みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
7.戦時中製作のフリッツ・ラングのナチスが絡むスパイサスペンスだけに、 「恐怖省」というタイトルからして、他の同時期のラングの作品同様の凄味のある作品かと思っていたのですが、 意外にも気軽に見ることができる小気味いい巻き込まれサスペンスでした。 巻き込まれサスペンスと言えばヒッチコック。 本作も巻き込まれた一般人の主人公と、事件の渦中で出会う女とのロマンスを絡めているあたりも ヒッチコック・タッチの巻き込まれサスペンスとなっています。 それでも冒頭の「自由国家の母の会」なる団体が開催する慈善バザーから全編にわたり 作品を支配する不穏な空気にはヒッチコックのそれとは一味違うものを感じます。 しかし、危機を脱した愛し合う2人の何事もなかったかのようなハッピーエンドのラスト。 「ケーキも用意しなきゃ!」「何!ケーキだと!」のユーモアを交えたラストには意表を突かれたのでした。 【とらや】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2019-12-07 20:18:02) 6.敵味方の見極めが困難な疑心暗鬼の状態に陥る映像の中で映える端整なレイ・ミランド。監督特有の雰囲気の味わいが、ストーリーを把握しきれないもどかしさに優る。 【The Grey Heron】さん [DVD(字幕)] 6点(2017-05-12 12:56:18) 5.《ネタバレ》 ラングのアメリカ期の最高傑作だ!交霊術中に主人公の過去が、苦しめられている運命が暴露される。悲鳴を上げる主人公、響く銃声、血を流す謎の男!なんてパワフルなシーンなんだろう。ラングは主人公の運命が暴露される瞬間を描くことに長けている。本作のそれは『M』に匹敵する力強さがあると思う。中盤の展開はややかったるいが、これまた暗闇の中で行われクライマックスの銃撃戦がすごい!発砲時の光のみが状況を観客に伝えてくれる。それ以外は雨が降っていること、手前に主人公とヒロインがいて、奥に敵がいることしかわからない。この曖昧さがたまらない!シビれる!突然敵が銃弾に倒れ、階段を上がってくる男の顔が見えないままクソどうでもいいラストシーンに移行するモンタージュの緩急もすばらしい。あれは警部なのか博士なのか、全然わかんない!でもそれがいい!かっこいい! 【カニばさみ】さん [DVD(字幕)] 9点(2016-12-11 03:04:28) 4.マイクロフィルムをマクガフィンにしたスパイサスペンスにして典型的な巻き込まれ型。代名詞としてはヒッチコックなんだけど、ヒッチコックが先なのかラングが先なのか、どうなんだろう。登場人物が多すぎることと病院から出所するシーンから始まる何やら謎めいた過去を持つという設定の主人公のせいで純粋にサスペンスを堪能しにくい作りになっている。そういう意味ではヒッチコックに軍配が上がりそうなんだけど、物語を楽しむことに限定すればラングもけして負けてない。さらにサスペンスの弊害となっているだろう複雑な構成はもはやラングらしさとも言える「不安感」を出すことに貢献している。そしてモノクロを活かした光と影の演出は流石、絶品です。まあでも、もうちょっとすっきりとしてくれたほうが・・いいかも。 【R&A】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-09-06 14:24:09) 3.ヒッチコックお得意の巻き込まれ型サスペンスのフリッツ・ラング版のような感じでしょうか、何かの陰謀に巻き込まれるスパイものですがモノクロのざらつきを利用したおどおどしい雰囲気と緊張感が尋常じゃないんですよね。序盤の盲人の演技はもちろんのこと仕立て屋だったり老刑事だったり、出てくる奴みんなクセのある役なので誰が味方で誰が敵なのか、そしてだれがナチなのか分からない雰囲気がたまんないです。アメリカ資本の映画でもドイツ時代そのままの手法を用いたラングはやっぱ凄い。 【M・R・サイケデリコン】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-05-05 23:54:22)(良:1票) 2.戦時中に製作された反ナチプロパンダ映画にしてはサスペンスの盛り上げ方が秀逸で、さすがラングと唸らされました。冒頭レイ・ミランドが迷い込むいかにも怪しげな雰囲気が漂うバザー会場の描写は、ラングのドイツ時代を思わせる映像です。ただグレアム・グリーンが原作者ですがちょっと脚色が雑なところが目だち、私立探偵や交霊術士の女性などいつのまにかストーリーから消えてしまうキャラがいるのは不満です。それにしても『恐怖省(Mnistry of Fear)』とは凄い題名ですな。 【S&S】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-10-29 21:36:46)(良:1票) 1.《ネタバレ》 ハッキリ言ってストーリーはどうでもいい。 そんな事よりも、闇が描き出すあの独特の恐怖感!もう、カッコイイと言うしかないです。 降霊術のときの龍の玉に照らし出されるニールの表情、妹に撃たれたときの銃弾の貫通した穴からわずかに見える兄の倒れる姿、屋上での銃撃戦の闇から撃ち放たれる一瞬の銃口の光。 とにかく、ただひたすら格好いい。 ケーキを盗む盲人の台詞「俺は暗闇の中でも歩き続けることが出来る」というのは、これらの芸術的演出の伏線になっているようにも取れますし、カラー映画が台頭し始めたこの時代に対するメッセージ・・・・・というのはやや大袈裟ですね。 カラーでなくとも、CGなど使わなくとも、これほどまでに恐怖感や切迫感を演出できる。これこそがクラシック映画の醍醐味。古典にこそ新たな発見があり収穫があるとここに断言します。 クラシック最高!フリッツ・ラング最高!! 【もっつぁれら】さん [映画館(字幕)] 8点(2008-05-20 21:47:17)(良:1票)
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