みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
5.《ネタバレ》 アンジェリーナ・ジョリーが今までの役柄と打って変わって、清楚でどこか心にぽっかりと穴が開いたような妻役を演じている。そしてクレジットには、アンジェリーナ・ジョリー・「ピット」と書かれていて、ブラッド・ピットとの夫婦を演じる熱意が伝わってくる。 【ゆっきー】さん [DVD(字幕)] 6点(2018-05-03 13:43:11) 4.《ネタバレ》 (思いっきりネタバレです) オープンカーが田舎道を走っている。バックに流れるのはフレンチ・ポップス調のショパン。この70年代の匂いがプンプンするオープニングに、昭和な自分はガツンとやられた(笑)。 ハンドル片手に走りながら、旦那(ブラピ)は煙草をくわえシガーソケットで火をつけようとするが、点かない。そこでダッシュボードに手を伸ばしてガッと開けると乱暴にひっかき回してライターを探す。この時、妻(アンジー)の方をチラッと見る。黙って見てないで探せよ・・・っていうイラつきオーラ全開。シラッと見返す妻。この短いシークエンスで、この夫婦の不仲が分かる。 ホテルに着いてからも、ずっとヒリヒリムードの2人。妻が外したサングラスをポンとテーブルに置いて、レンズが下向きになってるのが旦那には耐えられないらしく。レンズが傷つくからか?いちいち置きなおす。これ3回くらいやってたな。 こんな“倦怠期ど真ん中”の2人が、南仏のリゾートホテルで過ごすヴァカンス。スランプで酒浸りの作家と、常に不機嫌な妻。けっして面白いオハナシではない。でも、夫婦がいかに愛の炎を消さずに共に生きていけるか?っていうのはけっこう普遍的なテーマ。身につまされます(笑)。 で、隣の部屋に新婚旅行の若夫婦がやってきた事から物語が動き出す。壁に覗き穴を見つけた妻が、つい好奇心にかられ覗き見する。やがて旦那もその穴に気づき、夫婦2人で「秘密」を共有することで不思議な連帯感が生まれ、またトーゼン刺激にもなって(苦笑)夫婦の関係が徐々に修復されていく。 海辺のホテルではいつも波の音が聞こえ、寄せては返す波の運動は永遠に続く日常を思わされる。「海辺にて」というオリジナル・タイトルには、そんな「日常を繰り返す」夫婦の歩み、という意味もあるかもしれない。 旦那がいつも飲みに行くパブレストランの親父が素敵だ。父親のようにブラピの話し相手になり、「愛してやれよ」と助言を与える。この親父さんが亡き妻の写真を愛おしそうに眺める姿に、旦那も胸を衝かれ、妻を愛そうとする。朝の光の中にいる美しい妻の立ち姿をベッドの中から眺めている時のブラピは、少しだけ幸せそうに見えた。そう、この旦那はいつも妻を見ている。一方的に。悲しそうに。 最初は旦那のほうが冷めてしまったのかと思っていたが、心を閉ざしていたのは妻だった。そこには理由があるのだけど、どんな理由があるにせよ、夫婦が2人で一緒にやっていくと決めたのなら、前を向いて助け合って生きていったほうがいい。憎みあい拒絶し続けるのなら一緒にいる意味はない。旦那が言う「クソッタレな生き方はやめよう」って、そういう事だと思う。 最初のほうに書いたサングラスの隠喩は、もしかしたら、傷つきやすい妻を守る意味だったのかもしれない。傷がつかないようにそっと置き直す、あれは旦那の愛だったのかも。 いろんな意味で、隣の若夫婦は気の毒というか、とんだ災難だったねって感じなんだけど、一応、まるっと収まって最後はオープニングと同じオープンカーの2人。またもやショパンのプレリュード4番が切なく響き、寄せては返す波のごとく・・・繰り返し。この曲、メロディーはほとんど同じ音型の繰り返しで、伴奏だけ半音ずつ変わっていく。これが少しずつ変化していった2人のよう。カタストロフのようなクライマックスを奏でるとまた元のテーマに戻って・・・。メランコリックな旋律がこの物語にピッタリ! で、夫婦の姿はオープニングとは明らかに違う。お互いにチラチラっと顔を見合い、アンジーがブラピの腕を優しくなで、妻が夫を見るカットで終わる。 なかなか味わいのあるドラマでした。 【ポッシュ】さん [インターネット(字幕)] 7点(2017-08-01 15:45:14)(良:1票) 3.《ネタバレ》 舞台は1970年代、南フランスのとある小さな港町。田園と漁場以外何もないこののどかな町に、一組の中年夫婦が派手なオープンカーでやってくるところから物語は始まる。夫であるローランドはかつて人気作家として名を馳せたものの今や落ちぶれて酒浸りの毎日、ダンサーとして舞台に立っていた妻ヴァネッサも今では精神的な不調により薬に頼らざるを得ない日々を過ごしている。見るからに不穏な空気を漂わせるこの夫婦、すぐに地元のホテルへとチェックインするものの、もちろん胸躍るバカンスというわけではなさそうだ。ローランドは地元の食堂にすぐさま飛び込むと朝からジンを煽り、ヴァネッサも明らかな抑鬱状態からベッドから起き上がることすら出来ず、二人の間には会話らしい会話すらない。そんな閉塞感に打ちひしがれる二人の隣室に、ある日、一組の新婚夫婦がハネムーンでやってくる。未来への希望に満ちた二人に嫉妬と羨望の目を向ける夫婦は、部屋の壁に小さな覗き穴が開いているのを発見する。好奇心から彼らの情熱的なセックスを夜な夜な覗き見るようになってゆく妻と夫。かつての自分たちの姿を彼らに重ね合わせ、次第に修復の糸口を見出しそうになるのだったが…。お互いの関係に息詰まってしまった一組の中年夫婦のそんな葛藤と退廃の日々を倒錯的に描いた心理ドラマ。アンジェリーナ・ジョリーがメガホンを執り、実生活でもパートナーであったブラット・ピットと夫婦役を演じたうえ、公開直後に二人が実際に離婚してしまったということでいろいろ話題になっていた本作。興味を惹かれて今回鑑賞してみました。まあやりたいことは分かります。古いフランス映画っぽいアンニュイ&デカダンスな雰囲気、そして婚姻という制度への圧倒的な不信感。監督はそういった退廃的な世界から何か新たな思想や価値観を探り出したかったのでしょう。ですが、本作の欠点はそのための端緒には立ったものの、それ以上に深化はしていないところでしょうか。なので何か新しいメッセージ性を感じさせることもなく、全体的に古臭い印象しか残らない。実際に破局の危機を迎えた夫婦――本当のところがどうなのかはこの際置いておいて――が同じような危機に直面した夫婦を演じることで、自らの関係を改めて問い直そうという私小説的な試みはなかなか興味深かっただけに残念と言わざるを得ません。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 5点(2017-06-13 00:13:26) 2.そんな覗きばっかして楽しいか? 【ケンジ】さん [ブルーレイ(字幕)] 5点(2017-02-23 20:19:28) 1.《ネタバレ》 結婚してから14年が経ち、以前のようにお互いを愛せなくなった夫婦のお話。夫のローランドをブラッド・ピットが、妻のヴァネッサはアンジェリーナ・ジョリーが演じる。 奇しくも本作が日本で封切りされるほんの数日前に、ブラピとアンジーの離婚騒動が話題になった。この騒動を知った後に本作を観ると、猛烈な生々しさが増し、結果的によりインパクトの強い映画として記憶に残るであろう。 この映画の特徴として、同じようなシーンが繰り返し出てくるということが挙げられる。 ホテルの部屋のバルコニーで日光を浴びるヴァネッサ。 カフェに入り浸って酒を飲み続けるローランド。 ほぼ一日中部屋に独りで過ごすヴァネッサに、朝早くにホテルを出て夜遅くに帰ってくるローランド、そして、二人の冷め切った愛のない会話。 これがゆっくりとしたペースで繰り返されるので、映画全体が気だるげで退屈な雰囲気を醸し出している。 これこそが“結婚”なのだろうか。僕は未婚な上に恋愛経験もほぼ皆無なのでよくは分からないのだが、誰かと人生を共に過ごすことを永遠に続けるのは無理難題なことのような気がする。 お互いを知り尽くした後にはお互いへの興味が失せ、“日常”がはっきりとした形になり、ルーティンのような毎日を過ごすことになってしまう。そんなイメージ。 結婚生活。それは格闘技なのかもしれない。ローランドもヴァネッサも、お互いのことを魅力的だとは思わなくなっているようだが、それでもお互いを、愛を、取り戻そうと闘い続けているように見えた。夫婦であり続けることを諦めているようには見えなかった。 魚を全く捕まえられないにも関わらず、毎朝、沖に出ては港に戻ってくる漁師のように、得るものが何もなくても毎日続けなければいけないこと。それが結婚生活・・・なのかな? 本作の映像はとてつもなく美しかった。ロケ地そのものが魅力的だし、撮影班が優秀なのだろうけど、アンジーの監督としての技量は確かなものなのだろう。これからしばらくは私生活が大変なことになりそうだが、彼女の今後のキャリアに期待せずにはいられない。 【Y-300】さん [映画館(字幕)] 8点(2016-09-30 18:42:14)
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