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第十七捕虜収容所

(㐧十七捕虜収容所)
Stalag 17
1953年【米】 上映時間:120分
ドラマコメディ戦争ものモノクロ映画戯曲(舞台劇)の映画化
[ダイジュウナナホリョシュウヨウジョ]
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2023-12-26)【TOSHI】さん
公開開始日(1954-02-23)


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監督ビリー・ワイルダー
助監督チャールズ・C・コールマン(ノンクレジット)
キャストウィリアム・ホールデン(男優)J・J・セフトン軍曹
ドン・テイラー〔監督・男優〕(男優)ジェームズ・ダンバー中尉
オットー・プレミンジャー(男優)フォン・シェルバッハ大佐
ロバート・ストラウス〔男優〕(男優)スタニスラス・“アニマル”・クザワ軍曹
ハーヴェイ・レンベック(男優)ハリー・シャピロ軍曹
ピーター・グレイヴス〔英男優〕(男優)フランク・プライス軍曹
ネヴィル・ブランド(男優)デューク
シグ・ルーマン(男優)ヨハン・セバスチャン・シュルツ軍曹
桐本琢也J・J・セフトン軍曹(日本語吹き替え版【PDDVD】)
大黒和広フランク・プライス軍曹(日本語吹き替え版【PDDVD】)
秋元羊介ヨハン・セバスチャン・シュルツ軍曹(日本語吹き替え版【PDDVD】)
横島亘(日本語吹き替え版【PDDVD】)
近藤洋介J・J・セフトン軍曹(日本語吹き替え版【1971年フジテレビ】)
田中信夫ジェームズ・ダンバー中尉(日本語吹き替え版【1971年フジテレビ】)
久松保夫フォン・シェルバッハ大佐(日本語吹き替え版【1971年フジテレビ】)
相模太郎スタニスラス・“アニマル”・クザワ軍曹(日本語吹き替え版【1971年フジテレビ】)
近石真介ハリー・シャピロ軍曹(日本語吹き替え版【1971年フジテレビ】)
羽佐間道夫フランク・プライス軍曹(日本語吹き替え版【1971年フジテレビ】)
玄田哲章J・J・セフトン軍曹(日本語吹き替え版【1987年フジテレビ】)
津田英三ジェームズ・ダンバー中尉(日本語吹き替え版【1987年フジテレビ】)
加藤正之フォン・シェルバッハ大佐(日本語吹き替え版【1987年フジテレビ】)
島香裕スタニスラス・“アニマル”・クザワ軍曹(日本語吹き替え版【1987年フジテレビ】)
千葉繁ハリー・シャピロ軍曹(日本語吹き替え版【1987年フジテレビ】)
小島敏彦フランク・プライス軍曹(日本語吹き替え版【1987年フジテレビ】)
石塚運昇デューク(日本語吹き替え版【1987年フジテレビ】)
増岡弘ヨハン・セバスチャン・シュルツ軍曹(日本語吹き替え版【1987年フジテレビ】)
堀川亮“ブロンディ”・ピーターソン軍曹(日本語吹き替え版【1987年フジテレビ】)
西川幾雄マルコ(日本語吹き替え版【1987年フジテレビ】)
小室正幸バグラディアン軍曹(日本語吹き替え版【1987年フジテレビ】)
田口昂(日本語吹き替え版【1987年フジテレビ】)
田原アルノ(日本語吹き替え版【1987年フジテレビ】)
脚本ビリー・ワイルダー
エドウィン・ブラム
音楽フランツ・ワックスマン(ノンクレジット)
作曲民謡「ジョニーが凱旋するとき」(アメリカ民謡)
撮影アーネスト・ラズロ
製作ビリー・ワイルダー
パラマウント・ピクチャーズ
制作東北新社(日本語吹き替え版【1987年フジテレビ】)
配給パラマウント・ピクチャーズ
特撮ゴードン・ジェニングス(特殊撮影効果)
美術ハル・ペレイラ(美術監督)
レイ・モイヤー〔美術〕
サム・カマー
ヘアメイクウォーリー・ウェストモア
編集ジョージ・トマシニ
ドーン・ヘリソン(編集スーパーバイザー)
あらすじ
第二次大戦末期。スイス国境近くの第十七捕虜収容所には、アメリカ人ばかりが収容されていた。脱獄計画があっさりと失敗したことで、中にスパイがいるのではないかという疑いが持ち上がる。軍曹のセフトン(ウィリアム・ホールデン)は、タバコを貨幣代わりに手広い「事業」を行うしたたか者で、嫌疑を一身に受け、袋叩きにあってしまう。彼は真犯人を見つけようと罠をしかけるのだが……。巨匠ビリー・ワイルダーの代表作の一本。

円盤人】さん(2004-10-25)
全てのをあらすじ参照する

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【クチコミ・感想】

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73.《ネタバレ》  「大脱走」(1963年)の元ネタの一つ……というより、多くの脱獄映画に影響を与えた、金字塔的作品ですね。
 主人公のセフトンは、後の映画における「調達屋」達の原型となっているし、本作が後世に与えた影響は大きいと思います。

 とはいえ「映画好きなら、勉強の為にも観ておくべき一本」なんて堅苦しい存在ではなく「今観ても楽しめる、愉快な白黒映画」って呼べる代物なのが、何とも嬉しい。
 原作が舞台劇という事もあり、基本的に捕虜収容所の建物内で物語が進行するのですが、閉塞感だけでなく、不思議な解放感もあるんですよね。
 象徴的なのが劇中曲の「ジョニーが凱旋するとき」であり、その勇壮な響きが、鬱屈とした空気を吹き飛ばしていたように思えます。

 貧しいスープの食事を取る皆の前で、セフトンが目玉焼きを作る場面が美味しそうとか、極限状況ならではの「普通の事が贅沢になる可笑しさ」を描いてる点も良いですね。
 こういう時、普通の映画なら羨ましがる側が主人公なんだけど、本作に関しては「贅沢をして、仲間に見せ付ける側」が主人公というのも、非常に斬新。
 ビリー・ワイルダー監督としては、その辺のバランスを考慮し「贅沢する側」のセフトンだけじゃなく「羨ましがる側」のハリーとアニマルにも尺を割いて、副主人公的な扱いにしたんじゃないかと思えますが……
 自分としては、もっとセフトン中心に作って欲しかったなと感じちゃうくらいに、彼が魅力的でしたね。

 皆を救う英雄としての側面、皆に嫌われる悪党としての側面、その二つをバランス良く備え持っており、七十年近くを経た今観ても新鮮に思える主人公像を描いてるんだから、本当に凄い。
 「入所直後に毛布や靴を盗まれた」(=だから仲間を信用していない)というエピソードを、さらっと語らせて、セフトンの人物像に深みを与えてる辺りも良いですね。
 回想シーンなどで尺を取らずとも、短く話すだけで充分に説得力があったし、この辺りは流石ウィリアム・ホールデンだなと、改めて感服しました。

 仲間を密告したと疑われ、散々に殴られ傷付いた顔で「本物の密告者を見つけ出す」と宣告する場面も、震えるくらいに恰好良い。
 そんな主人公セフトンが、終盤に自己犠牲な行動に出る訳だけど、それにも「ダンバー中尉の親から礼金をせしめる」という目的があるので納得出来るし、この辺りの描き方が、凄く良いんですよね。
 (あの悪党セフトンが、英雄的な行動をするなんて……)という意外性の魅力と、確かな説得力、両方を描く事に成功しているんだから、お見事です。
 脱走の直前「もし、どこかで会っても知らん顔しような」と、仲間達に冷たい言葉を残していくんだけど、その後に笑顔で敬礼して去っていく姿も印象的であり、セフトンの二面性の魅力が色濃く表れた、忘れ難い名場面だったと思います。

 そういった訳で「主人公の魅力」に関しては、今観ても斬新だと思えるのですが……
 「密告者が誰なのか」の種明かしの方は、非常に分かり易く、少々拍子抜けしちゃうのは、残念でしたね。
 本当に振りや伏線が丁寧なので「このジャンルが未熟な当時でも、観客が理解出来た展開」って意味では賞賛されるべきなんだろうけど、個人的には、もうちょっと難易度を高くして欲しかったです。
 何せ、セフトンより先に「密告者が誰なのか」を観客に明かす構成になっていますからね。
 これは、如何にも寂しい。
 やはり、セフトンと観客を一体化させて、同時に犯人を突き止める形にした方が「ああ、そうか」と喜ぶセフトンの姿にも、よりカタルシスを得られたんじゃないかと思います。

 ……ただ、そんな犯人の正体を踏まえた上で二度目の鑑賞をすると「皆の頼れる兄貴分」って感じに振る舞ってる犯人の姿が白々しくて面白いとか、やっぱり長所の方が圧倒的に多い映画なんですよね。
 作中一番のツッコミ所だろう「犯人を外に出して、警備兵に撃たせる場面」に関しても(助けを求められちゃうし、口と手を縛ったままで放り出した方が良かったのでは?)と思わずにはいられないんだけど(まぁ、皆して裏切り者への怒りで頭に血が上ってたから、冷静に考えられなかったんだろう)と、好意的に解釈したくなるんです。

 他にも、撃たれた後の演技が微妙で、死体のはずなのに生きてるとしか思えない場面とか、不自然で嘘臭い箇所があっても、劇中の捕虜よろしく「俺は信じるよ」って気持ちにさせてくれるんだから、本当にズルいというか、憎めない映画ですね。
 きっと今後も、いつまでも嫌いになれないまま、好きな映画のままであり続ける気がします。 ゆきさん [DVD(字幕)] 8点(2022-12-14 00:49:52)

72.《ネタバレ》 約20年ぶりくらいの再見。捕虜の中の誰がスパイだったのかとか、細かい部分はすっかり忘れていて、初見の時と同様に全盛期のホールデンの男の色気に魅了されつつ、ワイルダーの職人技を堪能しました。前半はスター、ホールデンの魅力に頼らずあくまで捕虜の中の登場人物一人として点景として扱っている点も好感を持ちました。後半の脱走に至るサスペンスフルな展開も申し分なし。ただなあ・・・前観た時も思ったんですが、やっぱりベティ・グレイブル狂のアニマル君と、その相棒の凸凹コンビの扱いにあまりに尺を取り過ぎてるのがもったいないんだなあ・・・。彼らのシーンを幾つか削れば、もっとソリッドな秀作になったと思います。特にクリスマスのダンスシーンとか内容もないのに長すぎる。話は変わりますが、昨日、一年通して久々にフルで観た大河ドラマ『麒麟がくる』最終回でした。好きな戦国時代のハナシ、みごたえがあって面白かったんですが、ここでも尺を取りすぎて、全体のバランスを著しく崩してしまっていた登場人物が何人か見受けられ・・・。ドラマの感想等で既にさんざん語られてるので誰とは言いませんが。コロナ禍でいろいろと製作状況が厳しかったことは理解できるんですが、彼らのシーンを2~3割削ればもっと良い大河ドラマになったと思うんですがね。これももったいない。映画のDVD鑑賞後、たまたま昨日の最終回を観たので、つい、同じような事を思ってしまいました。描写のバランスってホント難しいですね。 放浪紳士チャーリーさん [DVD(字幕)] 7点(2021-02-08 21:45:15)

71.ウイリアム・ホールデンが演じる米兵捕虜が、ナチスの捕虜収容所で仲間の捕虜たちからスパイの疑いを掛けられ、孤立しながらも独りで本当のスパイを探そうとする話です。

「ディア・ハンター」のような、精神の限界を超える極限の捕虜生活でも無く、捕虜同士が和気あいあいと暮らしています。コメディタッチな演出もあってあまり現実味を感じません。

脱走物として「穴」とも比べてしまいますが、リアリティは天と地ほどの差があります。

ストーリーはそこそこ面白いし、例えば電灯の紐でもってスパイが情報の有無を知らせるなど演出が巧みだとも思うのですが、戦争モノとしてはリアリティが乏しく物足りなく感じました。 wayfarerさん [DVD(字幕)] 5点(2020-06-14 02:39:49)

70.《ネタバレ》 これはなかなか面白かったです。舞台劇らしく閉じた環境での人間模様をコミカルに描く。
さすがはビリー・ワイルダー。収容所では娯楽が何もないですから、音楽は最高の楽しみの一つなんだろうなぁと。
みんなで賑やかに歌い上げたり行進したりするシーンはとても印象的でした。 あろえりーなさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-04-26 14:11:21)

69.《ネタバレ》 舞台劇の映画化ではありますが、「今まで捕虜収容所が舞台の映画なんて撮られたことがなかった」という冒頭のナレーションの通り、本作がハリウッドで戦後初めて製作された捕虜収容所映画みたいです。捕虜収容所ものというと普通は“脱走”がテーマですが、この映画は“スパイ・裏切り者”がコンセプトということになります。どちらかというと陰湿になりがちですが、そこを思いっきりコメディ仕立てにしてるのがビリー・ワイルダーらしいところです。この映画ではキャスティングなどに小ネタを仕込んでいて、収容所長にドイツ系だけどユダヤ人である映画監督オットー・プレミンジャーを引っ張て来ています。この人は名匠ですけどその現場でのパワハラ親父ぶりは鬼レベルで、キャスト・スタッフから恐れられていました。いわばセルフ・パロディみたいなキャラなんですが、彼に「どういう風に演技したらいいんだ?」と尋ねられたワイルダーは「あなたが撮影現場でやってる通りでいいんですよ」と答えたそうです(笑)。所長の出番は意外と少なかったですが、けっきょく尊大ではあるけどどこか愛嬌も感じられるキャラで、ちょっと拍子抜けでしたが。他にも元俳優でハリウッド・スターの物まねが得意という捕虜もいましたが、この物まねは当時の観客にはウケたんでしょうね。ウィリアム・ホールデンの商売熱心な捕虜役は彼の生涯の当たり役みたいな感じで、後の『戦場にかける橋』でも本作を彷彿させるような捕虜キャラを演じていました。ちょっと不満だったのは誰がスパイかのネタ晴らしが少し早い感じがするところで、これは原作舞台劇があるのでしょうがなかったかもしれません。できればもっと引っ張って『情婦』みたいなどんでん返しのような展開もアリだったかなと思います。 S&Sさん [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-04-18 20:21:33)(良:1票)

68.《ネタバレ》 古い映画だがなかなか楽しめた。

たまに手に入る卵。申し訳程度に浸したティーバッグのお茶ではなく、薫り高い紅茶を。密造酒ではなく上等の酒を。遠くから眺めるロシアの女兵士ではなく・・・

現在、どんなに幸せな環境で生きているかを再確認できるだけでも、収容所モノは時々見るべき映画である、と自分に課している。 チェブ大王さん [地上波(字幕)] 7点(2019-03-23 23:58:44)

67.「戦場にかける橋」とはずいぶん違う、なんとも自由な収容所に驚き。なまじ解放されてふたたび戦場に戻るより、いっそ戦争が終わるまでここにいたほうが安全で楽しいんじゃないかという気さえします。
それはともかく、今から見るとちょっと間延びしたところもありましたが、そこそこ楽しめました。終盤の謎解きはいささかあっさりでしたが。
どこかで見たことがある顔がいるあと思ったら、「おはようフェルプス君」ではないですか。実はこれが本作における最大の喜びでした。 眉山さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-07-16 01:02:08)(良:1票)

66.従来の戦争映画とは全く違ったものを作りたかったという意図は分かるが、コメディ色が強すぎると思う。
「厳しい状況の中でも、それに抗うように笑いを求める」的なことならいいけど、これは楽しみすぎちゃってて ちょっと白ける。
そういう乾いた笑いを入れた戦争映画は他にあるし、私はそちらに魅力を感じる。 くろゆりさん [CS・衛星(字幕)] 6点(2018-06-20 22:52:01)

65.描かれる捕虜収容所生活は、捕虜達は愛国心に溢れるでもなし、独軍は管理者としての厳格さはあるものの陰惨さはなし。更に密造酒、鼠レース(爆笑)、覗きの行列(「早くしろ!俺の順番には婆さんになってしまう・・・」爆笑)、チョビ髭達の「ジーク・ハイル!」(爆笑)、大量の煙草、等々実に能天気なもの。オスカーを逃したのが残念なアニマル役のロバート・ストラウスに大笑いさせられる。スパイが判明する件から結末までは一転して手に汗握る緊張感に包まれる。孤高を貫く男(渋すぎる)セフトンの言うとおりあれしか方法はないにせよスパイの最期に息を呑む。ユーモアと非情さの塩梅が絶妙なワイルダー監督の名人芸をいつも通りに堪能させてもらった快作。 The Grey Heronさん [DVD(字幕)] 8点(2017-11-05 09:51:09)

64.ビリーワイルダー最高。

『情婦』が有名ですが私はこの映画が一番好きです。
コミカルで軽快。洒脱。

ストーリーは練られていて演技は秀逸。
映画に必要なそれでいて最低限のものだけでここまで作り上げるとは、

イメージでは日本刀のような。
機能美を感じさせる人生の一本の一つ。

白黒に毛嫌いせずにみんなに見てもらいたい作品です。 病気の犬さん [DVD(字幕)] 10点(2015-11-05 15:30:38)

63.好きな監督だから期待してしまったけど、舞台を映画化したものだからか、演技までがいやに舞台っぽくて不自然な役者がいて違和感が。 飛鳥さん [DVD(字幕)] 5点(2015-11-02 23:01:33)

62.《ネタバレ》 後年の「大脱走」「勝利への脱出」と共に収容所を描いた戦争映画の傑作。
コメディタッチの軽快なやりとり、謎が謎を呼ぶサスペンス感覚の戦慄。この緊張の糸がビリー・ワイルダーの醍醐味。
オープニングのナレーションが「捕虜収容所を描いた戦争映画が無いから作りました」と来たもんだ。メタすぎる。
いきなり脱走から始まるファーストシーン、だが既に「密告者」が暗躍していた。
一体「密告者」は誰なのか。
一番怪しい男、まったく怪しくない男、様々な疑念が広がる・・・それをワイルダーのコメディ演出が忘れさせてしまう。
アニマルの暴れ振りが可愛くてしょうがない。
と思ったら「密告者」の暗号でドキリとさせられる。油断できないぜ。
収容所内の楽しいやり取り、その隣の鉄条網から先の世界は死が待っている・・・「殺される戦場」よりも「何もしなければ殺されない収容所」の方が気楽かも知れない。
死にたくなったらいつでも鉄条網を潜ればいい。サーチライトが道標だ。

ウィリアム・ホールデンの孤独な戦い振りがカッコイイ。
“商売人”は嫌われて上等。殴られて上等、だが「嘘」だけは付かない・・・てめえ(密告者)の尻尾を掴むまで徹底的に嫌われてやらあ・・・!
「尻尾を掴んだ」後も報復はせずに「気にするな」の一言。こういう男になりたいぜ。
オマケに最後の最後まで“商売人”だったね。
「人の助けになる物」は売っても「魂」は売らない。
せしめた煙草も一口の卵のために変える男だ。
任務でも仕事でもない、仲間のために命を張るのが奴の商売(ビジネス)・・・! すかあふえいすさん [DVD(字幕)] 9点(2014-12-15 23:00:23)

61.古い映画というだけの先入観で見たので、コミカル調のサスペンス、推理、人間ドラマは意外でした。面白い映画でした。 ProPaceさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-08-26 20:29:47)

60.収容所が舞台だと、陰惨だったりキツかったら嫌だなあと身構えてしまう私ですが、ビリー・ワイルダーは捕虜いじめに精を出すといったことをしないので、お気楽なコメディーになっててひと安心。ラスト手前までほんと楽しかったのだけど、スパイの処遇には突如として戦争のダークサイドが顕れてびびった。なんかリンチみたいじゃん。キツイなあ。 tottokoさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-10-27 23:58:22)(良:2票)

59.《ネタバレ》 古い映画だが堪能できた。サスペンスとユーモアのほどよく融合した娯楽作品だ。機知に富んだ脚本の勝利だろう。
人物がきちんと描き分けられ、一見群像劇のようだが、主人公は間違いなくセフトンだ。
彼は軍人としてはぱっとしないが、世故にたけた人間で、如才なくその才を発揮し、それなりに捕虜収容所生活を楽しんでいる。
そこへかつての士官学校の仲間ダンパー中尉が入棟してくる。
彼はセフトンとは対照的な人物。お金持ちで、軍人として出世し、英雄扱いされる。貧乏で出世の叶わなかったセフトンは当初反発するが、紆余曲折を経て、最後にはセフトンが命がけでダンパーを脱出させるという憎い筋立て。美しい友情物語に変貌する。
最も感心したのは二つのサスペンスを用意していること。最初は、誰がスパイか、どうやってナチスと連絡を取り合っているかというサスペンス。それが判明すると、次はそのスパイをどう糾弾、処理するかというサスペンス。悟られれば逃げられるし、殺せば、こちらも殺されるという難題。それを上手に解決したのが最後の脱出劇。それも二段構えの豪華さ。最初は、煙幕を張って、その騒動に乗じてダンパーを奪取し、絶妙の場所に匿う。煙幕の材料となるピンポン玉の伏線もきちんと張ってある。そして、スパイを囮に利用しての脱柵作戦。実にあざやかだ。
気になったところもある。第一に、ユーモア過多であること。内容的から判断して、シリアス路線で行くべきなのに、途中で完全なコメディ路線に脱線してしまっているところがある。全員でヒトラーの真似をしたり、ピンナップガールを想像して踊るところなどはカットしてもよい。ナチス高官がマヌケ過ぎるのも気になる。敵側をぬるくする必要はない。厳格一点張りでも成立する物語だ。次に気になったのは、冒頭の脱出時、セフロンはどうして脱出が失敗すると思ったのかということ。その伏線がない。そもそも仲間が命がけで脱出を図るのに、それを賭けの対象にするのかという疑問もある。文化の違いを感じる。それにしてもナチスは捕虜にたばこを奮発しすぎでは? よしのぶさん [DVD(字幕)] 8点(2013-09-07 01:31:26)

58.捕虜を扱った映画だけど「大いなる幻影」とは違って娯楽映画の色彩が強い。米国映画で監督がビリー・ワイルダーだからかもしれないが、戦争の悲惨さに的を絞ったものではないと思えば腹は立たない。というか、やっぱりワイルダーらしいおもしろさだ。 ESPERANZAさん [DVD(字幕)] 8点(2013-08-27 15:46:16)

57.《ネタバレ》 人も殺されて、戦争物の範疇に入るだろうが、これはなんというか、限られたスペースでの人間ドラマですね。他の捕虜ものの陰惨さもなく、いろんなイベントあり、セプトンをまるわかりのミスリードにして、一体誰が裏切り者かというメインを追って行く。最後のプライスの顔が見物でした。 minさん [DVD(字幕)] 8点(2013-08-12 21:52:54)

56.冒頭で、戦争映画は数あれど捕虜を描いた作品が無いのが不満だ、などとブチ上げておきながら、捕虜収容所の非人間性をリアルに描いて告発してやろうなんて気はサラサラなく、厚かましくも堂々たるオモシロ娯楽作品に仕上げております。能天気な捕虜たちのドタバタあり、仲間にまぎれた密通者の存在が招くサスペンスあり。登場人物の目を通したいわゆる主観ショットが、セフトンの目を通せば、密通のカラクリが暴かれる過程としてのサスペンスを生むし、アニマルの目を通せば何ともアホらしい女装ネタで笑いを生む、というとにかく楽しい作品なのですが、ただ楽しいばかりではなくて、そんな中にも「ヒーローは、孤独である」というテーマがあって、作品を忘れがたいものにしております。ヒーローは孤独であり他者から理解されぬ不遇の存在であり、しかしそれは自らが招いたものでもある。そして彼はついに、自らその殻を破り羽ばたいていく。陽気さ、緊張感、動きのある見事なストーリー展開、ウン、確かに捕虜映画でこれほどのオモシロ作品が作れるんだから、冒頭の「不満」も一理ある訳です。 鱗歌さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2013-05-06 14:39:02)(良:1票)

55.脱走ものとサスペンス要素をうまく組み合わせた娯楽作品。
タイトルからガチガチの戦争映画をイメージしがちも、この内容なら戦争ものが苦手な人でも楽しめるんじゃないかと。
もともとが舞台劇ということで、なるほどなという作りだが、捕虜の人数が多いので、物語の核となっているある謎をラストまで引っ張らせ、緊張感を持続させてくれます。
コミカルタッチのシーンは、個人的にもう少し削って欲しかったなという感はあるけど、十分な満足感を与えてくれる作品だった。面白い。 MAHITOさん [DVD(字幕)] 7点(2013-02-02 11:12:14)

54.《ネタバレ》 巧い!冒頭、見直してみると脱走の成否を賭けにするセフトンをプライスが実に微妙な顔をして見上げているのですね。「何言ってくれてんの」って感じで。最期に感情を見せるジョーイが印象的。ビリーワイルダー監督に外れなし。 なたねさん [CS・衛星(字幕)] 9点(2013-01-24 16:34:40)

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【点数情報】

Review人数 73人
平均点数 7.51点
000.00% line
100.00% line
200.00% line
300.00% line
434.11% line
556.85% line
6810.96% line
71926.03% line
82027.40% line
91013.70% line
10810.96% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 9.00点 Review3人
2 ストーリー評価 8.20点 Review5人
3 鑑賞後の後味 8.00点 Review5人
4 音楽評価 8.75点 Review4人
5 感泣評価 9.00点 Review1人

【アカデミー賞 情報】

1953年 26回
主演男優賞ウィリアム・ホールデン受賞 
助演男優賞ロバート・ストラウス〔男優〕候補(ノミネート) 
監督賞ビリー・ワイルダー候補(ノミネート) 

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