みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
2.《ネタバレ》 “More American Graffiti”『もっとアメリカン・グラフィティ(=アメリカの落書き)』。おぉ~なんて素敵なタイトル。'62年のひと夏の夜を描いた前作から、今度は'64年~'67年の4年間の大晦日を舞台に、時代を行ったり来たりして、各登場人物の" その後"を描いています。 '64年はミルナーのドラッグレースと相変わらず変化球な恋。'65年はテリーのベトナム戦争。'66年はデビーのロックとドラッグとヒッピー生活。'67年はスティーブとローリーの結婚生活と学生運動。この4つの時代を行ったり来たりしながらだから、一晩の話の前作に比べ、複雑に思えますが、各時代ごとに撮影カメラを変えて、区別が付くように創られています。 制昨年から『帝国の逆襲』で多忙だったと思われるルーカスに代わり、B・W・L・ノートンなる人物が監督を務めています。グーグル検索するとビル・L・ノートンという監督が出てくるので、同一人物かもしれません。ベトナム戦争のテレビ映画なんかを撮っている人なので、オープニングのヘリの編隊撮影と結び付きそうな気がします。でもあの近接撮影の迫力は、ルーカスっぽいんだよなぁ。恐らくアメリカで撮ったであろうベトナムの戦場ですが、良い映像です。 私自身、アメグラは高校生の頃から観続けた好きな映画で、2があることは薄っすら知っていましたが、あまり評判を聞かなかったので、観るほどの映画じゃないのかなぁ?って思っていました。 それがたまたまDVDを手に入れることが出来まして…これがまた、いい映画なんですね。もっと早くに観ておきたかったって気もしますが、アメグラの初見から30年以上たって、こんな偶然みたいなカタチで、彼らのしっかりとした後日談が観られたのが、何かサプライズ的な嬉しさがありました。 前作の登場人物が次々出てくるのが、同窓会的に嬉しいです。時代設定が4年に分けられているので、“この日・この時・あの時のメンバーが顔を合わせる”といった、テレビのスペシャル特番にあるような不自然さが無く、純粋に『あぁ、あのヒト、こんな仕事してたんだ』って楽しさがありました。ファラオ団のジョーがテリーの戦友だったり、ハリソン・フォード=ファルファが白バイ警官になっていたり。キャロルも大きくなって… 見た目はそのままで、すっかり男らしくなったテリーがカッコ良かったです。前作で彼が行方不明になったテロップに、ちょっと気持ちがモヤモヤしましたが『おぉ、そう来るのか!』って感じでした。30年ぶりにスッキリしたし、観てよかった気分になれましたよ。 ミルナーの最後の観せ方も巧いですね。うねった道を走っていくデュースクーペ、対向車のヘッドライトが、ハラハラさせるんでなく、何故かしんみりします。何ででしょうね?この映画は初めて観るのに、新しいものを観るのでなく、懐かしいものを観る気分にさせてくれるからでしょうか? 大晦日から新年へ。オールド・ラング・サイン(=蛍の光の原曲)の、時代を超えた合唱が、心に沁みます。エンディングのライク・ア・ローリングストーンも良いですね。 '50年代からのオールディーズの有名曲ぞろいだった前作から、'60年代中盤のロック・ポップスのヒット曲満載の本作へ。時代を象徴する音楽の使い方が巧いです。コッチのサントラも欲しくなったわ。 【K&K】さん [DVD(字幕)] 8点(2025-01-17 23:27:10) 1.《ネタバレ》 自宅で1作目を友人と観る機会があり、その勢いで2作目も観賞。 公開時には酷評が目立っていたが、しっかりと前作の内容を引き継いでおり、空気感は異なるものの、正統派の続編と言える。 エピソードによって画面サイズが変わるのも、時代を感じさせる上手い演出だった。 カートだけは登場せず、セリフでしか名前が出て来ないのが、残念な点。 物語は4つのエピソードを年を重ねながら進められる。 ①ジョンのエピソードは、田舎町のレーサーとしての英雄譚。 時代もまだ明るい空気が漂っており、前作のイメージを一番残している。 レースでの結果は、町の連中がジョンを助けて、盛り上げて、一緒に勝ち取ったもの。 この田舎町ではジョンミルナーは人気者なのだ。 北欧から来た美人の留学生とのエピソードも、ジョンらしく一筋縄ではいかないが、レース後の会話が何しろ微笑ましい。 それだけにラスト、波打つ坂道で黄色いデュースクーペが見えなくなるシーンは、胸が締め付けられる。 ②最も印象深いのは、戦場でのテリー。 リアルな戦場シーンにも正直驚いた。 1作目のおっちょこちょいで、臆病だったテリーの面影はなりを潜めて、仲間の命を救ったり、 壮絶な(友軍の)攻撃から、飄々と生還したりと、一人前の男として頼もしく成長している。 理不尽な上官に逆らったり、戦場離脱を企てたりという行動は、臆病風に吹かれた訳ではない。 彼の理想が戦場に無かっただけだ。 痛快にも部隊を脱した彼が、その後行方不明になってしまう件は、作品の中では直接描かれてはいない。 彼の前向きな行動と、力強い生命力。 決して死ぬんじゃないぞと、祈らずにはいられない。 ③デビーのエピソードは、最もお気楽。 時代背景はとても退廃的でありながら、彼女の持つ素直さや、ポジティブさが、コメディパートとして息抜きとなる。 ただ「大晦日は嫌い。とても良い友人が二人も死んだ日だから」というセリフには悲しくなる。 破天荒だが、いい仲間との出会いがあり、飛び切りの笑顔が見られた、一番のハッピーエンド。 ④夫婦となったスティーブとローリーの喧嘩は相変わらず、それどころか激しさは増す一方。 しかし、「いちご白書」を彷彿とさせる、学生と警官隊の激突に巻き込まれる事によって、 1作目同様、結局信頼関係を強めていく、ある意味進歩していない二人に、何故かホッとする。 4年にわたる大晦日、それぞれの「蛍の光」の歌唱で締めくくられるラストは、明らかに前作より悲しい。 混沌とした時代に突入してしまったアメリカが、1962年の様に輝きが感じられないのは、この時代の日本も同様。 再上映や、テレビでの放映がほとんどない本作、確かに、前作のような爽やかさはない。 しかし時代の厳しさに翻弄されながらも、前に進む事を選んだ彼らに再会できたのは、やはり嬉しい事であった。 【こた】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2019-01-28 08:48:31)
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