みんなのシネマレビュー

虎の尾を踏む男達

The Men Who Tread on the Tiger's Tail
(They Who Step on the Tail of the Tiger)
1945年【日】 上映時間:59分
ドラマサスペンスコメディアドベンチャー時代劇ミュージカルモノクロ映画パロディ
[トラノオヲフムオトコタチ]
新規登録(2003-05-25)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2022-12-12)【イニシャルK】さん
公開開始日(1952-04-24)


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監督黒澤明
キャスト大河内傳次郎(男優)弁慶
藤田進(男優)富樫
榎本健一(男優)強力
河野秋武(男優)伊勢
小杉義男(男優)駿河
久松保夫(男優)梶原の使者
清川荘司(男優)富樫の使者
森雅之(男優)亀井
志村喬(男優)片岡
岩井半四郎(十代目)(男優)義経
脚本黒澤明
音楽服部正
撮影伊藤武夫
製作伊藤基彦
配給東宝
美術久保一雄
編集後藤敏男
録音長谷部慶治
その他キヌタ・ラボラトリー(現像)
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【クチコミ・感想】

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33.黒沢映画にしては特に面白みもなく、エノケンを狂言廻しに使ったのが当時としては画期的なのか。
大河内伝次郎がさすがに貫禄がある。セリフがちょっと何言ってるのかわかりませんが(笑)
終戦の年(1945)に作られたそうですが、公開できたのでしょうか? とれびやんさん [インターネット(邦画)] 6点(2022-06-19 12:27:32)

32.筋立ては知っていましたが、榎本健一がどうにもこうにも癇に障る重厚さに欠けるというか安っぽいつまんない演出の作品でした。歌舞伎の素養がある方には楽しめるのですかね。森雅之さんに台詞があったのか、確かめる気にもなりません。 The Grey Heronさん [DVD(邦画)] 3点(2022-01-13 01:30:25)

31.《ネタバレ》 黒沢映画の佳作小品。一幕物で演劇的か?後のダイナミックな映像美の黒沢映画から見ると、不満足だけど、その分小品佳作。喜劇王エノケンも出ています。再見はないかなあ。 にけさん [映画館(邦画)] 6点(2018-12-21 15:25:41)

30.《ネタバレ》 黒澤ファンには不評気味だけど、俺は「デルス・ウザーラ」と共に黒澤嫌い・ファンにもススメたい傑作の一つだと思っている。

何せ黒澤映画最短(オムニバス「夢」を除けば)となる1時間に凝縮されたエッセンス!
日本の伝統芸能、歌舞伎の代名詞の一つ「勧進帳」。
源義経と弁慶が箱根の関所を突破しようという一節だが、それをミュージカル風にやってしまおうというこの映画。
弁慶の鬼気迫る演技、そしてエノケンのひょうきんな役どころ!
特に終盤、弁慶と関所が繰り広げるやり取りを短いショットを交互に見せ緊張感を高めるッ場面!この場面だけは何度も見てしまう。 すかあふえいすさん [DVD(邦画)] 9点(2014-12-18 17:27:43)

29.大河内傳次郎の演技がとにかく凄い!今の役者とはあまりにもレベルが違います。黒澤作品としては唯一?のミュージカル風作品で歌舞伎の勧進帳を元にしてるとか。話の内容は全く知らなかったので、この映画で始めて知りましたが、これがなかなかおもしろくて見応えがあります。ラスト嘘をついていると知りながらも弁慶らを通す富樫の好漢ぶりが熱いですね。 キリンさん [DVD(字幕)] 7点(2013-01-30 17:27:21)

28.《ネタバレ》 この映画は能楽『安宅(あたか)』を原作として制作された。筋はほとんどそのままで、地謡の部分をニュージカル仕立てにしている。エノケンの強力を加えてコミカルにしてある他、エノケンが飛び六方の真似事をするなど、歌舞伎の「勧進帳」の影響も強い。黒澤流古典の換骨奪胎で、枯淡な能舞台をそのまま映像に写したような静かで落ち着いた趣がある。淡麗な水墨画の巻物を見るようだ。歌舞伎では見得を切ったり、六方を踏んだり、大袈裟な演出で観客を惹き付けるが、本作ではあくまで抒情的演出を貫く。弁慶の勧進帳の披瀝と山伏問答の場面は実に見事。役者としての品格がある。現在この役を演じきれる役者がいるだろうか?◆戦時中は検閲官がいて、監督は常に彼らと丁々発止やりあっていた。やれアメリカ的だ軟弱だと文句をつけられ、様々な理由を以て企画した作品、脚本がことごとく中止決定となり、半ばヤケになって、遂に誰にも文句のつけようのない古典に題材を求めた。フィルムや予算の制限があり、ロケは撮影所の裏山でするという簡易方式。シーンも3つしかない中編。元々次の作品につなげる為の中継ぎの意味しかなかった。一種の逃げである。監督は無意識の内に自分を判官に見立て、判官贔屓に自らの心を慰めていたのではないかと想像する。撮影中に終戦を迎え、間もなく完成したものの、今度は「主君への忠義」の内容がGHQコードに触れ、発表禁止扱いに。つくづく運の無い作品である。◆まだ駆け出し監督にとっては経験を積んだという意味が大きいだろう。初めての時代劇。エノケン強力のキャラは、「乱」の狂阿弥につながる。山中の場面は「羅生門」の予習。機転で関所を通る場面は「隠し砦の三悪人」にも出てくる。経験がよい財産になっているのだ。
よしのぶさん [インターネット(字幕)] 6点(2011-10-01 02:10:31)

27.《ネタバレ》 この映画は歌舞伎「勧進帳」のパロディであり、黒沢監督の最初で最後のミュージカル作品です。
この映画を面白くないと感じている方が多くいらっしゃるようですが、歌舞伎の良さがわからない方達でしょう。
黒沢監督がエノケンを抜擢し、重厚な勧進帳にコメディの要素を加え、ミュージカルに仕立てたことは素晴らしいアイディアだと思います。
撮影も義経が強力に姿を変えるところなんか実にうまく撮れています。
貧弱なセットではありますが、予算をかけなくても、アイディアさえあれば、素晴らしい映画できるという好例です。
大河内傳次郎の言うセリフが何を言っているのかよくわからないという方もいらっしゃるようですが、字幕を見ても何を言っているのかわからないと思います。言葉自体が難しいのです。
この映画の鑑賞には歌舞伎の勧進帳を楽しんで観ることができる素養が必要なのです。
退屈であっても忍耐強く繰り返しご覧なさい。そうすれば、きっと一筋の光明が見えるでしょう。 redmarshさん [DVD(字幕)] 9点(2010-12-06 21:44:50)

26.冒頭に「1945年9月製作」のテロップ。終戦直後の日付だが意味が解らず、調べたところによると進駐軍の検閲に引っ掛かり公開が1952年まで遅れたとのこと。主君への忠誠心の描写がダメだったらしい。外国人の目には、とても日本的に映る映画、ということなのでしょう。エノケンという人はほとんど観たことがなかったけれど、芸達者ということは良く分かった。反対に大河内の台詞が聞き取りづらく、しかも力めば力むほど何を言ってるのか分からなくてストレスだった。立ち居振る舞いには迫力があるんだけどねぇ。黒澤映画という視点で言うと、ほとんどスタジオの中での会話劇的な展開であるために特色が出ていない。ラストシーンの空は良く観ると書割なんだけど、描画のこだわりにはこの監督の色が現れていると思いました。 アンドレ・タカシさん [CS・衛星(邦画)] 4点(2010-07-17 21:05:29)

25.《ネタバレ》  シナリオは歌舞伎「勧進帳」そのものだし、セットもロケも極めて少ない場面数で、第二次大戦の最末期に作られた作品だけに、予算も少なく、娯楽要素を大きくすることも出来なかったことが伺われる。

 わずかに「強力」の役回りにコメディータッチを加えることが黒澤らしさとも言えなくはないが、そこに人気喜劇役者榎本健一を配しているところも、体制に気を使い、慰安として許されるような映画作りをしなければならなかったのではないかと思われる。

 黒澤監督の歴史を語る上で見ておくべき作品だとは思うが、背景を一切考慮せずに作品として評価すると、当時の並みレベルのもの、今の時代では面白くない映画、というしかない。 nobo7さん [DVD(邦画)] 5点(2010-07-05 00:47:50)

24.この映画が作られた当時の知識が無いと(当時の名優達や時代背景など)、本当の面白さは分からない映画だと思います。自分は単純に黒澤映画が好きで辿っていく過程の一作品として何の知識も無く観たので、面白かったというより、良い勉強になった というのが正直なところです。
おーるさん [DVD(字幕)] 5点(2010-01-19 16:29:35)

23.《ネタバレ》 いまや伝説の大河内とエノケンが見れただけで幸せだ。大河内の迫力ある演技は、見ごたえがある。ちょっと酒を飲むところは、クドく感じたがこれもご愛敬。藤田進もええ味だしとる。 パオ吉さん [DVD(邦画)] 7点(2009-08-07 22:49:45)

22.これを見たのは何年も前のことで忘れてしまってることのが多い。そんな中で晩年の黒沢映画に見られる説教臭さがほとんどなく、気軽に観ることが出来るという意味ではカラーの黒沢映画よりは良い。但し、黒沢映画としては特別凄い映画とは思いません。大河内伝次郎とエノケンの二人が面白いというだけで作品そのものは黒沢明監督本来の力強さ、ダイナミックさ、リアリズムには欠けるものの晩年のカラー映画とは違っておそらく監督自身が最も力まずに撮った映画ではないでしょうか? 青観さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2009-08-06 23:09:23)

21.さてここでも、「映画はなぜ、おなじみ“勧進帳”をわざわざ取り上げるのか」という問題が(しかもこんな苦しい時代にわざわざ作った映画だよ)。もしも映画という芸術が「特定の“文脈”の中で捉えられるべきものではない」「独立し完結したものとして鑑賞されるべき」というならば・・・ならば、なぜ、「○○○を映画化!!」みたいな安直なコトをするのか。映画はまず外部との連関を拒絶する努力を徹底して行うべきではないのか(って、勿論、してる作品はしてるんだろうけどね、えへへ)。“音楽”という芸術は、20世紀に、血の滲むような努力、ってか、試行錯誤をとめどなく繰り返してきたぜ。で、それは、きっと、失敗だったのかもしれないけど・・・。すみません、これ以上書いても結論なんぞ到底結論なんて出ない。別に不満があるわけでもない。今のところ何となくぼんやり考える、だけ。で、とりあえず、本作の話。いや、実はここでも、本作がそのヒントになるのかも。最近よく聞く“○○○の完全映像化!”とかいうのとは、まったく異なって、ここでは、パロディとしての味わい。特にエノケンという狂言回しの存在が、本作をひとつの新しい作品へと導いており、こういう映画に触れると、何となく、「原作があり、そして、映画がある」という、すでにアタリマエになってしまっている図式に、改めて「ああ、なるほど、そういうことか」と納得できてしまったりするのです。それにしても。後半の、スタジオ感バリバリの雰囲気、音響とかにも十分に気を使っていない(使えていない)感じがするのですが。でも、その不自由さが、(妙な所に)綿密なクロサワ映画に加えられたことで、一期一会の絶妙な味わいを醸し出した、という気も。また、せめて最後にもう一度、屋外シーンを見せて欲しいなあ、と思っていたら、これもしっかりと、とっておきの「空」を背景にラストシーンを見せてくれて、うれしくなっちゃうのでした。 鱗歌さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2009-05-04 21:52:47)

20.《ネタバレ》 太平洋戦争末期にすべてをセットで撮影していますが、あの時代によくぞ作ったものです。なにより大河内傳次郎の弁慶の迫力がものすごいです。今の時代、これほど迫力のある男などどこを探してもいません。対する藤田進の富樫も涙が出てくるようないい男です。常に死を見つめながら生きていた男どもの生き様がとてもすがすがしく感じられます。「死に場所などどこにでもある」と言い捨てる弁慶に、そういう時代を生きることができた彼らの幸運を思わずにはいられません。バックを流れる男性コーラスも美しく、忘れがたい映画となりました。 きのう来た人さん [DVD(字幕)] 10点(2009-01-09 06:23:12)

19.腹のすわった立派なサムライと卑屈な庶民の関係って、師弟関係とは別に、黒澤が好んだ設定で、たとえば後年の『隠し砦…』にも通じていく。その最初の登場が本作だ。また「平家物語」の映画化を生涯の夢にしていた監督が、けっきょくその時代近辺を描くことができたのは、この短い一編だけだったわけで、その点でも貴重な作品。富樫がになう役割りを、富樫と梶原の使者との二人に善悪で分割しすっきりさせている。善悪というより、人情的と官僚的か。勧進帳読み上げのシーンは、梶原の使者に登場させ、カットを畳み込んでサスペンスを盛り上げる。ここらへんはホントうまい。富樫の山伏問答ではロングで引き、セリフと音楽で盛り上げる。同じ手を続けない。後段、エノケンは酔って踊り、これまでずっとビクビクしていた庶民の彼が、ここで初めて「立派なサムライたち」に溶け込む。しかし目覚めてみれば独りぼっちで置き去りにされていた。立派なサムライたちの仲間には入れてもらえなかった。サムライたちの末路を暗示しているような、また庶民にとってああいう立派さがそもそも一場の夢であるような、そんなエンディング。以後も黒澤作品ではこの断絶がしばしば描かれ、なにかと引っかかるところではある。大きな夕景のなかに一人でたたずむってのも、これから何度か目にするモチーフ。 なんのかんのさん [映画館(邦画)] 7点(2008-11-13 12:17:57)

18.黒澤映画としては、『羅生門』に次いで好きな作品です。
アクション過ぎる『七人の侍』や、ヒューマン臭が過ぎる『生きる』『赤ひげ』などの世間的評価の高い黒澤作品よりも、本作の方が好きです。
尺も短く、緊迫感が最後まで持続し、見事な出来栄えです。
大河内傳次郎の、迫真の演技も特筆すべき素晴らしさでした。 にじばぶさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2008-09-03 23:40:27)

17.《ネタバレ》 作った時期を考えたり、その時にこれだけ豪華なメンバーを揃えて勧進帳(桶狭間を作りたかったが馬が調達できず断念)をやったのはスゴイ。でんじろう先生とエノケンありきの話なので、狂言回しのエノケンの存在がいい所とシリアス部分での茶々に「ん?」という部分と両方あるが、勧進帳のパロディとして十分楽しめます。森雅之とか志村喬とか岩井半四郎の使い方が勿体無いけど、これはこれでオールキャストで有名な歌舞伎の一場面を独自の演出で切り取ったと思えばなかなかの佳作です。

富樫の藤田進はちょっと弱いかなと思いきや、声を荒げるシーンでいいなぁと思ったり。まぁでも最後の最後、弁慶じゃなく強力が六歩を踏むのが黒澤の遊び心。戦争末期に作ってGHQににらまれたのかな?製作から7年日の目を見なかったとは・・・。「羅生門」より前に観るべき作品なのかもです。 まさかずきゅーぶりっくさん [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-05-10 00:45:34)

16.《ネタバレ》 この話は知っていたので、特にこれと言うほどのものではありませんでした。戦後間もなく作られた作品だが、どういう意図があったのだろうか。表面的に観れば、臨機応変、忠誠心などがあるが、いまいちピンとこなかった。それとこの映画は字幕ありで観ることをお勧めする。 TOSHIさん [DVD(邦画)] 5点(2008-04-23 10:21:35)

15.源義経一行が山伏に扮して関所を越える、ただそれだけのお話。関所での弁慶と富樫のやり取りを除けば、特に大きな見せ場もないごく普通の作品かと。というかある意味一番印象的だったのはタイトルの下にある「1945年9月製作」の文字。製作に関わった人々は、いったいどんな思いでこの映画を作ったんでしょうね。 とかげ12号さん [DVD(邦画)] 5点(2008-04-05 11:41:52)

14.《ネタバレ》 安宅関と言えば義経をバシバシ叩かなければならない弁慶の痛切な忠義心と、それに感じ入り見逃してやる富樫の厚い人情の現代日本社会ではもはや廃れた?おっも~い想いの詰まったお話ですが、そこにエノケン!?一体全体どういうことかと思ったら最初からエノケン全開。ズンズン進む義経一行にたびたび笑い声で茶々入れてくる。なるほどこれはパロディなのだと思い、おそらくエノケンが下男の知恵や行動で気を利かせ、あるいは知らず知らずのうちに一行を助けてしまうのだなと思っていたのですが…。どうやらエノケンはただの道化だったみたいです。さすがのエノケンで登場すると空気が一変するのですが、どうも対照的な物語と巧い具合には溶け込めておらず明かに遺物混入状態です。弁慶と富樫の対峙シーンの緊張感や構図、義経の顔が初めてはっきり写るところなどは抜群だったのでエノケン抜き、ついでに歌で状況説明抜きの本格派勧進帳も見たかったですね。それから大河内傳次郎を弁慶にするならせめて家来に彼よりのがたいの良い人を配役しないで欲しかったなぁ。 ミスター・グレイさん [DVD(邦画)] 7点(2007-11-27 18:11:08)

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【点数情報】

Review人数 33人
平均点数 6.06点
013.03% line
100.00% line
200.00% line
326.06% line
426.06% line
5515.15% line
61030.30% line
7721.21% line
839.09% line
926.06% line
1013.03% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.50点 Review2人
2 ストーリー評価 8.00点 Review2人
3 鑑賞後の後味 8.00点 Review2人
4 音楽評価 8.00点 Review2人
5 感泣評価 9.00点 Review1人

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