みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
48.《ネタバレ》 この上もなく美しい悪女に手玉に取られ、骨抜きにされてみたい隠れM男の願望を、見事映像化して下さったビリー・ワイルダー監督の傑作。ウディ・アレンがこの作品を、史上最高の映画と高く評価しているのは有名な話ですが、彼がこしらえた幾つかのサスペンス作品のヒロイン像がこの映画のバーバラ・スタンウィックと、どこか重なる部分があるのもその話を聞けば納得できます。この両名監督のフィルモグラフィーを見るにつけ、やっぱりコメディとサスペンスっていうのは表裏一体なんだなあと。アカデミー主演女優賞に延べ計4回ノミネートされ惜敗したスタンウィック女史ですが、受賞するならこの作品しかなかったと思います。でも当時の社会通念だと、こういう役での受賞はやっぱり厳しかったんかなあ・・・。 【放浪紳士チャーリー】さん [DVD(字幕)] 9点(2023-08-05 07:47:21)(良:1票) 47.ストーリーはシンプルだけど面白かった。主人公ネフは仕事だけは真面目にやってきたのだが、悪女に唆されて悪の片棒を担いでしまう。何度か逃れるタイミングはあったのに、ズルズル踏み込んでしまうと墓場まで一緒である。相棒キーズが最後まで信じて動いてくれたのが泣けたな。オススメです。 【SUPISUTA】さん [地上波(字幕)] 9点(2021-05-06 14:35:26) 46.《ネタバレ》 ~Double Indemnity~倍額保障。 条件が整えば死亡保険金が倍になる制度で、パッと調べたらかんぽ生命くらいしか出てこない。時代遅れだからか、レアなのか。 フィリスがネフを誘導して保険金殺人に導くんだけど、この倍額保障に拘らなければ、キーズにここまで執拗に調べられることもなかっかもしれない。もちろん、保険加入から死亡までの期間が短いとか怪しいところは多々ありだけど。 事故ではなく殺人の疑いが出た際、ネフの関与は疑わしいのに、キーズが無罪・無関係を信じたのが意外というか、ネフの考えるような人ではなかったところが面白かった。証拠とか関係なく、長年の同僚に対する無償の信頼とでも言うのか。私がネフだったらあのボイスメッセージを聞いたら泣いてしまうな。 登場人物が少ないためにとても関係が濃い話になっていて、振り返って考えるほど、フィリスの悪女っぷりがとんでもない。死刑は免れないだろうけど、ネフが彼女を撃ち殺したのは、フィリス本人とローラへの優しさかもしれない。 名前があるだけの脇役と思ってたザケッティが、あそこまで事件にかかわってくるのも意外。そして入り口でザケッティを帰すネフがカッコいい。 1944年のクライム・サスペンスで、ここまでの完成度とか、恐ろしいセンス。 【K&K】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2021-04-10 17:07:18) 45.ビリー・ワイルダー初期の傑作、というわけで鑑賞。同僚キーズの鋭い推理に徐々に追い詰められていくネフ、その程よい緊張感が中盤以降保たれていた。フィリス役バーバラ・スタンウィックの悪女ぶりも良い。計画の失敗自体は冒頭に明かされているが、二人の顛末はメロドラマ要素もあり、なかなか読めなかった。こういったジャンルの先駆けと評されている作品だけあって面白さは保証済みといったところか。おススメ。 【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-02-24 19:32:43) 44.戦時中に作られたとは考えられないレベルの出来。 いい意味です。 冒頭から、テープレコーダーに殺人を告白する主人公のシーンで始まります。 この頃、すでに「刑事コロンボ」の形が出来上がっていたという訳ですね。 多少シナリオに粗が目立ち、最初は退屈しましたが、物語が進んでいくにつれ、時間を忘れてしまいました。 主人公と人妻、その義娘、そしてその彼氏の関係が絡んでいく過程が見事だと思いました。 そういった点はムダがないですね。 機会があったら是非一度ご覧になっていただきたい作品です。 【クロエ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-02-21 21:33:13) 43.《ネタバレ》 旦那の保険金殺人を企む後妻の計画に乗ってしまう主人公。 典型的な魅惑の悪女に、人生を狂わされる格好に。 ビリー・ワイルダー監督なので期待したが、スーリーは結構シンプルだし期待ほどではなかったものの、古い映画の割りには楽しめた。 【飛鳥】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-09-04 23:48:03) 42.サスペンスとしては多少雑なところはあるし、話は単純だし、主人公が失敗したというオチも最初からネタバレされている。でもなぜか見入ってしまう。主人公はどこでどう間違えたんだろう?という興味関心で引っ張っているのかもしれないし、登場人物が限られていてキャラもしっかりしているので、ダレずにテンポよく見られるというのもあるのかもしれない。 実際、カネを払いたくない保険会社の調査能力ってものすごくて、警察のヘタな捜査より執念が違うので殺人事件を暴く事は現実にあるらしく、そういったリアリティーも感じさせる作品でもある。 尚、1944年の作品だが、サイパン陥落で日本は敗戦濃厚な時期で、米国も東西で戦争の最中のハズなんだが、そういった世相を全く感じさせない不倫の保険金殺人の作品を作ってしまうというのはどういう事なのかと考え込んでしまうのが、戦前作品を見る事のデメリットではある。 【東京50km圏道路地図】さん [CS・衛星(吹替)] 7点(2020-08-04 17:10:02) 41.《ネタバレ》 正統派の保険金殺人モノ。正統もなにも、この作品こそがこのジャンルの草分け的存在なのでした。 色と欲に目がくらんで計画を実行する語り部と、黒幕悪女、そしてトリックを見破る推理役とこの手の話に必要なオールキャスト揃えで、穴がありません。 一つの計画に破綻が一つ。後発作品がもっと色々と不確定事態を盛り込んでくるのに比べればシンプルですが、役者が上手いのでぐいぐい引っ張ってくれます。金髪カツラが妙に似合わないバーバラ・スタンウィックのやり手っぷりは迫力ありますし、エドワード・G・ロビンソンのコミカルな名探偵ぶりもキャラ立ち抜群。彼と罪を犯した主人公との友情も根底にあって、ちょっと話が深まりました。 ワイルダー監督が意図したのかどうかわからないけれど、ヒッチコックばりのサスペンス感も漂います。列車で居合わせた老紳士が保険会社の待合室にいた時のひやっとさせられるあの感じ、似てますよね。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-07-27 23:21:22) 40.重要なシーンで登場する列車のスピードのように、物語のテンポとしてはものすごくスローリー。しかも最初から犯人が犯行を「告白」するという、謎解きの醍醐味を否定するスタイル。しかし、最後まで飽きません。ハラハラドキドキのツボを再三に渡って刺激される上、女性の怖さにゾッとします。このあたりは人類にとって普遍的な感情のようで。 しかし日本が戦意高揚の国策映画作りに邁進しているころ、かの国ではこんなクオリティの高いエンタテイメント映画を作っていたわけで、今さらながらその国力の差に愕然とします。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2020-07-05 02:25:03) 39.よく練られたストーリーで本当に面白い映画だと思います。同じビリー・ワイルダー監督の「情婦」も面白かったですが、この映画もお薦めです。一緒に見た妻も楽しめたようで、「昔の映画という気がしない」と言っていました。 【wayfarer】さん [DVD(字幕)] 8点(2020-06-14 02:37:37) 38.今観ても良く出来ている。ありがちなドラマに感じるのは、その後に多く模倣されたからだろうか。 なので、普通のサスペンスに落ち着いているが、映画での歴史的な意義は大きかったのだろう。 【simple】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-06-13 14:28:29) 37.《ネタバレ》 主人公の男がこれまでの経緯を録音機に「告白」する、という体裁なので、映画全編に彼の独白が散りばめられており、少々煩わしい気がしない訳では無いんですが、要するに「これは一人称の物語なのだ」、ということなんでしょうか。ハードボイルドらしい乾いた印象には、確かに繋がっています。 もう一つ。殺人シーンを敢えて画面外で描くのはいいとしても、その後の死体処理のシーンまで、死体をあまりはっきりと写さないのは、映画の時代背景もあるのかも知れないけれど、いかにも無難な感じがして、ちょっと迫力不足、とでもいいますか。でもこのシーン、いや~な雰囲気はよく出てるし、クルマのエンジンが掛からない、なんていう描写のイジワルさも効果的。 誰が何を考えているのか、それとも何も考えていないのか。エドワード・G・ロビンソン演じる、一番わかりやすそうなオッサンが、一番煮ても焼いても食えないような存在で、暗い作品の中にユーモアをもたらしています。 途中、BGMがなぜか未完成交響曲になったりするのは少し違和感もあるけれど(それと同時に、意味も無く『素晴らしき日曜日』を思い出したりも)、ミクロス・ローザの音楽、この先の展開を暗示するように和声を切り替えたりするあたりは、オペラ的でもあり、なかなか聞かせます。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-06-01 20:42:07)(良:1票) 36.食料品店での会話や 犯行後すぐの密会など、今見ると おいおい脇甘すぎだろって感じの描写があるけど、当時の捜査状況なんかに照らすと それ程違和感ないのかあ などと時代の違いを感じた。 トリック自体も 少し杜撰に思えてしまって、そこまで楽しめなかった。まあ現代ミステリーの視聴歴によって、観る目が厳しくなっちゃってるんだろうとは思う。 【くろゆり】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-05-19 14:58:31) 35.《ネタバレ》 バーバラ・スタンウィックと言えば今じゃすっかり忘れられた女優ですが、本作の悪女フィリスはこれだけしかないという彼女の代表作、あの独特のヘアスタイルは今でも悪女のアイコン的な存在であります。ハロプロ有名グループの某アイドルがこのフィリスとよく似たヘアスタイル(しかも金髪)だったことが懐かしく思い出されます、そういやこのアイドルもけっこう強気なキャラでしたね。 ジェームズ・M・ケインの原作をレイモンド・チャンドラーが脚色してビリー・ワイルダーが監督したのですから、そりゃ傑作にならないわけがないじゃないですか。でもチャンドラーとワイルダーは撮影中は険悪な関係だったみたいで、『見知らぬ乗客』でもヒッチコックと揉めているし、このレイモンド・チャンドラーという偉大な作家は人づきあいが上手くなかったみたいです。 “フィルム・ノワール”には色んな定義がありますが、本作は間違いなくその最初期に位置していることは間違いないでしょう。そしてたぶん本作がワイルダー唯一のフィルム・ノワールなんでしょうけど、要はこの人どんなジャンルでも手を出せば軽々と傑作にしちゃうし、やっぱ天才なんでしょうね。この時代は、優れた脚本を書ける映画作家が存分に腕をふるえる黄金時代だったと思います。 ストーリーテリングはフレッド・マクマレイが冒頭からヴォイス・レコーダーに事件を順繰りに語るというオーソドックスなものですが、それがナレーションにもなるというハードボイルド小説の定石みたいなテクニック、ここら辺にチャンドラーの爪痕があるのかもしれません。その単調になりがちなスタイルをぐいぐいと引っ張るのがやはりエド―ワード・G・ロビンソンの力量なんでしょうね。ただ一つ残念だったのは、フィリスが最後に二発目を撃てなかったうえにそこで(多少)改心したような展開になったところでしょう。なんか中途半端でとことんサイコパスみたいなキャラを通して欲しかったところですが、時代を考えるとヘイズ・コードが猛威を振るっていた頃ですからしょうがないかもしれません。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-05-16 20:56:35) 34.《ネタバレ》 けっこうエゲツない話。最後はローラまでは仕留めようとしていたんだから、フィリスによるディドリクソン一家惨殺事件(未遂)じゃないですか。自分で手を下さない計画なのがまたひどい。そんな中、ワイルダー色を一手に引き受けていたキーズが好き。いつか、追い詰められたネフがギースにタバコの火をあげない瞬間がくると思ってみてましたが、最後にキーズが点けてやるんじゃないですか。頭のいいチビ、カッコいいよ。 【なたね】さん [DVD(字幕)] 9点(2020-02-23 21:15:46) 33.《ネタバレ》 古い映画だけど、ストーリーは古びていない。フィルムノワールの佳作。 【にけ】さん [映画館(字幕)] 8点(2018-12-31 20:09:33) 32.情婦ほどのインパクトはありませんが、最後まで気が散らずに観られました。切れ者のキーズがかたわらで真実スレスレの推理を披露するのに戦々恐々な主人公の場面が好きです。 【次郎丸三郎】さん [DVD(字幕)] 7点(2017-11-27 11:51:32) 31.《ネタバレ》 良くできた良質のサスペンス。 ただ、突出したものがない。 特色がないと言うべきか。 印象的だったのは、共犯の二人は同じ列車に乗り、終着駅は墓場という例え。 まあ暗い例え話だけど。 よくできた話だけど、要するに暗った過ぎる内容。 観た後の爽快感が皆無。 【にじばぶ】さん [DVD(字幕)] 6点(2016-10-08 00:44:15) 30.《ネタバレ》 相当昔のものだから当然映像は古い、出てる人は正直知らない人ばかり、でもしかし面白いなぁこれは。観だしたら全く古さを感じさせない展開・構成は素晴らしいの一言。まさにサスペンスの源流ともいえる本作、とってもオススメです 【Kaname】さん [DVD(字幕)] 8点(2015-10-26 08:53:20) 29.不倫、殺人、保険金詐欺、今やあまりに使い古されたサスペンスの古典的展開。その先駆けであり、源流となったとも言える70年前の映画。映し出される映画世界は当然古臭い。しかし、退屈感など微塵も感じさせず、フィルム・ノワールの世界に観る者を没頭させる。 ビリー・ワイルダー監督の作品を幾つか観てきているが、驚く程にハズレが無く、みな傑作である。 真っ当な映画ファンからすれば、この映画史上最高の映画監督の作品が傑作揃いであることなど至極当然のことなのだろうけれど、50年以上前の映画の殆どにおいて、今観ても退屈に思う部分が無く、むしろ新しさすら感じてしまうことは、奇跡的なことだと思える。 そのビリー・ワイルダーと、ハードボイルド小説の偉人レイモンド・チャンドラーが組んで脚本が執筆された本作。当人同士の関係性は決して良好では無かったらしく、脚本の執筆は難航したらしい。 それでも書き上げられたこの映画の脚本の質の高さは素晴らしく、これまた奇跡的に思える。 原題は「Double Indemnity」。劇中でもキーポイントとなる「倍額保険」の意。 欲を重ねた人間たちの愚かさと虚しさ、その末路がしなやかに映し出されていた。 良心の呵責、友人に対しての裏切り、情愛のもつれ……描き出されるテーマ性も、今や当然の如く使い古されている。しかし、それらもあたかも初めて触れる人間模様かのように心に染み入ってくる。 脚本の素晴らしさは前述の通り、その世界観を映し出す秀逸なカメラワークと演出、その中で息づく俳優たちの存在感、「映画」を彩るすべての要素が「上質」の一言に尽きる。 いやあ、名作だ。ビリー・ワイルダーの映画を観ると、いつも「名作」という言葉の意味を知ることになる。 【鉄腕麗人】さん [インターネット(字幕)] 9点(2014-05-10 13:59:24)(良:1票)
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