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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です!
【クチコミ・感想】
2.《ネタバレ》 東映実録路線もついにネタが尽きたか、とうとう総会屋が主人公の映画を製作することに。総会屋なんて稼業はコンプライアンスが厳しい現代では絶滅危惧種で、もはや金融業界の人間でも「そういや、かつて総会屋なんてものがあったということは聞いたことがある」という程度の存在ですが、いわば経済ヤクザのはしりみたいなものだったんじゃないでしょうか。だいたいにおいて、資本主義国家の中でも日本の株主総会は他国では考えられないような異質なものだったから(今でもそうかな?)、総会屋みたいな職業(?)が成立出来たんでしょうね。最盛期には一万人いたそうですが、現在では警察の調べでは190人程度しか総会屋はいないそうです。正直とっくに絶滅したって思っていましたが、こんなグローバル化した金融界で、この人たちはどうやって食べているんでしょうかね? 本作は当時まだ現役バリバリだった大物総会屋・小川薫がモデルなんだそうです。松方弘樹が演じる大阪のチンピラ総会屋が東京で成り上がってゆく物語ですが、松方はこれが初の主演映画です。中盤までの展開はかなりコメディ調で、それが中盤以降はだんだんシリアスになってゆき総会での松方の大演説ラストとなります。これは前半は笠原和夫で後半が野上龍雄と執筆した脚本家が分かれたせいかと思いますが、このタッチの違いはかえってこの映画の弱点となってしまったかと思います。笠原は御存じ『仁義なき戦い』で有名なヤクザ映画のドン、小川薫のことにも精通していて彼の取材がこの企画の元ネタです。対するそれまで任侠もの脚本がメインだった野上は経済ヤクザのことは全く判らず、それで近親相姦まで持ち出してくるドロドロ劇にしてしまったんじゃないかと思います。山城新伍・田中邦衛・小沢栄太郎と言った面々も顔を見せますがみなそれぞれ一エピソード程度で、実質として松方弘樹と梅宮辰夫がメインでそこに丹波哲郎が絡むというストーリーテリングでした。それでも丹波は相変わらずの存在感を見せ、ラストの総会は松方の奮闘も空しく仕切り役・丹波の勝利に終わった感じで、どこか無常感がある幕切れでした。 これ以降に総会屋が主人公の映画は存在しない異質の作品ですけど、その後にVシネマなんかで闇金稼業が題材になる現代まで続く潮流の先駆けとなったのかもしれません。 【S&S】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2022-12-03 22:56:07)
1.《ネタバレ》 ヤクザ映画も、かつての任侠モノから、組織ヤクザ・経済ヤクザが描かれるようになって、「だったらこういのもアリでしょ」とばかり、総会屋をテーマにした作品なんですけれども。若干、無理があったかな、と。でもまあ、そこがユニークだったりもします。 主演が松方弘樹で、最初は単なるチンピラみたいな彼が、やがて総会屋としてのし上がって行って、でも世の中にはさらに巨悪が存在していて単身それに立ち向かっても勝てやしない、という、一種の挫折に終わる。「茶番だ!」と世の中をあざ笑いながら。 松方弘樹がバイタリティの塊みたいにガツガツしているのが、まず迫力があって、映画の推進力になってます。が、ヤクザ社会を絡めつつもあくまでテーマが総会屋なので、あまりアクションに走ることもできず、またユーモアを絡めつつ社会批判的な要素を匂わせつつもその路線に突っ走ることもできず、やっぱりちょっと、中途半端かなあ、と。 ヤンチャな松方と冷徹な丹波が好対照。やっぱり、丹波の勝ち、ですかねえ。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2021-02-12 22:17:03)
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【点数情報】
Review人数 |
2人 |
平均点数 |
5.50点 |
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