みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
3.《ネタバレ》 新東宝カルト映画は数あれどもっとも有名(?)な作品で、新東宝の歴史を紹介する書籍などでは必ず取り上げられます。 「日本のチベット」「部落」なんてセリフが頻繁に出てくるのがソフト化しにくいカルト映画になってしまった理由かとも思いますが、実際は十年に一度の祭りで処女の生き血で焼き入れした刀を打って神に奉納する一族が、被差別民だったサンカを連想させるというのが関係者をビビらせたのかもしれません。原作小説は『九十九本目の妖刀』で『妖刀』を『生娘』に変更したのはもちろん新東宝のワンマン社長である大蔵貢のアイデアですが、あえて『九十九本目』を残したおかげで日本語としてはおかしいけど奇妙な語感が出ています。九十九本の刀が揃うと一族の願いが成就するというのが触れ込みですが、990年も同じことしてきたのかと、あきれるばかりです。そんな大事な処女が必要なのに、よりによって三原葉子を誘拐してくるとは、もうコメディです。この処女調達役の婆さんが実はこの映画で一番キャラがたっていて、化け猫映画で有名な五月藤江が演じています。もうこれは彼女フィルモグラフィ中最高の怪演といって差し支えなく、若い娘を見てにやりと笑う不気味な表情は下手すりゃ夢に出てきそうです。 新東宝のプログラム・ピクチャーは大抵ストーリーが途中で(始めからというケースも多い)破綻してしまうのですが、この映画は予想を裏切り最後までしっかり撮られていました。ラストでは弓矢で攻撃してくる住民と警官隊の銃撃戦という奇妙な光景を見せられたりしますが、西部劇を観ているようで不思議と違和感がありません。主役クレジットの警官役である菅原文太はあまり目立たないキャラでしたが、新東宝時代の文太は壮絶な大根役者なのでこれが正解です。エロとグロが売り物だった新東宝でしたが、本作はその中でも希少なエロと伝奇をくっつけた路線だったと思います、でも正直エロはほとんど無いに等しかったですがね(有名な三原葉子が下着姿で水車に括り付けられているシーンはありませんでした、どうもスチール写真だけみたいです)。 【S&S】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2020-01-11 21:17:27) 2.《ネタバレ》 長い間観たかった映画ですが、奇跡的?にCS放送で観れました。 この時代の映画にしては結構しっかりした構成だったと思います。 いわゆる地方に古くから伝わる伝説・伝統をいまだに続けている部落の人々の話ですが、漫画になりすぎず、 かと言ってリアルになりすぎず、ギリギリのところでうまくまとめた感がありました。 横溝作品が好きな人には十分に楽しめる映画だと思います。 ロケーションがとてもきれいで(白黒画像ですが)、ノスタルジックに浸れる映画でもあります。 カラー作品だったらもっと評価が上がるかもしれません。 めったに観れる映画じゃないのが残念ですが、是非ともリメイクして欲しい作品です。 【金田一耕助】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2020-01-11 20:57:12) 1.《ネタバレ》 五月藤江の老婆がなかなかに怪演。モノクロとも相俟ってその不気味さは、子供が見ればトラウマになる事必至だろう。 矢代京子を獲物と見極める眼と口元の笑いが怖い。 若き警官役:菅原文太も初々しいが、「未開」の村民らのインパクトが強すぎていまいち影は薄い。 エロティシズムも控えめで、主な見どころは山間の高度を活かしたロケーションの怪奇趣味や、 その急峻な山奥の斜面を舞台とした、弓矢を使う村民と警官隊との銃撃戦となるだろう。 こうなると、和製西部劇の趣がある。 地名を特定するショットもあって、やはりソフトの再販は難しそうだ 【ユーカラ】さん [ビデオ(邦画)] 5点(2017-01-10 16:09:26)
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