みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
7.《ネタバレ》 本来はこの第八作で完結予定だった次郎長。 完結を予定していただけに、畳み掛けもシリーズ一番の迫力を感じさせる。 石松が主役といっても良い。 次郎長一家のやり取りも益々和気藹々として面白おかしく、「旅がらす次郎長一家」で仲間を失った痛みからようやく吹っ切れた感も出ている。 先に旅立った豚松も、生まれ変わって槍を振り回して(「七人の侍」に出演して)いる事だろう。 諸事情で途中退場してしまった仲間たちのエピソードもキチンと織り込み、ストーリーはより厚みを増してくる。 どうでもいいけど、加藤大介は出れないで何で志村喬が出て来れんだよ(笑) 志村さん「七人の侍」で一番重要なお人じゃないか。 戦前から「弥次喜多道中記」や「鴛鴦歌合戦」でマキノ一家と馴染みが深い人だし、シリーズで一番盛り上がっている時に出るのは自然な流れなのだろう。短時間とはいえ、大親分としての存在をしっかり印象付けて去っていった。流石だ。 中盤の政五郎と石松の戦いは必見だ。 半裸になりじゃれる様に刃を交える斬り合いは熱く、その途中で「俺にはお藤さんがいるから死ねんのよ~」とのろけてみせる政五郎のノロケにガクッと呆れる石松が面白い。が、何処かギクシャクする。 普通戦闘時の女の話は死亡フラグである。 ギム・ギンガナムで言えば「戦場でな、恋人や女房の名前を呼ぶ時というのはな、瀕死の兵隊が甘ったれて言う台詞なんだよ!」と思いながら石松も戦っていたに違いない(何じゃそりゃ)。 だが、政五郎には生きる理由が存在する。 石松はどうだ、戦って死ぬ事に活路を見出そうとしているのではないか。 政五郎に触発されたか石松、夕顔への想いを募らせる。 だがそこは石松。忠義は次郎長に、惚れた女には義理立てだけして去っていく。切ない。 この後に再び登場する志村喬の演技が素晴らしい。 そして再び刃を交える政五郎と石松。 「俺も惚れた女が出来たから死ねん」とノロケ返しだ。 夢のような幻想的な光景が展開される。 石松の直球を受ける気ゼロのお園は本当魅力的。 しかし、“戦馬鹿”じゃなくなった石松は・・・石松よ永遠に。 この作品でパワーを使い果たしたか、第九部はラストに相応しくない急ぎ足の作品となってしまったのが惜しい。 【すかあふえいす】さん [DVD(邦画)] 9点(2014-05-27 19:18:54) 6.森繁が出ているということで何気なく見ていましたが、実に素晴らしいの一言です.これ程に熱い人情味に溢れた映画とは思いませんでした。身受山という名前からして面倒見の良さそうな親分を演じた志村喬との迫真のからみ具合は惚れ惚れするほど見ごたえあり! 【白い男】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2010-03-12 23:27:15) 5.《ネタバレ》 豚松の母親の嘆きなど、「カタギ」と「馬鹿」が対比される。やくざというのは、つまり「馬鹿」の開き直りってことなのか。馬鹿の石松は吃らなくなり、死ぬときには左目が開く。死んで治る馬鹿もあるのだ。嵐の祭りの夜、お面が乱れ走るあたりが映画として美しいところ。今まで命を粗末にしてきた馬鹿が、恋をして、俺は今死ねねえんだよう、と言いながら死んでいくところが哀切のポイントで、こういうのは後の仁侠映画の脇筋でもしばしば使われることになるわけだ。ラストは、石松の死、身請けされて晴れ晴れと道中の夕顔、青空、そして怒りに燃えて海辺を走っていく次郎長一家の面々、というシーンをバッバッと並べただけでバタンと終える切迫。シリーズ全部を通して言えるんだけど、仇役に対して映画はほとんど興味を見せない。仇が現われたとき、この身内がどんな反応をするかってことのほうが眼目になる。視点は一家の外でなく、内にある。唐突だけど、これはかつての日本の国策戦争映画の特徴とも重なっている。そういう余分なことを考えちゃうと、石松の死を、ただ哀切として味わっていいんだろうか、という気分にもなるんだ。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 7点(2010-02-19 11:59:30) 4.《ネタバレ》 第8作。今回は石松が主役で、出演者のトップクレジットも森繁久弥となっている。これまでもシリーズの中で印象に残る様々な活躍を見せた石松だったが、今回は石松を演じる森繁久弥の演技がとくに素晴らしく、夕顔に惚れて赤くなる姿や、夕顔との風呂でのやりとりなど微笑ましいシーンでの演技も良かったが、やはりラストの決闘シーンで見せる演技はかっこよく、そして、「おらあ死なねえんだよ!」と叫ぶシーンも素晴らしかった。これ一本でもじゅうぶん森繁久弥という俳優の素晴らしさと魅力が伝わってくるし、この森の石松という役は彼にしか出来ないのではないかという気さえする名演技だ。この話だけはマキノ雅弘監督によるオリジナルらしいが、シリーズとしてここで終わらせたかったというほどの意気込みを持って演出に当たっていたというマキノ雅弘監督の演出も、彼の石松に対する愛情のようなものが感じられて、シリーズの中でも傑作と呼ばれているのが分かるし、僕ももちろんそう思う。やっぱり僕もこの次郎長一家の中では石松がいちばん好きだから。 2009年11月10日追記:石松を演じた森繁久弥さんが亡くなった。96歳の大往生とのこと。このシリーズの石松役はもちろん、コメディーからシリアスまで何の役で出ていてもとても味のある演技が印象的な素晴らしい名優で、好きな俳優の一人だっただけに訃報に接し、大往生とはいえ、かなりショックが大きく、すごく悲しい気持ちでいっぱいでとても残念に思う。本当に心からご冥福をお祈りします。 【イニシャルK】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2009-02-10 23:53:11)(良:2票) 3.なんか話が分かりづらいと感じたのは自分だけかな?! 全体的な流れは分かったが、細かい部分部分で分かりにくいシーンがあった。 マキノ監督の演出がマズイのでは?と思ってしまったほどに。 ここまでシリーズ8本も観てきて、今更言うのも何だけど、どうにも自分に合う作品だとは思えない。 というより、マキノ雅弘監督との相性の問題かもしれないが。 【にじばぶ】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2009-01-25 00:38:46) 2.《ネタバレ》 いきなりネタバレ的にはじめますが、石松が死ぬのは、わかってるんです。有名な話ですから。でも、わかっていても、やっぱり石松、死なないでくれって思ってしまう。森繁バンザイ。私が見た限りでは、この石松の演技が一番好きだな。欲を言うと、最後に三五郎とまた絡んでほしかった。 【いのうえ】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2007-04-19 11:51:22)(良:1票) 1.《ネタバレ》 シリーズ最初から一気にここまで見てきて、感じたことはこのシリーズの一番の活躍、私なりに考えるとMVPは石ではないかと思うわけで、そんな石のことを思って、マキノ監督が石を主役に石のために描いたのがこの作品です。石こと石松演じる森繁久彌の素晴らしい演技、眼の演技、身体全体から伝わってくる熱いもの、シリーズの中で第六作目と並ぶある種、特別な意味合いを持つべき作品だと観ていて感じたこの作品、私はこれがシリーズ最高傑作だと言われる意味が何となく解った気がします。夕顔という名の美しき女性に誘惑されて、おどおどしている石を見ているだけでもなんて楽しいことか!そして、最後のシーンでの決闘シーンで見せる石の全てがここにあり!といった終わり方、「おらあ、死ねねえんだよ~」と叫ぶあの石の表情、マキノ監督が石という人間が最も好きなんだろうなあ!(私も石が一番好きです。男達の中では)ということが解った。 【青観】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2006-05-07 10:26:14)(良:1票)
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