みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
5.《ネタバレ》 石坂洋次郎の原作短編『霧の中の少女』は、ずっと以前学生時代に読んでました。だから今回は、大のご贔屓女優高峰秀子の挿話よりも、第二話が一番観たかった。イメージ通りの出来栄えにもう大満足です。長女役司葉子ももちろん適役だけれども、次女役の中原ひとみのクリクリした大きな瞳の輝きと、東北ズーズー弁(?)を自由自在に使いこなす愛らしさに、もう終始メロメロ(笑)時代劇メインの東映所属だった中原さんが、こういった形で他社の現代劇にどんどん起用されていたら代表作にもっと恵まれていたのでは・・・と、この映画での生き生きしている彼女を見ると惜しまれる。田舎のこまもの屋さんにあんな美しい姉妹がいるわけがない!などと、映画の夢を壊すようなことを考えては絶対にいけません(8点)第一話は、ラストの川原での長いシークエンスが全くの蛇足。主役お二人の演技も生硬すぎ。キャンパスで、笠智衆教授に挨拶したところで終わっていたら、もっとすっきり纏まった印象だったかも。(6点)真打ちとも言うべき、成瀬監督の第三話が演出といい、話しの運びといい、役者の使い方といい、最も手慣れた熟練の巧みの技を感じさせるが、何となく大作「浮雲」のあとの息抜きといった趣があり、それほど自分は興が乗らなかった。ラストの八千草薫の見返りに(まさにこれがホントの見返り美人!)場内を埋め尽くした熟年諸氏の方々から「ほおっ!!」という感嘆音が響きました。やっぱり八千草さんはこの年代の方々には特別な存在なんだなあと、改めての認識。幸せな気分で場内を後にしました(7点)好みの順番で言うと、断然第二話→第三話→ぐっと落ちて第一話。一番印象に残ったのはやっぱり中原ひとみ。平均してこの点数です。(←フィルムセンター「よみがえる日本映画東宝編」にて鑑賞) 【放浪紳士チャーリー】さん [映画館(邦画)] 7点(2013-11-30 09:29:24)(良:1票) 4.《ネタバレ》 第1話。いいなあ昭和30年の青春。肯定の精神。この手の朗らかさは今やるとシラけちゃうだろうが、やっぱり映画ってのはその時代固有の条件の中で生まれてくるものなんだなあ。だから時代の記録にもなるんだ。第2話。女湯でたてた波が小泉君のほうへ伝わっていくとこなんかよかった。第3話。オムニバスのリズムとしては、2と3入れ替えたほうがいいかもと思ったが(このコント的な味は中間部にふさわしい)、でもやっぱ監督の序列があるんだろう。『浮雲』の年で、肩の力を抜いた成瀬が楽しんで撮ってるような感じが好ましい。前の道をホッケの太鼓やチンドン屋がちゃんと通る。これで一番記憶に残ってるのはラストの八千草薫で、美貌の女優さんなら誰でもいいようなもんだけど、あの人のどこか非現実的な笑顔がピタリ合ってる。あの女優さんは、けっこう気のふれた人とか、ちょっと現実とずれた人やることが多いでしょ。「男はつらいよ」シリーズで一番最初にパターンを崩したのも八千草さんだったし(あれはシリーズ中でもかなり好きな一本)、ああいう役を観客に納得させて演じられる貴重な人。本作の一瞬の登場も、そういう彼女のキャラクターがあって、オチとして実にフンワリと心地よく決まる。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 7点(2010-09-22 09:56:37)(良:1票) 3.《ネタバレ》 これまた面白い、面白いというよりは良い映画、それも日本ならではの他国にはないであろう良さが感じられるオムニバス映画を見ることが出来た。第一話の「くちづけ」なるほどね。確かにこれは石坂洋二郎原作らしい雰囲気作り、既にユーカラさんが書かれているように同じ石坂洋二郎原作の「石中先生行状記」を思わせる青山京子と太刀川洋一のやりとり、そして、続く第ニ話「霧の中の少女」ではこれがこの三つの話の中でも一番好きです。何と言っても司葉子、司葉子、とにかく司葉子が可愛い。もう、本当に食べたくなっちゃうぐらい可愛い。あれ?他の作品でも同じこと言ってるような?だって、本当に司葉子のあの可愛さ、この司葉子を見ても何も感じない奴は男じゃないと言いたくなるぐらいの可愛さです。中原ひとみとのやりとりの微笑ましさ、微笑ましいと言えば飯田蝶子の婆ちゃんが最高です。みんなの前で歌声まで披露し、それをみんなで仲良く楽しそうに聞いてる姿も良い。温泉での会話も楽しい。ところでなんでまた小泉博なんだよ?ここだけが不満である。司葉子とフランキー堺だったら文句ないのだが、そんな中、ここでは何と他の作品では見ることの出来ないであろう司葉子の入浴シーンまであって、たまらんですわ。第三話のこれもまた如何にも成瀬映画って感じで良い。高峰秀子と上原謙で成瀬監督だからつまらないわけない。小林桂樹と中村メイコの会話も面白い。最後の方に出てくる八千草薫も可愛いなあ!とにかく一つ一つのお話が作品全体、温かさを感じるのと、可愛く感じる作りになっていて見ていて楽しい。それにしても司葉子のあの白いシャツからすら~っと伸びる細い腕と、スカートから時々、ちらっと覗かれる細い足、いや~もう、参った。 【青観】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2009-05-17 10:32:13)(良:1票) 2.第一話『くちづけ』… いかにも石坂洋次郎原作らしいユニークなボキャブラリーと気取った台詞回しが楽しい。会話の中に『IT(あれ)』なんて単語が出てくるのも映画ファンにとっては一興。青山京子と太刀川洋一が教授(笠智衆)の前でホールドアップする身振りのコミカルさなどは『石中先生行状記』の杉葉子の一場面を連想させる。 第二話『霧の中の少女』…あぜ道、橋の上、温泉街、そして駅のホームを、次女(中原ひとみ)が風のように走りまわる。その軽やかな走り・躍動感がこの挿話最大の魅力といって良い。彼女を始めとする一家の屈託無い笑顔も素晴らしい。小泉博を迎えた夕飯の席、あるいは山の温泉で祖母(飯田蝶子)と姉妹たちが横並びになって「小原庄助さん」を歌うショットの和やかな幸福感。 まるでホークス映画のジャムセッションのような充実感。 第三話『女同士』…キャスティングはいわずもがな。短編ながら、自転車・チンドン屋といったお馴染みの意匠の数々が成瀬映画の刻印として登場する。表玄関を入ると一本廊下、診療室と並んで中村メイ子の下宿部屋といった特徴的な家屋構造もまた然り。 冒頭ではパッとしない彼女だが、自室でくちずさむ鼻歌を上原謙らに何気なく隣室で聞き流され、勝手口での八百屋の青年(小林桂樹)との会話を高峰秀子に廊下で立ち聞きされ、あるいは高峰秀子に日記を読まれるという、空間共有の劇を経ていくことで最後には不思議なほど魅力的なキャラクターへと変貌していく。 嫁入りのために表戸を駆け出していく彼女の姿が非常に感動的だ。 さらに最後。見事に「振り返」って作品を締める八千草薫も実に可愛らしい。 【ユーカラ】さん [映画館(邦画)] 9点(2009-03-06 21:30:42) 1.神保町シアターにて鑑賞。 筧正典、鈴木英夫、そして成瀬巳喜男という、いずれも私の好きな監督によるオムニバス作品ということで、期待は高まった。 そして、その期待通りの素晴らしい作品であった。 第一話は、一番地味ながら、男女の恋愛に固かった当時の世情を反映しており楽しむことができた。 第二話は、このオムニバスの中でも最高傑作で、最初から最後まで楽しくて仕方なかった。 そして、またもや鈴木英夫監督はやってくれた!! 何をかっていうと、司葉子の魅力を存分に引き出している点において。 『その場所に女ありて』と同様、司葉子の肉体的魅力を惜しげもなくフィルムに焼き付けている。 川で遊ぶ司葉子は、白いホットパンツを装着し、話そっちのけで、観る者をその白い太ももに釘付けにさせる。 こんなにも司葉子のスタイルが良かったとは!! 不覚にも、司葉子のファンであるはずの私が、司葉子の脚の長さに初めて気付かされたのだ。 それだけ、司葉子の魅力を知り尽くし、なお且つ、それを映画として確実に残す鈴木英夫監督の手腕が光っていたと言えよう。 あの太ももは、あまりに眩しくて、そして魅力的で正視できなかった程だ(嘘です。食いつく様に凝視してました)。 第三話は、お目当ての成瀬巳喜男作品で、これも十分楽しめた。 成瀬作品で、上原謙・高峰秀子の取り合わせとくれば、ハズレのはずがない! 題名通り、女と女の嫉妬や闘いが、静かに描かれていて見応えがあった。 日本映画の中でも、特別知名度の高い作品ではないが、一級品の魅力を持つ作品であった。 【にじばぶ】さん [映画館(邦画)] 8点(2009-03-04 04:17:22)(良:1票)
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