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黒い画集 ある遭難

1961年【日】 上映時間:87分
ドラマサスペンスアドベンチャーシリーズものモノクロ映画ミステリー小説の映画化
[クロイガシュウアルソウナン]
新規登録(2009-03-31)【にじばぶ】さん
タイトル情報更新(2021-05-04)【イニシャルK】さん
公開開始日(1961-06-17)


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監督杉江敏男
キャスト伊藤久哉(男優)江田昌利
土屋嘉男(男優)槙田二郎
児玉清(男優)岩瀬秀雄
香川京子(女優)岩瀬真佐子
天津敏(男優)土岐真吉
原作松本清張「遭難」
脚本石井輝男(脚色)
音楽神津善行
製作東京映画
配給東宝
編集黒岩義民
南とめ(ネガ編集)
録音西尾昇(録音)
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【クチコミ・感想】

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10.清張作品なので遭難の真相に興味津々だったのですが。荒天の山の怖さだけが心に残るだけの何とも締まりのない話でした。誰にも見られて無くても神様は見ているかのような雪崩に点数の全てを。 The Grey Heronさん [DVD(邦画)] 4点(2021-06-14 09:45:04)

9.《ネタバレ》 この作品、山の厳しさがよく出ていたと思います。槍ヶ岳の頂上からの美しい風景にうっとりしたのもつかの間、数十分後には霧が巻いてきて天気が一遍します。山が牙をむいて人間に襲いかかってくる様は緊迫感があってよかった。児玉清の極限状態で精神的に蝕まれていく演技が一層、山の厳しさを引き立てました。ただ、ミステリーとしては無理があった。長期天気予報を見てこなかった。わざと休憩を多く取って疲れさせた。立山の地図を持っていかなかった。さすがにこれだけの情況証拠で殺人を認めさせるのには無理があります。江田が動機を語りだしたのにも正直驚いてしまいました。登山の最中、槙田がねちねちと江田を口撃して追いつめていったのは古畑任三郎みたいで面白かったけど・・・ 山より何より、わずかな出演にも関わらずあまりの美しさに私の心をわしずかみにした香川京子さん。ラスト、「山はまた二人の命を奪ってしまった。」とさらりと言い放った香川京子さん。あなたが一番残酷でした。 スノーモンキーさん [DVD(邦画)] 7点(2014-12-23 13:07:03)

8.《ネタバレ》 山岳遭難事故を題材に、その事故で三人のパーティーのうちたった一人死んだ山慣れしているのに今回の登山では最初から疲れ切っていた男(児玉清)の死の真相をめぐるミステリーとなっている。前半は三人が山に入り、遭難して、児玉清演じる男が転落死するまでを回想形式で丁寧に描いている。そしてそれを受けた後半の展開という構成。前半もゾクゾク緊張感があるのだが、再び遭難のあった山へ行く後半、主人公の伊藤久哉と真相に迫る土屋嘉男の二人きりになってからはもう目が離せなくなり、クライマックスの数分間の急展開は鳥肌もので、思わず見入ってしまった。この二人の死によって真相は結局闇に葬られ、すべては山だけが知っているというラストがなんとも切なく、いちばん最後の香川京子の独白がいつまでも耳に残りやりきれない気持ちにさせられる。そんな本作の監督は三人娘シリーズや社長シリーズで東宝プログラムピクチャーの喜劇の印象が強い杉江敏男監督というのが驚き。もともとサスペンス映画の監督を目指していたという杉江監督だが、本作ではその手腕も発揮され、喜劇とはまた違う一面やうまさが感じられる。石井輝男監督が担当した脚本も巧みで面白く、松本清張原作らしさもちゃんと出ていて、「網走番外地」シリーズや世間で言われているようなカルト映画だけではなく、こういうちゃんとした脚本も書けるというところに石井監督の職人としてのうまさを感じる。山岳遭難を題材にしているためか、見る前は「あるサラリーマンの証言」や「寒流」とは少し毛色の違う印象もあったが、結局根本には同じテーマがある映画で、やはりこれもじゅうぶんに面白かった。これで東宝の松本清張「黒い画集」シリーズはすべて見終わったことになるが、どれも人間の身勝手さや欲といった本質的なところを鋭くついた内容で3作とも水準が高い見ごたえのあるシリーズだったと思う。 イニシャルKさん [DVD(邦画)] 7点(2014-04-29 17:34:17)(良:1票)

7.《ネタバレ》 鑑賞直後は、あっけなかったなと思いました。しかし、偽りの不作為と善意のない親切を重ねつつ、死ぬかも知れないし、死なないかもしれない獲物を観察する江田の心理は結構怖いです。だから、最後の槙田への所業が割と直接的なのが惜しい。彼のことも気味の悪いおせっかいか知らんぷりで片付けて欲しかった(非道い?)。 なたねさん [DVD(邦画)] 6点(2013-12-31 07:20:00)

6.ストーリーの見せ方がシンプルでわかりやすい。石井輝男脚本というのがここに表れているのかもしれない。しかし演者らの企み顔やら苛立ち顔やらが目立つのも石井輝男脚本の弊害か。杉江監督の演出と相性がよろしくないように思う。わざわざ顔にカメラを向けなくても「企み」や「苛立ち」はセリフまわしだけでじゅうぶん伝わるようになってるのに。まあ、そのぶん異常におどろおどろしい雰囲気が出ているけど。せっかくのロケーションがこのおどろおどろしさに負けているのももったいない。 R&Aさん [CS・衛星(邦画)] 6点(2011-11-08 15:38:09)

5.サスペンス小説としてはおもしろいかもしれないが、実際の犯罪としては成り立たないのではなかろうか。いかに策を巡らしたとしても、天候などの自然現象や偶然を操ることは不可能だと思う。それに悪天候は一つ間違えば自分自身も巻き込まれてしまう。
登山のグループは本当の信頼関係ができていなければ成り立たないだろうし、自然の驚異をおそれ、山を愛するものでなければ登山家の資格なし。 ESPERANZAさん [DVD(邦画)] 6点(2011-10-30 21:25:04)(良:1票)

4.話自体はシンプルな心理物ですが移り変わる美しい風景が一種ロードムービー的な効果をあげていて飽きさせません。あの高地までカメラを持っていくのは随分苦労したと思われます。山の素晴らしさと怖さをしっかり感じることができたので優れた山岳映画と言えるのではないでしょうか。途中で人称が変わる点もこのミステリーに於いては良い効果を上げているように思います。開始1時間のあたりに編集上のミスがあります。連続したシーンなのにカットが変わったところで雲が派手に移動してしまっているのです。しかしCG全盛の今の目で見るとそれがかえって生々しいロケ感を表現していて好ましいことのように思えました。 皮マンさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2011-01-30 00:50:10)

3.映画の内容や評価以前に気になって気になって仕方なかった事。私は決して禁煙推進論者でもなんでもないんですが、主要人物の皆さん、登山の途中でもタバコをメチャクチャ吸ってましたね~。ちょっと休憩するたんびに、美しい渓流沿いやデコボコ岩場山道でも、ところ構わずスパスパとご一服。そんでもって、吸殻をそこかしこにポイ捨てしてるし。アルピニストの皆さんのマナーって本当にこんななんですか?これを見てる限り、彼らが山を心底愛している人間たちとは到底思えないんですよね。そのせいもあって、誰にも自分は共感出来ませんでした。犯人にはもちろん、真相を追究するべき側の人間にも。香川京子は特別出演みたいなものだし。あとDVDジャケットのスチール写真。雪山で主人公と土屋嘉男(ガス人間第一号!)が、いかにも獰猛そうな表情でピッケルを手に格闘してる(ように見える)シーンがあったんですが、そんな画は映画本編の中にはなかったです。あれれ?クライマックスの雪上大乱闘期待してたのになあ・・・。東宝製作松本清張原作「黒い画集シリーズ三部作」、これで全て制覇しましたが、う~ん、これが一番落ちるかなと・・・。 放浪紳士チャーリーさん [DVD(邦画)] 5点(2010-02-19 12:08:34)(良:1票)

2.《ネタバレ》 これって何と脚本を石井輝男監督が手掛けているとは、いやはや、全くもってカルトな感じのしない落ち着いた感じ、松本清張らしさを損なわずに手堅くまとめているのにはびっくりさせられる。遭難事件を題材に上司と部下の関係、登山の最中、一人の男が疲れ果てた上に自殺をしたかのようにして死体となって発見される。ところが、被害者の死に疑問を持った姉、香川京子の願いの基に被害者の義理の兄がこれには何かあるのでは?ということで一緒に登山した男と共にもう一度、再現したくて、山登りしながら被害者の上司を追い詰めていくこの特に後半、二人だけのシーンが寒気を感じるぐらい怖い。緊張感のあるストーリーのラスト、犯人である上司が自分を追い詰めるべき実行した男をも事故と見せかけて殺す。ところがこの犯人も雪崩に巻き込まれて二人共死んでしまう。何とも悲惨な話であり、香川京子のラストの台詞がより一層、胸に突き刺さる。冷酷な人間ほど自分の気持ちというものを隠すものである。この映画を見て私にはそんな風に感じたと共に犯罪者は結局は天罰を下されるというものをこの映画を通して監督、そして、原作者の松本清張は世の中の全ての悪人に対して警告しているとも思える。正にタイトルにある黒い罠に引っ掛った男の悪を天は見逃さない。そんな感じの作品です。 青観さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-04-22 21:50:50)

1.《ネタバレ》 (全面ネタバレ)『黒い画集 あるサラリーマンの証言』にひき続いて鑑賞。
本作はこの作品と全く同じ展開だった。
物語の主軸となる、ある犯罪があって、それに関わるある登場人物は自分本位の考えに基づき、ある行動を実行する。
その行動は一時は成功するが、最後には鉄槌が下され、罰を受ける。
それで「終」という流れ。
松本清張の小説は読んだことがないので、このパターンが松本清張作品の王道なのか、それとも単なる「黒い画集」シリーズ特有のパターンなのかは分からない。
いずれにせよ、パターンが決まっているから、先は読める。
その点はつまらないのだが、作品全体に漲る緊張感や、人々の奥底に潜む「暗黒」の部分を描き出している点において、この「黒い画集」シリーズは非常に面白い。

殊に、本作に関しては、90分という尺の中で、最初の60分は何事もなく進行し、犯人を追い詰めだすのは残り15分をきってからという、意表をつく面白い時間配分が施されている。
そして最後の5分で急展開。
最初の60分のいたって平坦な展開が嘘の様に、急転直下するのだ。
最後の種明かしも面白いが、この緊迫感に満ちた何も起きない最初の60分はもっとゾクゾクする魅力がある。
この作り方が実に良い仕上がりを見せている作品である。

更に3本目『黒い画集 第二話 寒流』を観るのが更に楽しみになってきた。 にじばぶさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-04-21 22:28:51)

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マーク説明
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【点数情報】

Review人数 10人
平均点数 6.20点
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4110.00% line
5110.00% line
6330.00% line
7550.00% line
800.00% line
900.00% line
1000.00% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 Review0人
2 ストーリー評価 7.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 6.00点 Review1人
4 音楽評価 6.00点 Review1人
5 感泣評価 7.00点 Review1人

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