みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
9.《ネタバレ》 アニエスヴァルタは女性監督なので、女性の側から見た人生の不安を描く。「冬の旅」では女性の野垂れ死にを、この映画では男の身勝手さへの怯えを描いている。当時は珍しく、女性側の視点は衝撃的だったろうと思う。自分の意見としては、この男は二人の女性を従えた王様みたいな気分になって、舞い上がっている馬鹿にしか思えない。このまま、ハッピーエンドで終わるはずがないのだが、この映画の言いたいことは、女性は怯えているというとこなので、このラストも致し方ないのかなぁと思う。 【トント】さん [DVD(字幕)] 7点(2017-11-27 11:10:37) 8.タイトルこそ「幸福」とあるけれどこれは人間の幸福について、男と女とでは考えが違うというようなものを見せられているようであり、そして、タイトルとは裏腹に何とも惨酷であり、男のエゴイズム、身勝手な部分というものを徹底的に見せ付けられているようで何とも怖い。この映画は女流監督であるからこその視点に立ち、男というものは一人の女性だけを愛すことなど出来ない勝手な生き物であるとさえ言われてるようです。モーツァルトの美しい音楽と何だかジャン・ルノワール監督の映画でも見ているようなほどの美しい映像がよりこの映画の惨酷さというものを際立たせている。 【青観】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-03-29 09:39:23) 7.《ネタバレ》 前半部分は、まさに“画に描いた様な幸せな家庭”を実写で見せている。 モーツァルトの調べにのってつむぎ出される暖かな映像は、観る者を夢見心地にさせる。 しかしながら、夫に愛人ができてからは雲行きが急変。 それに対する妻の対応は、まったく不満のかけらもみせない慎ましやかなものだったが、自殺という形で激しく抵抗してみせた。 ソフトな雰囲気を漂わせながらも、強い衝撃を与えてくる作品だった。 これが女性監督により撮られたというところに、価値を感じる。 男の独善的な愛を、隠喩めいたストーリーの内に表現し、批判してみせた。 アニエス・ヴァルダの、その痛烈なまでの見事な手腕に脱帽する他ない。 【にじばぶ】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-10-26 16:27:03)(良:1票) 6.《ネタバレ》 はっきり言って、この映画は映像だけを追っていても内容が理解できてしまうような気がする。勿論、最初から最後まで、会話も含めて全て観たが、心情を深く語る場面以外では視覚的な解釈だけでストーリーのほとんどが理解できる映画だと思う。ある意味、映画の到達点的な作品。 また、カッティングにおいても非常に斬新で、車が遮ったところでのカッティング、二人の身体のあらゆるタイプのショットを組み合わせたベッドシーン、フランソワがエミリーの部屋に行って出会った瞬間の交互の連続カット、ワンシーンが終わるごとにフィルムの色調を変えたりなど、意味がないようにも見えるが実験的で面白い。 ストーリーの方は、夫の浮気に焦点を置いたストーリーなのだが、映像や音楽の美しさも手伝って、ごくあっさりとした雰囲気で進行していく。しかし、フランソワが浮気するのを当たり前のように淡々と映していた映像も、真相を告白するシーン辺りから一気にサスペンス色を帯びてくる。 一見すると、この浮気な夫を非難しそうになるのだが、テレーズが亡くなってからエミリーと一緒に暮らすようになるまでの過程がしっかりと描かれているため、この監督は夫の一連の行為を容認しているような印象を受けた。 この映画の監督が女性であることを考えると、フランソワ一家の背中を暖かく見守ってあげなきゃ、という気になってくる。男の監督だったら、男の浮気を容認しろと言ってるように見えるケド(^_^) 【もっつぁれら】さん [映画館(字幕)] 7点(2007-01-02 16:53:24) 5.なんでも当事者って当事者だからこそって盲点があって。客観的に見れば空恐ろしいのが日常の幸せ。とても色調が綺麗で、美しい映画。残酷でどろどろしていて汚い話なのに不思議。モーツァルトもいいです、音の空しさ、悲しさ、そして美しさがこの映画に合致しています。 【Vanilla】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-12-23 06:57:45) 4.ラスト、一見幸福そうな家族の構図、この気味悪さ。そして映像は驚くほどに美しい。 【よし坊】さん [DVD(字幕)] 6点(2006-04-28 06:36:18) 3.日常の幸せにはこういう残酷さが潜んでいるんだなー。モーツァルトの音楽がエラく無機質に聞こえて、ますます血の気が引いた。 【mimi】さん 7点(2003-11-15 23:55:17) 2.これは昔一度見たきりですがとても印象に残ってる作品です。愛する妻子と幸せな家庭を営んでいた夫が浮気をする。いえ、浮気じゃなく本気で好きになるが、かといって妻もそれまでと同じように愛しているという。いつものように一家でピクニックに行き、男は妻にも正直に自分の気持ちを伝え妻もそれでいいといって取り乱す様子もない。安心した男が目を覚ますと事故なのか自殺なのか妻は湖で溺れ死んでいて、後に愛人は妻になる。男は妻に何の不満もなく満足していて幸福であるにもかかわらず違う女を好きになり、罪悪感も見せずどちらも本当に好きだという。この男心はまるで理解できなかったが今思えばそれ以上に妻の態度も不可解、、修羅場になりそうな三角関係なのにとても静かなのが不気味、なんだか恐いような作品です。 【キリコ】さん 8点(2003-08-29 17:29:12) 1.若旦那が奥さんと愛人の間をフラフラして、あーオレは幸せだナー、っていう、それだけの話なんですが。見終わって、つくづく「ヤなもん見ちゃったなー」とトラウマになる一本。一人の人間の存在が消えていく残酷さを、まざまざと見せつけられます。音楽は、モーツァルトのクラリネット五重奏曲や「アダージョとフーガ」が用いられてますが、木管アンサンブルに編曲されてて柔らかい響きになってます。ラストシーンだけ、「アダージョとフーガ」が原曲通り、弦楽で演奏されます。これがもう、効果的というより、恐すぎます。 【鱗歌】さん 10点(2003-05-10 00:34:22)
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