みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
2.《ネタバレ》 如何にもアジアンなホラー作品。本邦の怪談話に通じるテイストを備えつつ、香港やインドネシア、タイなどの東南アジア圏のホラーの色彩も強く感じられます。雰囲気は結構好きです。 ただし、さほど恐くはないし、目を背けたくなるような残虐描写もあまりない。寧ろ、かなり入り組んだストーリーで、よく考えないと解りにくい部分も多々あるような。そのあたりは、ストレート直球的な欧米系ホラーと大きく異なるように思えます。 三つのお話それぞれに共通するのは、じわじわと迫って来る悲劇性。一話目は美に執着し過ぎてしまった女優。二話目はマジシャンを目指した結果悲劇に心を蝕まれてしまった父子。三話目は突如幸せな暮らしを奪われた少女。それぞれに決して抜け出すことが叶わない深い悲しみに彩られた物語。やりきれないものがありますね。 強いて残念な点と言えば、二話目と三話目が同様の仕掛けになっているところでしょうか。そこはもうひと工夫欲しかったところです。それと、全体の進行役的な冒頭とエンディングに登場するエピソードは少しばかり軽かったかも。ホラーあるある的なラストは、中身の三つのお話に今ひとつそぐわないような気がします。三話を際立たせるための一つの手法なのかも知れませんが。 コロナ禍後のベトナムで大ヒットしたというホラー・アンソロジー。邦画ホラーがお好きな方にはお勧めかも知れません。 【タコ太(ぺいぺい)】さん [インターネット(字幕)] 6点(2024-10-24 15:35:38) 1.《ネタバレ》 ベトナムのホラー映画である。原題の「Chuyện ma gần nhà」とは近所の怪談というような意味らしい。場所はほとんどホーチミン市(サイゴン)、終盤の農村部は近郊のロンアン省とのことで、現地の雰囲気が映像に出ていなくもない。 内容としては、一部屋に集まった若手男女が都市伝説3話を語る趣向である。人が集まると怪談会を始める民族性なのか(日本だけでないのか)と思わせるものがあり、それで終了後に怪異が起こるというなら百物語の風情だが、この映画では語り出す前から怪異が起きていて、最後はむしろ新たな都市伝説(現代風ゾンビ伝説)が生まれたという意味かも知れない。 物語としては、第1話は比較的わかりやすいが設定上の突っ込みどころが大きい。また第2・3話は意味不明であって、Wikipediaベトナム語版のネタバレを読んだら(Google翻訳)かろうじて大体わかった。おれはおまえだ的な展開が2回もあり、登場人物の人格が無にされたかのように見えるのは物語としてつらいものがある。 出演者としては第1話の主人公が可愛い感じで、また第3話の主人公も眉がきりっとして嫌いでない。難点はなくもないが、奇抜な映像や現地の情景など全体的な印象は悪くなかった。 以下雑記 ・時代設定に関しては、最後のTVニュースは2020年代として、都市伝説の方は劇中の事物からして1990年代(末頃?)の話かも知れない。また都市伝説の原因になった事件はさらに遡った南ベトナム時代のことだったようで、主な観客層にとっての昔と、古いサイゴンやその周辺への懐古が表現されていたのかと思った。 ・テーマ曲は、南ベトナム時代に発表された「私を独りにしないで」(Đừng bỏ em một mình)という死者の心情を歌った歌で、昔のホラー映画でも使われたりしたものらしい。エンディングのほか3話それぞれで曲名や歌やピアノのアレンジ曲が出ていた。 ・第1話の絵は、現地で本当にこういう人物画を屋台に描く習慣があるようで、今は「コ・ミア」(Cô Mía/ミアさん)という呼び名が付けられている。その由来に関する都市伝説も実際なくはないらしいが、この映画の話とは違う。 ・第2話の「賞金300万ドン」は南ベトナム時代の通貨価値によるものかも知れない。 ・第3話の「人の魂は死ぬ時、3つに分かれる」は突拍子もない発想のようだが、19世紀末の朝鮮国に関する記録でも「人間には霊魂が三つあると考えられている。死後三つの霊魂はそれぞれ位牌、墓、《黄泉の国》に行く。」とされている(イザベラ・バード「朝鮮紀行」講談社学術文庫P374)。この朝鮮国での考え方は、故人の居場所が仏壇(の位牌)・墓・冥土(→来世)の3か所だということなら日本人にも納得しやすいが、この映画でも同じ考え方かどうかは不明瞭だった。 【かっぱ堰】さん [インターネット(字幕)] 6点(2024-08-31 09:06:57)
【点数情報】
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