエッセンスとゆーのは何なのか、とゆーのが諸々よく分かるという風にも思われます。一番重要なのはやはり、役者自身がアウトローな存在感を如何に醸し出すか、というコトだとは大いに実感できましたね。だから今作、エドワード・G・ロビンソンが主演な時点で負け戦は無い、という映画だとも思われます(彼の演技は随所で出色でした)。冷酷・苛烈な様でどこか人間味のあるキャラ造形も好かったですし、終盤にジョーと対峙するシーンの演技は90年前のものとは思えない迫力で引き込まれました。かなり古い映画ですが、十分に観る価値のある作品だと思います。 【Yuki2Invy】さん [インターネット(字幕)] 6点(2021-05-25 23:14:09) 6.《ネタバレ》 リコ演じるエドワード・G・ロビンソンの存在感、そして、悪党なんだけどどこか人間味のある姿が招く、哀れな結末にリコの弱さを感じずにはいられない。親友との互いに別の人生を選んだ事がその後、哀れな死という形になって現れるのだが、親友であるかれこそ最後まで悪に徹する事が出来ない姿に犯罪王である以上に一人の人間としての弱さというものを見た様な気がする。所でこの作品、後の犯罪映画の在り方、義理と人情を大切にするより犯罪者として最後までとことん悪者に徹しないと悲劇的な死を迎える事の恐ろしさを見せてくれていると同時に殺人シーンや銃撃戦のシーンなどはあの名作「ゴッドファーザー」に大きな影響を与える成果を生み出している。そういう意味でも見るに値いする作品です。 【青観】さん [DVD(字幕)] 8点(2016-09-22 11:34:09) 5.「民衆の敵」と並んでギャング映画の先駆けとなった作品。 主人公のエドワード・G・ロビンソンがいかにも「悪党」という感じがしないのが恐ろしい。 何処か抜けた感じがまた良いんですよ。そんな人間が犯罪に染まっていく姿が怖い怖い「人間見かけで判断できない」という作品だ。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-03-15 18:16:09) 4.「深夜の告白」を見て興味を持ったのだが、ブサイクでチビで変な声でも堂々の主演をはれるエドワード・G・ロビンソンはやはり名優だ! しかし、80分程度でギャングの栄枯衰勢を描くには無理があったか展開が不自然に早く、人物像が薄っぺらい。 【すべから】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-08-29 12:09:57) 3.《ネタバレ》 主人公リコを演じるエドワード・G・ロビンソンの存在感がとても良いです。小さな体で少し浮いてしまうぐらい強烈で粘着質な演技を見せるのですが、これが中盤あたりからはまってくるのです。特にリコと親友のジョーとの二度の決別シーンが印象深いものになっています。最初はジョーが部屋からいなくなっている場面で、部屋に戻ってきたリコにズームしていった後、開け放たれたドアが映り再びリコの表情へ。この時のリコの姿が抜群で、基本的に滑稽に見える彼は同時に悲しみもまとっており、親友が離れて行ってしまう悲哀を存分に感じさせます。そして二度目は殺しにくる場面で、情がでてしまい瞳が涙で滲むリコをアップでとらえ少し画面がボヤけ遠のいていく。その時のリコの顔は冷酷なギャングの親分のものではなく、親友に約束を破られてしまった少年のように純粋な表情なのです。二人の関係がもう少し丁寧に描かれていれば、このシーンはさらに印象的なものとなり私の瞳も涙で滲み画面はいっそうボヤけて見えたでしょう。 【ミスター・グレイ】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-05-13 18:11:38) 2.《ネタバレ》 成り上がりから破滅へ。物語はお決まりの展開ですが、圧倒的な存在感で作品を支配するリコは数多あるギャング映画の中でも傑出したキャラクターで、そのふてぶてしさには、魅了されます。一片の情が破滅の末路へと向わせるジョーと相対するシーンと最期のシーンは忘れ難い名場面です。ここ一番の場面で情け容赦なく行動できる者だけが頂点に昇る事ができるのだという事を実感させられました。 【The Grey Heron】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-05-19 01:19:09) 1.《ネタバレ》 エドワード・G・ロビンソン、この滑稽と紙一重の狂気、この類稀なキャラクターが最高。タキシードを誂えて鏡の前でポーズを取るシーンなど象徴的に思えるギリギリ感。まさにトーキー初期ギャング映画の傑作。そして離れていった盟友の看板の下で息絶えるラストシーン。巧い、凄い、面白い。 【よし坊】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2006-09-02 10:43:39)(良:1票)
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