みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
2.《ネタバレ》 全8話のオムニバスホラーである。以下個別に書く。 ①年取ってこうなったら怖いかとは思った。物悲しい。 ②オチ付きの小噺。ヒトコワ系だけかと思っていたら違った。 ③東京の安い一軒家は事故物件だろうという安易な予想が覆される。集合住宅に住めない理由はそれだったかと納得させるオチ。怪しい声がいい。 ④ラストは面白くないがそれほど悪くない。確かに、ユーズド商品として売っている古本など、こういう経過で市場に出たものではないかと思うことはあった。 ⑤第5話に至って初めて女性の俳優が出る。私事になるが、実は女性専用とされる掲示板サイトを時々見ることがあり(書いてはいない)、そこで「生霊を飛ばす」という表現が時々使われるので、そういう話かと思ったがそうでもない。その女性専用サイトには明らかに男が入り込んでいて嫌われているが(おれは書かない)、わざわざ女子だけの中へ紛れ込もうとする男の心情に通じるもののあるオチかとは思った。ただし面白くはない。 ⑥コーヒーを含めた総称として「お茶」ということは自分もあるので、その点だけは彼氏に共感した。それより彼女が発言しようとする顔に結構注目してしまう。表情に影が差していたのが輝きに転じるのもいい。これは結構好きだ。 ⑦川ゾンビと川テトラポッドと川河童(普通に河童)が語られる。何を探しているかわからない男が出たので、むかし読んだ夢に関わる非常に嫌な感じの怪談を思い出したがそれとは違っていた。二段階のひっくり返しは悪くなく、「めっちゃ恥ずかしい」の隣で時が止まったような男の顔も悪くない。これもいい方。 ⑧普通に怪談。 見ていると変な方向に発想が飛ぶが、結果的には違っていたという感じの意外性はある。また音の使い方が特徴的と思うところもある。いかにも低予算だが面白いところもあり、時々ある低劣オムニバスホラーよりはよかった。 なお各話冒頭の「こんな悪夢を見た」は、どちらかというと夏目漱石「夢十夜」の「こんな夢を見た」から直接取ったものではないかと思った(8話しかないが)。最初から夢オチ宣言かと思ったが、副題で「醒めない」とすることで現実との連続性を確保する微妙な戦術らしい。 【かっぱ堰】さん [インターネット(邦画)] 5点(2021-01-09 13:52:55) 1.《ネタバレ》 それでは収録順に感想を。①『カーテンの向こう』主人公は常時介護が必要な身体障碍者。体の自由が利きません。それゆえ、わずか50センチ先カーテンの向こう側が伺い知れぬという設定は上手いです。ホラーらしい『見切れ』の演出も上々。オチはもう一工夫欲しいところです。②『真夜中の来客』初期設定から展開が無いのがツライです。オチはショウモナイですが、嫌いじゃありません。③『東京の友達』怖さでいえばコレが一番。見せない演出、見せる演出、メリハリが効いています。ロケーションも良。そして2話続けての『一言セリフ』オチにニヤリ。背景を考える楽しみもあります。④『古本の倉庫』これは平凡。もっといろいろ考えられるはずです。⑤『女ともだち』サプライズがあるようで、実は大してありません。狂気の表現もイマイチでした。⑥『彼氏の部屋』彼氏の人間性に戦慄する話。とはいえ、笑わせに来ているのは明白なので最早『ホラー』ではありませんが。こういうの結構好きです。⑦『釣り人』哀愁系オカルト。一応一ひねりあるものの、そんなに意味があるとは思えません。無駄な会話が多く時間の使い方が勿体ないです。⑧『ホームレス入門』既視感あり。今更感あり。全体を通じて言えるのは、役者の技量に難があること。これは有名とか無名以前の問題です。商業作品として最低限の品質は担保する必要があると考えます。お話のテイストはバラエティに富んでおり、オムニバスとしてバランス良さを感じました。しかし、それぞれの脚本は出来不出来の差が激しく困りものです。私の判断では、③⑥…〇、①②⑤…△、④⑦⑧…×。夏休み最終日に手を付けた読書感想文のようなヤッツケ感のある脚本が多い気がしました。もっと頑張れるはず。②③のように『一言セリフ』オチ縛りで、統一感を出すのもアリかと思います。各話を繋ぐブリッジ「こんな悪夢を見た」は、『奇談百景』の「こんな手紙が届いた」のパクリ、失礼丸パクリでしょうか。数多存在する『邦画トホホラー』の中にあっては、僅かに光るものがある気がしないでもありませんが、それが宝石なのかガラス片なのか、吟味する気にはなりません。 【目隠シスト】さん [インターネット(邦画)] 4点(2020-07-30 20:22:05)
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