みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
3.イスラエル、パレスチナという言葉には禍々しいイメージを持っています。見たくない世界。そんな気持ちの中でも、序盤は映画に入りやすかったです。 暗喩に満ちた内容ではありましたが、この映画でのイスラエルのさまざまな【日常風景】には"笑い"が含まれていました。 普段あまり見ることの無いイスラエルの風景に新鮮さを感じると共に、静かで寂しい引き画の連続に美しさも感じていました。 中盤、監督が出てきた辺りから雰囲気が変わります。賑やかな音楽が多用され、徐々に表現が露骨になっていきます。ここでも尚、皮肉めいた乾いた笑いがありますが、私はこの辺りから全く笑えなくなっていました。 やはりそこは、イスラエルだったのです。監督の何かを押し殺すような、虚無感に襲われているような表情が、イスラエルやパレスチナ自治区の住民の気持ちを代弁しているようでした。 【エウロパ】さん [DVD(字幕)] 9点(2012-12-16 18:45:55) 2.《ネタバレ》 同じようなシーンの反復とそこに生じる微妙なズレを効果的に用いて、イスラエルに暮らすパレスチナ人たちの日常をユーモラスに描いた前半、突如として突飛な展開の飛躍が駆け巡る後半で構成されるこの映画ですが、本当に掴みどころがなく、はっきり言って訳がわかりません。 ただ、それは映画が訳がわからないのか、テーマとなっているパレスチナ問題が訳がわからないのか・・・考えさせられます。 日本で言えば北野武のシュールな空虚感の下で鈴木清順の自由奔放な表現を展開しているような、この監督のセンスは非常に興味深かったです。 【TM】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-10-22 10:15:22) 1.監督主演のエリア・スレイマンは、なんでもパレスチナのキートンと呼ばれている人だそうだけど、全体のトーンはフランス映画ふうで、いろいろ屈折していてやや分かりづらい。もちろんこちらの不勉強のせいが大きいのだが。前半の隣人のいざこざに、イスラエルという隣人の影を見せると同時に、パレスチナだって一枚岩ではないってことも含んでいるのかもしれない。とかくニュースでは常に集団で見られる存在だけど、当たり前のことだが、ときに反目したりするこういう個人個人で成り立っているわけだ。そんなところがけっこう新鮮。町のたたずまいにも、普通の暮らしをしている場としての生活感がある。集団で怒りの波となっているニュース映像の裏に、こういう“普段”があってこそ、その怒りの実質が分かってくるというものだ。忍者になったりと破天荒な展開の部分よりも、こういった記録映像的な部分でよかった。風船に検問所をなくしたい願いが託され、圧力鍋に沸騰寸前の気持ちが託される。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 6点(2008-02-29 12:19:33)
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